導入事例
「カオナビ」をフル活用し、複数拠点の事業部門間・グループ間人財交流の活性化をめざす
マクセル株式会社
- 公開日:2025/12/15
- 更新日:2025/12/15
事例概要
背景・課題
私たちマクセルは産業用電池や機能性部材料、光学部品など複数の事業を展開しているメーカーです。複数事業を持つ当社ならではの価値をどのように生んでいくかが人事部門としても重要な課題でした。その課題に対して「人と人をつなぐ仕組みづくり」を行い、グループ全体の人事情報の見える化を実現する必要があると考え、最もスムーズに実現できる方法が「タレントマネジメントシステム」の導入だと判断しました。
検討プロセス・実行施策
カオナビ導入を決めたのは、リクルートマネジメントソリューションズの「サポート力」と「カオナビの使いやすさ」が魅力的だったからです。導入を決めてから実導入までは半年程しかなかったのですが、コンサルタントの緻密なタスク管理とスケジュール管理のもと短期間での導入を実現し、2025年度から使用を開始しました。現在は第1フェーズとして、社内で管理をしている所属や教育履歴、保有資格などの人に関する情報を集約し1つのプラットフォームでタイムリーに確認できるように取り組んでいます。その一環で、従業員にも仕組みが整っていることを実感してもらいたいと考え、従業員顔写真登録と自己紹介文の入力を促しています。役員や管理職、複数部門と連係して仕事をする部門では早くも積極的に活用され始めています。
成果・今後の取り組み
役員や管理職からは、早くも好評を得ています。役員は、特に次世代経営層・リーダー育成にカオナビが有用だと感じており、管理職からは、部下の目標やキャリア意向などの人財マネジメントをカオナビ1つで完結できるのが嬉しいという声をよく耳にします。今後はグループ各社への展開も速やかに進め、カオナビを活用した人事アイデアを積極的に形にしていきます。
背景・課題
「グループ全体の人事情報の見える化」を最もスムーズに実現できる、タレントマネジメントシステムの導入を検討

田野:私たちマクセルは、創業時より培ってきた「混合分散」「精密塗布」「高精度成形」という独自のアナログコア技術を中心に、お客様の困りごとを解決し、「なくてはならない」存在になることをめざしています。
2020年からは、グループの一体感を高めるために、MVVSS(マクセルの経営の基本方針の中核を定めたMission, Vision, Value, Spirit, Sloganをまとめたもの)の浸透や組織改革も進めてきました。
そのようななか、現中期経営計画(MEX26)では、マクセルグループ全体での人的資本の強化を掲げています。グループの一体感を高め、当社の人財が生み出す価値を最大化するための重要な課題の一つが「事業部門間・グループ間の人財交流」です。人財交流が効果を発揮し、事業間のシナジーを生み出すためには、従業員のスキルや経験を見える化することが前提だと考えています。しかし、現状は社内でもデータごとに保管先が異なっていたり、グループ各社の基幹システムが異なっていたりします。基幹システムの統合も今後の検討課題となっていますが、それを待っていては遅すぎると考えていました。
さまざまな可能性を検討した結果、私たちの現状を踏まえると、グループ全体の人事情報の見える化を最もスムーズに実現できるのはクラウド型の「タレントマネジメントシステム」だという結論に達し、タレントマネジメントシステム導入を検討しました。
検討プロセス・実行施策
「サポート力」と「カオナビの使いやすさ」が魅力的だった
田野:私たちは最終的に、リクルートマネジメントソリューションズの「カオナビ」導入の提案を受け入れました。
導入を決めた第1の理由は、リクルートマネジメントソリューションズの「サポート力」です。私たちは以前から、教育・採用・ダイバーシティ&インクルージョンなど、さまざまな人事領域でリクルートマネジメントソリューションズの支援を受けており、人事領域の広く深いノウハウ・知見を持っていることを知っていました。リクルートマネジメントソリューションズなら、単なるシステム導入でなく、現場活用や各種人事制度・施策との連携まで、一気通貫でサポートしてもらえるだろうと考えました。実際、カオナビに関する提案は、豊富な他社事例をふまえており、クリアで分かりやすく信頼できる内容で、導入にかかる期間も想定より短いものでした。

藤井:第2の理由は「カオナビの使いやすさ」です。事業部門間・グループ間の人財交流を実現するためには、人事担当者や管理職だけでなく、従業員にタレントマネジメントシステムを日常的に使ってもらう必要があります。その点、カオナビはシンプルな画面構成で初心者でも感覚的に扱いやすく、多くの従業員が悩むことなく活用できるだろうと感じました。
また私たち人事も、カオナビはデータ更新やメンテナンスが簡単で、運用しやすく感じており、これなら従業員も人事も無理なく長く使っていけると考えました。
田野:幸いなことに、カオナビがちょうど宣伝広報を強化している時期で、役員もカオナビのことを知っており、スムーズに理解を得ることができました。こうしてカオナビの導入が決まりました。
緻密なタスク管理とスケジュール管理のもと、カオナビを短期集中型で導入
藤井:私たちは2024年9月にカオナビの提案を受け、すぐに導入準備を進めて、2025年2月にはカオナビへの基本的なシステム移行を完了しました。社内導入プロジェクトチームを組み、基幹システムとの情報連携、キャリア面談データの追加、顔写真と自己紹介文の入力などを並行して一気に進めていきました。チームメンバー一人ひとりの能力や強みを活かし合うことで、一丸となって短期間での導入を成し遂げました。
田野:その間、経営層にもプロジェクトの進捗状況を毎月きちんと報告し、密にコミュニケーションを取りながら進めました。そのおかげで、経営層の理解も深まりました。
藤井:導入時は、リクルートマネジメントソリューションズのコンサルタントとも頻繁にミーティングを行いました。コンサルタントは、私たちの要望を丁寧にヒアリングし、それをシステムで実現するためのフローをいつもA・B案で提案してくれました。そのおかげで、システムの専門家でない私たちでも設定内容と運用のイメージがつき迅速に意思決定することができました。また、緻密なタスク管理とスケジュール管理のおかげで、日々すべきことを明確にして進めることができました。コンサルタントのサポートがあったからこそ、私たちは短期間導入を実現できたと感じています。
さらに導入後のサポートも手厚いと感じています。例えば先日、想定外のエラーが起き従業員への影響を考えるとすぐに対応が必要な状況でした。このような場合にもスピーディーに対応してくれて半日ほどで修復が完了し、従業員への影響も最小限に抑えることができました。
現在は第1フェーズ。従業員たちが顔写真のアップと自己紹介文の入力を進めている
田野:その後、私たちは2025年度から、カオナビを正式導入しています。まずはマクセル社内のみの展開で、グループ会社への展開はこれからです。現在は第1フェーズとして、社内で管理をしている情報を1つのプラットフォームに集約し、従業員一人ひとりが顔写真のアップと自己紹介文の入力を進めています。これは、従業員たちにカオナビに慣れてもらうためにも欠かせないプロセスです。
<画像>自己紹介文の入力イメージ

藤井:当社は複数事業かつ拠点も複数あるため、日々の仕事のなかでのやり取りはあってもお互いの顔を知らないメンバーも少なくありません。カオナビの顔写真と自己紹介文を通して、従業員の皆さんに横のつながりを増やしてもらうことには大きな意味があります。
田野:一方で、役員や管理職は、早くも部下の目標管理やキャリア面談、人財育成などにカオナビを積極活用し始めています。さらに、私たちはカオナビを人財育成のプラットフォームとしても活用し始めており、カオナビでの教育コンテンツの配信、eラーニング管理も行っています。カオナビは他のシステムなどとの連携が簡単で、今後のサービス展開にも大変期待しています。
成果・今後の取り組み
役員や管理職には早くも好評。従業員同士のコミュニケーションも活性化
田野:まだ使い始めて半年ほどですから(※取材時は2025年9月)、明確な成果は出ていません。ただ、役員や管理職からは、すでに「どのような社員の情報も、必要なときにすぐに確認できるのがありがたい」と好評を得ています。

事業部門間・グループ間の人財交流で特に重要なのが、役員が中心となって手がける「次世代経営層育成」や「次世代リーダー育成」です。次世代経営層や次世代リーダーにはマクセル全体を熟知してもらう必要があり、事業部門・グループを超えたタフアサインメントが欠かせないからです。
役員たちは、次世代経営層・次世代リーダーの候補を選定したり、事業・グループを超えた異動先を考えたりする際にカオナビが有用だと感じています。
さらに管理職たちからは、部下の目標やキャリア意向などのマネジメントをカオナビ1つで完結できるのが嬉しい、という声をよく耳にします。また、上司・部下の拠点が異なるケースがあるのですが、そうした際のマネジメントもやりやすくなったと聞いています。
藤井:従業員も、事前の想定以上に反応が良く、従業員同士のコミュニケーションもすでに活性化し始めています。例えば、普段メールでやり取りしているけれど、顔を知らないメンバーがいたら、出張や打ち合わせ前にカオナビで顔写真を確認する方もいるそうです。また、初対面のメンバーと仕事をすることになったら、カオナビで調べて人となりを知ることから始める、というメンバーも出てきています。このように、まずはお互いの顔と存在を認知し合うことが人財交流の第一歩だと考えています。
今後はグループ全体にカオナビを展開し、グループ間の人財交流を実現する
田野:今後は、まずグループ各社への展開を迅速に進めていきます。冒頭で述べたとおり、私たちがタレントマネジメントシステムを導入した最大の理由は人財情報を見える化し、グループ全体で人財の適材適所を実現させるためであり、そのためには全グループにカオナビを導入する必要があるからです。

また、カオナビを活用したタレントマネジメント施策を積極的に形にしていきたい、とも考えています。例えば現在は、社員のスキル管理、従業員面談のシステム化、次世代リーダー候補人財のリスト化などを構想しています。さらにより多くの教育コンテンツの配信、社内外研修データの見える化など、人財育成をサポートするシステムとしても活用を推進していきます。
私たちの中期経営計画(MEX26)では、人的資本強化のポイントとして「個人の長所を伸ばす」「チームとして仕事をする」「難しい課題に挑戦する」の3点を掲げています。今後は、この3つを実現するために私たち人事がカオナビを使って何ができるのかを考え、試行錯誤していきます。
藤井:現状は、社内の人財情報を集約し、役員、管理職、従業員にカオナビを広めている第1フェーズの最中です。今後はさらに現場へのカオナビ浸透を加速させ、カオナビが「人と人をつなぐ仕組みづくり」の基盤になるようそのための施策も精力的に進めていきます。
ソリューションプランナーの声

株式会社リクルートマネジメントソリューションズ
営業統括部営業3部
ソリューションプランナー 保坂 絵里
タレントマネジメントシステム導入後、役員・管理職層での積極活用、現場でのコミュニケーション活性化の兆しが見えていることを大変嬉しく思っております。
これらの活用がうまく始まったのは、マクセル様が「事業部門間・グループ間の人財交流を実現する」という方向性を定め、そこに向けて必要なソリューションとパートナーをスピーディーに選定し、力強くそして丁寧に現場への展開を進められたからだと感じています。
弊社はこれまで、教育・採用・ダイバーシティ&インクルージョンなどさまざまな人事領域でご支援をさせていただいております。今回のタレントマネジメントシステムも、単なる「システムの紹介」ではなく、「人財活用」という観点から将来的な制度・施策連携まで見据えてお話しさせていただきました。
現在も「システムベンダー」にとどまらず、「人・組織課題の解決パートナー」として共に取り組みを進められていることを、大変嬉しく思っております。
今後のグループ展開、次世代リーダー育成、そして中期経営計画MEX26の実現に向けて、担当SE、コンサルタント他、弊社の総合力を結集し、引き続き全力でご支援してまいります。
コンサルタントの声

株式会社リクルートマネジメントソリューションズ
シニアコンサルタント
鈴木 玄令
今回のプロジェクトでは、「人と人をつなぐ仕組みづくり」の初手として、グループ全体の人事情報の見える化から支援させていただきました。
「人事情報の見える化」におけるポイントは、発令情報など会社起点の情報だけでなく、社員一人ひとりの人となりが分かる情報を保持すること。そして、それを現場や管理職が日々のコミュニケーションや育成施策などに有効活用できることだと考えます。
マクセル様において、システムが稼働して間もないなかで現場からの想定以上の反響があったことは、それが正しい方向に向かっていることの証左だと捉えています。
今後は、マクセル様が構想されている次世代経営層・リーダーの育成やさまざまな人事アイデアを起点に、さらなるグループ間の人財交流を実現すべく、弊社のさまざまな人事サポート力をフル活用して、伴走してまいります。
取材日:2025/09/09
企業紹介

マクセル株式会社
社名は、創業製品である乾電池のブランド名「Maxell(Maximum Capacity Dry Cell=最高の性能を持った乾電池)」に由来し、モビリティ、ICT/AI、人/社会インフラ分野を中心に、さまざまな製品で暮らしに役立つ価値を提供している。より小型化、精緻化、高密度化が求められていくモノづくりの世界で、創業時より培ってきた「混合分散」「精密塗布」「高精度成形」という独自のアナログコア技術を研鑽し、お客様の困りごとを解決し続ける。
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