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THEME 中堅/リーダー

連載・コラム人事になったら知っておきたい10のこと 第4回

「中堅社員の役割と育成のポイントを教えてください」

初めて人事になったとき何から学べばよいか、どのように情報収集をすればよいか、人事に異動された方からよくご相談をいただきます。
人事は、経営の中心的業務として重要な役割を担っています。変化の激しい世のなかの動きと連動しながらも、自社の事業や戦略に合った企画を打ち出していく必要があります。そのため、「年々忙しくなっている」という声もお聞きします。

そこで本連載では、人事のなかでも、人事企画・人材開発のみなさまのお役に立ちそうなテーマを回ごとに取りあげ、ストーリー仕立てで紹介していきます。架空のキャラクターである新米人事担当の北山さんが、悩みながらも一つひとつのお題に取り組み、それに対してベテラン人事であるフクロウ先輩が解説していきます。

前回は、フクロウ先輩から新人育成について学んだ北山さん。今回は中堅社員が置かれている現状や育成方法について考えます。


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登場人物のプロフィール

北山ともこさん

北山ともこさん
設立10年、社員300名のIT企業に勤務する、新卒入社3年目の社員。2年間は営業に所属していたが、1カ月前、関心のあった人事部へ異動したばかり。営業ではベンチャー企業を数多く担当し、持ち前の行動力で顧客からの信頼も厚かった。
趣味はカフェ巡りとアクセサリー作り。

フクロウ先輩

フクロウ先輩
同社、人事10年目のベテラン社員。人事企画や社員育成のほか、組織活性などの職務も経験。特に新人育成に力を入れており、最近配属された北山さんのことも気にかけている。
なぜフクロウの姿をしているかは社長と人事部長以外知らない。

プロローグ
「若手の頃とは違う悩みが出てきました……」

北山さん「フクロウ先輩、これゴールデンウィークのお土産です」

フクロウ先輩「お、ありがとう! どこに行ってきたの?」

北山さん「金沢です! 美味しい食事に素敵な景色、あと、九谷焼のアクセサリー作りを体験してきました!」

フクロウ先輩「それは楽しそうだね」

北山さん「同期や先輩と行ってきたのですが、話題の中心は仕事の悩みでした。私たちも入社3年目になったので、新人の頃とは違う悩みが出てきたからでしょうか」

フクロウ先輩「へえ〜例えばどんな話になったの?」」

北山さん「そうですね……新人といえる時期が過ぎて、このまま同じように仕事を続けていて自分は大丈夫なのだろうか、とか。他の会社で働いている学生時代の友人と会ったりすると、もっとできることを増やした方がいいのではないか、とか。市場価値や転職という言葉も出てきました」

フクロウ先輩「そうなのかい!? でも驚くことではないかもしれないね」

北山さん「先日、何名かの事業部長とお話ししたのですが、中堅層についての話題がよく出てきました」

フクロウ先輩「そうだね、人材開発会議でも中堅社員の育成については重点テーマになっているよ」

北山さん「でもフクロウ先輩、中堅社員って幅が広いですよね。一括りにはできないのではないでしょうか」

フクロウ先輩「とてもよい観点だね。では、中堅社員について考えてみようか」

第1章
中堅社員の正体とは

フクロウ先輩「北山さんは、中堅社員って入社何年目ぐらいだと思う?」

北山さん「うーん……私の会社だと入社3年目から10年目ぐらいでしょうか……中途入社の方々も多い世代です」

フクロウ先輩「では、組織のなかでどんな役割があるか考えてみよう!」

ビジネスパーソンの役割 10のステージリクルートマネジメントソリューションズでは、企業が持続的に成長するため、組織を構成する「人」に求められる役割を、10の役割ステージとして分類した。
等級や役職は各社によって異なるが、中堅社員はMain Player(一人前)からLeading Player(主力)に該当する。
例えば、Leading Player(主力)は、「継続的に高い個人業績をあげつつ周囲に目を配り、チームとしての業績達成を主導する」ステージ。自身の担当業務で忙しくても、一方でメンバーを育て動かしながら、チームとしての成果をあげることが求められる。

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北山さん「私は任された仕事を一つひとつやりきりながら、力を高める『ひとり立ち:Player』のステージです。5年目の先輩は企画を一任されているので、創意工夫を凝らしながら、自らの目標を達成する『一人前:Main Player』のステージですね」

フクロウ先輩「事業部長たちは、中堅社員のなかでも、組織業績と周囲のメンバーを牽引する『主力: Leading Player』の課題を感じているようだったよ。現状を整理してみよう」

北山さん「中堅社員には、組織のなかで影響力を発揮してほしいという意見が大半を占めていました。しかし、それどころかむしろ離職が多く、モチベーションの低下を懸念する声もありました。」

フクロウ先輩「組織のなかで影響力を発揮する、とは中堅社員が何をすることなのだろうか?」

北山さん「うーん……きっと求められているのは、業務で高い成果を出すことや、上司の補佐をしてチームメンバーを引っ張っていくこと……でしょうか」

第2章
中堅社員の役割を考える

中堅社員の役割一般的に、中堅社員に求められる役割は多岐にわたり、企業によってもさまざま。それは、中堅社員の年齢層が20代から50代までと幅広く、さらに雇用形態も正社員、エキスパート職、地域限定職などが混在することが多いためです。
しかし、どのような組織でも、ある程度共通して求められる役割がある。それは、個人の担当職務を遂行すると同時に、周囲に積極的に働きかけることだ。組織の目標・方針を理解して上司を補佐したり、後輩を指導したり、職場全体のチームワークや風土づくりに貢献したりといった、職場の中核としての影響力の発揮が求められている。

北山さん「実際は自分の担当職務に集中していることが多く、ここまで広範囲に目を向けるのは難しいかもしれません」

フクロウ先輩「チームに後輩がいない、リーダーなどのポジションが明確には与えられないなど、組織内での役割を認識しにくい状況に置かれていることも多く、意識は向きにくいね」

北山さん「難しいですね……」

フクロウ先輩「そう。中堅社員は育成するのが一番難しい階層といっても過言ではないよ。対象が広すぎて課題を整理しにくいうえ、会社によっては組織の在り方や人事制度も関連してくるしね。人事の意識調査をみてみよう」

将来のマネジメントの弱体化を招く「中堅社員の小粒化」多くの企業で「中堅社員の小粒化」を問題視する声が聞かれる。人材マネジメントの全体像を把握しているミドルマネジャー以上の方に、会社で表出している問題を尋ねたところ、「中堅社員の小粒化」に「あてはまる」「ややあてはまる」と回答した企業の合計は75.0%にのぼり、「ミドルマネジメント層の負担が過重になっている」(90.9%)、「次世代の経営を担う人材が育っていない」(84.1%)に次いで第3位となった。

フクロウ先輩「ただ、先ほども話していた通り、中堅社員と呼ばれる層は幅広く、年齢や役割もさまざまで一括りにして考えにくい。だからこそ検討の優先順位が下がりがちになるんだ。けれど、少し先を見据えると、中堅社員の小粒化を放置することは、将来のミドルマネジメント層の弱体化、ひいては経営人材不足につながりかねないよ」

北山さん「将来のことを考えると、中堅社員の育成は重要ですね。では、育成のポイントは何でしょうか?」

第3章
中堅社員育成のポイント

フクロウ先輩「これまでの話を整理すると、まずは求められている役割を中堅社員が認識する必要はありそうだね」

北山さん「はい。周囲の期待を伝えて、上司の補佐、後輩の指導、チームワークや風土づくりに関心を持ってもらうよう促すことが私の会社でも必要だと思います」

フクロウ先輩「一方で、研修などで役割を説明しても、実態とのギャップが大きすぎて納得できないこともあるよね」

北山さん「そうですね……中堅社員として過ごす時間は長いと思います。その期間に悩むことも度々あるでしょうし、求められている役割よりも、ビジネスパーソンとしての一般的な成長のロードマップを示してもらえたら、現在の立ち位置を考えるきっかけになるかもしれません」

フクロウ先輩「実際の業務では、できることが増えていくと、役割を全うしやすくなるね。例えばこんなことはない? 研修に参加した後、いざチームを引っ張っていこうと思ったけど、武器になるスキルがなくてやれなかったこととか」

 
北山さん「思い返してみるとありますね……。私の場合は、3年目研修で『人事の企画業務を一人でできるようにする』と宣言したのですが、問題は見つけられるものの、それを課題化して、さらには解決策を立案する思考が身についていなくて苦戦しています」

フクロウ先輩「苦手な分野もあれば、得意なことを伸ばしたいという点もあるね」

北山さん「営業時代に磨いてきたコミュニケーションスキルはもっと伸ばしたくて、コーチングなどのスキルも習得したいなと思っています。でも、中堅社員全員が私と同じ学習テーマやレベルを課題としてはいないはず……」

フクロウ先輩「個々人で課題となる学習テーマもレベルもさまざま、という点が中堅社員の特徴だね」

北山さん「書籍や動画など、最近は自己学習のツールが増えているので自分で学べばよいかもしれませんが、育成担当としては会社としてスキル習得を支援したいです」

フクロウ先輩「それなら、『選択型研修』という手があるね」

北山さん「希望者に研修の機会を設ける方法ですね」

フクロウ先輩「さらに、自分が伸ばしたい学習テーマやレベルの研修を申告することで、中堅社員本人もやらされ感なく受講できるね」

北山さん「自分で『選択』すること、が大事なんですね。でも、なかにはどんな学習テーマを選べばいいか分からない人もいるかもしれません。また、職場の上司の方々は、本人の希望だけでなく、伸ばしてほしい力をつけてほしいと思うでしょう」

フクロウ先輩「つまり、学習テーマやレベルの選び方、優先順位付けの方法をどう工夫するか、ということだね。こんなふうに考えてみるのはどうだろう?」

選択型研修のポイント上司と選択する学習テーマやレベルの共通理解を深める

◆事例紹介
NTTテクノクロス株式会社様
自分で選べる。刺激になる。気づきが多い。「選択型研修」には他にない価値がある

株式会社丸井グループ様
わずか3時間で学びやすく、「異業種交流」もできる!「気づき」を持ち帰った社員たちが職場に刺激を与えています

北山さん「上司も巻き込むことができれば、学んだことを日頃の業務に活かせそうです」

フクロウ先輩「そうだね。来週の定例会で人事メンバーに話をしてみよう」

エピローグ
中堅社員になる未来を見据えて

北山さん「今まで、この会社にロールモデルはいないのかも……と思っていました。でも中堅社員について考えてみることで、自分が今後、どんな風に働いていたいかを少し考えることもできました」

フクロウ先輩「人事の育成担当としてはどうかな?」

北山さん「まずは、中堅社員の役割が整理できました! 私の会社では、中堅社員がいきいきと働ける仕組みについても考える必要がありそうです」

フクロウ先輩「例えば、組織のつくり方や人事制度などだね。一緒に考えてみよう」

北山さん「はい! できることが増えると仕事も楽しくなりますね!」

「職場での『心理的安全性』に関する実態調査 チームリーダー516人に聞く、心理的安全性の必要性や効能」はこちら

キャリア開発テーマで考える:
「マネジャー候補となる現場の中核層に焦点を 将来を切り拓く中堅社員の育て方・人材育成方法」はこちら

あとがき

人事関連の情報収集ツールはさまざまです。書籍や雑誌、WEBなどの各メディアでは、人事業務の知識から最新のトレンドまで情報が日々アップデートされています。

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【text:北嶋理沙】

シリーズ記事第1回 「何かいい研修ないですか?」
第2回 「マネジャーになったことがなくても、管理職研修の企画はできますか?」
第3回 「配属後の新入社員を育成するには?」
第4回 「中堅社員の役割と育成のポイントを教えてください」
第5回 「リーダーに求められていることは何ですか」
第6回 「ビジネススキル研修で効果の出る企画方法は?」
第7回 「人事制度を改定すれば社員のモチベーションは上げられますか」

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