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アルファ世代(α世代)とは? Z世代との違いや育成のポイント

  • 公開日:2025/11/04
  • 更新日:2025/11/04

アルファ世代(α世代)は、今後の社会や経済の動向に大きく関わる世代として、多くの関心が寄せられています。この記事では、アルファ世代の定義や価値観、Z世代との共通点や違い、アルファ世代へ向けた育成のポイントやヒントについて解説します。

アルファ世代とは

アルファ世代とは

アルファ世代(Generation Alpha)は、Z世代に続く新しい世代区分として注目を集めています。
2010年以降に生まれた子どもたちが該当し、デジタルネイティブとしての性質がより顕著とされています。

アルファ世代はいつから?

アルファ世代とは、2010年頃から2024年頃にかけて生まれた世代を指す呼称です。
Z世代(1990年代半ば〜2010年頃)に続く世代であり、主に「デジタル環境が当たり前に存在する社会」で育ってきた点が特徴です。
スマートフォンやタブレットを幼少期から使いこなし、YouTubeやSNSなどの情報に自然に触れる生活スタイルが一般化しています。

アルファ世代の由来

アルファ世代という名称は、Y世代(ミレニアル世代)、Z世代と続いてきた世代区分の流れのなかで、Zの次にあたる存在として名付けられました。
ラテン文字の「Z」で区切りを迎えたあと、新たな時代の始まりを象徴する意味合いを込め、ギリシャ文字の最初の文字「α(アルファ)」が用いられています。
この呼び方には、世代の切り替わりと共に、新しい価値観や社会の始まりを示す意図も込められているとされています。

アルファ世代が「すごい」と注目される理由

アルファ世代は、今後の社会や経済に影響を与えると見られており、注目を集めています。
背景にあるのは、世界的な人口規模の大きさです。
アルファ世代の人口は、2025年には約20億〜25億人に達すると見られており、世界人口の約4人に1人(約26%)を占める計算になります。
これは、過去最大規模とされたベビーブーム世代(X世代)やミレニアル世代をも上回る見込みであり、21世紀中盤には史上最大の世代として台頭すると予測されています。
また、アルファ世代は幼少期からデジタル環境に親しんで育っていることから、テクノロジーとの親和性が高い傾向にあり、価値観や行動様式も従来の世代とは大きく異なる可能性があります。

アルファ世代とZ世代の共通する特徴と価値観

アルファ世代とZ世代の共通する特徴と価値観

アルファ世代とZ世代は、育った時代や環境が隣り合わせにあることから、価値観に多くの共通点が見られます。
ここでは、両世代に共通する主な特徴と価値観を紹介します。

デジタルネイティブ

アルファ世代とZ世代の最大の共通点は、いわゆる「デジタルネイティブ」であることです。
Z世代は検索エンジンが生活に定着した時代に育ち、アルファ世代はさらに進んだかたちで、動画視聴やオンラインゲーム、メタバースなどに自然に触れる環境で成長しています。
どちらの世代も、情報の取得や発信をデジタル上で行うことが当たり前になっており、対面とデジタルを使い分ける柔軟さが特徴です。

タイムパフォーマンスを重視する

アルファ世代・Z世代の共通の価値観の1つとして、「時間対効果」への意識が挙げられます。
どちらの世代も、限られた時間のなかで効率的に情報を取得し、無駄を省くことを重視する傾向があります。
例えば、長文よりも要点を押さえた動画やスライド形式のコンテンツを好む人が多く、アルファ世代ではさらにその傾向が強まると考えられています。

多様性を尊重する

Z世代に続くアルファ世代もまた、多様性を重視する傾向が見られます。
性別・国籍・宗教・家庭環境など、あらゆる違いを前提とした社会環境で育っているため、他者の価値観を受け入れる意識が高いといわれています。
また、SNSなどで幅広い考えに触れる機会が多いため、「違っていて当たり前」という感覚がより自然に根付いているようです。

アルファ世代とZ世代の違い

ここまで両世代の共通点を見てきましたが、ここからはアルファ世代がZ世代とどう異なるのか、より深く理解していきましょう。

さらに進んだデジタルネイティブ

先述のとおり、Z世代もデジタルネイティブとされますが、アルファ世代はそのさらに先を行く存在といえるでしょう。
Z世代が成長期にデジタル環境を手に入れたのに対し、アルファ世代は生まれたときからスマートフォンやタブレット、Wi-Fi環境が身近にあり、動画やアプリを使いこなすのが日常です。
加えて、親世代自体がデジタルリテラシーを持っているため、家庭内での情報接触量が多くITスキル習得のスピードも速まりやすい傾向があります。
こうした背景から、アルファ世代はより直感的にデジタルツールを使いこなし、オンライン上での活動にも抵抗が少ない層として注目されています。

教育の変化

アルファ世代は、新しい学習環境のもとで育っています。
近年の学習指導要領の改定により、外国語教育やSDGs教育などが充実し、小学校ではプログラミング教育が必修化されています。
さらに、タブレット端末を活用した授業も日常的に取り入れられており、デジタルに親しむ環境が整っています。

アルファ世代を含めた新人育成のポイント

上司世代と新人世代が共によりよい未来を築いていくには、相互理解を深めながら新人の成長を後押しする関わり方がポイントです。
そのヒントとして、多様性・公平性・包摂性を意識した「DEI」の視点や、柔軟な支援を行う「ゆるく」×「ひろく」といったアプローチを紹介します。

価値観の違いを理解し、共通の認識を築く

上司世代の多くが「新人育成の難しさ」を感じやすいのは、両者が育ってきた環境や価値観に違いがあるためです。
上司世代は「組織に適応し、自力で成長する」ことを重視する傾向がある一方で、新人世代は「個を尊重し、共創していく」価値観を当たり前とする傾向があります。
ビジネスの場面でも、上下関係よりフラットな関係性を重視し、多様性を尊重しながら協働する姿勢が見られます。
こうしたギャップを乗り越えるには、DEI(ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン)の視点を持ち、個々の背景や考え方を尊重しながら、共通認識を築くことがポイントです。

具体的には、次のような視点と関わり方が挙げられます。

● ダイバーシティ(Diversity)
見た目では分からない価値観や仕事観といった「深層ダイバーシティ」に目を向け、相手の前提や背景を理解することから始めます。

● エクイティ(Equity)
全員に同じ対応をする「平等」ではなく、一人ひとりの状況に応じた「公平」な関わり方を意識します。

● インクルージョン(Inclusion)
お互いの違いを尊重し、それを生かして新たな価値を生み出す関係性を築くことが、世代を超えた協働や職場の活性化につながります。

管理職やチームリーダーがこうしたDEIの視点を実践するうえでは、まず「相手をよく知る」ことから始め、違いを受け入れ、対話を重ねることが重要です。
そのうえで、お互いの強みを生かし合いながら共創へとつなげていくことが、世代の壁を越えたコラボレーションと、よりよい職場づくりに結びついていくでしょう。

「ゆるく」×「ひろく」で新入社員の第一歩を後押しする

DEIの視点を踏まえて新人と向き合うなかで、実践的なアプローチの1つが「ゆるく」×「ひろく」です。
特に、先の見えにくいVUCAの時代においては、上司も新人も「何が正解か分からない」状況に置かれており、新人の成長をどう支えるかはより複雑な課題になっているといえます。
加えて、アルファ世代を含む新人世代には、「最初の一歩を踏み出すことに慎重になる」という傾向も見られます。
ここでは、新人の初動を支援するヒントとなる「ゆるく」×「ひろく」というアプローチについて、詳しく解説します。

まず、「ゆるく」は、失敗への不安や「うまくできないかもしれない」という気持ちをやわらげるアプローチです。
声かけなどを通じて心理的なハードルを下げることで、緊張感から解放し、行動を後押しします。
これは甘やかすというよりも、「効率的に」「確実に」といった正解志向に縛られがちな新人に対して、安心感を提供する関わり方です。

【スタンダードなやり方を「ゆるく」に置き換えるヒント】

仕事・職場で用いられるスタンダードなやり方

「ゆるく」のヒント

上位を目指そう

できそうなことからやってみよう

うまくいくことをやろう

失敗したらそこから学ぼう

ロジックを整理しよう

何となくでも出してみよう

目的へ最速で到達しよう

時には休みながら続けよう

次に、「ひろく」は、「1人で頑張らなければ」「責任は自分が持たなければ」と孤立しがちな新人に対し、視野を広げるサポートです。
相談しやすい環境づくりや、多様な価値観との接点を提示することで、固定化しがちな思考の幅を広げます。

【スタンダードなやり方を「ひろく」に置き換えるヒント】

仕事・職場で用いられるスタンダードなやり方

「ひろく」のヒント

苦手なことも自分でやろう

いろんな人に相談しよう

強い指示を出そう

異なる価値観を取り入れよう

自分で責任を持って進めよう

他者の強みを借りよう

効率的に進めよう

多様な人とつながろう

焦らず伴走する姿勢が、新人の初動を支える土台になるでしょう。

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アルファ世代の働き方とは

アルファ世代が社会に出る頃には、働き方そのものの価値観が今以上に多様化していると考えられます。
世のなかがコロナ禍を経験したことで、オンラインでのやり取りや在宅勤務が広がり、「どこで働くか」よりも「どう働くか」が重視されるようになりました。こうした変化は、次世代の働き方にも大きな影響を与えているといえます。
リモートワーク、副業・兼業、フリーランスなど、1つの企業に縛られない働き方はさらに一般化し、アルファ世代にとってはそれが「当たり前」の選択肢となるでしょう。
また、本記事でもお伝えした価値観や考え方の特徴から、アルファ世代は自分らしいキャリアを重視する傾向があり、効率性や柔軟性のある働き方、ワークライフバランスを大切にする姿勢が一層顕著になると見られています。
企業には、こうした価値観を前提とした制度設計や、柔軟なマネジメント体制の構築が求められていくでしょう。

まとめ

アルファ世代は、世界人口の約4人に1人を占めるとされる大規模な世代であり、今後の社会や経済に大きな影響を与えると見られています。テクノロジーへの親和性や多様性を前提とした価値観を備え、従来の世代とは異なる行動様式を持つ点でも注目されています。
世代間の違いを理解し、DEIの視点や「ゆるく」×「ひろく」といった関わり方を取り入れることが、これからの人材育成や組織づくりにおいて重要なヒントとなります。
企業側には、多様な価値観に応える柔軟な制度設計と、個々の力を生かすマネジメントがますます求められていくでしょう。

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