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モチベーションとは? 定義や仕事のモチベーションを上げる方法を解説
- 公開日:2014/04/18
- 更新日:2024/12/05
モチベーションとは
モチベーションは主に「動機づけ」「やる気」などと訳され、人が何らかの目標に向かって行動を起こす際の原動力となる意欲やきっかけを指します。ビジネスにおいては、従業員の仕事に対するモチベーションをいかに保つかが生産性や業務の質を大きく左右します。
モチベーションについての研究は1950年代に広く行われ、「マズローの欲求五段階説」といった理論は現代でも盛んに用いられています。本記事では、そんなモチベーションの特性を理解し、管理するうえで役立つ知識を紹介します。
仕事においてモチベーションが重要である理由
仕事へのモチベーションを高めることは、従業員や組織に以下のようなメリットをもたらします。
エンゲージメントが向上する
従業員の仕事へのモチベーションを高めることには、従業員の自社に対する愛着や信頼である「エンゲージメント」を向上させる効果もあります。
エンゲージメントが高い従業員は、自社の理念やビジョンを深く理解し、その実現に主体的に貢献しようとするため、企業目標の早期達成が見込めます。
離職率が低下する
モチベーションが高い状態にある従業員は、与えられた仕事に責任感を持ち、困難な状況でも粘り強く業務に臨むことができます。そのため、早期離職の可能性が低い傾向にあります。
こうした点から、モチベーションを高めることは従業員の定着による慢性的な人材不足の解消や、採用コストの削減などに効果を発揮します。
生産性が高まる
業務に対するモチベーションの向上は、従業員の集中力や創造性にもプラスの影響を与えます。その結果、より少ない時間やコストでより優れた結果を出すことができるようになります。
例えば、モチベーションの高い従業員はただ業務をこなすだけでなく業務の工夫・改善にも主体的に取り組むようになり、業務の効率や質の向上が期待できます。
モチベーションの種類
モチベーションはその内容に応じて、大きく2種類に分けることができます。
外発的動機
外発的動機とは、報酬や罰則といった外部からの働きかけによって生まれるモチベーションです。ビジネスにおいては、「給与をアップしたい」「より上の役職に就きたい」といった感情にもとづくモチベーションが外発的動機にあたります。
外発的動機は、例えば昇給や表彰といった社内制度を整え、従業員の努力・成果が正しく評価される環境を構築することで高められます。
内発的動機
モチベーションのなかには外的要因によって生じるもののほかに、「楽しいからやりたい」「納得するまでこだわりたい」といった本人の内面に自然に芽生えるものもあります。
こうしたモチベーションは内発的動機と呼ばれ、周囲の環境に依存しない動機である分、外発的動機と比較して少ないコストで長続きしやすい点が大きな特徴です。
仕事のモチベーションが下がる原因
モチベーションはビジネスにおいて重要な役割を果たしますが、以下のような要因によって低下してしまうこともあります。
目的や目標が定まっていない
モチベーションは何らかの目指すべき対象に向かって生まれるため、仕事をするうえでの目的や目標が定まっていない、意義を見出せない状況ではモチベーションは高まりません。
また、目的や目標があまりにも遠く、達成に向けた現実的な見通しが立てられないような場合でもモチベーションの維持は難しくなるでしょう。
視野が狭くなり仕事の意義を捉えられていない
仕事に取り組むなかで過度な負担やプレッシャーがかかったり、慣れなどによって業務が単なる作業と感じたりしてしまうと、視野が狭くなり仕事の意義を捉えられなくなってしまいます。その結果、やりがいも十分に感じられずモチベーションが低下してしまうのです。
給料や待遇に満足していない
十分な給料や待遇が与えられない状況では、従業員は「自分に見合った評価がされていない」という不信感を抱いてしまう可能性があります。
こうした労働条件や評価への不満はモチベーションの低下だけでなく、退職の直接的な理由になってしまう可能性もあるため早急に対応しましょう。
人間関係が上手くいっていない
価値観の不一致やコミュニケーション不足、ハラスメントなどにより、職場の人間関係が上手くいっていないことも業務に対するモチベーションの低下の要因となります。
従業員同士の不仲は、自らが当事者でない場合でも大きな心理的ストレスを生みます。そのため、誰もが安心して働ける環境づくりに、組織として取り組むことが大切です。
従業員のモチベーションを上げる方法
ここからは、企業が従業員のモチベーションを高める効果的な手法を紹介していきます。
定期的な面談を行う
業務のなかで発生するさまざまな悩みや不安は、従業員のモチベーション低下につながる大きな要因です。解消にあたっては定期的に面談の機会を設け、近況をヒアリングしてアドバイスを行うとよいでしょう。
さらに、面談は業務に関する目標を設定し、モチベーションをさらに向上させる機会としても活用できます。こうした面談は1on1と呼ばれる形式で行うことが効果的であり、その方法は以下の記事にて解説しています。
職場環境を整える
従業員が快適に働けるような職場環境を整えることも、組織全体のモチベーションを高める方法の1つです。清潔な明るいオフィスで、良好な人間関係の職場であれば、従業員間のコミュニケーションも活発になり、より前向きに仕事に取り組めるでしょう。
具体的な取り組みとしては、オフィスの空調や照明などの交換のほか、業務から離れてリラックスできる休憩スペースの設置なども生産性の向上につながります。
人事評価制度を見直す
日々の努力や成果が正当に評価されるような体制を構築することは、仕事へのやりがいだけでなく、収入やキャリアの向上という形でも従業員のモチベーションを後押しします。
なかでも、少し高い目標を設定する「OKR」や優秀な行動特性を基準として評価を行う「コンピテンシー評価」などは、モチベーションの向上につながる人事評価制度として実際に多くの企業で導入されています。
表彰制度をつくる
業務へのモチベーションを高めたい場合には、定期的な人事評価のほかに、優れた成果を上げた従業員や部署を個別に表彰するような機会を設けることも効果的です。
表彰にあたっては、社内報に受賞者のインタビューを掲載したり、表彰式を社内イベントとして盛大に実施したりすることで組織全体の活性化も見込めます。
希望や適性に合った業務を任せる
モチベーションのなかでも内発的動機を高めたい場合に有効なのが、従業員自らがやりたいと思う業務や、能力を生かせるような業務に配置するといった取り組みです。
従業員の希望や適性を人事に反映する手法としては、アンケートやヒアリングの実施のほか、社内公募制度や社内FA制度といった従業員が自ら希望する業務に立候補できるような制度の導入も有効です。
モチベーションに関する心理学の法則
モチベーションについて理解を深めるうえでは、以下のような心理学の法則も役立ちます。
マズローの欲求五段階説
心理学者マズローが唱えた欲求五段階説とは、人間の欲求は下から順に「生理的欲求」「安全や安定への欲求」「社会的欲求」「承認への欲求」「自己実現の欲求」の5段階で構成されており、低い段階の欲求が満たされることで、より上の欲求に意識が向けられるとする説です。
欲求五段階説からは、内発的動機に該当する自己実現欲求は最上位にあり、その喚起には外発的動機にあたる、より低い段階の欲求を満たす必要があることが分かります。
マクレガーのX理論とY理論
アメリカの経営学者マクレガーは、「人間は強制・命令されたことしか実行したがらない」とするX理論と、「人間は労働を通じた能力の発揮、自己実現を望んでいる」とするY理論の2つの理論を唱えました。
2つの理論は一見すると相反するものに思えますが、マズローの欲求五段階説にあてはめるとX理論は低い次元の欲求、Y理論は高い次元の欲求を表しており、いずれもモチベーションを高めるうえで役立つ考え方となっています。
ハーズバーグの二要因理論
アメリカの臨床心理学ハーズバーグの二要因理論は、人間のモチベーションは行動によって得られる「動機づけ要因」と、自らを取り巻く「衛生要因」という2つの要素に左右されるとする理論です。
特に、動機づけ要因はモチベーションの向上に、衛星要因はモチベーションの低下に影響を与えるとされており、この認識はモチベーション管理において重要なヒントとなります。
まとめ
仕事に対するモチベーションの向上・低下は決して従業員個人の問題ではなく、従業員を取り巻く職場環境も大きな要因となります。そのため、従業員のモチベーションを高く保つには、企業が率先してマネジメントに取り組むことが大切です。
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