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メラビアンの法則とは? ビジネスでの生かし方や具体例などを徹底解説

  • 公開日:2025/04/14
  • 更新日:2025/04/14

私たちは日々多くの人とコミュニケーションを取っていますが、「本当に伝えたいことが正しく伝わっているのか?」と不安に感じたことはないでしょうか。実は、話の内容よりも「表情」や「声のトーン」が相手に与える印象を大きく左右すると考える人もいます。それが、一般的に「メラビアンの法則」と呼ばれるものですが、本記事では、メラビアンの法則に関連して「相手に伝わる話し方のコツ」「ビジネスシーンでの活用」「メラビアンの法則の具体例」を中心に詳しく解説します。

メラビアンの法則とは

メラビアンの法則とは、コミュニケーションにおいて言語情報・視覚情報・聴覚情報がどのような割合で影響を与えるのかを示した法則です。アルバート・メラビアンが行った実験は、あくまで「話の内容が矛盾している場合」に限られたものであるため、すべてのコミュニケーションにメラビアンの法則があてはまると結論付けたものではありません。しかし、メラビアンの法則における言語情報・視覚情報・聴覚情報の影響度は、非言語コミュニケーションが果たす役割の理解に役立ちます。

言語情報

言語情報とは、会話や文章を通じて伝えられる情報のことを指します。メラビアンの法則では、言語情報が人に与える影響は7%とされています。

視覚情報

視覚情報とは、表情やジェスチャー、服装など、目に見える要素を指します。メラビアンの法則では、視覚情報が人に与える影響は55%を占めるとされています。

聴覚情報

聴覚情報とは、声のトーンや話し方、抑揚などの要素を指します。メラビアンの法則では、聴覚情報が38%の影響を持つとされています。

メラビアンの法則は誤解されやすい?

メラビアンの法則は「人の印象は視覚・聴覚・言語の要素によって決まる」とされ、特に「視覚情報が55%、聴覚情報が38%、言語情報が7%」という数値が広く知られています。しかし、本来の意味が誤解され、コミュニケーション全般に適用されるものだと考えられることが多くあります。実際には、この法則が適用されるシチュエーションは限られるとされています。ここでは、メラビアンの法則の本質や誤解の原因、正しい活用方法について詳しく解説します。

メラビアンの法則の本質

メラビアンの法則は、アルバート・メラビアンが行った心理学実験に基づいています。問題に関して、異なる言葉・声のトーン・表情を組み合わせたメッセージを示唆し、どの要素が印象に与える影響が大きいかを分析しました。この研究では、矛盾したメッセージを受け取った際に、人はどの要素を優先して判断するかを調査しました。その結果、言葉・表情・声のトーンが一致しなかった場合、人は視覚(表情)や聴覚(声のトーン)の影響を強く受けることが分かりました。つまり、この法則は「感情や態度が伝わる場面」で特に有効であり、すべてのコミュニケーションにあてはまるわけではありません。例えば、論理的な説明を求められるビジネスの場面では、言語情報が重要になります。そのため、「言葉は7%しか影響しない」という単純な解釈ではなく、状況に応じて適用範囲を正しく理解することが大切です。

誤解の原因と影響

メラビアンの法則が誤解される最大の理由は「人の印象は非言語コミュニケーションが93%を占める」という誤った解釈が広まってしまったことです。特に、ビジネス研修やプレゼンテーションにおいて「話の内容よりも見た目や声の印象が重要」という主張がされることがあります。しかし、これはメラビアンの法則本来の趣旨を逸脱しています。この誤解が広がることで、「見た目が良ければ内容は二の次」という誤った価値観が生まれたり、論理的な説明の重要性が軽視されたりする危険性もあります。確かに第一印象は重要ですが、正しい情報を伝えるためには、言葉の内容が不可欠であることを忘れてはなりません。

正しい理解と活用方法

メラビアンの法則を正しく活用するためには、その適用範囲を理解し、状況に応じたコミュニケーションを行うことが重要です。特に、以下の点を意識するとよいでしょう。

感情が関係する場面

感情や態度が重視される場面では、たとえ同じ言葉を使っていても、声のトーンがフレンドリーか冷淡かによって、受け取る印象が異なるため、視覚や聴覚の要素が大きな影響を与えます。例えば、謝罪や感謝を伝える際は、言葉だけでなく表情や声のトーンにも注意を払うことで、より誠実な印象を与えられます。また、営業の場においては、はっきりとした発音で適切な間を取ったり、感情を込めた話し方を意識したりすることで、より説得力のあるメッセージを伝えることができます。聞き手を意識して調整することにより、相手に与える印象をコントロールし、コミュニケーションの質を向上させることができます。

論理的な説明では言葉も重要

ビジネスの場では、清潔感のある服装や表情、適切なアイコンタクトが信頼感を生み出します。また、ジェスチャーを活用することで、言葉では伝えきれないニュアンスを補完することも可能です。視覚情報を意識的に活用することで、より効果的なコミュニケーションを実現できる一方、ビジネスや学術的な議論においては、論理的に適切な言葉を選ぶことが最優先です。視覚や聴覚の要素も補助的に活用できますが、主張の根拠が明確でなければ説得力を欠くことになります。

非言語と言語のバランス

プレゼンテーションや対話では、視覚・聴覚・言語を適切に組み合わせることで、より効果的なコミュニケーションが可能になります。例えば、言葉で説明しつつ、アイコンタクトやジェスチャーを活用することで、相手に伝わりやすくなります。正しく理解し活用すれば、より効果的なコミュニケーションを実現するための手段となり得ます。単なる「見た目が大事」という解釈にとどまらず、状況に応じた使い方を意識しましょう。

相手に伝わる話し方のコツ

メラビアンの法則に基づく話し方のコツを学べば、相手に効果的にメッセージを伝えられます。ここでは声の高さや抑揚、言葉の選び方、そして表情に注目して解説します。

声の高さ、抑揚

声の高さや抑揚は、メッセージの伝わり方に大きな影響を与えます。同じ言葉でも、声のトーンが変わるだけで伝わる感情や意味が変化してしまうため、注意が必要です。

言葉使い

言葉の選び方は、正確に内容を伝えるための重要な要素です。適切な言葉を選ぶことで相手に情報を理解してもらいやすくなります。

表情豊かに話す

視覚情報である表情も、メラビアンの法則において重要な役割を果たすとされています。笑顔や目の動きなど、表情を豊かに使うことで、相手に感情や意図をより明確に伝えられます。

ビジネスシーンにおける活用

メラビアンの法則は、ビジネスシーンにおいても効果的に活用できます。言葉だけでなく、視覚や聴覚の要素を意識することで、円滑なコミュニケーションが可能となります。特に、メールやチャット、電話、職場での対話、商談、採用面接など、それぞれの場面に適したアプローチを取ることが重要です。

メールやチャット

メールやチャットでは、視覚情報や聴覚情報が伴わないため、言語情報が全てとなります。そのため、誤解を招かないように明確で簡潔な表現を心がけることが大切です。また、適切な敬語や表現を用いることで、相手に良い印象を与えることができます。絵文字や記号を適度に活用することで、感情を補足し、より伝わりやすい文章を作成するのも1つの方法です。

電話

電話では、視覚情報がないため、声のトーンや話し方が特に重要になります。落ち着いた声で話すことで、信頼感を与えることができます。また、適度な間を取りながら話すことで、相手に伝わりやすくなります。話し手の感情が声に表れるため、ポジティブな印象を与えるように意識することが重要です。

職場

職場では、言語・視覚・聴覚情報のバランスが求められます。例えば、会議では明確な発言に加え、適切なアイコンタクトやジェスチャーを活用することで、より説得力のあるコミュニケーションが可能となります。また、相手の反応を見ながら適切に対応することで、信頼関係を構築することができます。

商談

商談では、相手の信頼を得ることが重要です。話の内容だけでなく、身だしなみや表情、声のトーンにも気を配る必要があります。説得力のある話し方を意識し、相手に安心感を与えることが成功のカギとなります。また、相手の反応を観察しながら柔軟に対応することで、より良い結果を得ることができます。

採用面接

採用面接では、第一印象が非常に重要となります。清潔感のある服装や姿勢を整えることで、好印象を与えることができます。また、落ち着いた声のトーンで話し、適度なジェスチャーを交えることで、より自信を持って自己アピールができるようになります。面接官の話をしっかりと聞き、適切に返答することも大切です。

メラビアンの法則の具体例

メラビアンの法則は、言葉だけではなく視覚情報や聴覚情報も重要な役割を果たすことを示しています。具体的なシチュエーションを通じて法則の理解を深めましょう。

不機嫌な声で「ありがとう」と言う

感謝の言葉「ありがとう」を不機嫌な声で伝えると、感謝の意図が伝わりにくくなります。これにより、視覚情報や聴覚情報がメッセージの受け取り方にどれほど影響するかが分かります。

笑いながら叱る

叱責の言葉を笑顔で言うと、相手はその叱責を真剣に受け取らない可能性があります。
これは、視覚情報が言葉の意味に影響を及ぼすことを示す例です。

納得のいかない表情で褒める

褒め言葉を納得のいかない表情で伝えると、褒められた側はその言葉を信用しないかもしれません。ここでも、非言語的な要素がメッセージの真意に影響を与えることが示されています。

メラビアンの法則に関するよくある質問|Q&A

ここでは、メラビアンの法則に関するよくある質問にお答えします。

メラビアンの法則を意識することでメリットはある?

メラビアンの法則を理解し、自身のコミュニケーションを見直すことで、コミュニケーションの質を上げることができます。特に、視覚的要素や聴覚的要素に注目することで、より効果的にメッセージを伝達できるのです。

メラビアンの法則は誰が提唱した?

心理学者アルバート・メラビアンによって提唱されました。彼の研究は、非言語的コミュニケーションの重要性を示すものであり、現在でも広く引用されています。

見た目が良ければ、何を話してもいい?

見た目が良いことは視覚的な第一印象に影響を与えるものの、内容や声のトーンも重要な役割を果たします。視覚情報だけでなく、言葉の選び方や声の抑揚も意識することで、コミュニケーション能力が向上します。

おわりに

ここまでメラビアンの法則についてご紹介しました。要点を以下にまとめます。

  • メラビアンの法則とは言語情報7%、視覚情報55%、聴覚情報38%の割合で影響していることを示した法則だが、適応されるシチュエーションは限定的
  • 正しく活用するため、言葉で説明しつつ、アイコンタクトやジェスチャーを活用するなど、非言語と言語のバランスを意識する
  • ビジネスシーンにおいて、メールでは明確な表現を心がけ、電話では声のトーンを意識し、対面では表情や態度を整える

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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