中堅社員って何年目から?役割や求められるスキル、育成方法を解説!。社員研修・社員教育のリクルートマネジメントスクール
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中堅社員って何年目から?役割や求められるスキル、育成方法を解説!

新入社員は、「指示されたことをただこなすだけで精いっぱい」ということも多いでしょう。しかし、何年か経験を積んで仕事に余裕が出てくる中堅社員になると、自分の業務に取り組むだけでなく、主体的にチームへ関わっていくことが求められるようになります。
今回は、中堅社員に求められる役割とその立場についてご説明します。

中堅社員の役割や立場については、以下の研修で詳しくご紹介しています。

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会社によっては、社会人経験年数や入社年次などで基準が定められている場合もありますが、一般的には、中堅社員とは入社3年目以降で、主任や課長などの役職についていない社員を指します。入社1年目から3年目の若手社員と異なり、自分1人である程度の業務を遂行できる能力を持っていると認識されます。

ただし、中堅社員の定義は会社によってさまざまです。中堅社員を「入社3年目から7年目の社員」などのように社歴で定義する会社もあれば、「20代中盤(あるいは30代)の社員」などのように年代で定義する会社もあります。入社して間もない社員であっても、前職の経験がある場合は中堅社員と呼ばれることもあるでしょう。

若手社員に求められることは、与えられた業務を確実にこなすことです。しかし、中堅社員になると、周囲に目を配りながら積極的なコミュニケーションを図り、チーム目標の達成を主導する役割が期待されます。
具体的には、以下のような役割・立場を遂行することが中堅社員に求められます。

後輩の育成

入社後の初期教育は、新入社員の今後の社会人としての成長を左右します。OJTリーダーの人選は悩ましい問題ですが、新入社員と年齢の近い、入社3年目から5年目の中堅社員に任せることが一般的です。

OJT成功の鍵は、OJTリーダーの指導の仕方にあります。仕事のやり方を伝えるのだけではなく、仕事の意義や背景、前後の業務プロセスをしっかりと説明することが新入社員の成長へとつながります。指導を効果的に行うためには、指導する相手のタイプに合わせたコミュニケーションを取ることも大切です。

新入社員の業務にミスを発見したときは、まずは相手の話に耳を傾け「なぜミスをしたのか」「次回ミスをしないためには何が必要か」を理解しているかを見極めることが重要です。発言をただ聞くのではなく、相手の発言の意図や真意、感情を読み取るという高いレベルのコミュニケーションが求められます。相手がミスの理由などを理解できていない場合は、自分自身で考えるように促し、答えへ近づく手助けをします。

現場と管理職との架け橋

若手社員と管理職の中間に位置する中堅社員は、現場と管理職をつなぐ架け橋として、現場の現状を管理職に伝えたり、管理職の意向を現場に伝えたりする立場にあります。現場と管理職との認識に隔たりがあるとプロジェクトの進捗にも影響が及びかねないため、重要な役割であるといえます。

管理職が話しかけてくるのを待つのではなく、問題点や疑問点を速やかに相談したり、途中経過を報告したりするなど、中堅社員が主体的に動いていきます。先ほど述べたように、中堅社員は管理職の一歩手前の社員です。管理職との接点を持つことは、将来管理職に昇格したときに生きてくるでしょう。

周囲との連携窓口

若手社員の頃は先輩社員のサポート業務が中心で、顧客と直接交渉する機会は比較的限られているでしょう。しかし、中堅社員になると、自分が顧客の交渉窓口となり、周囲と連携してプロジェクトを成功に導くことが期待されます。
関係者とのWin-Winの関係の構築やチームのメンバーが何でも相談できるような雰囲気づくりも、中堅社員の重要な仕事です。

ここでは、中堅社員として必要になる5つのスキルを紹介します。高いパフォーマンスを発揮することに加え、後輩の育成や管理職のサポートなどを遂行するうえで必要なスキルですが、これらのスキルについて段階を追って育成することで、リーダーや管理職になるための準備も整います。

仕事を広い視野で考える能力

中堅社員は自分が担当する業務だけでなく、同僚や後輩の業務にも関心を持ちながら関わっていくステージにいます。
チームや同僚・後輩が抱えている課題や解決策を一緒に考え、時には率先してリードしながら、チームの成果に貢献することが求められています。そのため、若手社員時代よりも広い視野で考える能力が必要です。

変化に追従・対応する能力

VUCAと呼ばれる、複雑で正解のないビジネス環境のなか、チームをリードしていく中堅社員には、変化に追従・対応していく能力も求められます。
市場や顧客の変化、社内方針の変化を素早くとらえ、チームに共有したり、時には問題提起したりするなど、変化していく環境に適応しながら業務を進めることが期待されます。

周囲を巻き込み動かす能力

仕事は一人で完結できないことがほとんどです。さらに、高い成果を出すことが求められている場合には、自分とは考え方の異なる同僚・後輩とのチームワークや社外の関係者との協働をスムーズに進めることが肝要です。また、時には上司も巻き込みながら、力強く業務推進する必要もあるでしょう。
中堅社員は、社内外の関係者を巻き込み、動機付け、関係者同士の協働を促していくことが求められます。それは、業務進捗のマネジメントだけでなく、日々のコミュニケーションを通して信頼関係を築きながらチームを作っていくことでもあります。

問題を的確に解決する能力

業務の成果をリードすることが期待される中堅社員は、業務や職場の問題や課題を自ら見つけ出し、解決へ動くことが求められます。そのため、問題解決の思考スキルを身につける必要があります。例えば、ロジカルシンキングやクリティカルシンキングなど、ものごとを分析するための基本スキル、さらには分析した現状をどのように解決していくかを検討する問題解決・課題解決の思考スキルを鍛錬しておくとよいでしょう。

情報を収集する能力

問題解決にあたっては、情報収集能力が欠かせません。最新の市場動向や顧客の関心事、さらには社内の業績情報など、必要な観点でアンテナを張り、有益な情報を収集することが求められます。また、客観的な判断のためにデータ・数字情報を活用して分析することもあるため、情報をどのように見るか、分析するかという点でもスキルアップが求められます。

上記のように、中堅社員は業績を牽引し、現場と管理職をつなぐ重要な役割が求められています。しかし、「中堅社員のスキル・能力が小粒化してきた」「中堅社員が滞留してしまっている」など、中堅社員の育成が上手くいかないという声も聞こえます。
ここでは、中堅社員の育成が上手くいかない主な原因について紹介します。

優秀な若手社員の離職

まず、若手社員のうちに早期離職してしまうなどの理由で、必要な中堅社員自体が少ないという状況もあるでしょう。
近年では離職に対する意識が変化しており、離職に対する抵抗感が少なくなってきています。若手社員のうちに「仕事が向いていない」「自分の能力を活かせない」と判断してしまい、離職してしまうこともあります。そうすると、中堅社員の育成を入念に計画していても、優秀な人材を中堅社員として配置すること自体が難しくなってきます。

出世に対する意欲の低下

昨今の若手社員の傾向として、プライベートを充実させたい、仕事とプライベートのバランスを取りたいという意識が強くなってきています。そのため、出世に対する意欲も低くなりつつあり、中堅社員としての役割に及び腰になってしまうこともあるでしょう。

一人ひとりにあわせたスキルアップ機会を提供できてない

中堅社員といっても、担当している業務やレベルは人によりさまざまです。中堅社員としての心構えや役割認識の醸成、また一定の思考スキルなどは一律に教育機会を提供することができますが、現場ですぐ必要なスキルや社員一人ひとりのキャリアに沿ったスキル・能力は一律に育成していくことが難しいでしょう。
一人ひとりにあわせたスキルアップ機会を提供できていない場合、中堅社員の育成が進まないこともあります。
中堅社員が挑戦できる環境を整えるとともに、スキルアップについて上司と話し合い、サポートする体制も必要になります。

ここまでは、中堅社員に求められること・育成が上手くいかない理由を解説しました。最後に、中堅社員の育成において理解しておくべきポイントを紹介します。

中堅社員としての役割を認識してもらう

自分の業務に邁進しているだけでもよかった若手社員から、自分の業務だけでなく、チームや後輩のことまで視野に入れる必要のある中堅社員には、まず、中堅社員としての役割を認識してもらう必要があります。研修や上司との目標設定を通し、中堅社員として期待をしていることを伝えることが重要です。

将来のキャリアプランを考える機会をつくる

若手社員でも離職に抵抗が少ない時代です。中堅社員になると、「自分はこのままのキャリアでよいのか」「もっとスキルアップをしたほうがよいのではないか」「将来はこんな風に働きたい」など、将来のキャリアプランを考え始め、不安を抱いたり、悩ましく感じたりする機会が増えてきます。
まずは、会社から社員一人ひとりのキャリアプランを考える機会を提供することが重要です。さらに、上司からの業務アサインで挑戦する機会をつくり、スキルアップ支援をしていくことが望ましいでしょう。

一人ひとりにあわせたスキルアップのための支援を行なう

中堅社員が現場で求められるスキルや能力は人によりさまざまです。研修や勉強会など、社内外での学ぶ機会を提供するとよいでしょう。また、異業種交流が可能な研修などに参加することで、異なる会社の社員から刺激を受け、モチベーションが高まったり、業務推進レベルの向上に寄与したりすることもあります。

一人ひとりの学びに寄り添う
リクルートマネジメントソリューションズの選択型研修

今回は、中堅社員の定義や求められる役割・立場についてご紹介しました。
入社3年目以降の中堅社員は、プレーヤーとして業務を遂行するだけの立場から、主体的にチームやプロジェクトを動かす立場になります。
しかし、企業による中堅社員の能力開発に対する取り組みは、新入社員の場合と比較して不十分な場合もあります。中堅社員に期待されるコミュニケーションのあり方、求められる役割や立場を学べる機会を設け、企業の活力を向上させましょう。

中堅社員の役割や立場については、以下の研修で詳しくご紹介しています。

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