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中小企業はどのように組織づくりをしていけばよいのか?

第6回 Leading Player編 ~中堅社員(リーダークラス)の特徴と期待される役割~

  • 公開日:2025/03/31
  • 更新日:2025/03/31
第6回 Leading Player編 ~中堅社員(リーダークラス)の特徴と期待される役割~

本連載では、「中小企業の組織づくり」をテーマに、組織における階層別育成の考え方をご紹介しています。
第1回では、組織階層の変遷、昨今のフラット化からの揺り戻しで求められる階層別期待役割について取り上げました。社会人が入社してから社長になるまでに10のステージ(階層)があり、それぞれのステージで期待されている役割、期待された役割を全うするために必要なスキル、経験などをまとめた「トランジション・デザイン・モデル」についてご紹介しました。

トランジション・デザイン・モデル

第6回は、中堅社員のなかでもリーダークラスとして期待されるステージについて、役割や求められること、実践へのつなげ方のヒントをお伝えします。

本シリーズ記事一覧
中小企業はどのように組織づくりをしていけばよいのか?
第6回 Leading Player編 ~中堅社員(リーダークラス)の特徴と期待される役割~
中小企業はどのように組織づくりをしていけばよいのか?
第5回 Main Player編 ~転換キーワードは周囲への影響力~
中小企業はどのように組織づくりをしていけばよいのか?
第4回 Main Player編 ~中堅社員の特徴と期待される役割~
中小企業はどのように組織づくりをしていけばよいのか?
第3回 Starter編 ~新人の伸ばし方とは~
中小企業はどのように組織づくりをしていけばよいのか?
第2回 Starter編 ~新人の特徴と期待される役割~
中小企業はどのように組織づくりをしていけばよいのか?
第1回 上下関係のある組織とフラットな組織
(1)中堅社員(リーダークラス)の特徴とは
(2)期待役割とは
(3)ケーススタディ~こんなことは起きていませんか?~

(1)中堅社員(リーダークラス)の特徴とは

第4回でもご紹介したように、「中堅社員」の層の特徴として、対象となる社員の幅が大変広いことが挙げられます。弊社トランジション・デザイン・モデルにおいては、「Player=プレイヤー」「Main Player=メインプレイヤー」「Leading Player=リーディングプレイヤー」の3つのステージに区分、定義されています。

Player=プレイヤー」
新人から中堅社員になりたての方、入社2~4年目を目安としてよいでしょう。
Starterステージで身につけた社会人の基本を土台とし、担当業務を持って仕事の仕方を習得するステージです。

Main Player=メインプレイヤー」
Playerで一定の経験を積み、いよいよ周囲からは一人前としてみられ、難度の高い仕事においても安定して成果をだすために、力をつけるステージです。

Leading Player=リーディングプレイヤー」
業績などで大きな成果を上げ組織に貢献することはもちろん、マネジャーの組織づくりの補佐なども行い、次のマネジャー候補として目されるような人材です。

今回は、中堅社員のステージにおいて上位層にあたる「Leading Player=リーディングプレイヤー」に焦点を合わせていきたいと思います。

(2)期待役割とは

Leading Player=リーディングプレイヤー」の皆さんに対して、どのような期待や役割があり、どのようなことが求められるのかみていきたいと思います。
弊社トランジション・デザイン・モデルでは、「Leading Player=リーディングプレイヤー」の期待役割を以下のようにまとめています。

リーディングプレイヤーの期待役割

第4回および第5回では1つ下のステージ、「Main Player=メインプレイヤー」についてご説明しました。

「Main Player=メインプレイヤー」の期待役割は「“一人前”として自分で業績をつくる、一定の専門性を発揮する、経験が浅いメンバーの相談にのる」などでしたが、「Leading Player=リーディングプレイヤー」になると、業績を牽引する高い専門性を持っていることはもちろん、上司の意図を組んでメンバーに浸透させたり、メンバーの力が高まるよう関わったりすることが求められます。つまり、一部、部下マネジメントのようなことを担うことが求められるようになってきます。

「Leading Player=リーディングプレイヤー」は、メンバーのなかで組織影響力が最も高くなることが特徴です。このステージのメンバーが活き活きと働いてくれると、その組織に良いムードが生まれますが、期待通りの活躍とならない場合、チームワークが悪くなり、ひいては業績に悪影響を及ぼすことさえあります。

このステージのメンバーに活躍してもらうためには、周囲はどのように関わるのがよいのでしょうか。ケースをもとに考えてみましょう。

(3)ケーススタディ~こんなことは起きていませんか?~

今回も、ケーススタディを2つご用意しました。皆さんの周りにこのような中堅社員(「Leading Player=リーディングプレイヤー」)はいないでしょうか。またそんな中堅社員がいた場合、上司として、どのように関わるのがよいか、考えてみましょう。

ケース①

直属上司Aさんに、中堅社員(リーディングプレイヤー)Bさんに対する印象をききました。

中堅社員Bさんは、リーディングプレイヤーとして業績を圧倒的に牽引してくれている存在。今期課として目標の120%の売上を達成することができたが、これはひとえにBさんが業績をつくってくれたおかげといえ、業績という側面において非常に感謝している。
その一方で、目標が達成できているのでまあいいかと思いつつ、Bさんの行動について気になっていることがある。
実は先日、後輩のCさんが、Bさんに「業績のつくり方を教えてほしい」と依頼したようなのだが、Bさんから「私は自分でたくさん失敗し、つらい思いや経験を乗り越えて、今の業績をつくれるようになった。あなたも経験を積めば売れるようになる。それに、後輩といってもライバルだし、そう簡単にノウハウは教えられない」と言われたようだ。
Bさんはいつも営業先に直行・直帰してしまうため、実際どのように営業しているのか、直属の上司である私もよく分からない。私としてはBさんの他にも業績を牽引するメンバーが増え、営業1課全体で営業力がつくといいなと思っているが……。

ケース①

ケース②

直属上司Dさんに中堅社員(リーディングプレイヤー)Eさんに対する印象をききました。

Eさんは私の右腕として存在感を発揮してくれており、課の運営にも協力的で、大変助かっている。課の運営や業績づくりについても積極的にアイディアを出すだけではなく、周囲のこともよくみて、細かな仕事まで巻き取ってくれることもあり、ありがたい存在だなと感じている。
一方で、Eさんの行動について気になっていることがある。
Eさんにはプロジェクトを任せており、企画ミーティングの前に「後輩Fさんはメインプレイヤーなので、企画案づくりもどんどんFさんに任せて主体的にやらせてみてほしい」と依頼していた。後輩との関係も良好で安心していたが、先日後輩FさんにそれとなくEさんのことをきいてみたところ、こんな返答があった。
「Eさんは本当に頼れる先輩。先日の企画ミーティングの際、Eさんが事前にアイディアをまとめて持ってきてくれたため、ミーティングが短時間でスムーズに進んだ。私はEさんの案についていこうと思っている」
プロジェクトは前に進んでいるようだが、私の期待とは少し違うなと感じている。

ケース②

次回は、このケースの対応策について一緒に考えてみたいと思います。
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営業統括部
マーケティング営業部 3グループ
シニアソリューションプランナー

佐藤 修美

2007年リクルートマネジメントソリューションズ入社。以来、一貫して中小・中堅企業様を対象としたセクションに在籍、営業、営業マネージャー、北海道支社長を務める。人事制度構築、風土変革、マネジメント変革、オンボーディング、営業力強化、ダイバーシティ…など人材育成、組織づくりにまつわる、中小企業特有の悩みに幅広く対応してきた。担当した企業は延べ1,000社に上る。セミナーの企画運営・講師担当。

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