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チームビルディングとは? プロセスや手法、実践できる具体例を解説

  • 公開日:2024/02/15
  • 更新日:2025/12/01

チームビルディングとは?

チームビルディングとは、所属するメンバーが「自らの力を最大限に発揮しつつ」目標を達成できるようなチームをつくる取り組みを指す言葉です。人材一人ひとりの個性や強みを尊重し、伸ばすことのできるチームビルディングは、価値観の多様化に対応する新たなアプローチとして多くの企業で導入されています。

チームワークとの違い

チームビルディングと似た言葉である「チームワーク」は、目標の達成に向けたチームのまとまりのことを意味します。一方で、チームビルディングはチームワークの向上や個々のメンバーの成長に向けて良いチームをつくっていく取り組みのことを指します。チームビルディングに取り組むことは、メンバーの成長をはじめとした、さらなる付加価値の創出にもつながります。

チームビルディングの5段階プロセス(タックマンモデル)

実施すべきチームビルディングの内容は、チームの状態によっても大きく異なります。

プロセス1. 形成期(Forming)

「形成期」とは今まさにチームが誕生し、これから活動をスタートしようとしている段階です。この段階では、まずはチーム内の関係性の確立を進めつつ、各メンバーに向けてビジョンをしっかりと浸透させることに努めてください。

プロセス2. 混乱期(Storming)

活動を開始して間もないチームでは、時折メンバー間で意見の衝突が見られるようになりますが、これは「混乱期」というチームの発展に欠かせないプロセスです。
とはいえ、意見が食い違ったままでは業務にも支障が出るため、メンバー同士がじっくりと話し合い、互いを理解できるような機会を設けることが大切です。

プロセス3. 統一期(Norming)

混乱期が終わると、チームは落ち着いた状態である「統一期」へと移行します。統一期にあるチームでは前向きなコミュニケーションが展開され、業務も安定的に進められます。
また、統一期はチームビルディングの要である「個人の能力の発揮」を目的とした取り組みに適した時期でもあるため、それぞれのメンバーに積極的に活躍の場を与えていきましょう。

プロセス4. 機能期(Performing)

目的達成に向けた活動と個々のメンバーの活躍を両立できるようになれば、チームは1つの完成を迎えたといえるでしょう。こうした「機能期」には、メンタルケアや働きやすさの向上といった、優れたパフォーマンスを長く維持するための取り組みが求められます。

プロセス5. 散会期(Adjourning)

目標の達成や業務の完了により、チームはいつか必ず「散会期」を迎えてその役目を終えます。とはいえ、チームビルディングによって育まれた能力や経験は、その後のメンバーの活躍において大きな糧となるはずです。

チームビルディングの効果を高めるポイント

チームビルディングでは、以下のようなポイントを意識することでその効果をさらに高められます。

さまざまな価値観を受け入れる

チームビルディングでまず意識しておきたいのは、チームは多様な価値観を持つメンバーによって構成されているという点です。コミュニケーションにあたってはメンバーの意見をなるべく否定せず、誰もが発言しやすい雰囲気をつくることを心がけましょう。

チームの具体的な目標を設定する

1つの組織としてチームが団結するうえでは、全員で共有できる目標の存在が不可欠です。目標を定める際は、なるべく具体的かつ分かりやすい内容にすることをお薦めします。

メンバーの役割を明確にする

メンバーが自らの力を最大限に発揮するためには、自分の担当分野に専念できる環境が必要です。役割を割り振る際には、それぞれの分担を明確にすることも忘れてはなりません。

メンバーの意見を尊重し、対立を恐れずに議論する

チームビルディングでは互いを尊重し合う精神が重要ですが、相手に配慮するあまり意見を言えないようでは良いチームは生まれません。問題を見過ごさないためにも、指摘すべき内容はしっかりと指摘し、チーム全体で共有できるような環境を整えることが大切です。

チームビルディングを実践できる具体例

チームビルディングの実践方法

具体的なチームビルディングの方法としては、以下のような取り組みが挙げられます。

心理的安全性を高める環境づくり

メンバーが安心して発言できる環境の確保は、チームビルディングの基本といえる取り組みです。例えば、チームでの話し合いに「お互いの発言を否定せず、一度受け止める」といったルールを設けるだけでも、心理的安全性は如実に向上するはずです。

価値観の共有を図るイベント

チーム内での価値観の共有を進めたい場合には、楽しみながらお互いを知れるイベントの実施も有効です。バーベキューや観光旅行といったイベントをチームで行えば、メンバーの結束は大幅に高まることでしょう。

主体性を促すワークショップ

ワークショップとは、何らかの制作や課題に複数人で一緒に取り組む形式の活動です。主に、参加者の協調性や主体性を育むといった効果が期待できます。

相互理解を深めるゲーム

メンバー間の相互理解を深めるチームビルディングには、集団で行うゲームがよく用いられます。ゲームでは複数の参加者が同じルールのもとで行動するため、メンバーごとの考え方や価値観の違いが如実に表れるのです。

団結力を高めるアクティビティ

体を動かすアクティビティには、参加者同士のコミュニケーションを活発化し、チームワークを育む効果があります。特に社外で取り組むアクティビティは、日常と異なる環境のなかで開放的な気持ちになりやすいことから、親睦を深めるきっかけとして最適です。具体的なアクティビティの例としては、各種スポーツやツリークライミング、登山、カーリング、ラフティングなどが挙げられます。

リモートワーク下のコミュニケーション活性化

コロナ禍以降はリモートワークの増加により、社員同士が別々の空間で業務にあたることも増えています。お互いの交流が少ないとチームビルディングも難しくなりやすいため、オンラインワークショップやバーチャルオフィスなど、リモートワーク下でもコミュニケーションを取りやすい仕組みを導入するとよいでしょう。

チームビルディングに取り入れたいゲームの例

チームビルディングに取り入れたいゲームの例

チームビルディングの手法としてゲームを取り入れたい場合には、以下のようなゲームがお薦めです。

アセンブリーゲーム

アセンブリーゲームとは、配られたパーツをもとに、チーム全員がそれぞれ同じ形・同じ大きさのものを組み立てるゲームです。その目的は、自分や他人の行動の傾向、協力のためのヒントなどを見つけ出すことにあります。

コンセンサスゲーム

コンセンサスゲームではある課題について、グループ全員が納得する回答を模索します。正解がある課題の場合は集団行動の有効性の再確認、正解がない課題の場合は互いの価値観や考え方の相違に気づくことが主な目的です。

ブロックゲーム

ブロックを使ってモデルと同じものを組み立てるブロックゲームは、効率的な業務の進め方や協働のポイントを見つけることを目的としています。

NASAゲーム

NASAゲームは、アメリカの社会心理学者ジェイ・ホールが考案したコンセンサスゲームの一種です。このゲームでは「月面に不時着してしまった宇宙飛行士」になりきって、200マイル先に待機している母船になんとかたどり着かなければなりません。そこで生存率を上げるために、大破した宇宙船から見つかった15個のアイテムの優先順位を決めます。最初は各自で、最終的にはチームで15個のアイテムの優先順位を決め、NASAの模範解答により近い答えを導き出したグループが勝利です。皆で1つの結論に導くために意見を言い合うことから、楽しみながらチームの仲を深めることができます。

マシュマロチャレンジ

マシュマロチャレンジは、20本の乾燥パスタと1つのマシュマロを使って、より高いタワーを作るゲームです。タワーは自立可能なもので、かつ頂上にマシュマロを置く必要があります。「どのチームよりも高いタワーを作る」という共通の目標を通して、PDCAやコミュニケーションの大切さを学ぶことができるゲームです。

チームビルディングの成功に役立つ研修2選

リクルートマネジメントスクールでは、職場でのチームビルディングに役立つ、さまざまな研修サービスをご用意しています。「クリエイティブなチームをつくりたい」「リモートワーク下でも連携できる関係を築きたい」など、つくりたいチームに合ったノウハウもお伝えしています。

ここでは、チームビルディングの成功に役立つ、代表的な研修コースを2つ紹介します。

中堅リーダー向けチームビルディング研修

中堅社員を対象とした研修では、知識の習得だけでなく、実際の行動を通じて学ぶ体験型プログラムが重視されています。2日間にわたる「中堅リーダー向けチームビルディング研修」では、受講者が研修内のグループを「チーム」と見立て、共同作業を行いながら主体的に関わる経験を積みます。活動中に得られるフィードバックをもとに、自らの行動特性やチームへの関わり方を振り返り、職場での行動改善へとつなげられる点が特長です。

コースの詳細はこちら

【3時間研修】チームビルディング

「【3時間研修】チームビルディング」は、短時間で実践的な学びを得られるプログラムです。部下にチームワークの有効性を理解してもらう方法や、困難な状況下でチーム力を引き出す手法をワークを通じて学びます。受講後すぐに現場で試せるノウハウを習得できるため、主体性を持ってチームを動かす第一歩として効果的です。

コース詳細はこちら

チームビルディングまとめ|チームのパフォーマンスをより良くするために

人材一人ひとりの個性や強みを最大限に伸ばすことができる、チームビルディングの概要や実践方法についてご紹介しました。チームビルディングは、単なるチームワークの強化にとどまらず、個々の成長を促し、より良いチームをつくるための取り組みです。メンバーの成長だけでなく、新たな付加価値の創出にもつながります。

また、チームビルディングは一度で完結するものではなく、継続的な取り組みを重ねることで効果を発揮します。日常業務のなかで小さな実践を積み重ねることが、チームのパフォーマンスを着実に高める第一歩となるでしょう。

弊社では、チームビルディング研修をはじめとするさまざまな研修サービスをご用意しています。目的・課題から選べる研修プログラム比較一覧表はこちら

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