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リーダーに求められる役割は? 必要なスキルや要素と育成方法について解説

  • 公開日:2024/09/11
  • 更新日:2025/12/01

組織やチームを団結させ、先頭に立って動かしていく「リーダー」は、ビジネスの場においても欠かせない役割を担う存在です。本記事では、そんなリーダーの定義や役割、必要とされるスキルやマネジャーとの違いについて紹介します。

管理職、リーダー向けの研修をご検討の方は、管理職研修特集ページリーダー研修特集ページをご覧ください。

リーダーとは?

リーダーとは?

リーダーとは、集団を1つにまとめ、目的の達成に向けて導いていく人物のことです。組織のモチベーションや生産性の向上に影響を及ぼす重要なポジションである一方、その役割を十分に果たすためにはふさわしい資質=リーダーシップが求められます。
リーダーという言葉は「統率者」「先導者」といった意味を持ち、具体的には方向性やビジョンの立案・共有、メンバーへの具体的な指示などを担当する人間を指します。つまりビジネスシーンにおいては、会社の舵取りを担う経営者や管理職もリーダーにあたります。企業においてはチームリーダーや管理職ではない職場リーダーを、中堅リーダー層と位置付けることも多いです。

優れたリーダーシップを持つリーダーの存在は、メンバーの結束力を高め、一人ひとりが持つ力を最大限に引き出します。そのため、組織を運営するうえでは、リーダーシップに長けた人材をいかに育成するかが重要なポイントとなります。

リーダーシップの必要性

近年では、リーダーや管理職といった役割や肩書きの有無にかかわらず、一人ひとりにリーダーシップが求められる時代となっています。その背景には、ビジネス環境の変化が加速していることに加え、女性活躍の推進をはじめとするダイバーシティ(多様性)の広がりが挙げられます。
多様な人材を尊重し活用する取り組みは、新しい発想や人材発掘の機会を生み出す一方で、従来のように1人のリーダーが組織を束ねるだけでは対応が難しくなっています。単に多様な人が集まるだけでは、組織の方向性を見失い、生産性の低下につながる可能性もあるのです。

だからこそ、多様性を強みに変えるには、メンバーそれぞれが主体的にリーダーシップを発揮し、相互に力を掛け合わせていくことが重要です。そして同時に、個々の特性を理解し、それを引き出すリーダーの存在も欠かせません。
このような背景から、役職に関係なく多様な価値観を受け止め、状況に応じてリーダーシップを発揮できる人材が企業において強く求められています。

リーダーとマネジャーの違い

マネジャーが組織のなかでの役職を示す名称であるのに対して、リーダーは厳密にいうと役割を示しているため、「チームリーダー」「プロジェクトリーダー」などさまざまなポジションが存在します。組織によってはマネジャーとは別に組織のなかに「チームリーダー」の役割を果たすポジションを置いていることもありますし、マネジャーが組織のリーダーを兼ねている場合もあります。
何かしらの目的へと組織を導くリーダーシップが必要な部分は、マネジャーにもリーダーにも共通する要素です。
マネジャーは、組織としての確かな成果に向けて、人材やプロジェクトがうまく動くように管理するポジションです。マネージャーとは別にリーダーがいる場合、リーダーは、自らも現場に入って、組織を先導しながら成果を生み出していく役割を担います。
マネージャーもリーダーも同じく求められるリーダーシップについては、以下の記事でも詳しく解説しています。

マネージャーもリーダーも同じく求められるリーダーシップについては、以下の記事でも詳しく解説しています。

マネジメントとは? 意味や目的、方法、管理職に求められる4つの役割を解説

リーダーに求められる役割

リーダーは組織において、主に以下のような役割が求められます。

目標・目的の設定、達成計画の立案

目指すべきゴールが定まっていない、またはそれぞれのメンバーが異なる方向を見ているといった状態では、組織は動き出すことができません。業務を開始する際には、まずはリーダーが目標や目的を決定し、メンバーに向けて周知・共有する必要があります。
また、目標が決まった後は、いつまでに何をするのか、達成までの具体的な計画を立てて組織を導くこともリーダーの重要な役割です。リーダーが先頭に立って進むべき方向を明確に示すことで、メンバーは安心して業務に取り組めるようになります。

モチベーション向上

組織の生産性を高めるため、リーダーはメンバーのモチベーション向上にも積極的に取り組みます。例えば、組織に対しては業務への意欲を後押しする目標評価制度を導入し、成績が下がっているメンバーには声がけや業務遂行のサポートを通じて再起を促します。
加えて、リーダーには自らが率先して活躍することで、周囲のメンバーにとっての規範になるという役割もあります。前向きに粘り強く業務に臨むリーダーの姿を見せることは、組織全体の士気の上昇につながるでしょう。

メンバーの育成

目標達成に向けて業務に取り組むなかでは、並行してメンバーの育成を進めることも大切です。
特に、組織を構成するメンバーには一人ひとりに得意・不得意な分野があり、持っているスキルの内容や習熟度も異なります。
そのため、リーダーにはそれぞれのメンバーの特性を把握し、配慮しながら的確に育成を実施することが求められます。具体的には、教育・研修制度の整備のほか、場合によってはリーダー自らが指導を行います。

働きやすい環境づくり

リーダーには、チームメンバーが安心して力を発揮できるような環境を整える役割も求められます。
また、一人ひとりの状況に目を向け、特定の人に負担が偏ったり、不公平感が生まれたりしないように配慮する姿勢も欠かせません。誰もが快適に働けるチーム環境が整うことで、組織全体の生産性や成果の向上にもつながっていきます。

リーダーに必要なスキルや要素

リーダーに必要なスキルや要素

優れたリーダーとして活躍するためには、以下のような資質が求められます。

目標達成・計画立案力

チームが動くための目標や計画の内容は、メンバーのモチベーションや実際の生産性を大きく左右します。なかでも目標の立案においては、いきなり大きな目標だけを提示してしまうと、達成への道のりが遠く感じられ、進んでいる実感も得にくいでしょう。
メンバーの意欲を持続させるためには、大きな目標までの間により現実的な目標をいくつか設定し、1つずつ達成させていくといった方法が有効です。このようにリーダーには、メンバーが主体的に取り組めるような目標や計画を考える力、スケジュール管理力、プロジェクトマネジメント力が必要とされます。

洞察力・問題解決能力

目的を達成するまでの過程において、リーダーには複雑な状況下での行動や難しい課題の解決を迫られる場面が幾度となくあります。そこで求められるのが、状況を的確に把握する洞察力や、セオリーにとらわれない柔軟な問題解決能力です。
洞察力とは、単に多くの情報を収集するだけでなく、得られた情報を正しく分析する能力を指します。また、問題解決能力にはその場で解決方法を考える力に加え、前もって選択肢を複数用意し、不測の事態に備えるといった力も含まれます。

モチベーション管理能力

どれだけリーダー自身の業務遂行能力が高くとも、後に続くメンバーの意欲が低いままでは組織で目標を達成することはできません。メンバーの様子に絶えず気を配り、状況に応じて背中を押してやる気を出させることも、リーダーの重要な役割の1つです。
モチベーションを管理する主な方法としては、メンバーと目標を共有し達成に向けて一緒に取り組む姿勢、業務で困った時の相談対応やサポート、頑張りや成果を認めて声をかけるなどの働きかけなどが挙げられます。

決断力・責任感

判断の難しい状況や、メンバー間で意見の相違が発生した際には、リーダーがはっきりと方向性を示すことが重要です。リーダーが自信や責任感を持って決断を下すことで、メンバーも迷わずに落ち着いて自分の役割を果たすことができます。
さらに、目標達成に向けて動くなかでは、緊急事態への対応など、時として瞬時に判断を下さなければならない場面もあります。時間をかけて正しい答えを導き出すことも大切ではありますが、リーダーシップにおいては決断の迅速さも欠かせない要素です。

コミュニケーション能力

リーダーが決めた目標や計画を、メンバーに対して正しく伝えるためにはコミュニケーション能力が欠かせません。実際の業務を遂行するのは主にメンバーであるため、リーダーは一人ひとりの立場や気持ちに配慮しつつ、分かりやすく説明や指示を行う必要があります。
また、メンバーの意見や主張を的確にくみ取り、受け入れることも、チームを動かすうえでは大切なコミュニケーション能力の1つです。日頃から円滑に意思疎通を行うことは、人間関係を構築し、組織の団結力を高めることにもつながります。

リーダーシップ

リーダーシップとは、組織やチームを目標達成に導くために必要な力です。リーダーは、単に指示を出すだけではなく、メンバーを巻き込みながら行動を促す役割を担います。リーダーが示す姿勢や行動は、チーム全体の方向性や雰囲気を左右し、成果の質を大きく変える要素となります。
また、リーダーシップは生まれつきの資質ではなく、経験や学習を通じて育まれるものです。目標を明確に示しつつ、メンバーの意欲を高める工夫を重ねることで、チームに一体感が生まれ、困難な状況でも協力して前進できるようになります。

誠実性・公平性

誠実さと公平さは、リーダーが信頼を築くうえで欠かせない資質です。常に真摯な姿勢で行動し、誰に対しても平等に接するリーダーは、自然と周囲から厚い信頼を集めます。一方で、自分の担当範囲や立場だけを重視した判断は、チーム全体の最適解を見失う原因となりかねません。自分の持ち場の利益だけでなく、チーム全体にとって何が最良かを常に考え、時には自分の担当領域にとって不利でもチーム全体の成果を優先する判断を下す誠実性こそが、メンバーに安心感を与え、リーダーシップを発揮しやすい環境をつくり出します。

リーダーの育成方法

組織が長期的に発展していくためには、未来を担うリーダーの育成が欠かせません。以下では、そのようなリーダーを育てるための具体的な取り組みについて解説します。

リーダー像を明確にする

リーダーを育成する際には、組織が求めるリーダーの姿を具体的に描くことが大切です。組織のビジョンや経営戦略、直面している課題を踏まえたうえで、必要とされる能力や資質を定義します。
例えば、変革をリードする人物が必要な場合には、柔軟な発想力や事業視点、高いコミュニケーション力が重視されるでしょう。このように方向性に沿ったリーダー像を設定することが、育成の基盤となります。

リーダー育成計画を策定

リーダー像が定まった後は、それを実現するための育成計画を構築します。計画には、目的や対象者、期間、成果を測る基準などを盛り込むことが重要です。
また、計画は一度立てて終わりではなく、柔軟に見直しを行うことで継続的な効果が期待できます。

リーダー研修を実施する

育成計画をもとに、必要なスキルを体系的に学ぶリーダー研修を行います。研修プログラムには、課題解決力や対人コミュニケーション力など、幅広いテーマを含めることが望ましいです。
研修終了後には、参加者の行動や業務成果にどのような変化があったかを評価し、その結果を次の研修や計画改善に反映させます。こうした改善サイクルを繰り返すことで、持続的なリーダー育成体制を築けます。

まとめ

テレワークの導入や働き方改革など、ビジネスを取り巻く環境が変化を続ける現代において、組織を率いるリーダーの役割はますます重要なものとなっています。特にこれからの時代のリーダーには、一人ひとりのメンバーの「自分らしさ」を生かしつつ、自律的に組織を牽引していくスキルが求められます。下記の研修を通じて、早くから身につけておくことがよい結果につながるでしょう。

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