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サイバーエージェント・藤田社長の後継者育成に効果を発揮した「CE研修」第1回

藤田社長が「向こう20年、価値ある研修だった」と語った「コミュニケーションエンジニアリング研修」とは何か?

  • 公開日:2024/10/21
  • 更新日:2024/11/13
藤田社長が「向こう20年、価値ある研修だった」と語った「コミュニケーションエンジニアリング研修」とは何か?

サイバーエージェントの創業者・藤田晋社長は、2026年に社長を退き、後継者に譲ることを宣言している。2024年現在、サイバーエージェントはその後継者の育成と選定に力を入れている最中だ。2023年、後継者育成研修の一環として、弊社の「コミュニケーションエンジニアリング研修(CE研修)」を実施し、藤田氏はその効果を高く評価した。CE研修とはどのようなプログラムで、どういった効果を発揮したのか。3回シリーズで詳しく紹介する。

第1回:藤田社長が「向こう20年、価値ある研修だった」と語った「コミュニケーションエンジニアリング研修」とは何か?(←今回)
第2回:藤田社長の立場になりきって、「社長のシャレにならない重圧を追体験してもらうプログラム」とは何か?
第3回:藤田社長の後継者チームを作る「お互いの生き様や考え方を見つめ合うプログラム」とは何か?

本シリーズ記事一覧
サイバーエージェント・藤田社長の後継者育成に効果を発揮した「CE研修」第3回
藤田社長の後継者チームを作る「お互いの生き様や考え方を見つめ合うプログラム」とは何か?
サイバーエージェント・藤田社長の後継者育成に効果を発揮した「CE研修」第2回
藤田社長の立場になりきって、「社長のシャレにならない重圧を追体験してもらうプログラム」とは何か?
サイバーエージェント・藤田社長の後継者育成に効果を発揮した「CE研修」第1回
藤田社長が「向こう20年、価値ある研修だった」と語った「コミュニケーションエンジニアリング研修」とは何か?
「事業承継をするうえでMUSTの研修だった」(藤田社長)
社長の厳しさ、難しさ、大変さを追体験できる稀有な研修
CE研修では徹底的に「経営者の立場に立ってもらう」「相手の立場に立ってもらう」
STEP1とSTEP2の二部構成になっている

「事業承継をするうえでMUSTの研修だった」(藤田社長)

2023年3月、サイバーエージェントの創業者・藤田晋社長は、自身のブログで2026年に社長を退き、2代目社長にその座を譲ることを発表した。実は、藤田社長と最高幹部たちは、前年の2022年から、後継者候補16人を選抜するなどして後継者育成を始めていた。そのなかから選ばれた1人が、2026年に2代目社長の座に就く予定になっている。

藤田社長の画像
株式会社サイバーエージェント
代表取締役 藤田 晋 氏

選抜された社員たちは、2023から2024年にかけて、数種類の研修プログラムを組み合わせた後継者育成研修プログラムを受講した。そのなかには、アカデミックな講習もあれば、藤田社長自らが経営についての考えをまとめた引き継ぎ書を作成して伝授した「社長引き継ぎ書研修」も含まれていた。後継候補者たちはその間、単に研修を受けるだけでなく、経営計画のプレゼンテーションなども行ってきた。

実は、この後継者育成研修プログラムのうちの1つは、弊社の「コミュニケーションエンジニアリング研修(CE研修)」だった。藤田社長はCE研修の全プログラムに同席したうえで、終了時に、「CE研修は、事業承継をするうえでMUSTの研修だった」「他のプログラムに足りなかった部分を埋めてくれた」「向こう20年は価値のある研修だった」と高く評価してくださった。

社長の厳しさ、難しさ、大変さを追体験できる稀有な研修

CE研修が藤田社長から高く評価された要因は、大きく2つある。1つは、CE研修を通して、後継候補者たちが「社長のシャレにならない重圧」を追体験できたことだ。藤田社長はCE研修の終了時、次のように語った。「(このCE研修を通して)社長が1つ間違えたら大変なことになりかねない時代に、社長として舵取りすることがどれだけ難しいのか伝わったのではないかと思う」

社長業には、華やかで明るい「成功のイメージ」がついて回る。確かにそうした側面もあるのだが、実際の社長業は決してバラ色一色ではない。むしろ現実は、極めて厳しく難しく大変な側面の方が大きい。従業員数7251名、売上高720207百万円(共に2023年9月期)のサイバーエージェントともなれば、なおさらである。

サイバーエージェントの社長は、あらゆるステークホルダーからの多種多様な要望や圧力にさらされながら、自らの判断軸を頼りに各事業の本質をつかんで、さまざまな情報の価値を的確に見極め、リスクを潰しながら決断し続けなければならないのだ。藤田社長は25年以上、その仕事を続けてきたのである。

社長業の大変さは、たとえ社長の近くで長年働いたとしても、外側から見ているだけでは決して分からない。社長自身の意思決定を実際に体験しない限り、社長業の厳しさ、難しさ、大変さは理解できないのだ。そしてCE研修は、社長の意思決定を追体験し、体感的に理解を深めることができる稀有な研修なのである。

もう1つは、CE研修を通して、「後継者チーム」を結成できたことだ。そもそも、一代で大きくなった会社の創業社長の後継者になることは極めて難しい。特にサイバーエージェントにとっては、藤田社長は唯一無二の存在であり、誰か1人がその代わりになるのは現実的に不可能である。最終的には誰かが2代目社長になるわけだが、実質的には複数人で藤田社長の代わりをすることになるだろう。つまり、今回選抜された社員たちが、後継者チームとなって新社長を支え、一丸となって経営することが欠かせないのである。

実はCE研修には、社長の意思決定を追体験する効果だけでなく、受講者たちの結束力を高めてチームを結成する効果もある。その面でも効果を発揮したからこそ、藤田社長はCE研修を高く評価してくれたのだ。

CE研修では徹底的に「経営者の立場に立ってもらう」「相手の立場に立ってもらう」

ところで、「CE研修」とはいったいどのような研修なのか。CE研修は、1989年にリクルート社内に設立されたワークデザイン研究室が始めた一連のサービスの総称である。リクルート創業期の思想を受け継いだ独自のコミュニケーション技術(コミュニケーションエンジニアリング)を核としているのが特徴で、社内では「秘伝の研修」といわれることも多い。なお、CEはコミュニケーションエンジニアリングの略である。現在は、弊社がCE研修を提供している。

CE研修の最大の特徴は、受講者たちに「徹底的に相手の立場に立ってもらう」ことだ。今回の後継候補者たちの場合は、「徹底的に経営者の立場に立ってもらった」。だからこそ彼らは、社長のシャレにならない重圧、社長の厳しさ、難しさ、大変さを追体験できたのだ。

なお、今回のCE研修は、次世代リーダーや経営者候補の育成を目的としたソリューションだが、他にもCE研修には、トップと幹部の意思疎通/経営幹部の一枚岩化/組織間連携強化/研究開発マネジメント/事業の戦略推進/営業革新/技能伝承/戦略推進/企業DNAの伝承/プロジェクトマネジメント/企業・事業の合併・統合/新人・若手の定着/新製品の開発/顧客獲得/海外でのビジネス拡大など、さまざまなビジネス課題に対応するソリューションがある。(※CE研修についてさらに詳しく知りたい方は、こちらのページを参照のこと。)

STEP1とSTEP2の二部構成になっている

今回のCE研修は、STEP1とSTEP2の二部構成になっており、各STEPを3日間ずつかけて行った(図表1・2)。「STEP1:自己発見・探索プログラム」は、後継者チーム形成につながるプログラムだ。「STEP2:戦略推進マネジメント・社史プログラム」が、社長の意思決定を追体験してもらうプログラムである。このプログラムの何が、どのように効果を発揮したのか。詳細は次回以降に詳しく紹介する。

<図表1>STEP1 自己発見・探索プログラム

STEP1 自己発見・探索プログラム

<図表2>STEP2 戦略推進マネジメント・社史プログラム

STEP2 戦略推進マネジメント・社史プログラム

◆サイバーエージェント・藤田社長の後継者育成に効果を発揮した「CE研修」シリーズ

第1回:藤田社長が「向こう20年、価値ある研修だった」と語った「コミュニケーションエンジニアリング研修」とは何か?(←今回)
第2回:藤田社長の立場になりきって、「社長のシャレにならない重圧を追体験してもらうプログラム」とは何か?
第3回:藤田社長の後継者チームを作る「お互いの生き様や考え方を見つめ合うプログラム」とは何か?

◆関連するページはこちら

コミュニケーションエンジニアリング・サービスの紹介ページ
CES-PP 戦略実現のための決断・実践支援研修
リクルートマネジメントソリューションズの次世代経営人材(部長・役員層)育成ソリューション

◆関連する導入事例はこちら

【事例】次期経営リーダーに生まれた当事者モード、ここから「全員経営」が始まった(株式会社エヌ・ティ・ティ・データ・イントラマート様)

企業紹介

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株式会社サイバーエージェント

株式会社サイバーエージェントは、1998年に設立された、日本を代表するインターネット総合サービス企業です。「メディア事業」「インターネット広告事業」「ゲーム事業」「投資育成事業」の4つを柱とし、革新的なサービスを提供しています。

メディア事業では、新しい未来のテレビ「ABEMA」やライフスタイルメディア「Ameba」などを運営し、幅広いユーザーに向けてサービスを提供しています。インターネット広告事業では、多様な業界のクライアントに対して広告ソリューションを提供し、デジタルマーケティング支援を行っています。ゲーム事業では、グループ会社の株式会社Cygamesなどが手掛けるスマートフォン向けゲームを多数展開し、国内外で高い評価を受けています。さらに、投資育成事業では、将来性のあるスタートアップや成長企業に対する戦略的な投資を行い、企業の成長をサポートしています。

これらの事業を通じて、サイバーエージェントはデジタル領域でのイノベーションを牽引し、時代に合わせた新しい価値を提供し続けています。

※記事の内容および所属等は執筆時点のものとなります。

【text:米川青馬/監修:河島 慎

監修

河島の画像

技術開発統括部
コミュニケーションエンジニアリング部
エグゼクティブコミュニケーションエンジニア

河島 慎

1975年生まれ、三重県出身、 1998年、電機メーカーへ入社、人事・総務を約8年経験。
2004年、リクルートマネジメントソリューションズへ入社。以降、コミュニケーションエンジニアとして、人材価値経営(人・組織のもつ潜在的な可能性の最大化による事業価値最大化を図る経営)実現を支援している。

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