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ルーティンとは? ビジネス効率化の実践ポイント

  • 公開日:2025/07/14
  • 更新日:2025/07/16

多くのビジネスパーソンが実践しているルーティンには、大きく分けて2つの種類があります。1つは、集中力の維持や業務効率の向上を目的として、日々の生活や仕事に組み込まれた個人の習慣的な行動です。もう1つは、業務のなかで定期的に発生する定型的な作業(ルーティンワーク)を指します。
前者には「毎朝タスクを整理する」「出社後に業界ニュースを確認する」といった行動があり、後者には「週次の会議資料作成」や「月末の報告書作成」などのように、あらかじめ決められた手順で繰り返す業務が含まれます。では、ルーティンを活用することで具体的にどのような効果が得られ、どのような形で業務に生かせるのでしょうか。

ルーティンとは

ルーティンとは

ルーティンとは、「決められた動作を繰り返すこと」を意味します。ビジネスの現場では、主に2つの側面で重要視されています。1つは、自身のパフォーマンスを安定させるための習慣的行動、もう1つは、効率的な業務遂行のためにあらかじめ定められた定型業務(ルーティンワーク)です。

分かりやすくいえば、習慣的行動は「日課」、ルーティンワークは「決まりきった仕事の流れ」とも表現できます。例えば、「朝出社後にニュースをチェックする」「会議前にアジェンダを確認する」といった行動は習慣的なルーティンにあたり、「週次の会議資料作成」や「月末の報告書作成」などは業務上のルーティンワークに該当します。

ルーティンには主に2つのパターンがあります。1つは毎日同じ時間に行う定型的な動作、もう1つは特定のシチュエーションで実施する準備的動作です。これらは、思考の迷いを減らし、判断や行動の質を平準化させる役割を果たします。

また、「ルーティン」「ルーティーン」「ルーチン」など複数の表記がありますが、いずれも同義として扱われています。

ルーティン化するメリット

日々の業務をルーティン化することで、集中力の維持や作業効率の向上など、さまざまなメリットが得られます。

集中力を維持し業務に専念できる

決まったルーティンを取り入れることで、業務に集中するためのスイッチが入りやすくなります。業務開始時の行動を定型化しておくことで、心理的な切り替えがスムーズになり、意識を業務にすぐに向けられるようになります。
加えて、日々の業務そのものを一定の手順で進めることで、思考の分散が抑えられ、集中力の持続にもつながります。繰り返すなかで手順の無駄や改善点も見つけやすくなり、業務全体の精度と効率が高まっていきます。

業務への切り替えが自然にできる

ルーティンを取り入れると、仕事モードへの切り替えもスムーズになります。例えば、出社後に「ToDoリストを作成する」ことを習慣にしておくと、自然と業務に向かう心構えが整います。こうした行動の積み重ねにより、始業直後から業務に集中できる状態がつくれるため、無駄な切り替え時間が減り、業務の効率化にもつながります。

業務精度が上がりスキル向上につながる

ルーティンを積み重ねることで、業務に対する注意力や観察力が磨かれ、結果として作業の精度が向上します。例えば、日々の作業を丁寧にチェックする習慣を持つことで、些細なミスに気づきやすくなります。また、継続的に知識や技術を積み重ねるルーティンを持てば、自ずとスキルアップにもつながります。

仕事におけるルーティンの種類

仕事におけるルーティンには、パフォーマンスを高めるための「行動ルーティン」と、業務を効率的に進めるための「作業ルーティン」の2種類があります。それぞれの特徴を押さえることで、より効果的に仕事へ取り込むことができるでしょう。

パフォーマンスを高めるための行動ルーティン

行動ルーティンとは、仕事に集中し、良いパフォーマンスを発揮するために行う一連の習慣を指します。例えば、出社後すぐにデスクを整える、業務開始前に深呼吸をする、重要なプレゼン前に資料を見直すといった行動が挙げられます。

これらの行動をルーティン化することで、自然と気持ちが仕事モードに切り替わり、集中力を高める効果が期待できます。また、同じ動作を繰り返すことで心に余計な不安や緊張を抱えにくくなり、安定したパフォーマンスを維持できるようになります。

業務効率を高めるための作業ルーティン

作業ルーティンとは、日々の業務のなかで一定の手順を繰り返し実施することで、作業効率や精度の向上を図る仕組みです。例えば、始業後にメールやチャットの対応を行う、定期的に書類の整理を行う、プロジェクトごとに進捗状況をチェックするなどの取り組みが該当します。これらをルール化して実行することで、作業のムラを減らし、安定したパフォーマンスを維持しやすくなります。

ルーティンを定着させるための実践ポイント

ルーティンを定着させるための実践ポイント

ルーティンをしっかり定着させるためには、行動するタイミングや環境を決めておくこと、そして一定期間継続することが大切です。

実施タイミングと実行環境を明確に設定する

ルーティンを身につけるためには、「いつ、どこで行うか」を具体的に決めておくことが効果的です。例えば「始業前にデスクでタスクを整理する」「朝9時に前日のメールを確認する」といったように、行動を時間や場所と結びつけることで、自然と習慣として定着しやすくなります。

最低2カ月以上の継続運用を前提とする

ロンドン大学のフィリッパ・ラリー博士らによる研究によれば、新しい習慣が定着するまでには平均して66日を要するとされています。このため、新たなルーティンを導入する際は、最低でも2カ月以上の継続を前提に設計することが重要です。継続可能性を考慮し、無理なく2カ月間続けられる内容から着手することが推奨されます。
出典:University College London

業務ルーティンを継続させるためには

業務ルーティンは、組織内で標準化された業務プロセスを安定的に回すための重要な仕組みです。単発で終わらせず、現場に根付かせて継続運用することで、業務の効率化や品質の向上につながります。

業務ルーティンとは

業務ルーティンとは、あらかじめ決められた手順に沿って、日常的に繰り返し実施される定型的な作業や業務フローを指します。個人の自由な習慣とは異なり、組織全体で一定の基準に従って運用されることが特徴です。標準化された業務ルーティンを浸透させることで、業務品質の均一化や作業効率の向上が期待できます。

段階的な導入で習慣化を図る

業務ルーティンを現場に定着させるには、いきなり大規模な業務を対象にするのではなく、小さな単位から段階的に導入することが効果的です。初期段階では負担の少ないタスクを対象とし、実際に運用しながら徐々に範囲を拡大していくことで、無理なく業務全体に習慣化を促すことができます。試行錯誤を重ねながら柔軟に調整していく姿勢も重要です。

マニュアルを整備し運用ルールを明確にする

業務ルーティンを安定的に継続するためには、マニュアルの整備と運用ルールの明確化が不可欠です。マニュアルは作成するだけでなく、誰でも必要なときにすぐ参照できる状態を維持する必要があります。また、マニュアル更新のフローや運用ルールを定め、情報が陳腐化しない仕組みを整えることが、ルーティンの形骸化防止につながります。適切なマニュアル運用体制を構築し、定期的な見直しも実施しましょう。

業務におけるルーティン活用の重要性

業務効率を高める手段として、ルーティンの活用は非常に有効です。標準化されたプロセスを日々繰り返すことで、作業の精度を高めるだけでなく、無駄な工数を削減し、生産性向上につなげることができます。
さらに、現代のビジネス環境においては、単に決まった作業を繰り返すだけでなく、「変化そのものをルーティン化する」発想も重要です。

市場環境や働き方が絶えず変化するなかでは、柔軟な対応力が不可欠です。日常業務のなかに小さな改善や新しい取り組みを組み込み、常に変化を受け入れる習慣を身につけることが、組織の競争力強化に直結します。
業務ルーティンを活用する際は、単なる固定作業にとどめず、変化を前提とした柔軟な運用を意識することが、これからの時代に求められる重要な姿勢といえるでしょう。

まとめ

ルーティンは、個人の習慣的な行動から業務上の定型作業まで幅広く活用できる考え方であり、ビジネスにおいて大きな効果をもたらします。
日々の行動をルーティン化することで、集中力が高まり、作業効率の向上が期待できます。
また、業務ルーティンは単なる繰り返し作業ではなく、組織全体で共有されるべきプロセスとして整備・運用されることが重要です。小さなタスクから段階的に導入し、マニュアルの整備と運用ルールの明確化、安定した業務運用と継続的な改善が実現できます。
さらに、変化の激しい現代においては、変化に柔軟に対応するための行動や考え方もルーティン化することが求められます。固定された作業にとどまらず、常に新しい刺激や改善を取り入れる習慣を育むことが、組織の持続的な成長と競争力強化につながるでしょう。

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