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連載・コラム

人事になったら知っておきたい10のこと 第5回

「リーダーに求められていることは何ですか」

  • 公開日:2020/05/25
  • 更新日:2025/01/24
「リーダーに求められていることは何ですか」

初めて人事になったとき何から学べばよいか、どのように情報収集をすればよいか、人事に異動された方からよくご相談をいただきます。
人事は、経営の中心的業務として重要な役割を担っています。変化の激しい世のなかの動きと連動しながらも、自社の事業や戦略に合った企画を打ち出していく必要があります。そのため、「年々忙しくなっている」という声もお聞きします。

そこで本連載では、人事のなかでも、人事企画・人材開発のみなさまのお役に立ちそうなテーマを回ごとに取りあげ、ストーリー仕立てで紹介していきます。架空のキャラクターである新米人事担当の北山さんが、悩みながらも一つひとつのお題に取り組み、それに対してベテラン人事であるフクロウ先輩が解説していきます。

前回は、フクロウ先輩から中堅社員層の育成について学んだ北山さん。今回はリーダー層の役割や育成のポイントについて考えます。

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登場人物のプロフィール
プロローグ 「リーダーについて漠然としたイメージで見ていませんか?」
第1章 リーダーとは?
第2章 リーダーに期待されていること
第3章 リーダー育成のポイント
エピローグ リーダーへの道
あとがき

登場人物のプロフィール

登場人物のプロフィール1

北山ともこさん
設立10年、社員300名のIT企業に勤務する、新卒入社3年目の社員。2年間は営業に所属していたが、1カ月前、関心のあった人事部へ異動したばかり。営業ではベンチャー企業を数多く担当し、持ち前の行動力で顧客からの信頼も厚かった。
趣味はカフェ巡りとアクセサリー作り。

登場人物のプロフィール2

フクロウ先輩
同社、人事10年目のベテラン社員。人事企画や社員育成のほか、組織活性などの職務も経験。特に新人育成に力を入れており、最近配属された北山さんのことも気にかけている。
なぜフクロウの姿をしているかは社長と人事部長以外知らない。

テーマ・課題別お薦め リーダー研修ラインアップ

プロローグ 「リーダーについて漠然としたイメージで見ていませんか?」

北山さん「フクロウ先輩、このお店のスープカレー美味しいですね」

フクロウ先輩「本当だね。ランチでこのボリュームはお得だよね」

北山さん「そういえば、今日マネジャーと面談をしたのですが、『3年後はリーダーを担えるように』って言われてびっくりしました」

フクロウ先輩「ほほう」

北山さん「リーダーにはまだ早いのではないかと思っているのですが……」

フクロウ先輩「そうかな?」

北山さん「うーん、リーダーって組織を引っ張る人ですよね。まだ人事での経験も浅いのに……」

フクロウ先輩「期待されているのは3年後だから、これから経験をしっかり積んでいけばいいのさ。北山さんは、リーダーのイメージが漠然としていて、不安に感じているのかもしれないね」

北山さん「はい。自分には難しいかも……って思って」

フクロウ先輩「そんなに怖いものじゃないよ。 じゃあ今日は一緒にリーダーについて考えてみよう!」

プロローグ 「リーダーについて漠然としたイメージで見ていませんか?」

第1章 リーダーとは?

北山さん「グループリーダー、プロジェクトリーダー、次世代リーダー……何かをとりまとめる役割の人によく『リーダー』が使われますよね。いわゆる会社組織のなかでのリーダー層とは、どういった役割のことなのでしょうか」

フクロウ先輩「まずはリーダーシップを発揮する人がどんな人たちなのかを考えてみよう」

北山さん「はい、例えばリーダーシップを発揮する人はグループリーダーや経営者も!」

フクロウ先輩「そうだね。現場の少人数チームを牽引する担当者から、企業全体を牽引する経営層まで、会社にはリーダーシップを発揮する人がさまざまな役割を担っているね」

北山さん「では、グループリーダーやプロジェクトリーダー、次世代リーダーにはどんな違いがあるのでしょうか」

フクロウ先輩「グループリーダーは、現場の少人数チームを牽引する担当者。プロジェクトリーダーのように、特定の期間で組織を牽引することを任されているリーダーもいるよ。また、よく耳にする次世代リーダーの定義も、企業によってさまざまだけど、多くは次期事業部長~経営者の候補者(今後事業を任せるための育成候補者)を指すことが多いかな」

北山さん「リーダーシップを発揮するということは、どんな業務や組織・メンバーを牽引するかでさまざまですね」

フクロウ先輩「そうなんだ。『リーダーシップ』とは、リーダーとフォロワーの間に発生する影響力の一形態であるといえるね」

フクロウ先輩の解説

リーダーシップとは

リーダーシップ」とは、リーダーとフォロワーの間に発生する影響力の一形態である。リーダーシップについては多様な定義と考え方が存在している。マネジャーがリーダーシップ理論のすべてに精通する必要はないが、「どうしたらメンバーに動いてもらえるか」というテーマは、どの理論にも共通する、マネジメント上の中心課題となっている。

第1章 リーダーとは?1

フクロウ先輩「リーダーシップ理論についてはさまざまな定義や考え方がある。今日は、一般的にリーダーと呼ばれる、所属組織のリーダーについて考えていくよ」

北山さん「主任や係長、グループリーダーと呼ばれるステージについてですね」

フクロウ先輩「そうだね。ビジネスパーソンの役割ステージでリーダーの役割を考えてみよう!」

北山さん前回の話では、中堅社員のステージはMain Player(一人前)からLeading Player(主力)でした」

フクロウ先輩「ちゃんと覚えているね!中堅社員のなかでも、組織やメンバーを牽引するLeading Player(主力)がリーダー層なんだ」

フクロウ先輩の解説

ビジネスパーソンの役割 10のステージ

リクルートマネジメントソリューションズでは、企業が持続的に成長するため、組織を構成する「人」に求められる役割を、10の役割ステージとして分類した。
等級や役職は企業によって異なるが、組織のリーダー層はLeading Player(主力)に該当する。
Leading Player(主力)は、「継続的に高い個人業績をあげつつ周囲に目を配り、チームとしての業績達成を主導する」ステージ。自身の担当業務を遂行しながら、一方でメンバーを育て動かしながら、チームとしての成果をあげることが求められるため、「組織業績とメンバーを牽引するステージ」といえる。

ビジネスパーソンの役割10のステージ

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第2章 リーダーに期待されていること

フクロウ先輩「もし北山さんがリーダーになったら、どんなことを心がけるかな?」

北山さん「一番に考えるのは、メンバーの誰よりも成果を出す能力があるということでしょうか。リーダーである以上は業務推進ができなくちゃいけないと思います」

フクロウ先輩「そう思うビジネスパーソンは多いんじゃないかな。特にリーダーとしての期待が本人に伝わっていなければ、今までどおり業務遂行に力が入ってしまう」

北山さん「でも、きっとそうじゃないんですね?」

フクロウ先輩「そう、業務遂行だけが重要なのではないよ。この図表を見てごらん」

フクロウ先輩の解説

今後特に重視する階層別研修内容

人材開発施策の特徴を把握するため、人材開発部門のミドルマネジャー・責任者220名に調査をした結果、「今後特に重視する階層別研修内容」は、中堅~係長、チーム・リーダー層では、「後輩を始動・育成する力」(79.5%)が最も高かった。次いで、「自らの考えを発信し、周囲を動かす力」(69.1%)、「職場の課題を解決する力」(67.3%)が選ばれた。

今後特に重視する階層別研修内容 中堅~係長、チーム・リーダー(N=220)
第2章 リーダーに期待されていること

北山さん「リーダーは、後輩の指導・育成を期待されているのですね」

フクロウ先輩「例えばこんな経験はないかな? 自分のチームのリーダーは担当している業務で非常に忙しい。成果もしっかり出している。その経験を少しでも教えてくれたら、自分たち後輩も成長できそうだけど、大変そうなリーダーを見ていると声をかけづらい……」

北山さん「確かに、ありますね……どうしたら後輩の育成にも力を入れられるリーダーになれるのでしょうか」

フクロウ先輩の解説

第3章 リーダー育成のポイント

フクロウ先輩「後輩の指導・育成はすぐに身につくわけじゃないから、人事としてもしっかり育成していかなきゃいけないスキルだよ。マネジャーとして役割ステージが上がるときに、役に立つからね」

北山さん「マネジャーになる前から意図的に、リーダーに対して、マネジメント力の育成を行う企業もあると聞きました」

フクロウ先輩「そう。マネジャーになったらすぐに組織の成果を求められる時代だけど、マネジメント業務も難しくなってきた。課題が複雑化していて、ビジネスにおける正解がない時代だし、テレワークなど働き方も変化しているからね。ますますマネジャーは難しい仕事になっているよ」

北山さん「でも、人の育成はリーダーからでもできる」

フクロウ先輩「正解! 『ピープルマネジメント(任せる・育成・チームづくり)』だね」

フクロウ先輩の解説

ピープルマネジメントはなぜ難しい?

メンバーからチームのリーダー、管理職・マネジャーへの役割転換期において、多くのビジネスパーソンが陥る落とし穴であるピープルマネジメント。
ピープルマネジメントの難しさは、大きく3つに分けられる。
1つ目は「部下を信頼して権限委譲することができず、仕事を任せきれないこと」、2つ目は「任せた仕事に対して適切なフィードバックができず、部下を育てられないこと」、3つ目は「プレイング業務とマネジメント業務のバランスを取れないまま、チームへのリーダーシップが発揮できず、強いチームをつくれないこと」である。

◆詳細は「マネジメント人材育成ブック【1】マネジャーになる(マネジャーへのトランジション研究)新任マネジャーのほとんどがトランジションに苦労している

第3章 リーダー育成のポイント1
第3章 リーダー育成のポイント2

フクロウ先輩「少しずつでもピープルマネジメントのスキルを身につけることで、リーダーとして成長していけそうだね」

エピローグ リーダーへの道

北山さん「リーダー像が漠然としていたのですが、だんだんイメージできてきました!」

フクロウ先輩「それはよかった。北山さんは、まだまだ業務推進で強化すべきポイントがあるから、焦らず課題解決のスキルも磨いていこう」

北山さん「はい! 人事としても、リーダー育成の大事なポイントが分かりました。リーダー育成はマネジャー育成にもつながっているのですね」

フクロウ先輩「それぞれの階層を個別で考えず、入社からの育成を考えるのが人事の仕事でもあるからね。個々の階層における課題や育成ポイントは、これからも学んでいこう!」

あとがき

人事関連の情報収集ツールはさまざまです。書籍や雑誌、WEBなどの各メディアでは、人事業務の知識から最新のトレンドまで情報が日々アップデートされています。

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