連載・コラム
働く人の本音調査2024 第6回
あなたは自分の性格と、仕事との関係を把握していますか?
- 公開日:2025/03/13
- 更新日:2025/03/13

私たちリクルートマネジメントソリューションズは、60年以上にわたり人々の内面(性格、志向、価値観など)を測定してきた技術を生かし、働く皆さんの意識・特性を多角的に捉えるチャレンジをしています。これまでに以下の調査を実施してきましたが、今回は「働く人の本音調査2024」から、モチベーション・リソースのフィット数(志向・欲求の満たされ度合い)と、企業に成長を支援してもらいたいという希望や昇進意欲との関係性を見てみましょう。
【リクルートマネジメントソリューションズが実施した調査】
※本調査に関連して、働く皆さんが自身のモチベーション・リソースを簡易に診断するツールとして「働くみんなの性格タイプ診断」をリリースしました。短時間で診断できますので、ご自身のモチベーション・リソースが気になる方はこちらからぜひご利用ください!
働く皆さんのモチベーションの源泉を調べるにあたって、私たちは働くうえで重視するもの、実現したいと考えること(志向・欲求)を「統率・挑戦・創造・専門性・貢献・親和・安定・金銭・承認・注目」の10種類に分類しています(図表1)。本調査では、この10要素のうち、回答者ごとに重視度トップ3を算出し、現在の仕事内容とフィットしているかどうかを調べました。
※なお、モチベーション・リソースや分析内容についてより詳しく知りたい方は、こちらの記事をお読みください。
<図表1>10種類のモチベーション・リソース

※本項目は、弊社「SPI3 for Employees」の志向・仕事観のアセスメント項目を利用しています
- 目次
- 成長支援を希望する人ほど、モチベーションが高まりやすい仕事に従事している
- 昇進意欲が高い人ほど、モチベーションが高まりやすい仕事に従事している
- 自分の性格と仕事との関係を把握してみることをお薦めする
成長支援を希望する人ほど、モチベーションが高まりやすい仕事に従事している
まず、モチベーション・リソースと、企業に成長を支援してもらいたいという希望の関係性を見ていきます。図表2はモチベーション・リソースのフィット数と、成長支援希望との関係性を示しています。この結果から分かるのは、成長支援を希望している人ほど、本人のモチベーション・リソース上位3位が現在の仕事内容にフィットしているということです。成長支援は、研修の他にも、その人に合った仕事を割り当てたり、仕事の目的や意義を明確にして意味を見出す支援をしたりすることが考えられます。成長支援を希望している人ほど、成長に向けた仕事が割り当てられたり、周囲から仕事の意味付けが支援され、モチベーション・リソースと仕事とのフィットが高まる可能性があるのです。
<図表2>モチベーション・リソース上位3要素のフィット数と成長支援希望の関係性

昇進意欲が高い人ほど、モチベーションが高まりやすい仕事に従事している
次に図表3はモチベーション・リソースのフィット数と、昇進意欲との関係性を確認した結果です。この結果から分かるのは、昇進意欲が高い人ほど、本人のモチベーション・リソース上位3位が現在の仕事内容にフィットしているということです。昇進意欲が高く期待されている人には、その人に合った仕事が付与されて期待も伝えられることや、昇進意欲が高い人は自ら仕事の目的や意義を明確にして意味を見出すことなどが考えられます。
ここまでの結果を見ると、成長支援や昇進を希望する人は、その人のモチベーション・リソースにフィットした仕事が割り当てられたり、仕事の意味付けが行われたりする可能性があることが分かります。個人にとっては上司との面談や異動申告、人事や上司にとっては仕事のアサインや異動配置において、個人の志向・価値観なども考慮した方が仕事とのより良いマッチングになり、モチベーションが向上するかもしれません。
<図表3>モチベーション・リソース上位3要素のフィット数と昇進意欲の関係性

最後に、モチベーション・リソースのフィット数が、さまざまな意識とどのように相関しているのかを見てみましょう(図表4)。
※なお、相関係数は、±1.0が完全に相関している状態を、0が完全に相関していない状態を表しています。相関について詳しく知りたい方は、こちらの記事をお読みください。
<図表4>モチベーション・リソース上位3要素のフィット数と現在の会社・職場・仕事等に対する認知の関係性

※上記の値はいずれも統計的に有意
この結果から分かることは、モチベーション・リソースのフィット数が多い人は「今の仕事を通じて成長できている」などの仕事に関する項目との相関係数が他の項目に比べて相対的に強いだけでなく、「職場の目標や成果をメンバーとともに達成したいと思う」や「今の会社の社風(組織で共有されている価値観)は自分に合っていると思う」などの職場や会社に関する項目との相関係数も他の項目に比べて相対的に強いということです。
モチベーション・リソースは仕事の性質を示すものであるため、仕事に関する項目との相関係数が強いのは予想どおりの分析結果といえそうです。一方で職場や会社に関する項目との相関係数も強いことには、モチベーション・リソースが満たされるほど、職場の目標や成果をメンバーと達成する意欲や、職場のメンバーの仕事や相談ごとへの協力意欲、今の会社での勤続意欲なども高くなる可能性を示唆しています。
自分の性格と仕事との関係を把握してみることをお薦めする
個人と仕事の特徴およびそれらの関係性のなかで、自身が何を求めていて何が満たされていないのか、漠然としたモヤモヤを感じながら働いている人もいるでしょう。その際、今回取り上げたような自身のモチベーション・リソースを捉えてみることをお薦めします。もちろん、個人と仕事の特徴・関係性は千差万別なので、モチベーション・リソースだけで捉えきれないでしょう。ただ、1つの側面として捉えたうえで、自分の性格と仕事の関係への理解を深めていくことで、日常のうち長い時間を割く仕事から満足感を得られると、人生がより豊かになるのではないでしょうか。
本調査に出てきたモチベーション・リソースは、冒頭でご紹介した「働くみんなの性格タイプ診断」で知ることができます。短時間で診断できますので、ご自身のタイプが気になる方はこちらからぜひご利用ください!
<調査概要>

執筆者

技術開発統括部
データ活用推進グループ
シニアコンサルタント
森本 伊織
2014年入社。人事コンサルタントとして、人事制度改定および各種意識調査を実施。支援業界・領域は幅広く、特に製造業・金融業の人事制度改定を担当。2024年より現職。
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