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ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)とは? 具体的な取り組みや推進のための施策を解説

  • 公開日:2024/06/27
  • 更新日:2024/06/27

ダイバーシティ&インクルージョンは、多様な人材の活躍から高い組織力を生み出し、企業のさらなる成長を促す取り組みとして注目を集めています。そこで今回は、ダイバーシティ&インクルージョンの概念やメリットをはじめ、効果的な施策例などについて解説します。

「異文化や多様性を理解・受容するマインド」を醸成
異文化・多様性受容研修

ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)とは

ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)とはのイメージ画像

ダイバーシティ&インクルージョンは、多様性(ダイバーシティ)と包摂性(インクルージョン)と訳される、2つの言葉を組み合わせた用語です。

まず多様性(ダイバーシティ)とは、国籍・年齢・性別・宗教・思想・スキルなど、個々に備わった属性の違いを認め合う考え方を指します。そして包摂性(インクルージョン)とは、すべての個性が受け入れられ、存分に生かされている状態を表します。

これらを踏まえてダイバーシティ&インクルージョンとは、全員の特性を尊重し合うことで互いの関係性を強め、なおかつ全体のパフォーマンスがどんどん高まる組織にしていく取り組みを指します。

例えば「育児や介護と両立できる社内制度を整える」なども、ダイバーシティ&インクルージョン推進の施策の1つです。従業員それぞれにさまざまな生活背景があるなかでも、一人ひとりが十分に実力を発揮できる労働環境をつくるという意味で、ダイバーシティ&インクルージョンに該当します。さまざまな背景を持つ人材がそれぞれ活躍できると同時に、それが組織としての大きな成長や変革につながるように取り組んでいくのが、ダイバーシティ&インクルージョンです。

なおダイバーシティ&インクルージョンに関する研究について、以下の記事でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
【特集】先行研究から見るインクルージョン
職場の多様性とインクルーシブな文化形成

ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)が必要とされる背景

では現代の企業において、なぜダイバーシティ&インクルージョンが求められるのか、ビジネスとの関連性についてみていきましょう。

価値観の多様化と技術の進化

時代が進むにつれて、さまざまな価値観が生まれている昨今では、消費者のニーズも多様化しています。実際に近年では、SNSやサブスクリプションなど、今までになかった商品やサービスが次々に誕生しました。このように市場が変化するなかで、より画期的な事業を展開するためには、幅広い人材の視点やアイディアによる新たな価値創造が欠かせなくなってきています。また年々進歩する技術に対応するためにも、あらゆる人材の活用を通じた、革新的な組織力の創出が重要となっています。

労働人口の減少

少子化が深刻化している今、生産年齢人口は年々減少し、国全体としての労働力が不足しています。さらには高齢化の影響により、介護従事者の割合が増加するなど、労働需要も変化している状況。どの企業でも人材確保が難しい状況だからこそ、多様な労働力の活用が求められているのが現状です。ちなみに65歳以上の人口層では、働きたい意欲のある割合も多く、高齢者人材への注目度も高まっています。

ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)のメリット

ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)のメリットのイメージ画像

実際にダイバーシティ&インクルージョンを通じて、組織にもたらす効果として、おもに次の4つが挙げられます。

優秀な人材の採用が可能

ダイバーシティ&インクルージョンにより、あらゆる人材に視野を広げることは、さまざまな分野に優れた求職者を発掘する意味でも効果的です。これまでの既成概念にとらわれず、幅広い人材に目を向けることで、新たな視点から優秀な社員を見つけられる可能性が出てきます。

イノベーション創出の促進

それぞれが異なる価値観を持つ人材が集まっている分、より幅広い考え方や意見による、斬新なアイディアも生まれやすくなります。さまざまな人材から出てくる多様な発想を生かすことで、これまでになかった商品やサービスなどにつながり、大きなイノベーションを創出できる効果にも期待できます。なお組織におけるイノベーション創出については、以下の記事でも解説しているので、併せて参考にしてみてください。
イノベーション創出

社員のモチベーション向上

多様な価値観や個人の背景が尊重されることで、一人ひとりが思う存分に力を発揮でき、なおかつその活躍が認められる組織であれば、社員たちは常に高い意欲を持って働きやすくなるでしょう。ダイバーシティ&インクルージョンを通じて、個々が確かな存在意義を感じながら仕事ができる環境をつくることは、社員のモチベーション向上にも直結します。なおモチベーションの定義は、以下の記事でも解説しています。
モチベーションとは? 意味を簡単に解説

企業イメージの向上

ダイバーシティ&インクルージョンを推進することは、多様化の時代の流れを汲んだ企業として、イメージアップにもつながります。ダイバーシティ&インクルージョンは、最先端かつ社会問題にも向き合う取り組みだからこそ、第三者から高く評価される要素といえるでしょう。顧客や求職者からの好印象や興味を惹きつける効果も見込めます。

ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の具体的な取り組み

ダイバーシティ&インクルージョンの施策として、実際にどのような取り組みができるのか、具体的な参考事例をご紹介します。

女性の活躍推進

ダイバーシティ&インクルージョンの代表例として挙げられるのは、男女が平等に活躍できる機会の創出です。例えばリクルート社では、結婚や出産などでキャリアが中断されやすいイメージを打破すべく、女性管理職の積極的な登用など数々の施策を実施。子育てと仕事の両立を体験するVR研修など、女性の働き方に対する意識を変える、さまざまな取り組みを行っています。なお女性の活躍推進に関する事例は、以下の記事でも解説しているので、参考にしてみてください。
女性の活躍推進

障害者雇用率の義務付け

障害者雇用率の義務付けは、政府によって推進されている取り組みでもあります。これは障害者雇用促進法にもとづき、一定の規模以上の企業を対象に、法定比率を満たした障害者の雇用を義務化するものです。各企業では障害者人材の活用に向けて、例えば必要なスキル習得をサポートする社内教育や支援ツールの導入など、さまざまなノーマライゼーション施策を実施しています。

外国人人材の活用

国籍に関係なく、幅広い人材が活躍できる環境を整えることも、ダイバーシティ&インクルージョン施策の1つです。特に外国人人材の活用では、言葉の壁が課題になりやすいなかで、例えば多言語に対応した管理職や指導者を配置する、また外国人留学生向けの就職フェアに参加するなど、人材採用の選択肢を広げる事例もみられます。

LGBTへの理解推進

価値観の多様化が進むなかで、LGBTに対する理解が広まり、誰もが活躍しやすい職場づくりの要素として注目されてきています。例えばリクルート社では、同性パートナーにも適用される家族向けの福利厚生や、LGBTの従業員たちが交流できるクラブ活動などを取り入れています。個々が自分らしい考え方を大切にしながら働ける環境にすることも、ダイバーシティ&インクルージョンの施策といえます。また以下の研修では、LGBTをはじめとした多様性に対応する講座を開催しているので、ぜひご活用ください。
ワークライフバランス/ダイバーシティ特集

ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)推進のための施策

ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)推進のための施策のイメージ画像

ダイバーシティ&インクルージョンを進めるには、多様な人材が活躍できる、土台を固めておく必要があります。そこで効果的な施策としては、次のようなものが考えられます。

啓発や理解促進のためイベント開催

ダイバーシティ&インクルージョンを推進するには、そもそも多様な人材活用の重要性を知ってもらうことが欠かせません。そこでまずはダイバーシティ&インクルージョンに向けた、意見交換会や勉強会などのイベントを開催するのも効果的です。また社員同士の交流を通じて、社内でどのような人材活用ができるのか考える機会を設けるのも、ダイバーシティ&インクルージョンの啓発や理解促進につながるでしょう。

研修やセミナー開催

ダイバーシティ&インクルージョンの推進にあたり、組織全体として、さまざまな属性に対する無意識の思い込みや偏見を解消していくことも重要。マイノリティ層に対する理解や、個人の固定観念にとらわれない考え方を浸透させることで、ダイバーシティ&インクルージョンが促進しやすくなる効果が見込めます。研修やセミナーを通じて、組織全体の意識改革を図るのも有効でしょう。

働き方の選択肢の増加

働き方の選択肢を増やしておけば、個々で柔軟に勤務スタイルを選べることから、さまざまな従業員が活躍できる土壌ができていきます。こうして多様な人材が活躍できる仕組みを整えることで、幅広い属性の従業員の雇用が進みやすくなり、ダイバーシティ&インクルージョンの促進につなげることが可能。人材の多様性を受け入れる体制があることも、ダイバーシティ&インクルージョンの推進に欠かせない要素です。

適材適所の人材配置

ダイバーシティ&インクルージョンを進めるには、誰もが「ここでなら自分も活躍できそう」と感じられる居場所が必要です。そこで一人ひとりの個性や経験などを生かせる人材配置により、個々の能力が発揮しやすい環境を整えることも重要。例えば女性の出産・育児経験が活かせる商品開発チームなど、各人材の活躍がイメージできる場を設けることも、ダイバーシティ&インクルージョンの推進につながります。

またダイバーシティ&インクルージョン推進施策の参考情報は、以下の記事でも詳しく解説しているので、ぜひ併せてご覧ください。
言葉の意味から考えるDEI(ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン)推進

まとめ

ダイバーシティ&インクルージョンとは、さまざまな人材が活躍すると同時に、互いに高め合える組織に向けた取り組みをしていくものです。現代の激しく変化する市場や、労働力確保には欠かせない取り組みであり、今後の企業発展を支える人材活用のキーワードともいえるでしょう。なお以下の研修では、こうしたダイバーシティ&インクルージョンの推進に向けた、多様な人材の活躍につながる講座を開催しています。ダイバーシティ&インクルージョンを通じた組織力向上に、ぜひご活用ください。

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