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働く人の本音調査2024 第1回

「あなたはお金と機会と同僚、働くうえでどれが一番大事ですか?」

  • 公開日:2024/06/20
  • 更新日:2024/07/22
「あなたはお金と機会と同僚、働くうえでどれが一番大事ですか?」

私たちリクルートマネジメントソリューションズは、60年以上にわたり人々の内面(性格、志向、価値観など)を測定してきた技術を生かし、働く皆さんの意識・特性を多角的に捉えるチャレンジをしています。2023年の『一般社員の会社・職場・仕事に関する意識調査』(第1回第2回第3回)に続いて、今回は『働く人の本音調査2024』を実施し、働く人たちがマネジメントについてどのような希望をもち、マネジメントの実態をどのように捉えているか、などを広く質問しました。その調査結果を数回に分けて紹介します。第1回は、お金・機会・人間関係にまつわる分析です。あなたはお金と機会と同僚、働くうえでどれが一番大事ですか?

※本調査では、広く社会に本データを活用いただきたく、回答ローデータおよび各種属性別集計データなどをオープンデータとして開示しています。ご希望の方は、「お問い合わせ」よりお問い合わせください。【7月19日までの期間限定】~受付は終了いたしました~

50代でも年収に満足している人は3割未満
人事評価は機会よりも給料に反映してほしい人が多い
実は、人材マネジメントに対する希望と実態が合致しているかということ以上に重要なのは、人間関係かもしれない

50代でも年収に満足している人は3割未満

まず気になるのは、2024年の日本に「今の年収に満足している人」がどれだけいるのか、ということです。図表1は全体、図表2は50代の人たちに絞った回答結果です。年収にある程度満足している人(「あてはまる」「どちらかといえばあてはまる」と回答した人)は27.2%、年収が比較的高いと考えられる50代でも29.2%と3割未満に過ぎませんでした。『働く人の本音調査2024』ではほかにもさまざまな質問を投げかけましたが、年収の満足度に関しては肯定的な回答が全設問のなかでも最も少ない項目でした。年収に不満を抱いている人は少なくないのです。

<図表1>「あなたの今の仕事や会社に関する考えについてお聞きします。選択肢のなかから最も近いものを1つ選んでください。/今の年収に満足している」の回答結果

<図表2>「あなたの今の仕事や会社に関する考えについてお聞きします。選択肢のなかから最も近いものを1つ選んでください。/今の年収に満足している」の50代の人の回答結果

人事評価は機会よりも給料に反映してほしい人が多い

しかし、個人が企業から受け取る報酬は、給料だけではありません。希望する仕事を任せてもらえたり、異動希望が叶えられたりして、「仕事の機会」を得ることも報酬の一種です。給料に不満があっても、代わりに仕事上の機会を十分に得ていれば、問題ない場合もあります。そこで、給料と仕事の機会のどちらを重視する人が多いのか、そして、実態としては人事評価が給料と機会のどちらに反映されている場合が多いのかを知るために、図表3と図表4の質問をしました。

図表3を見ると、人事評価は機会よりも給料に反映してほしい人(「給料」「どちらかといえば給料」と回答した人)が75.0%と多数派であることが分かります。しかし、図表4を見ると、実態は、人事評価が給料により反映されている人(「給料」「どちらかといえば給料」と回答した人)が約半数の51.3%にとどまっています。つまり、希望と実態に乖離があり、人事評価を機会より給料に反映してほしいと望んでいる人が少なからずいるわけです。

<図表3>「あなたの仕事や働き方に関する考えについてお聞きします。AとBのどちらに近いか、選択肢の中から最も近いものを1つ選んでください。/あなたは、『A.給料(月給や賞与の増減)』と『B.仕事の機会(希望する仕事が任されたり、異動希望が叶うこと)』のどちらの方に、人事評価をより反映してほしいと思いますか」の回答結果

給料と仕事の機会の人事評価(希望)

<図表4>「あなたの会社に関してお聞きします。あなたが把握している範囲で、AとBのどちらに近いか、選択肢のなかから最も近いと思うものを1つ選んでください。/あなたの会社では、人事評価がより反映されているのは、『A.給料(月給や賞与の増減)』と『B.仕事の機会(希望する仕事が任されたり、異動希望が叶うこと)』のどちらですか」の回答結果

給料と仕事の機会の人事評価(現状)

そして、今回の分析では、希望と実態に乖離があると、社員のワーク・エンゲージメントが低く出る傾向にあることが確認できました。図表5は、図表3と図表4のようにAB形式で聞いた人材マネジメントの希望と実態に関して、それらが合致している群と乖離している群のワーク・エンゲージメントスコアの平均値の違いを示したデータです。給料と仕事の機会だけでなく、ほかの質問項目でも、合致群の方が乖離群よりも統計的に有意に高くなりました。当然のことと思われるかもしれませんが、希望と実態が合致している社員の方が、ワーク・エンゲージメントが高い傾向があるのです。すなわち、人事評価を機会よりも給料に反映する会社の方が、ワーク・エンゲージメントが高い従業員の割合が大きいものと思われます(なお、エンゲージメントという言葉は、世のなかではさまざまな文脈で使われる言葉ですが、今回の調査においては、「ワーク・エンゲージメント」≒「一人ひとりが、仕事の意義を理解し、日々の仕事にやりがいや成長・貢献実感をもって働いていること」と定義しています)。

<図表5>人材マネジメントの希望と実態の合致/乖離によるワーク・エンゲージメントスコアの平均値の違い

※それぞれの設問の詳細に興味を持ってくださった方は、是非オープンデータをお問い合わせいただき、個別にご確認ください

人材マネジメントの希望と実態の合致/乖離によるワーク・エンゲージメントスコアの平均値の違い

以上のデータを見て、「今回の回答者たちが金銭重視に偏っているから、こんな分析結果になったのではないか」と思われる方もいるかもしれませんが、そうではありません。図表6は、回答者一人ひとりの回答を分析して、10種類のモチベーション・リソースのうちの上位3位までを割り出し、その割合を集計したデータです。金銭(38.6%)よりも、安定(46.4%)や統率(41.9%)や、注目(40.3%)の方が高い数値になっています。つまり、今回の回答者は、金銭以上に、安心できる職場や落ち着いた環境(=安定)、人を動かせる立場や権限・裁量(=統率)、賞賛を浴びることや目立つ仕事(=注目)などにモチベーションを掻き立てられる人が多いのです。

それにもかかわらず、年収に満足している人が3割未満で、人事評価を機会より給料に反映してほしいと望む人が多いのですから、回答者の給料に対する不満は根強いものだと考えられます。さらに、今回の回答者がとりたてて金銭を重視している人たちというわけではないことを踏まえると、給料に対する不満は多くの日本のビジネスパーソンが抱えているものと考えられるのではないでしょうか(なお、モチベーション・リソースについてより詳しく知りたい方は、こちらの記事をお読みください)。

<図表6>モチベーション・リソースにおいて、それぞれの項目が上位3位までに入っている人の割合

モチベーション・リソースにおいて、それぞれの項目が上位3位までに入っている人の割合

実は、人材マネジメントに対する希望と実態が合致しているかということ以上に重要なのは、人間関係かもしれない

もう1つ、本調査からは「人間関係とワーク・エンゲージメントの関係性」も見えてきました。実は、給料や機会などの人材マネジメント以上に、人間関係が日々の仕事のやりがいや成長・貢献実感に影響している可能性があるのです。

図表7は、人間関係に関する項目を肯定した群(「あてはまる」「どちらかといえばあてはまる」と回答した人)と否定した群(「あてはまらない」「どちらかといえばあてはまらない」と回答した人)のワーク・エンゲージメントスコアの平均値の違いを示したデータです。どちらも、図表5以上に大きな差になっていることが一目瞭然です。この図表の意味を簡単に説明すると、今の会社に、仕事とは関係のない共通の話題・趣味のことで一緒に盛り上がれる上司・同僚がいる人、キャリアについて何でも相談できる上司・同僚がいる人は、そうでない人よりも、ワーク・エンゲージメントスコアが明確に高いのです。

<図表7>上司・同僚に関する項目の肯定/否定によるワーク・エンゲージメントスコアの平均値の違い

上司・同僚に関する項目の肯定/否定によるワーク・エンゲージメントスコアの平均値の違い

給料や機会は人事制度や組織構造に関わることですから、一般社員はもとより、経営層や人事の皆さんも改善するのは簡単ではないでしょう。しかし、職場の人間関係なら、現場の管理職やメンバーであっても主体的に改善していけるはずです。例えば、管理職の皆さんは、1on1で部下のキャリア相談に乗ったり、部下と共通の話題や趣味で盛り上がったりするだけで、部下の日々の仕事のやりがいや成長・貢献実感を高められる可能性があるのです。

今回の調査では回答者の給料への不満が少なくないことが明らかになりました。ただ給料や機会は人事制度や組織構造に関わるため、改善するのは容易ではないことが考えられます。一方で、それらに対する希望が叶っているかということだけがワーク・エンゲージメントを左右するわけではなく、上司・同僚などの人間関係なども、働く個人の日々の仕事のやりがいや成長・貢献実感に大きく影響するといったことがわかりました。職場の人間関係であれば、経営層や人事の方ではない、現場の管理職やメンバーであっても、主体的に働きかけを行うことができるのではないでしょうか。一人ひとりが、職場の士気を高める行動をとることは十分に可能なのです。

調査概要

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