「気づき」を持ち帰った社員たちが職場に刺激を与えています 後藤麻衣子様(株式会社丸井グループ)特別インタビュー

株式会社丸井グループ様

わずか3時間で学びやすく、「異業種交流」もできる!
「気づき」を持ち帰った社員たちが職場に刺激を与えています。

株式会社丸井グループ様
人事部人材開発課リーダー
後藤麻衣子

主体的な学習を促す目的で、「与えられる研修」をなくし、原則として研修は手挙げ式に変更した株式会社丸井グループ。すでに導入しているeラーニングとビジネススクールの両者を補完する位置づけでリクルートマネジメントスクールの公開型研修サービス(チケット制)を導入。対象は株式会社丸井グループの約5500名。初回は200名の枠に約1300名の応募が集まった。

株式会社丸井グループの人事部人材開発課は、小売事業やフィンテック事業を展開しているグループ全体の人材開発を企画しています。今回は、同課の育成担当としてご活躍中の後藤麻衣子様に、公開型研修サービス(チケット制)を導入した経緯や、応募を集めるための工夫、受講後の社内の変化などについて伺いました。

丸井グループでは、新入社員研修や新任管理職研修などの必要最低限の学びを除き、受講が必須になっている研修はありません。社員一人ひとりの仕事や立場が異なれば、抱えている課題も異なるため、必要な時に必要なタイミングで、社員が学びたいことを学べる仕組みづくりと、本人の自主性を大切にしています。

それぞれの課題や興味に合ったコースを自身で選択できるものとして導入しているのが、eラーニングとビジネススクールです。eラーニングは、好きなときに好きなことを学べますが、深掘りはしにくいので物足りない面があったりします。また、ビジネススクールは他社の方と一緒に学ぶことができ、高いビジネススキルを身につけることができますが、数カ月という期間的な問題や、「ハードルが高そう」という理由で、不安を感じる社員もいるようです。

そこで、eラーニングとビジネススクールの中間に位置するような学習方法で、全社員が対象となるようなものを探しているときに見つけたのが、リクルートマネジメントスクールの公開型研修サービスでした。

公開型研修サービスは、リクルートマネジメントスクール以外にもいくつかあることは知っています。しかし、リクルートマネジメントスクールの3時間コースは、コースが90種類以上もあり、なおかつコース名も一般的な研修名によくある少し堅苦しい印象のものと違い、「ART&LOGIC(アート・アンド・ロジック)」など、一目見ただけで「私も受講してみたい!」と思えるようなものが並んでいました。これまでの弊社の学びメニューは、eラーニングを除くと3ヵ月、半年、1年単位のものが多く、それ故手挙げに躊躇してしまう人も多いのではないかと感じていました。しかし、リクルートマネジメントスクールのように面白そうなタイトルのコースで、しかも1回(3時間)完結で受けられるのなら、私と同じように興味を持ってくれる社員が必ずいるはずだと思いました。

また、異業種交流への期待も採用の決め手になりました。座学だけでなく、どのコースもしっかりグループワークの時間が設けられているので、気軽な異業種交流ができる場になると思いました。ここでの参加経験をきっかけとして、さらなる学びや異業種交流の場への参加につながればという期待を持っていました。そして、社員が自分でコースと日時をWeb上で選択できるため、運用面においての管理者側の負担の少なさも導入を後押ししました。

最初の募集では、コースを選択できる期間を3ヵ月間とし、200名の枠でスタートしました。就業時間外、参加費一部自己負担としているため、最初はどれだけ手が挙がるかわからず不安もありましたが、結果として約1300名の応募が集まったため、急遽、コースを選択できる期間を4ヵ月間に延長し、枠を300名に増やすことに。当社はグループ全体で約5500名の社員がいるので、大体、4人に1人くらいが手を挙げたことになります。

これだけの応募が集まったのは、自身の課題や興味に合った学びを自ら手を挙げて参加する風土が着実に醸成されているからだと感じます。また、募集案内の内容においても、3時間コースはどんな人におすすめなのか、社内の学びメニューと比較するとどのような位置付けのものなのかなど、わかりやすく伝えるように意識しました。

弊社では、全社員向けに導入をスタートする前に、約50名の方にトライアルで参加してもらい、満足度や率直な感想などをヒアリングしました。トライアルメンバーの受講後のリアルな声は募集案内にも掲載することができましたし、職場のメンバーに波及してもらうこともでき、多くの社員の興味を引くことにつながったと思います。また、トライアルを実施したことで、3時間コースの有効性や運用面で注意すべき点などを確認することができました。

応募者の年齢や職種は幅広く、これは多くのコースの中から選択できることが寄与していると思われます。中でも私たちが注目したのは、育児・介護などの理由による短時間勤務の方々です。学びたくても時間を確保するのが難しい中、この研修は1回3時間、しかも日程も自由に選択でき、キャンセルや再予約も自身の都合に合わせてWeb上で登録できるため、“これなら参加できる”と多くの方のライフスタイルにマッチしたと感じています。そういった「学びたい」という意欲に、少しでも応えられるメニューを提供できたことをうれしく思います。

受講後のアンケートでは、約9割の方が全体を通して内容に“満足”と回答しています。「自身や職場での課題解決のヒントを得ることができたので、実践につなげていきたい」や「同じテーマで悩みを持っている他社の方々との意見交換が刺激になった」など内容は様々ですが、コース選択時にそれぞれが動機となるものを持っているため、何かを得て持ち帰ろうという意欲が高いのだと感じます。

ある社員は、職場の生産性に課題を感じており「【生産性向上】チームの成果とメンバーの時短を両立させるマネジメント」を受講しました。研修の中で、効率よく仕事をし、安定的に成果を上げる組織やマネジメントの手法について学び、その内容を自社で共有し、すぐに自部署の仕事に置き換えて取組みを始めています。このように、学んだ本人だけに留まらず、周りにも波及することで、短期間で実践に移し成果につなげているケースも出てきました。

3時間コースで学んだことで、学びの意欲が高まり、他のコースも学びたいという声も多数届いています。また、ビジネススクールへの応募のきっかけとなっているケースも出てきました。今後も3時間コースの募集は継続して行う予定です。この研修サービスが1人でも多くの社員に学びや異業種交流への“きっかけの場”となり、さらなる学びにつながっていくことを願っています。

参考にしたい事例のポイント

1.トライアルの実施
  1. 本格導入前に、約50名を対象としたトライアルを実施
    1. 対象者の中から手挙げ式で募集 ⇒ 本格導入を想定した運用で実施!
    2. 満足度や率直な感想をヒアリング ⇒ 本格導入時のおすすめコメントとして活用!
2.募集案内の工夫
  1. 「やってみたい!」「これならできそう!」と思ってもらえる募集案内を作成
    1. 社員のニーズを想定した提案(例:学ぶ時間がなかなか取れない方・・・など)
    2. 社内の他の学びメニューとの比較を提示(例:コースの難易度や、コース数を比較)
    3. トライアル受講者の声を紹介(例:受講しようと思ったきっかけ、コースの内容や雰囲気、活用したこと など)
会社概要 [株式会社丸井グループ]

1931年、創業者青井忠治が東京・中野に最初の店舗を開設して以来、時代やお客さまの変化にあわせて、小売と金融が一体となった独自のビジネスモデルを進化させ続けている。株式会社丸井グループは主に、小売事業、フィンテック事業を展開するグループ会社の経営計画・管理などを行っている。

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