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ビジネススキルとは? 種類やスキルアップの方法を徹底解説

  • 公開日:2021/03/19
  • 更新日:2025/05/26

仕事で成功するためには「ビジネススキル」が重要だと感じる一方で、具体的にどのようなスキルが必要で、どうやって身に付ければ良いのか、疑問に思うことも多いのではないでしょうか。ビジネススキルは、どんな職場でも求められる能力で、コミュニケーション力や問題解決能力、リーダーシップなどを高めることで、仕事が効率的に進み、キャリアアップのチャンスも広がります。ビジネススキルについて興味のある方は参考にしていただけますと幸いです。ぜひ最後までお読みください。

ビジネススキルとは?

ビジネススキルとは、さまざまな業務の遂行や経営上の意思決定など、幅広いビジネスシーンに必要な技能を指す言葉です。スキルという言葉が使用されるときには、「特定の物事を成し遂げるために習得する高度な技能」との意味を持つことがあります。つまりビジネススキルは、訓練や学習などに励んで培われる、実践に活用できる特殊な技能ともいえます。
ビジネススキルのなかには、特定の業務を行うために求められる専門的なものや、あらゆるビジネスシーンに役立つ汎用的なものなど、多種多様な種類があります。どのようなビジネススキルにも共通しているのは、スキルを身に付けることが、仕事の成果や業務の効率化・生産性向上などにつながる点です。

今必要なビジネススキルとは? 第1回
今さら聞けない「ビジネススキル」とは何か?

ビジネススキルが重要な理由

現代のビジネス環境、特に不確実性が高く、急速に変化する「VUCA時代」では、単なる専門知識にとどまらず、他者との協力や柔軟な対応能力がますます重要になっています。ビジネススキルには基礎的なロジカルシンキングだけでなく、急速に変化する環境に本質的に対応するためのクリエイティブな思考や柔軟な視点も含まれます。こうしたスキルを磨くことによって、業務の効率性や成果を向上させ、キャリアアップへとつながります。特に、非定型業務の増加にともない、個人の思考力や対人スキルが直接的に成果に結びつくケースが増えています。ビジネススキルの向上は、社員個人の成長やキャリアアップを促進するだけでなく、組織全体の発展にも大きく寄与し、企業全体にポジティブな影響を与えます。さらに、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進や事業転換にともなうリスキリングの重要性が高まるなか、個人と組織が共に成長するためには、ビジネススキルの向上が欠かせません。

ビジネススキルと似た言葉との違い

ビジネススキルと似た言葉はいくつもありますが、厳密にはそれぞれ意味合いやニュアンスが異なります。ここからは、特にビジネススキルと混同しやすい用語をピックアップし、使われ方の違いなどを簡単に解説していきます。

スキルと能力の違い

能力とは、何かしらの物事を実行するために根本的に備わった力を指す場合が多く、例えば身体機能や性格なども含んで使われるケースが多々あります。どちらかといえば、能力は先天的な才能や適性に近く、一方でスキルは後天的に身に付ける力を示します。いわばスキルの基礎となるのが能力といったイメージです。

スキルと知識の違い

知識とは、頭に入っている情報を指すのが一般的で、例えば特定の物事に対する理解や判断の基本となるものです。スキルは、具体的な作業や行動をする実践的なアウトプットであり、知識があっても現実の場面で力を発揮できなければスキルを発揮できているとはいえません。知識を使って、スキルを発揮するようなイメージです。

スキルと技術の違い

技術とは、特定の物事の生産・制作・処理などをするための手段を指し、対個人に限らず、一般的には社会で認められたテクノロジーも含まれます。例えば宇宙工学やインターネットなど、科学分野の応用的な知識や手段といったニュアンスもあるのが技術です。一方でスキルは人間による行動・動作・処理に対して使われることが多く、具体例としてはプログラミングやデザインなど、個人単位でも発揮できるものを示します。

ビジネススキルの種類

ビジネススキルは大きく5つの領域に分類されます。それぞれのスキルをバランスよく育てることで、個人としての市場価値やチームへの貢献度が高まります。

考えるスキル

考えるスキルは、ビジネス上の問題や課題に対して本質を見極め、論理的に整理・分析し、最適な解決策を導き出す力です。論理的思考(ロジカルシンキング)や批判的思考、仮説思考などが含まれます。複雑な情報を正確に読み解く力や、複数の選択肢から最も効果的な戦略を選び取る判断力も重要です。加えて、戦略的な視点やマーケティング思考、数値やデータに基づく分析力もこの領域に該当します。情報を集め、整理し、構造化して発想につなげるスキルは、あらゆる業務において意思決定の質を左右します。ビジネスパーソンとしての土台を築くうえで、最も基本となるスキルの1つです。

実行するスキル

実行するスキルとは、立てた計画を実際の行動に落とし込み、成果へとつなげるための実務的なスキル群です。プロジェクトの全体像を把握し、段取りを組みながら、時間・人材・リソースを効率よく活用する力が求められます。会議やプレゼンテーションにおける進行管理や情報伝達の技術も、意思決定や合意形成をスムーズに進めるうえで欠かせません。さらに、戦略の意図を正しく理解し、現場で実行できる力や、財務・会計といった数字の視点から事業を捉える力も、実行力を高める重要な要素です。こうしたスキルは、単なる「やり遂げる力」ではなく、全体を俯瞰しながら成果につなげる力ともいえます。環境変化の激しいビジネス現場においては、柔軟かつスピーディーに動ける実行力こそが、個人のパフォーマンスを左右します。

人を動かすスキル

人を動かすスキルは、周囲と信頼関係を築き、共に目標に向かって進むために欠かせないコミュニケーション力や対人対応力です。相手の立場や感情を理解しながら、論理的かつ誠実に自分の考えを伝える力は、あらゆる職種・階層で求められます。また、部下や後輩の成長を支援するコーチングや、相手の意欲を引き出すフィードバックの技術も求められます。加えて、交渉や合意形成といった場面では、互いに納得できる関係性を築くスキルが問われます。人を動かすスキルとは、指示を出すことではなく、信頼と共感を通じて人の心を動かし、自発的な行動を促す力です。これらのスキルを高めることで、チームの生産性やエンゲージメントを大きく向上させます。

自己をコントロールするスキル

自己をコントロールするスキルは、感情や思考、行動を自ら管理し、安定したパフォーマンスを維持するために重要な力です。ストレスの多いビジネス環境では、冷静な判断力や自律的な行動が求められます。特に、メンタルヘルスのセルフケアや、ハラスメント・コンプライアンスに対する意識は、組織人としての信頼にも直結します。自己理解を深め、自身の状態を適切にマネジメントすることは、周囲との健全な関係構築にもつながります。

専門知識・スキル

専門知識・スキルは、職種や業務領域に応じて必要となる実務的な知見や技術を指します。例えば営業職であれば、顧客心理の理解や提案力、関係構築のスキルが求められ、人事領域では労務管理、コンプライアンス、メンタルヘルスといった法的・制度的な知識が欠かせません。こうした専門スキルは、汎用的なビジネススキルと組み合わせることで初めて効果を発揮し、実務の質や成果に直結します。自身の職務に必要な専門領域を深く掘り下げ、継続的にアップデートしていく姿勢が、ビジネスパーソンとしての信頼と価値を高めるカギとなります。

【階層別】求められるビジネススキル

ビジネススキルは、職位や経験年数によって必要とされる内容や深さが異なります。自身のキャリアステージに応じたスキルを意識的に磨くことで、継続的な成長と組織への貢献につながります。

新入社員

新入社員には、ビジネスマナーや報連相、タイムマネジメントといった「実行するスキル」の基本が求められます。また、上司の意図を正確にくみ取るコミュニケーション力や、物事を順序立てて考えるロジカルシンキングの習得が、成長の起点となります。早い段階から仮説思考やデータの読み取りにも慣れておくと、将来的な業務の質も高まります。

若手社員

若手社員は、業務の幅を広げながら、チーム内外と連携し成果を上げるフェーズに入ります。プレゼンテーションや会議進行といった「実行するスキル」に加え、マーケティング思考や戦略的な視点を持って課題解決に取り組む「考えるスキル」も求められます。さらに、先輩や関係者との信頼関係を築くうえで、相手の心理を理解し、適切に伝える「人を動かすスキル」も重要になってきます。

中堅社員

中堅社員には、後輩育成や業務改善の提案といった役割が加わり、「人を動かすスキル」がより重要になります。コーチングやフィードバックを通じて周囲を成長に導く力に加え、数値分析や仮説構築によって課題の本質を捉える「考えるスキル」も必須です。多忙ななかでも感情や時間を自己管理する「自己をコントロールするスキル」が求められる場面も増えていきます。

管理職層

管理職層は、部下の育成や業務の進行管理を中心に、実行力と柔軟な対応力が求められます。状況に応じた指示や誠実な対話を通じて、チーム内の心理的安全性を保ちながら、効果的なリーダーシップを発揮する役割です。

ロワーマネジメント(監督者層)

監督者層は、現場の進行管理や部下育成の役割を担い、段取り力や進捗管理といった「実行するスキル」が中心となります。加えて、状況に応じた柔軟な対応や論理的な問題解決能力が求められます。さらに、部下やチームメンバーの信頼を得るためには、誠実なコミュニケーションや心理的安全性を保つ「人を動かすスキル」が求められます。リーダー職には、テクニカルスキルだけでなく、チームメンバーとの協力や適切なサポートを行うためのヒューマンスキルも欠かせません。

ミドルマネジメント(中間管理職)

中間管理職は、部門間連携や変革の推進など、広い視野と説得力が求められます。マーケティング的な視点で部門の価値を再定義しながら、戦略的に施策を実行する「考えるスキル」と「実行するスキル」の融合が不可欠です。部下を巻き込みながら目標達成へ導くためのコーチングや1on1ミーティングの技術もカギになります。

トップマネジメント(経営者層)

経営者層には、ビジョン策定、意思決定、組織文化の形成といった複合的なスキルが必要です。将来を見越したシナリオ構築においては、論理的思考や仮説構築が強く問われます。また、外部ステークホルダーとの信頼関係を築く「人を動かすスキル」や、多様な価値観を受け入れる柔軟な「自己をコントロールするスキル」も不可欠です。

効率よくスキルアップする方法

ビジネススキルは意識的に学ぶことで効率よく高められます。現場経験と並行して、学習機会を自ら取りに行く姿勢がキャリアの成長を後押しします。

幅広い仕事に挑戦する

効率的にスキルアップするためには、担当業務の枠を超えてさまざまな仕事に関わることが重要です。新たな業務に挑戦することで、未知の課題への対応力が養われ、汎用的なスキルが自然に身に付きます。最初は慣れないことが多く、時間がかかることもありますが、その過程で思考力や応用力が高まり、自分なりのアプローチを見つけられます。新しい仕事に前向きに取り組み、得た経験を振り返りながら実践を重ねることで、確実にスキルは向上します。

外部の研修サービスやセミナーに参加する

ビジネスパーソンや各企業が利用できるサービスとして、特定分野に詳しい専門家による研修やセミナー、勉強会なども数多く開催されています。さまざまなテーマや内容のプログラムがあるので、求めるビジネススキルや参加できそうな開催地などから検索し、より効果の高そうな講座を選んでみましょう。なかには無料サービスやオンライン講座などもあり、必要に応じて柔軟に活用できます。また外部のサービスを使うことで、社外のビジネスパーソンと接する機会にもなり、人脈が広がったり情報交換ができたりするチャンスにも期待できます。

会社で活躍している人から吸収する

社内でも、高い成果や生産性などを達成している人材は、その業界や職種に必要とされる確かなスキルを持っています。例えば営業職なら、商談における会話の流れやクロージング方法など、お手本として社内で共有し合うのも良い方法です。社内の成功事例を集めたマニュアルや、社員同士で意見交換できる相談会などがあると、実際に活躍する人材からのスキルの吸収もしやすいでしょう。

ビジネス書を読む

良質なビジネス書は、体系的な知識や成功事例を学ぶための有効なリソースです。自分の成長に必要なテーマを扱った本を選び、実務に照らし合わせながら読むことで、理解が深まり、実践に生かせるノウハウを得られます。ビジネス書は時間や場所を選ばず読めるため、忙しい日常のなかでも自分のペースで効率的に学習を進められます。

資格取得を目指す

例えば国家資格や民間検定などの取得を目指して、集中的に勉強することでスキルアップを図る方法もあります。その業界や職種に関連するもの以外にも、資格を取ることで確かなノウハウが身に付けば、それを生かして新たな挑戦ができる可能性も出てくるでしょう。また資格取得のように、明確な目標を設定することで、スキルアップに向けたモチベーションを維持しやすいメリットもあります。

まとめ

ビジネスや経営には確かな正解がないうえに、現代は社会情勢やテクノロジーなどの変動が激しく、将来的な不確実性も高いVUCAといわれる時代になっています。そうしたなかでも、時代に取り残されない組織としてパフォーマンスを高めていくためには、社員一人ひとりが確かなスキルを磨くことが欠かせません。

また、ビジネスを取り巻く環境も変化しやすい現代に対応できる組織を構築するには、各人材で幅広いスキルをカバーしていく必要があります。なお以下のプログラムでは、組織の課題などに応じて、より適切な講座を選べるビジネススキル研修を実施しておりますので、組織力向上を目指す際にはぜひご活用ください。

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