今必要なビジネススキルとは? 第1回 今さら聞けない「ビジネススキル」とは何か?

執筆者情報
HRD・OD事業推進部
石岡 由紀子

ビジネスパーソンには、役割に応じて身につけると効果的に仕事が進むビジネススキルがあります。
元々得意なことや、仕事のなかで自然に身につけていくことができる場合もありますが、身につけるために遠回りをしたり、その過程で壁にぶつかったりすることもあります。

私たちが提供するビジネスパーソンの学び場「リクルートマネジメントスクール」では、お客様から特定の社員に何を学ばせたらいいのか、というご質問を非常に多くいただきます。「新入社員にビジネスマナーの次に学ばせるべきものは?」「管理職に部下マネジメントを学んでもらうためには何を?」「コミュニケーション下手なエンジニアには何をさせればいいのか?」など。

そこで本連載では、企業で働くビジネスパーソンに、求められる役割に応じて必要になるビジネススキルについてお伝えしていきます。
初回は「ビジネススキル」とは何か、ということをお話しし、次回以降は対象ごとに必要なスキルについてご紹介していきます。


ビジネススキルとは? スキルとスタンスの違いから考える

人材育成において、学ぶ内容を「スキル」と「スタンス(意識、態度)」の、大きく2つに分けて考えることがあります。下図で見ると、「基礎能力」と「行動」の間にある要素が、「意識、態度」「スキル」「知識」の3つに分かれています。

「知識」と「スキル」を使い分ける場合、「知識」は知っていること、「スキル」はできること、という分け方になりますが、ビジネスパーソンの学びは仕事への活用が目的なので、「知識」と「スキル」はセットで学ぶことが大半です。そのため、ここでは「知識」は「スキル」に集約してお伝えしていきます。いずれも同様に、ビジネスパーソンが行動を変えて仕事の成果を出していくために必要な要素です。

また、スキルには所属している会社や業界特有のものと、「ポータブルスキル」と呼ばれる、ビジネスパーソンとしてどこに行っても共通して使えるものがあります。会社特有のものは社内研修や業務で学ぶ機会が多いですが、ポータブルスキルについては社内で体系的に学ぶ機会がないことも多いでしょう。使っているつもりでも自己流になってしまう場合が多いため、主要なスキルについては外部でその道のプロに学ぶことをおすすめします。

スタンスというのは、仕事に取り組む考え方や態度などのことです。例えば新入社員でいうと、学生から社会人へと立場が変わるに際して「相手の立場で考えて行動すること」を求められるようになり、この変えるべき意識がスタンスとなります。一方、社会人として必要な名刺交換や電話応対などのビジネスマナーを身につけることも必要で、これはスキル習得といえそうです。

実際の新入社員研修では上記の2つを一緒に学ぶケースが多いかと思います。比較的まだ若手の社員が対象の場合は、仕事に取り組む姿勢もこれから築き上げていく段階なのでビジネススキルもやり方だけを学ぶのではなく、身につける意義や目的をセットで伝えることでより効果が高くなります。
一方、中堅社員やリーダークラスになってくると、仕事に向かう姿勢は十分あり、やるべきことも分かっているのに、進めるためのスキルや知識の不足を補うために学ぶ、というケースが多くなってきます。例えば、問題解決手法や、ファシリテーション、数字で分析をするスキル、などです。英語などの語学が必要で学ぶ場合もあるでしょう。

このように学び方が混在するケースもありますが、ビジネスを進める上で必要なことの「やり方を学ぶ」という要素があるものを、ここではビジネススキルと定義して話をしていきます。

ビジネススキルの種類とは? 対象を分けて考える

では、ビジネススキルにはどのようなものがあるでしょうか?
ここでは、「対人」「対課題」「対自己」という3つのカテゴリに分けてお伝えします。
「自分が何を学ぶべきか」ということについては、次回以降で階層に分けてご紹介していきます。

「対人」というのは、文字通り人に対応するスキルのことで、コミュニケーションスキル、営業スキル、ビジネスマナー、プレゼンテーションなどの、周りの人と効果的に意思疎通するスキルがこれにあたります。管理職やリーダー対象のものになると、チームづくりやリーダーシップ、1on1ミーティングなどの部下育成マネジメントなどもこのカテゴリです。
最近では、「言いづらいことを効果的に伝える」スキルであるアサーティブなど、職場で実際に対面する問題に対応したコミュニケーションスキルも人気のテーマです。

つぎに「対課題」というのは、人ではなく、課題、問題などの事柄に対応するスキルです。問題解決やロジカルシンキング、生産性向上などが定番で人気のあるテーマとなっています。
最後の「対自己」というのは、セルフマネジメントのスキルを指します。ここ数年注目が集まっており、マインドフルネス、アンガーマネジメントなどは非常に人気のテーマです。

仕事を効果的に進めるために自分にとって課題になっているテーマは何か、と考えるときこの3つのカテゴリでどこにあてはまるのかをまず考えてみるとよいと思います。
また、自分一人で考えるのではなく、上司や先輩などの周囲に相談してみることをおすすめします。自分が身に着けたいスキルだけでなく、周囲からの自分に対する期待も確認できるため、より自分の課題に合った学びを提案してもらえるからです。

今人気のビジネススキルテーマとは?

ビジネススキルの人気テーマには、昔からの定番テーマと、時代背景を反映して昨今注目が集まっているテーマがあります。
2019年4月から9月で集計した、公開型研修サービス「リクルートマネジメントスクール」のビジネススキルコースの人気ランキングは図表2のとおりです。

まずは定番のテーマについて見ていきます。
上位にランクインしているロジカルシンキングロジカルコミュニケーションなどのように物事を論理立ててアウトプットする、というのはビジネスパーソンにとって身につけるべき必須のテーマといえるでしょう。
1日以上のコースで1位、3位に入っている「7つの習慣」シリーズはセルフリーダーシップを身につけるために必須受講としている企業すらあります。
また、コーチングも10年ほど前から徐々に注目度が上がり、今や管理職やリーダークラスにとって定番のスキルとなりつつあります。

一方、ここ数年で登場し、急激に人気の高まっているテーマもランクインしています。
特に「ART&LOGIC」のように、リベラルアーツを通してビジネススキル強化につなげるようなテーマはここ2年ほどで出てきたもので、アートの他に哲学的思考などのコースも人気です。
これらは、正解のないビジネス環境のなかで、従来になかった視点から思考や発想力を高める、ということが求められている時代背景を受けて開発したコース群です。リリース初年度から想定以上に受講される方が多く、ビジネスパーソンの中でもリベラルアーツへの関心が高まっていることをあらためて感じました。

今後の社会人の学びの最新テーマについてはこちらの対談記事でもお伝えしていますのでご参照ください。

【特別座談会】SELF SHIFT ideas 〜学びは「自己」の時代へ〜
新たな未来社会(Society 5.0)に求められるビジネスパーソンの学びとは

ビジネススキルは旅に出るための道具

学生から新入社員になるのは、「社会に出る」という旅の始まりです。そのため、ビジネススキルとは、いわば旅に出るときに必要な道具だといえます。旅に出て冒険したい気持ちがあり、到達したい目的地も決まっているのに、最低限の道具がないと出発はできないし、もし無理に行ったとしても恐ろしく時間がかかったり、ケガをしてしまったりするかもしれません。

次回以降は、旅のスタート時に、また進むにつれ、どのような道具を揃えていけばいいのかをお伝えしていきたいと思います。

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