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THEME 中堅/リーダー ビジネススキル

連載・コラム今必要なビジネススキルとは? 第4回

中堅社員に高めてほしい「問題解決力」

執筆者情報
HRD・OD事業推進部石岡 由紀子

プロフィール

ビジネスパーソンには、役割に応じて身につけると効果的に仕事が進むビジネススキルがあります。
元々得意なことや、仕事のなかで自然に身につけていくことができる場合もありますが、身につけるために遠回りをしたり、その過程で壁にぶつかったりすることもあります。

私たちが提供するビジネスパーソンの学び場「リクルートマネジメントスクール」では、お客様から特定の社員に何を学ばせたらいいのか、というご質問を非常に多くいただきます。

そこで本連載では、企業で働くビジネスパーソンに、求められる役割に応じて必要になるビジネススキルについてお伝えしていきます。
連載4回目を迎えた今回は、職場の中核となる中堅社員に高めてほしいスキルについてお話しします。

中堅社員に期待されることは?

さて、連載第2回で新入社員だったAくんは仕事を1人で任せてもらえる中堅社員に成長し、上司のBさんと会話をしています。

Bさん「Aくん、商品パンフレットのデジタル化の件は進んでいる?」
Aくん「はい。開発部に協力いただいて原稿は確定しました。営業部とデザインも合意し、いまは制作会社と最終調整を行っているところです」
Bさん「パンフレットのデジタル化は初めてだったけど、上手く進めてくれているみたいだね。何か難しいことはあった?」
Aくん「営業部と話しているうちに、商品を3Dで見たいというお客様のニーズがあることが分かったので、対応する制作会社を探すのに苦労しました。でも分かりやすいものができて最終的にはよかったです」
Bさん「それはいい経験になったね。一緒に仕事を進めている後輩のCさんはどう?」
Aくん「Cさんには原稿に入れる図表の準備をしてもらいました。制作会社とのやり取りも少し担当してもらおうかと思っています」
Bさん「それはいいね。確定した原稿は課内に共有しておいてね」

Aくんは商品のパンフレットのデジタル化について進行を任されているようです。想定外のことが起こっても他部署と協働して力強く進めてくれるようになりました。
また、Cさんという後輩ができ、そのOJTリーダーも担当しています。

中堅社員は最も対象の幅が広い層であり、会社や組織によってもその役割や年齢マさまざま。そのため、寄せられる期待も一括りにはできないところがあります。
Aくんのように仕事全体を任せられる中堅社員のスタート段階から、組織内の中核となり引っ張っていけるリーダークラスも中堅社員です。リーダーについては次回あらためてお伝えしますので、今回はその手前までを中堅社員とし、求められるスキルをお伝えしていきます。

段取り力の次のステップとして、問題解決力

前回までの連載で、新入社員から若手社員が仕事を進めるうえで重要なスキルの1つに「段取り力」がある、とお伝えしてきました。「段取り力」は仕事を進めるうえで必要なことを想定し、スケジュールを立て、先回りして準備や関係者へ共有するなどして、効率よく仕事を進めるスキルです。
若手社員時代までに任される仕事は、本人は全体像が掴めていなくても、上司や先輩はだいたい見通しがついていることが多かったと思います。ある程度ゴールへの見通しがついている仕事を、段取りよく進めることが若手社員には期待されていました。

これが中堅社員になると、まだ進め方が確立されていないことや、時には、会社全体やその組織にとって、まったく新しい取り組みとなる業務を任せられることになります。
そこで必要になってくるのが、問題解決力です。

問題解決においては、いきなり進め方を考えるのではなく、
・目指す(ありたい)状態は何なのか
・目指す(ありたい)状態と現状とのギャップは何なのか
・そのうえで、今回の仕事でのゴールをどこまでと置くのか
・そのために何に取り組むのか
と順番立てて考えていくことが大事です。

例えば、上記の例ではデジタルパンフレットを作成することがAくんの仕事でしたが、それ自体は手段です。背景には、新規営業チャネルの開拓という目指す状態があり、その足掛かりとして、まずはインターネットで手軽に見てもらえるというお客様の利便性向上や、紙のパンフレット廃止による印刷・配送コスト減少など、実現したいゴールがあったはずです。
その真のありたい状態やゴールを押さえながら、ステークホルダーとなる他部署の人や、制作会社、また後輩とも協力しながら仕事を進めなくてはなりません。

また、複数人のチームで取り組むことも多いなか、自己流で進めてしまうと立場や考え方の違いから上手く合意が取れなかったり、多数の意見を集約できずに進まなくなってしまったりということが起こるため、問題解決のステップやスキルをきちんと身につけておくことを強くおすすめします。

問題解決スキルの習得におすすめの研修
◆問題解決思考強化(問題特定⇒原因探索⇒対策立案の3ステップで学ぶ問題解決スキル研修)【WEB学習+1日】

OJTリーダーになったら。後輩育成のためのコミュニケーションとは?

また、中堅社員は、新入社員や若手社員の育成担当となることもあるでしょう。仕事のアサインは上司からでも、実際に職場で一緒に仕事を進めたり、社会人としていろいろ迷いやすい時期の後輩を心理的にもサポートしたりするのは、年の近い中堅社員が適任であることが多いためです。

しかし、年が近いとはいえ、入社1、2年目に生じる気持ちや意識の変化は大きく、一人前に成長した先輩には、入社したての新入社員の気持ちが意外と想像できなくなっていることもあります。また、自分と違うタイプの後輩だと、何につまずいているかも理解できず、寄り添えなくなるケースもよくあります。
年次が近いから上手くいくだろう、とOJTリーダーに任命して終わりではなく、後輩を育成するために、どのようにコミュニケーションを取っていくのがいいか学んでもらうことはとても重要です。
またOJTリーダーと上司とで育成のゴールについて決めておき、進捗と課題を共有しながら関わること、新入社員の場合は職場のメンバーにも様子を伝えて関わってもらう働きかけも効果的です。

後輩育成については、詳しくはこちらのコースでもお伝えしています。
◆後輩育成のためのコミュニケーションスキル【1日】

「選択型研修」で各自の課題に合わせてビジネススキルを磨く

前回の若手社員の記事でもお伝えしましたが、個人の課題や担当する業務によって学ぶべきスキルが変わってくるのは中堅社員も同じです。中堅社員は仕事で求められるレベルも上がり、層が幅広いことから、よりその側面が強くなります。
そのため中堅社員の育成には「選択型研修」を取り入れ、各自が学びたいコースを選んで受講する制度をとる企業が増えてきています。個人ごとに選べるという利便性だけでなく、自律的に自分の成長に向けて取り組むようになってほしい、という目的を持って導入する企業もあります。

選択型研修で中堅社員層によく選ばれているテーマは何でしょうか。
連載第1回でランキングをご紹介したように、定番はロジカルシンキングや問題解決力です。
それらをもう習得している方は、企画力、発想力を磨くテーマや、数字力、マーケティング力、プレゼンテーション、プロジェクトマネジメント、なども人気がありおすすめのテーマです。

外部で開催される選択型研修に参加する際には、他社の受講者と一緒に学び、ディスカッションやケースワークを行うことがあります。そうすることで、他社の受講者の考え方に刺激を受けたり、仕事は違っても同じようなことで悩んでいることに気づいたりなど、コンテンツ以外にも学べることが多くなります。異業種交流ならではの刺激を受けてほしいから、という理由で選択型研修を実施している企業も増えています。

もちろん制度として導入されていなくても、自分で外部セミナーを探して参加してもよいでしょう。最近は弊社のような研修会社だけでなく、大学や特定スキルを持った個人などがビジネスパーソン向けにセミナーを開催することも増えています。

最後に

中堅社員は職場の中核メンバーです。自分で考え、決断することも増え、ステークホルダーも多くなります。後輩の育成を担当するなかで、上司とのつなぎ役になったり、悩みの相談に乗ったりなど、周囲からの期待は大きく職場で欠かせない主戦力です。
一方、勤めている会社にもよりますが、多くの場合は中堅社員として過ごす期間が長いため、変化がないように思える期間もあるでしょうし、時には成長やキャリアについて希望どおりに進んでいないと感じることもあるかもしれません。

そういった環境のなかで、中堅社員には仕事や自分の成長を自律的に推し進めていくことが求められていきます。今後進めていく仕事に向けてどんなスキルを身につけておけばいいのか、キャリア選択の機会が訪れた時にできることの幅を広げておくのはどうか、など社内外の情報も収集しながら、先を見据えてスキルを磨いておくことをおすすめします。

★中堅社員におすすめの研修はこちら★
リクルートマネジメントスクールの中堅社員研修
バックナンバー第1回 今さら聞けない「ビジネススキル」とは何か?
第2回 新入社員に求められるのは「主体性」
第3回 若手のうちに鍛えたい「数字を使ってロジカルに伝える力」

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