導入事例
組織の規模拡大に向けて、自己流マネジメントの脱却と、新人・若手のマインド・スキルセットに取り組んだ
株式会社NexTone

- 公開日:2023/04/24
- 更新日:2024/08/28
事例概要

背景・課題
2016年の合併・事業統合を機に、私たちは「拡大化ステージ」に入りました。人材あっての会社であり、従業員一人ひとりがクライアントに信頼されることが欠かせません。マネジャーが行っている新人・若手育成を支援する必要性も高まっていました。そのため、自己流マネジメントで任せていた管理職層に、マネジメントの基本かつ本質的な知識を体系的に学んでもらうことを決定しました。

検討プロセス・実行施策
第一に必要なのは、プレイングマネジャーの悩みを解決することでした。第二に、体系立ったマネジメント知識を提供したい、という想いがありました。はじめに部長とグループリーダーの両方にマネジメントの基礎研修を導入し、翌年から「部長向けマネジメント研修」「グループリーダー向けマネジメント研修」を実施しました。さらに2021年には新人研修、2022年には若手研修も導入しました。

成果・今後の取り組み
多くの部長・グループリーダーがメンバーの成長や協働に目を向けるようになり、1on1やランチミーティングをこれまで以上に行っています。横のつながりが深まり、部長・グループリーダー同士が同じ価値観で考えられるようになりました。またフォローし合う関係性もあちらこちらで生まれています。新人・若手はお互いの入社動機や現在の悩みを話し合うことで、仲間意識が格段に深まりました。
背景・課題
2016年の合併・事業統合を機に、組織・ビジネスが「拡大化ステージ」に入り、マネジメント強化が重要課題に

猪熊:NexToneは、2016年にイーライセンスとジャパン・ライツ・クリアランスの2社が合併・事業統合して生まれた会社です。この2社はどちらも、2000年の法改正と共に、長らく一団体独占状態だった日本の著作権管理市場に新規参入した「著作権エージェント」です。
合併後のNexToneは、民間の著作権管理エージェントとしてビジネスを着々と拡大し、2020年に東京証券取引所マザーズ(現:東京証券取引所グロース)に上場を果たしました。著作権管理事業にとどまらず、デジタルコンテンツディストリビューション事業やキャスティング事業、音楽出版社業務代行サービス、システム開発事業などを展開し、音楽出版社、アーティスト、マネジメントの方々など、音楽ビジネスに関わる皆様を幅広くサポートし、皆さんもよくご存じの有名アーティストの楽曲の著作権管理を行っています。
NexToneは以前から、「競争力の源泉は人材とシステム」と考えています。なぜなら、私たちは人材あっての会社であり、従業員一人ひとりがクライアントの対面に立ち、クライアントに信頼されることが欠かせないからです。そのためには、全員が著作権などの専門知識はもとより、ヒューマンスキル(対課題・対人スキル)も備えている必要があります。さらに、2017年から本格的に新卒採用をスタートし、2020年に一気に新人・若手従業員が増えました。「新人・若手をリードして育成できるマネジャー支援」の必要性が高まっていたのです。
2016年の合併・事業統合を機に、私たちの組織は創業ステージから「拡大化ステージ」に入り、マネジメント強化がいよいよ重要課題になってきました。経営層からも、マネジメント研修のリクエストが入るようになりました。そこで、私たちはグループ会社全体で従業員100名規模の会社ですが、ビジネススキル(専門知識)に加え、マネジメントスキルやヒューマンスキル(対課題・対人スキル)に関する研修の導入を始めました。
安田:リクルートマネジメントソリューションズの皆さんには、以前、人事評価制度を導入する際に相談に乗ってもらっていました。今回の研修プランに関しても、私たちのことをよく理解したうえで、「こういう研修がある」という提案の手前で、丁寧に課題をヒアリング・整理し、そのうえで提案をしてもらえました。例えば、トランジション・デザイン・モデルをベースに、どのような研修が必要かをステージ(階層)別に提案してくれたのです。そこで、マネジメントスキル・ビジネススキル・ヒューマンスキルに関する研修を全般的にお願いすることにしました。
検討プロセス・実行施策
部長向けマネジメント研修から始めて、グループリーダー向け、新人・若手向けと研修対象者を広げてきた

猪熊:私たちのような100名規模の会社では、マネジャーのほぼ全員がプレイングマネジャーです。マネジメント研修において第一に必要なのは、プレイングマネジャーたちの悩みを解決することでした。
安田:第二に、彼らに体系だったマネジメント知識を提供したい、という想いがありました。なぜなら、弊社のマネジャーは、業務管理もチーム作りも部下育成も、一人ひとりが自己流で取り組んでいたからです。それぞれが自己学習はしていたものの、自分のやり方が正しいかどうかが分からず、不安を抱えていました。プレイングマネジャーということもあり、業務管理以外のマネジメントが疎かになっているマネジャーもいました。だからこそ、マネジメントの基本の型を提供したかったのです。
猪熊:私たちは部長とグループリーダーに分けて検討し、まず両方に「マネジメントの基礎研修(M-BT)」を導入しました。その翌年に「部長向けマネジメント研修(MINE)」「グループリーダー向けマネジメント研修(QUADRANT)」を実施しました。さらに管理職だけでなく、ビジネスの土台を作っていくために、2021年には新人研修、2022年には若手研修を導入し、研修対象者を徐々に広げていきました。
安田:なお、受講人数や状況に合わせて、講師派遣型の集合研修と1名から参加できる公開型研修「リクルートマネジメントスクール」を使っています。スクールを活用すれば、昇格の人数が少ない年にも間を置かずに昇格者に研修を提供できるからです。講師派遣型研修には社内の仲間と一緒に受けられるメリットがありますが、スクールの公開型研修には他社の皆さんと交流し、刺激を受けられる良さがあります。講師派遣型とスクールを活用し、必要なタイミングで使い分けられるのは便利です。
成果・今後の取り組み
マネジャーがメンバーの「成長や協働に目を向ける」ようになり、各階層の「横のつながり」が深まった

安田:これらの研修は、人事の想定以上に社員へすんなりと受け入れられました。マネジメント研修の際には部長やグループリーダーが丸2日間、現場から離れますが、そのことに対する不満も出ていません。マネジメント層のパワーアップが、チームや会社の成長につながるという理解があるのだと思います。
猪熊:私たちNexToneは、従業員を大事にすることを前面に打ち出しており、長く働きやすい環境を整えています。そのため実は離職率が低く、これまでに新入社員やマネジメント層にも退職者がほとんどいません。今回の各研修の導入も、「従業員を大事にする取り組み」の一環として捉えられているのだと思います。
安田:マネジメント研修を受けることで、多くの部長・グループリーダーが、メンバーの成長や協働に目を向けるようになりました。NexToneでは全従業員のスケジュールが全員に共有されているのですが、そのスケジュールを見る限りでは、グループリーダーの多くがメンバーと1on1やランチミーティングをこれまで以上にしっかり行っています。
私自身、グループリーダーの1人として講師派遣型のマネジメント研修を受講しましたが、研修後は習ったことを現場の事象にあてはめながら、マネジメントの型を実践するようになりました。また、学んだ型を意識しながら、いま自分ができていないことは何か、どのような行動を取れば成果に結びつくのか、どのような視点で周囲を見ればよいのかを考えるようになりました。メンバーのことをもっとよく知りたいと思うようにもなりました。
また、グループリーダーは最初にM-BTを学び、1年後にQUADRANTを受講します。こうやって定期的に学び直すことでマネジメント知識を再認識し、意識づけがよりいっそう進む効果も感じています。さらに、私は一緒に研修を受けた仲間たちからも良い刺激を受けています。これまではグループリーダー同士でマネジメントの議論をすることなどなかったのですが、いまではお互いにアドバイスを与え合う関係になっています。
猪熊:私たちは、みんなの顔が見える100名規模の組織で、誰もがお互いの状況をよく理解しています。今回、各階層に研修を導入したことで横のつながりが深まりました。その結果、いま安田がお話ししたように、部長同士・グループリーダー同士がフォローし合う関係性があちらこちらで生まれています。
安田:新人・若手従業員にも良い影響が出ています。特にコロナ禍入社組は、入社後リアルでの交流の場がほとんどありませんでした。だからこそ、若手向けマインドセット研修やスキル研修が良いコミュニケーションの場になればと思い、研修を企画しました。結果、研修のなかで、お互いの入社動機や現在の悩みを話し合うことで、仲間意識が格段に深まりました。NexToneの新人・若手たちは、入社後すぐに責任ある仕事を任され、現状、目の前の仕事にいっぱいいっぱいになりがちですが、誰もが次代を奏でる著作権エージェントとして、権利者・利用者双方のニーズに応え続け音楽文化・音楽産業のより一層の発展に貢献したいという強い想いを持って業務を遂行しています。今回、お互いの想いを打ち明け合ったことで、みんなの仲間意識が強くなりました。これも研修の大きな効果でした。
猪熊:今後はこれまで行ってきた研修を継続しながら、もう少し裾野を広げられるような研修企画を考えています。例えば、全社員向けのスキルアップ研修や、思考力強化研修などを構想しています。全社員がスキルアップして共通言語を持てば、マネジメント効率や働きやすさ、各事業のサービス向上もさらに高められるはずです。なお、思考力強化研修は、研修を行うなかで「NexToneの若手従業員は、音楽という感性に訴えるものを扱うためか、感覚的に物事を捉える」という特徴が見えてきたことから企画を進めています。
いずれにしても、こうした研修は、研修の専門知識やノウハウを持っているリクルートマネジメントソリューションズのような会社にお願いするのが一番です。リクルートマネジメントソリューションズの皆さんには、単に研修サービスを提供してもらうだけでなく、階層別の育成プランを一緒に考えていただいていることに感謝しています。

企業紹介

株式会社NexTone
NexToneは、音楽著作物の管理・利用に関するルールや使用料を定め、著作権者からの委任にもとづいて、利用者への許諾・徴収を行い、音楽著作物の円滑な利用を促進する窓口としての役割を果たしている。民間企業ならではのスピードとフレキシブルな業務体制を生かし、権利者ニーズと市場の動向を見極めながら、時代にマッチした新しい管理ルールの設定を行っている。また、状況に応じた柔軟な運用により、作品のプロモーション機会を増やしている。著作権管理業務を中心に蓄積してきた専門性の高い知識・ノウハウにより、管理業務の枠を超え、音楽ビジネスをトータルでサポートするオンリーワンの著作権エージェントである。
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