用語集
5W1Hとは? ビジネスでの活用事例や類似するフレームワークとの違いを解説
- 公開日:2025/01/21
- 更新日:2025/01/23
5W1Hとは、情報を整理したい時や、情報を分かりやすく伝えたい時に役立つフレームワークです。当記事では5W1Hの概要をはじめとして、5W1Hの各要素の意味や、ビジネスシーンにおける活用事例などをまとめました。
5W1Hとは
5W1Hとは、ビジネスシーンにおいて情報を過不足なく伝えたい時に役立つフレームワークです。「When:いつ」「Where:どこで」「Who:誰が」「What:何を」「Why:なぜ」「How:どのように」という6つの英単語の頭文字を取ったものであり、各要素を満たすことで相手に分かりやすく情報を伝えることができます。
■5W1Hが具体的に含まれる指示例
「前回出した新商品の売上が芳しくないので、プロモーション施策を改善するため、MTGを行いたい。明日の午後6時、第3会議室にプロジェクトチームメンバー全員を集めておいてほしい」
■5W1Hが欠けている、ぼやけている指示例
「新商品の売上が芳しくないので、なんとかしたい。明日打ち合わせをするから人を集めておいてほしい」
5W1Hの各要素の意味と順番
ビジネスにおける5W1Hは、基本的に「When(いつ)→Where(どこで)→Who(誰が)→What(何を)→Why(なぜ)→How(どのように)」の順番に沿って活用されています。順番はあくまで例であり、状況に応じて入れ替えても構いません。それぞれの要素の意味を以下にまとめました。
When(いつ)
5W1H におけるWhen(いつ)には、日時や期限、期間といった「時」に関する言葉が入ります。
- 日時:1月1日の10時に
- 期限:明日の10時までに
- 期間:4~6月の間に
- タイミング:今実施しているキャンペーンが終わる頃に
- 季節:来年の春に
5W1H を使ってWhen(いつ)を明らかにすることで、話し手は「いつ起こったのか」「いつやるのか」「いつまでにやるのか」といったタイミングを聞き手に明らかにすることができます。
Where(どこで)
5W1H におけるWhere(どこで)には、地名や所在地といった「場所」に関する言葉が入ります。
- 地名や場所:会議室で、取引先のA社で、○○駅の構内にある展示エリアで
また、具体的な場所の名前ではなく、PCやインターネット上の場所や、「会議の参加者が全員入れそうな部屋」「取引先の方の好きな物が食べられる店」など、場所を設定する条件を提示することもできます。
Who(誰が)
5W1H におけるWho(誰が)には、組織上のポジションや人名、集団名といった「人」に関する言葉が入ります。
- 人名:○○部署の誰々が
- ポジション:○○部署のマネージャーが、○○社のコンサルタントが
- 集団名:プロジェクトチームが、○○社の○○支部が
What(何を)
5W1H におけるWhat(何を)には、物事に関する幅広い言葉が入ります。
- モノ:新商品の○○を
- コト:今月1日からスタートするイベントを、商品デザインのテーマを
商品などの手に取ることができるものはもちろん、コンセプトやテーマといった形のないものも該当します。できるだけ正確かつ具体化な内容を入れることで、相手によりスムーズに情報を伝えられるでしょう。
Why(なぜ)
5W1H におけるWhy(なぜ)には、特定の状況になった背景や、特定の行動を取らなければならない理由が入ります。「なぜそうなったのか」「なぜやったのか」の「Why」を明らかにすることで、問題の見える化や課題の洗い出しをすることができます。
How(どのように)
5W1H におけるHow(どのように)には、問題解決の手段やツールなどが入ります。例えば「明日の朝に緊急会議がしたい」という概要を5W1Hで記載すると、次のようになります。
- When(いつ):明日の朝9時に
- Where(どこで):第2会議室(またはオンライン会議ツール)で
- Who(誰が):全プロジェクトチームメンバーが
- What(何を):進行中のプロジェクトに関する緊急対策会議を行う
- Why(なぜ):進捗の遅れが発生しており、対応策を決定するために
- How(どのように):各担当者が現状報告を行い、改善策とアクションプランを策定する
5W1Hを活用するメリット・デメリット
5W1Hはコミュニケーションを円滑にする効果があるフレームワークですが、活用に際して注意したいポイントもあります。5W1Hを活用するメリットとデメリットをまとめました。
5W1Hを活用するメリット
5W1Hを活用するメリットは、情報の過不足を防ぎやすくなることです。例えば報連相の際に「いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのようにするのか」という6つの要素を適切に盛り込むことで、伝え漏れのないコミュニケーションに繋がりやすくなります。話し手が「今伝えるべきこと」を論理的に把握していることから、聞き手に誤解を与えにくいところもメリットといえるでしょう。
また、5W1Hは自分の思考や状況を整理したい時や、情報を可視化したい時、新しいアイディアを出したい時などにも役立ちます。例えば新サービスのアイディアを考える際、5W1Hに沿ってサービスの例を出していくことで、新たな視点やニーズも見つかりやすくなります。
5W1Hを活用するデメリット
5W1Hを活用するデメリットとしては、一度に伝える情報が多い点が挙げられます。ビジネスシーンで5W1Hを使う際は毎回すべての要素を入れるのではなく、相手がどこまで把握しているかをふまえて、既に共通認識がある情報を省くとよいでしょう。
また、5W1Hを網羅して伝えると、やや説明口調になりやすいところにも注意が必要です。話し方に違和感を覚えられてしまう可能性もあるため、5W1Hの順番どおりにそのまま話すのではなく、要点をおさえて伝えるようにしましょう。
ビジネスシーンにおける活用事例
5W1Hは報告書の作成やアイディア出しなど、ビジネスのさまざまなシーンで活用することができます。具体的な事例について見てみましょう。
報告書の作成
議事録や日報、営業報告書、経緯報告書といった報告書は、社内や取引先に情報を共有したい時に役立つツールです。報告書は客観的かつ過不足なく情報を盛り込むことが求められるため、5W1Hを活用して情報を整理する方法が有効です。
例えば営業日報を書く場合は、まずは以下のように情報を整理します。
When(いつ):2024年6月20日(木)の10:00から17:00まで
Where(どこで):東京都内の渋谷、新宿エリア
Who(誰が):営業部の山田太郎
What(何を):取引先3社に対して、新商品の提案を実施
Why(なぜ):既存顧客へのフォローアップと新商品の導入促進のため
How(どのように):パワーポイント資料を用いたプレゼンテーションと質疑応答を実施
情報を整理できたら、指定の報告書のフォーマットに落とし込むとよいでしょう。
マーケティング戦略
5W1Hは新商品を打ち出す時やマーケティング戦略を考える際にも活用できるフレームワークです。
When(いつ):販売期間やキャンペーン期間などのタイミングはいつか
Where(どこで):どの市場をねらうのか
Who(誰が):どのようなターゲット層なのか
What(何を):どのようなコンセプトの商品なのか
Why(なぜ):どのようなニーズを満たしたいのか
How(どのように):どのような方法でアピールするか
新商品のイメージやターゲット層を6つの要素に分けて書き出すことで、新しいアイディアや視点が見つかりやすくなります。
社内でのコミュニケーション
5W1Hは社内で部下に指示を出したい時や、上司に報告したい時など、ビジネスを円滑に進めたい場面にも役立ちます。「伝えたい内容を5W1Hで書き出す→相手に知ってほしいことをピックアップして伝える」という流れをふむだけでも、情報の抜け漏れを防ぎやすくなるでしょう。
5W1Hと似たフレームワーク
最後に、5W1Hから派生したフレームワークの概要や活用したいシーンについてご紹介します。
5W2H
5W2Hは、5W1Hの要素に「How much(いくらで)」を加えたものです。「キャンペーン予算は総額500万円で」「広告費300万円で」「予算は100万円以内で」など、目標の達成にかかるコストを具体化したい時に役立ちます。
5W3H
5W3Hは、5W1Hの要素に「How much(いくらで)」と「How many(どのくらいの規模で)」を加えたものです。
「How much」には5W2Hと同じく予算や売上を表す数値が入り、「How many(どのくらいの規模で)」には生産量や仕入れ量、人数、ラインアップ数といった規模が分かる数値が入ります。
例えば新商品の販促キャンペーンの5W3Hは、以下のようになります。
・When(いつ):2024年9月15日から9月20日まで
・Where(どこで):全国の主要小売店舗で
・Who(誰が):マーケティングチームと販売促進部門が
・What(何を):新商品の販促キャンペーンを実施する
・Why(なぜ):製品認知度向上と売上増加のため
・How(どのように):店頭イベント、SNS広告、動画CMを組み合わせて
・How much(いくらで):800万円のキャンペーン予算で
・How many(どのくらいの規模で):1日あたり50~100個の販売を目標とする
一連のアクションで得たい目標値や目安を把握したい時に活用できるフレームワークです。
6W2H
6W2H は、5W1Hの要素に「Whom(誰に)」と「How much(いくらで)」を加えたものです。一連の行動を、誰に対して、どのくらいの予算感で行うかを具体化したい時に役立ちます。
例えば新サービスのプレゼンテーションの 6W2H は、以下のようになります。
・When(いつ):明日の午後2時に
・Where(どこで):取引先のA社で
・Who(誰が):営業部の○○が
・What(何を): 新しいサービスプランのプレゼンテーションを
・Why(なぜ):A社の業務効率改善に貢献するため
・How(どのように):パワーポイント資料を用いたて
・Whom(誰に):クライアントのA社開発部の担当者5名に
・How much(いくらで):初期費用50万円および月額利用料10万円ほどのコスト感で
7W2H
7W2Hは、5W1Hの要素に「Which(どれを)」「Whom(誰に)」「How much(いくらで)」を加えたものです。一連の行動の対象者や予算感を伝えつつ、「限定パッケージ版と通常版の2種類を」「サービスAとサービスBのいずれかを」というように、複数の選択肢を提示したい時に活用します。
まとめ
5W1Hの各要素の意味やビジネスシーンでの活用事例など、ビジネスコミュニケーションに役立つフレームワークのノウハウについてご紹介しました。
5W1Hをはじめとするフレームワークは、相手に自分の意見を齟齬なく伝えたい時に役立ちます。弊社でも、業務における分かりやすい情報の伝え方を習得できるさまざまな研修サービスを提供しているので、興味がある方は下記リンクをご覧ください。
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