用語集
項目特性値 Item Parameterとは
- 公開日:2025/04/28
- 更新日:2025/04/28
テストやアンケート、心理検査における質問項目の性能を示す指標を「項目特性」と呼びます。特に、項目反応理論(IRT)では項目特性を数理統計モデルにおけるパラメータとして扱い、そのパラメータのことを項目特性値と呼びます。代表的な項目特性として、項目困難度と項目識別力が挙げられます。
(1) 項目困難度(Item Difficulty)
項目の難しさを示す指標であり、IRTにおいては困難度パラメータ(bパラメータ)で表されます。困難度が高いほど正答率が低くなり、低いほど正答率が高くなります(アンケートや心理検査の文脈では、正答率は通過率と言い換えられます)。
(2) 項目識別力(Item Discrimination)
測定したい構成概念の得点が高い人とそうでない人を、項目がどの程度識別できるかを示す指標であり、テスト全体の合計スコアと各項目への反応との関係から導かれます。IRTでは識別力を表す際、aパラメータとして用いられます。
項目困難度や項目識別力などの項目特性は、統計モデル上で項目特性値(項目母数; Item Parameter)と呼ばれます。IRTでは項目困難度(b)のみを扱う1PLモデル(ラッシュモデル)、項目困難度(b)と項目識別力(a)をモデルに組み込む2PLモデルがよく使用されますが、他にもあて推量パラメータを加味した3PLモデルなど、さまざまな項目特性と統計モデルが考案されています。
項目特性値は、適応型テスト(CAT)や項目プールの管理、得点の標準化や等化、特異項目機能(Differential Item Functioning; DIF)の分析などに利用され、公平かつ高精度な測定を支える重要な要素です。また、項目特性値から導かれる項目特性曲線(Item Characteristic Curve: ICC)は、各項目がどのような特性を持つのかを視覚的に確認でき、より良い項目を開発するための情報となります。
このように、特にIRTを活用したテストや心理検査においては、項目特性値を考慮することで、より妥当性や信頼性の高い測定が可能となります。
<参考文献>
加藤健太郎・山田剛史・川端一光(2018).Rによる項目反応理論. オーム社
熊谷龍一・荘島宏二郎 (2015). 教育心理学のための統計学―テストでココロをはかる. 誠信書房.
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