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導入事例

新社名、新理念体系に合わせて、「理想と現実のバランスを追求した新人事制度」を導入

artience株式会社

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  • 公開日:2025/10/06
  • 更新日:2025/10/06

事例概要

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背景・課題

私たちは、2024年1月に社名を「東洋インキSCホールディングス」から「artience(アーティエンス)」に変更しました。同時に理念体系も刷新し、「人間尊重の経営」というCorporate Philosophy(経営哲学)を残しながら「感性に響く価値を創りだし、心豊かな未来に挑む」という新Brand Promiseを掲げ、新たなOur Principles(行動指針)を定めました。それに伴い、社員たちにこの新行動指針を体現してもらうため、新人事制度が必要となりました。

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検討プロセス・実行施策

質の高い新人事制度をスピーディーに導入するには、コンサルタントの力が必須でした。理想と現実のバランスの取れた「実効性の高さ」と、スケジュール管理などの「サポート体制」に注目して、コンサルタントを選定しました。過去を振り返り、「本当にやりたいことは何か?」を何度も議論しました。序盤に概念的な部分をしっかり話し合ったおかげで、最後までブレずに進められました。

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成果・今後の取り組み

2025年1月に新人事制度を導入し、「目標設定力向上ワークショップ(評価者研修・目標設定研修)」を併せて実施しました。新人事制度では、特に「キャリアチャレンジ制度」や「plus TRY」など、自律的なキャリア形成とチャレンジを後押しする仕組みを整備しました。ワークショップの評判は総じて高く、「これまでで一番役立つ研修だった」と語るマネージャーもいました。

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背景・課題

2024年1月、社名を「artience」に変更し、理念体系も刷新

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新谷:私たちは、2024年1月に社名を「東洋インキSCホールディングス」から「artience(アーティエンス)」に変更しました。1896年の創業以来、色材やポリマーなどの素材設計技術と、分散や塗加工といったプロセス技術を磨いてきました。

これらの技術に耐久性や電気特性などさまざまな機能を付与することで、付加価値の高い製品をさまざまな市場領域に提供しています。このようにしてインキ会社から化学メーカーへ、スペシャリティケミカルの会社へと進化してきました。今回の社名変更は、さらに進化を遂げ、「感性に響く価値」を届ける会社になるという強い決意を表しています。

artienceは「art」と「science」を融合した言葉です。artは色彩をはじめとした五感や心への刺激に加えリベラルアーツの観点を、scienceは技術や素材、合理性を表現しています。グループの強みであるartとscienceを融合し磨き上げることによって生まれる、人の心を動かす「感性に響く価値」を世界に提供していくことで、心豊かな未来の実現に貢献していくという想いを表しています。

この社名変更と同時に、私たちは理念体系も刷新し、「感性に響く価値を創りだし、心豊かな未来に挑む」という新たなBrand Promiseを掲げました。一方で、「人間尊重の経営」というCorporate Philosophy(経営哲学)は唯一不変のものとして残しました。このBrand Promise とCorporate Philosophyのもと、私たちは新たなOur Principles(行動指針)を定めました。「好奇心と遊び心」「一日一感」「自分の色を出す」(art)、「世界中の仲間とともに」「いまを全力で楽しむ」「まずは今日から自分から」(core)、「可能性を考え抜く」「PDDDDCA」「成果にこだわる」(science)が、私たちの新たな行動指針です。

このような社名と理念体系の一新に伴い、新行動指針に対応した人事制度への変革が必要となったことが、今回の人事制度変革の背景です。

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philosophy system

提供:artience株式会社

検討プロセス・実行施策

質の高い新人事制度をスピーディーに導入するには、コンサルタントの力が必須

新谷:社名変更と理念体系刷新を受けて、私たちは2023年に「管理職向け」と「組合員向け」の人事制度変革にそれぞれ取り組みました。管理職向けは2024年1月にゴールを設定し、自ら新たな制度づくりを行いました。次に、組合員向け人事制度を2025年に改定する予定でした。

杉野:しかし、管理職向けと組合員向けの人事制度変革を、自分たちだけで両方進めるのは極めて難しいことでした。人事制度変革は、単に新制度を考えて定めるだけでなく、上層部・労働組合・各部門との議論や調整、法務的・財務的課題の解消など、実現までにクリアすべきことがいくつもあるからです。

新谷:また、「自分たちだけでは、過去の自分たちを超えられない」という想いもありました。社内については私たちが最も詳しいですが、人事制度のトレンドや他社事例などに関しては外部のコンサルタントの方が詳しいのではないでしょうか。私たちは、質の高い新人事制度をよりスピーディーに導入するためには、外部パートナーの力が必須だと考えました。

コンサルタントを選定する際、私たちは2つのポイントに注目しました。1点目は、「実効性の高さ」です。理想や新しさを追求しすぎると、社員たちが新人事制度を十分に活用できず、形骸化してしまうリスクがあります。私たちが創りたいのは、理想を追求しながらも社員たちが活用しやすく、人事が運用しやすい制度でした。その点、リクルートマネジメントソリューションズのコンサルタントは、私たちのビジネスや組織や社風をよく理解したうえで、理想と現実のバランスの取れた実効性の高いコンサルティング提案をしてくれました。私たちはこの点を高く評価しました。また、コンサルタントが他社事例を豊富に持っている点も心強いと感じました。他社事例は、特に上層部や社内各所と議論する際に役立つのです。

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杉野:2点目は「サポート体制」です。リクルートマネジメントソリューションズは、人事制度変革のコンサルティングに加えて、新制度導入に向けたスケジュール管理や、新制度づくりに欠かせないシミュレーションデータ分析なども含めた総合的な提案をしてくれました。

スピード感をもって人事制度変革を実行するために、私たちはこうした手厚いサポートを求めていたため、この点も魅力的でした。

過去を振り返りながら、「自分たちが本当にやりたいこと」への議論を重ねた

新谷:2023年から2024年にかけて、私たちはリクルートマネジメントソリューションズのコンサルタントと共に組合員向け新人事制度づくりを行いました。

杉野:新制度づくりの議論で印象に残っているのは、コンサルタントに「皆さんが本当にやりたいことは何ですか?」と何度も問われたことです。運用のしやすさを考えるあまり、無意識に制度変更を小さく済ませようとする傾向があった私たちを、リクルートマネジメントソリューションズのコンサルタントはいつも「やりたいこと」、つまり理想の方に引き戻してくれました。そのおかげで、私たちは理想と現実のバランスが良い「大きな制度変更」をやりきることができたのです。

新谷:ディスカッションのなかで過去の人事制度を振り返りながら、今回はどの点をどのように変えなくてはならないのか、それはなぜなのかを、人事制度のトレンドや他社事例を交えながら論理的に教えてくれました。毎回、人事制度に関する講義を受けているような気分になるほどで、とても勉強になりました。

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杉山:コンサルタントは、私たちが何となく思っていたことを明確に言語化してくれました。そのおかげで、どこを目指せばよいかがより分かりやすくなりました。

新谷:スケジュール管理も見事で、事前に手順をきちんと定め、そのステップどおりに進めてくれました。一歩一歩ステップを踏みながら順序よく進められたおかげで、議論の手戻りが少なく、スムーズに遂行できました。序盤は概念的なディスカッションの時間が長く、こんなに悠長に話し合っていて期限に間に合うのだろうかと心配したこともありましたが、終わってみればそれは杞憂にすぎませんでした。むしろ序盤に概念的な部分をしっかりと話し合ったからこそ、最後まで一貫してブレずに進めることができたのです。

成果・今後の取り組み

2025年1月に新人事制度を導入し、「目標設定力向上ワークショップ」を併せて実施

新谷:2025年1月、私たちは組合員向け新人事制度を無事に導入しました。新人事制度では、多様な人材が活躍できる環境を整備し、年功序列的な要素を縮小して、成果に応じた評価・処遇を実現しました。また、挑戦する風土を醸成する制度・施策を推進しました。例えば、社員が自身の希望部署に異動できる「キャリアチャレンジ制度」、新たな挑戦とその成果を適正に評価し、報酬に反映する「plus TRY」など、自律的なキャリア形成とチャレンジを後押しする仕組みを整備しました。

それから、マネジメントを担うキャリアコースに加えて、スペシャリストとして活躍するキャリアコースも用意しました。事前に構想していたとおり、社員たちが背伸びをして成長を目指したくなる人事制度を作ることができたと考えています。

杉山:また2025年1~2月には、リクルートマネジメントソリューションズの支援のもと、マネージャーを対象とした「目標設定力向上ワークショップ(評価者研修・目標設定研修)」を併せて実施しました。成果に応じた評価・処遇を実現するために、マネージャーの期初の目標設定力を高めたいと考えたからです。

目標設定力向上ワークショップが「これまでで一番役立つ研修だった」という声も

杉山:新人事制度に関しては、まだ導入して半年なので、具体的な反響や成果などは分かっていません(※取材時は2025年7月)。ただ、目標設定力向上ワークショップは受講者の評判が総じて高く、なかには「これまで受講した全研修のなかで一番役に立つ研修だった」と語るマネージャーもいました。まだ全マネージャーが受講していないため2026年も実施予定ですが、すでに受講希望者が多くいます。

新谷様の画像

新谷:今後もリクルートマネジメントソリューションズとコンサルタントには何かと相談することになると思います。私たちの制度・ビジネス・組織・社風などをよく理解してくれており、安心してお話しできます。今後も実効性の高い提案をお願いします。

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ソリューションプランナーの声

猪瀬の顔写真

株式会社リクルートマネジメントソリューションズ
営業統括部 営業2部 2グループ
ソリューションプランナー 猪瀬 和希

artience様の新人事制度を設計するうえでは、「art」「core」「science」の行動指針を体現できる人材をどのように定義・評価していくかがポイントでした。足元の事業環境の変化は激しさを増しており、artience様はこれまで培った高い技術力を武器に新たな市場領域への展開を加速されていくものと考えております。今後のさらなる事業展開に向けて、行動指針に基づき求められる人材を正しく定義・評価することが必要でした。

議論の場では、弊社コンサルタントを中心に伴走支援させていただき、artience様の「本当にやりたいこと」に都度立ち戻りながら、理想と現実のバランスを模索しました。人事企画グループの皆様の強い想いがあったからこそ、実効性の高い制度が完成したと感じております。

挑戦する風土の醸成に向けたartience様の取り組みは今後も続いていくものと存じます。弊社一丸となって、転換期を迎えるartience様のさらなる発展に寄与できるよう、今後もご支援させていただきたいと思っております。

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シニアコンサルタントの声

野中の顔写真

株式会社リクルートマネジメントソリューションズ
技術開発統括部 コンサルティング部
シニアコンサルタント 野中智幸

人事制度改定に絶対的な解はないため、自社の「理想」と「現実」のバランスを取りながら最善の変化をデザインする必要があります。また、「仕組み」は「運用・マネジメント」によって初めて作用するため、活用に向けたサポートも重要です。

artience様は社名変更を機会と捉え、過去~現在を振り返り、未来に進むための“自社らしい”一歩を人事制度として形にされました。さらに、経営・上司・従業員の視点に立ち、「どう使ってほしいか」「人事は何をすべきか」真摯に検討されていました。願いを形にし、共に実現を目指す機会をいただけたことを嬉しく思います。

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コンサルタントの声

株式会社リクルートマネジメントソリューションズ
技術開発統括部 コンサルティング部
コンサルタント 加藤里奈

artience様の人事制度改定では、理想と現実のバランスを模索するうえで、過去の改定から得られる教訓をお客様と時間をかけて整理し、その教訓を大切にしました。特に、会社の視点だけでなく、やりたいと思える「動機」、現場がイメージを持てる「理解」、取り組む機会や支援が与えられる「実践」といった社員の視点にもこだわり、制度に反映していきました。

新社名・新理念体系に即した制度を、社員に納得感と期待感をもって届けたいという人事ご担当者様の想いと共に、形にできた制度だと考えています。

取材日:2025/07/14

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企業紹介

artience株式会社様のロゴ

artience株式会社

2024年1月、変わりゆく時代のニーズ・課題を先んじて見つけ出し「一人ひとりが主役となり、世界の人々に先端の技術で先駆の価値を届ける会社」へと変革するという強い決意を示すと共に、その実現に向け、社名を「東洋インキSCホールディングス」から「artience」に変更。1896年の創業以来、色材やポリマーなどの素材設計技術と、分散や塗加工といったプロセス技術を磨き、これらの技術に耐久性や電気特性などさまざまな機能を付与することで、付加価値の高い製品をさまざまな市場領域に提供。製品によって社会を便利にするだけでなく、生活者に“驚き”や“ワクワク”を届け、心豊かな未来の実現に挑み続ける。

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