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人事担当者に役立つ 「キャリア自律」の進め方 〜個と組織をともに成長させる!〜第2回

施策の現場実装、運用におけるポイント

  • 公開日:2024/02/26
  • 更新日:2024/05/16
施策の現場実装、運用におけるポイント

第1回:「キャリア自律」の全体像の描き方
第2回:施策の現場実装、運用におけるポイント(←今回)
第3回:施策の効果確認とモニタリング方法

前回(1回目)は、「個と組織をともに成長させる『キャリア自律』の全体像の描き方」をテーマに「キャリア自律」を通じて、実現したいことを明確にし、それを実現させるためにどのような取り組みをしていくのか、全体像を設計するポイントをお伝えしました。今回は、各施策の現場実装や運用における4つのポイントについてお伝えします。

<現場実装や運用におけるポイント>
1.職場で誘発したい行動を設定する
2.年間の職場の動きにキャリア自律として誘発したい思考・行動を組み込む
3.行動を誘発するための仕掛けを検討する 4.取り組みたくなるインセンティブを仕掛ける

目次
1.職場で誘発したい行動を設定する
2.年間の職場の動きにキャリア自律として誘発したい思考・行動を組み込む
3.行動を誘発するための仕掛けを検討する
4.取り組みたくなるインセンティブを仕掛ける

1.職場で誘発したい行動を設定する

「キャリア自律」を促進するために、職場のメンバーや上司に誘発したい思考・行動を明確にします。例えば、図表1では、会社のビジョンとメンバーのキャリアビジョンをともに実現するために、メンバーが自ら成長サイクルを回し、上司がその支援をするというサイクルを図示しました。「ゴール設定」のステップにおいてメンバーに誘発したい思考・行動は、「自分のキャリアに対し意志を明確に持つ」ことです。

上司はその想いを聴き、組織の意向を踏まえて、メンバーに任せたい仕事とメンバーが実現したいキャリアとのつながりを伝えます(意味付けします)。そして、設定した思考や行動を職場で誘発するために、必要な施策は何かを検討していきます。例えば、「ゴール設定」のステップにおいて、メンバーがキャリアに対する意志が持てない場合の支援として、「キャリア研修」や「キャリア相談窓口」を設定するなどです。このように、「キャリア自律」を促進するために、職場のメンバーや上司に誘発したい思考・行動を明確にすると、それを引き出す施策についても考えやすくなります。

<図表1>職場で誘発したい思考・行動例

職場で誘発したい思考・行動例

2.年間の職場の動きにキャリア自律として誘発したい思考・行動を組み込む

職場でメンバーや上司に誘発したい思考・行動をどのタイミングで起こしたいのかを考えます。その際に、既存の職場の動き(人事イベントなど)を見える化したうえで、どこの思考・行動を修正するのか・追加するのかを検討します。例えば、ゴール設定において「自分のキャリアに対し意志を明確に持つ」という思考・行動を誘発したいのであれば、人事制度の期初の目標設定面談のシートに「キャリアビジョン」や「今期の成長目標」を記載する欄を追加するなどの仕掛けをします。ここでのポイントは、いかに現場にとって、追加の作業にならないように負荷を下げながら、一石二鳥・三鳥になるように組み込めるかです。※図表2

<図表2>年間の職場の動きにキャリア自律として誘発したい思考・行動を組み込む

<図表2>年間の職場の動きにキャリア自律として誘発したい思考・行動を組み込む

3.行動を誘発するための仕掛けを検討する

図表1の「ゴール設定」のステップにおいてメンバーに誘発したい思考・行動は、「自分のキャリアに対し意志を明確に持つ」という行動です。しかし、メンバー自身がキャリアを考える意欲が低い場合は、その必要性やメリットを伝え動機を形成していくことが必要となります。

また、意欲はあるものの、何を考えることがキャリアを考えることになるのか、どうやって考えればいいか分からない場合は、知識や技法を習得させる必要があります。さらに、キャリアを考える知識・スキルがあったとしても、実際に考える機会やアウトプットする場がなければ行動には移せません。行動に移していくためには、期初の面談の場で、評価シートを使って見える化するなどの行動する場を設定することが効果的です。

このように、メンバー個人の行動を誘発する仕組みを設計した後は、それが職場や組織で継続して実践される仕組みをとなるように設計していくことが必要です。ここでのポイントは、行動誘発や職場運用するまでの思考や行動のプロセスを分解して考えることです。※図表3

<図表3>仕掛け設計の考え方例

仕掛け設計の考え方例

4.取り組みたくなるインセンティブを仕掛ける

電車に乗るとスマートフォンを見ている人が多いと思いませんか。誰からも「スマートフォンを見なさい」と強制されていないにもかかわらず、自然とそのように行動している方が多いはずです。それは、スマートフォンを見ることで、「知りたいことが知れた。すっきりした」「話したい人に連絡が取れた。安心した」「ネットサーフィンで暇つぶしができた。楽しかった」などのその行動をする嬉しさや刺激があるからです。

このように、組織や上司がメンバーのキャリアを支援したくなるようなインセンティブを設計することは、さらなる行動の誘発につながります。例えば、キャリア支援をすることでメンバーのワークエンゲージメントが向上した、離職率が減った、自組織の組織能力が高まった、上司から褒められた、評価が上がったなどです。逆に、インセンティブを組み込んでいても弱い場合や時間などのリソースが不足している場合、実践するための情報が欠如している場合、誰も支援してくれる人がいない場合などは、行動誘発がしづらくなります。※図表4

<図表4>人が動かない理由

人が動かない理由

● まとめ

ここまでお読みいただきありがとうございます。今回は、キャリア自律施策の現場実装、運用におけるポイントをお伝えしました。お伝えした行動誘発のメソッドの概要は、研修設計などの各種施策にも活用できる、実効性の高いソリューション設計には欠かせない考え方となっています。ぜひ、皆さんの会社においてもお役立てください。

次回3回目は、施策の効果確認とモニタリング方法についてお届けします。
第1回:「キャリア自律」の全体像の描き方
第2回:施策の現場実装、運用におけるポイント
第3回:施策の効果確認とモニタリング方法(⇦ 次回)

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