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連載・コラム

人事になったら知っておきたい10のこと 第2回

「マネジャーになったことがなくても、管理職研修の企画はできますか?」

  • 公開日:2020/01/27
  • 更新日:2024/04/04
「マネジャーになったことがなくても、管理職研修の企画はできますか?」

初めて人事になったとき何から学べばよいか、どのように情報収集をすればよいか、人事に異動された方からよくご相談をいただきます。
人事は、経営の中心的業務として重要な役割を担っています。変化の激しい世のなかの動きと連動しながらも、自社の事業や戦略に合った企画を打ち出していく必要があります。そのため、「年々忙しくなっている」という声もお聞きします。

そこで本連載では、人事のなかでも、人事企画・人材開発のみなさまのお役に立ちそうなテーマを回ごとに取りあげ、ストーリー仕立てで紹介していきます。架空のキャラクターである新米人事担当の北山さんが、悩みながらも一つひとつのお題に取り組み、それに対してベテラン人事であるフクロウ先輩が解説していきます。

前回は、フクロウ先輩からのアドバイスのもと、研修を企画する基本的なステップを学んだ北山さん。今回のフクロウ先輩は、マネジャー育成について解説してくれるようです。

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登場人物のプロフィール
プロローグ 「マネジメントについて学んでみない?」
第1章 「いいマネジャーとは?」マネジャーに期待されていること
第2章 マネジャーになったら……マネジメントへの適応状況
第3章 マネジャー育成のポイント
エピローグ 自分が経験していないと企画ができないというのは思い込みだった
あとがき

登場人物のプロフィール

登場人物のプロフィール1

北山ともこさん
設立10年、社員300名のIT企業に勤務する、新卒入社3年目の社員。2年間は営業に所属していたが、1カ月前、関心のあった人事部へ異動したばかり。営業ではベンチャー企業を数多く担当し、持ち前の行動力で顧客からの信頼も厚かった。
趣味はカフェ巡りとアクセサリー作り。

登場人物のプロフィール2

フクロウ先輩
同社、人事10年目のベテラン社員。人事企画や社員育成のほか、組織活性などの職務も経験。特に新人育成に力を入れており、最近配属された北山さんのことも気にかけている。
なぜフクロウの姿をしているかは社長と人事部長以外知らない。

プロローグ 「マネジメントについて学んでみない?」

北山さんが働くオフィスの近くでは、新しいカフェが続々とオープンしている。カフェ巡りが趣味の北山さんは、今日もランチタイムに新しいカフェを見つけた。

カランコロン――「いらっしゃいませー」

北山さん「あれ……? フクロウ先輩?」

フクロウ先輩「北山さん! 奇遇だね」

北山さん「お隣いいですか? ここのガパオライス、おいしいって評判ですよね」

フクロウ先輩「うん、とてもおいしいね! そういえば、営業部の栗田マネジャーが北山さんは元気かな?って気にしていたよ」

北山さん「栗田さん、マネジャーに昇進してから忙しそうで会えていなかったんです。私が営業部にいたころは、私の育成担当をしてくれていたんですよ」

フクロウ先輩「今年マネジャーに昇進したメンバーのなかでも特に忙しそうだね」

北山さん「栗田さんのためにも、何かできることないかなあ」

フクロウ先輩「北山さん、僕の担当している新任マネジャー研修の補佐をしてくれるんだったね?」

北山さん「マネジャーになったことがなくても、管理職研修の企画ってできるのでしょうか?」

フクロウ先輩「よかったら、マネジメントについて学んでみない? 答えはその後だね」

第1章 「いいマネジャーとは?」マネジャーに期待されていること

フクロウ先輩「北山さんが思う、いいマネジャーってどんな人だろう?」

北山さん「例えば、マーケットの状況を把握してしっかり方針を出してくれる、業務に対して誰よりも把握している、私のキャリアについて一緒に考えてくれる……挙げたらきりがありません」

フクロウ先輩「なるほど。では、よくないマネジャーのイメージはあるかな?」

北山さん「実は私、いつも忙しそうにしているマネジャーは苦手です。なかなか質問ができず、質問した頃には指示が変わっていて困ることもありました」

フクロウ先輩「では、マネジャーへの期待について調査結果を見てみよう」

フクロウ先輩の解説

企業の「マネジャーへの期待と変化」

近年、「マネジャーは、広い視野でものごとを捉え、その上で、上位者に対して自らの意思・戦略を明確に出せる存在であってほしい」と考える経営陣・人事が増えている。

企業の「マネジャーへの期待の変化」

詳細は、「今、なぜマネジャーはシンドイのか?――「管理職を取り巻く3つの変化」を乗り越える方法」をご覧ください

第1章 「いいマネジャーとは?」マネジャーに期待されていること

北山さん「正解がない世のなかだからこそ、あらかじめ決められた目標に向かって行動するのではなく、マネジャー自らが戦略を明確に出すことが求められているということでしょうか」

フクロウ先輩「そうだね。ただ、会社の状況や組織の目的によっては、マネジャーに求められることも違ってくるよ」

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第2章 マネジャーになったら……マネジメントへの適応状況

北山さん「フクロウ先輩、私たちの会社でも営業部では担当エリアの営業戦略づくりに加え、部下の育成が重要課題になっています。ただ、営業部の栗田マネジャーは自分でも案件を抱えていて、忙しそうです」

フクロウ先輩「そうだね。なかなか部下育成に時間を割くのが難しいだろうね」

北山さん「栗田マネジャーの担当している案件も、全社が注目するような大きいプロジェクトですから」

フクロウ先輩「マネジャーは本来、部下を通して仕事の成果を上げることが求められる。ただ、自分がプレイヤーとしても業務を遂行することがあるね」

北山さん「プレイングマネジャーですね!」

フクロウ先輩「そう! ただ、プレイヤー業務を持っていてもマネジャーの役割はプレイヤーとは違うから、意識転換に苦労することがあるんだ。ここでは、マネジメントへの適応状況について考えてみよう」

フクロウ先輩の解説

マネジメントへの適応状況

管理職の適応状況を把握するため、部下をもつ課長相当の管理職369名を対象に調査を実施したところ、「今振り返ると、管理職に就任後の新しい環境への適応は、どの程度うまくいったと思いますか」という質問に対して、「適応が(どちらかといえば/まったく)うまくいかなかった」と答えた人が、20.1%いた。このことから、新任マネジャーの5人に1人は、マネジャーに適応できていないことがうかがえる。

マネジメントへの適応状況

また、「管理職(課長)の仕事が分かるまでの期間」は、半年未満が40.5%、1年未満が64.6%、2年未満が80.6%となっている。就任早々に適応できるわけではなく、マネジャーになって数カ月ほどは、初めて直面する問題へ対処しながら壁を乗り越えていくようだ。

管理職(課長)の仕事がわかるまでの期間

詳細は、「マネジメント人材育成ブック【2】経験から学ぶ(経験学習論・経験デザイン研究)修羅場を経験してからしっかり内省すれば一皮むける」をご覧ください

第2章 マネジャーになったら……マネジメントへの適応状況

第3章 マネジャー育成のポイント

北山さん「人材開発として、マネジャーにまずサポートすべきなのは、いかにマネジャーという仕事に早く適応してもらうか、という点を考えることにありますね」

フクロウ先輩「そう。僕もマネジャーの経験はあるけど、ビジネス環境、部下の特性や働き方、テクノロジー、コンプライアンス意識……など、さまざまな状況が変わってきているから、自分自身の経験だけで”今の時代の自社の管理職”に合った研修の企画をすることは難しいんだよね」

北山さん「背中を見て育つ時代は終わった、ってよく聞きます」

フクロウ先輩「直属の上司であっても、自分の経験だけで新任マネジャーを育てることはできないからね。どの会社でも抱えている人事課題なんだよ」

北山さん「だからこそ、人材開発が新任マネジャー研修を企画することが重要ですね」

第3章 マネジャー育成のポイント

フクロウ先輩「実は、昨年度までの新任マネジャー研修は座学ばかりだったんだ」

北山さん「新任マネジャーには伝えたいことが多いですよね。労務管理や評価制度のガイダンスも必要ですし、あとは、コンプライアンスや財務・会計、ダイバーシティ……」

フクロウ先輩「一番はマネジメントとは何か?を知り、自分の組織をどうつくるかを考えることだね。事業や組織を成長させるには、マネジャーの役割が大きいと気づいた。だから、新任マネジャーがマネジメント業務に適応しやすくするために、経験学習の理論を用いて研修を企画することにしたよ」

北山さん「だから、フォロー研修もあるんですね」

フクロウ先輩「そう。自分一人で実践し続けるのは、忙しいマネジャーにとっては非常に難しい。マネジャーになって1カ月後の研修では、マネジャーにどんな役割を求めているか、演習を通して理解してもらう。3カ月の実践期間を経て、フォロー研修を実施しているよ」

フクロウ先輩の解説

今の時代に合ったマネジャーの学び方

自分自身の仕事の経験から上手に学べるかどうかが、ビジネスパーソンの成長を大きく左右する。経験学習論で第一に押さえたいのは、組織行動学者のデービッド・コルブが生み出した「コルブの経験学習サイクル」。
「経験」(具体的な経験をした上で)→「省察」(しっかりと内省をして)→「概念化」(内省から得た教訓や気づきを、異なる状況でも応用できる独自の理論に仕上げ)→「実践」(その理論を新たな経験で試す)の4段階のサイクルで、これを回すことで経験学習が加速していくという理論である。

コルブの経験学習サイクル

詳細は、「マネジメント人材育成ブック【2】経験から学ぶ(経験学習論・経験デザイン研究)修羅場を経験してからしっかり内省すれば一皮むける」をご覧ください

第3章 マネジャー育成のポイント

エピローグ 自分が経験していないと企画ができないというのは思い込みだった

フクロウ先輩「マネジャーになったことがなくても管理職研修の企画はできそうかな?」

北山さん「はい! もっと学ぶ必要はありますが、自分が経験していないと企画はできないと思い込んでいました」

フクロウ先輩「そうだね。僕は、北山さんに将来マネジャーになってもらいたいと思っているよ。北山さんって後輩育成、すきでしょ?」

北山さん「え!? 何で知っているんですか?」

フクロウ先輩「これでもマネジャー経験者だからね。後輩のことはよく見ているものさ」

北山さん「フクロウ先輩! 実はこれからのキャリアについて考え始めたので、今度、新しくオープンしたカフェでランチしませんか?」

フクロウ先輩のステップアップ情報

「管理職意向の変化に関する実態調査 管理職になりたくなかった人でも得られる管理職の醍醐味」はこちら

エピローグ 自分が経験していないと企画ができないというのは思い込みだった
人事担当者向け研修ラインアップ

あとがき

人事関連の情報収集ツールはさまざまです。書籍や雑誌、WEBなどの各メディアでは、人事業務の知識から最新のトレンドまで情報が日々アップデートされています。

管理職のマネジメント力の強化については下記でもご紹介しています。
管理職のマネジメント力の強化
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