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導入事例

管理職候補プールづくりと育成風土づくりの両方を「アセスメント研修」で実現

アイホン株式会社

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  • 公開日:2025/05/12
  • 更新日:2025/05/12

事例概要

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背景・課題

私たちは2022年から「アセスメント研修」を導入したのですが、その背景には「マネジメント強化」という課題がありました。そのなかで最も重視したのは「管理職候補プール」を形成することで、そのためには、本人・上司・周囲の主観が入らない人材アセスメントサーベイが必要でした。また、育成風土を醸成するため、人材アセスメントサーベイが能力開発につながる流れをつくりたいと考えていました。

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検討プロセス・実行施策

アセスメント研修を選んだ最大の理由は、「研修」という形式が、能力開発につなげたいという私たちの希望に合致していたからです。トライアルを実施し、それを見ていた全役員が本格導入にOKしてくれました。2023年から本格導入し、2025年1月から「合格基準」を作って公表しました。2025年度以降、管理職登用にあたっては、原則アセスメント研修の受講が必須となりました。

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成果・今後の取り組み

アセスメント研修の全社展開後、合格基準を作り周知したことで、管理職候補プールを構築できました。この仕組みを活用し、早期抜擢なども進めたいと考えています。また、研修成果については、データとして役員たちに情報共有できることも導入メリットで、研修データを反映しながら階層別研修の刷新なども進めています。アセスメント研修を活用し、全社一丸で人材育成する風土を構築していければと思います。

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背景・課題

人材アセスメントサーベイが能力開発につながる流れの構築

町田様と黒田様の画像

町田:私たちアイホンは、70年以上にわたってインターホン一筋で事業を拡大してきた会社です。現在では世界約70カ国に商品を輸出販売しており、アメリカ・ホワイトハウスでも使われるまでになりました。私たちは2022年から「アセスメント研修」を導入したのですが、その背景には「マネジメント強化」という課題がありました。

会社の永続的な発展を実現するために、管理職の能力を高め、優れた人材を増やして組織を活性化させる必要があったのです。そのために、私たちはまず管理職候補プールづくりと人材育成風土づくりを推進することにしました。

私たちが最も重視したのは、管理職候補の見える化をして「管理職候補プール」を形成することでした。本人だけでなく、上司も周囲も納得できる形で管理職候補を選定し、その中からマネジャーに登用する仕組みを用意したかったのです。そのためには、本人・上司・周囲の主観が入らない客観的評価が必要であり、外部の人材アセスメントサーベイを活用するのがよいだろうと判断しました。

一方で、人材育成も同時並行で行いたいと考えていました。人材アセスメントサーベイを人材選定だけに使うのではなく、人材アセスメントサーベイが能力開発につながる流れをつくりたかったのです。その流れができれば、中長期的に社内で「人材育成風土」ができあがっていくだろうと考えていました。

検討プロセス・実行施策

現職マネジャーたちのトライアルを見て、全役員が本格導入に同意

町田様の画像

町田:最初に、人材アセスメントサーベイを提供する各社にヒアリングしました。その結果、私たちは数あるサーベイのなかから、リクルートマネジメントソリューションズの「アセスメント研修」を選びました。アセスメント研修を選んだ最大の理由は、「研修」という形式だったからです。

アセスメント評価の結果を本人にフィードバックし、受講者本人の行動・能力開発につなげる育成重視のプログラムに魅力を感じました。「人材アセスメントサーベイを能力開発につなげたい」という私たちの希望に合致していたのです。さらに詳しく聞いたところ、私たちが経営ツールとして採用している総合的品質管理(TQM)の手法とアセスメント研修の基本的な考え方が同じであることも分かり、この研修を導入すれば、TQMの浸透にもつながることが判明したのです。この2点が決め手となり、導入に至りました。さらに、私たちの組織についてヒアリングいただきながらプログラムを提供してもらえたのも、ありがたい点でした。

とはいえ、私たちだけで導入を決めることはできません。本格導入には役員の理解が必要です。そこで私たちは「トライアル」を実施することにしました。現職マネジャー約20名にアセスメント研修を受講してもらい、その様子を役員たちに見てもらうことにしたのです。このトライアルは、アイホンのマネジャーの実力や傾向を客観的に把握するという意味でも重要な取り組みでした。

トライアルは2022年に実施し、役員総出でオブザーブをするという大がかりな取り組みになりました。全役員が見ているわけですから、最初は、受講者の現職マネジャーたちは緊張していました。しかし、グループワークなどを経て緊張が解けていき、最終的には場が白熱していました。オブザーブに参加した役員たちも皆楽しそうで、「自分も挑戦してみたが、なかなか難しいお題だった」「参加者が、設問にしっかり答えていてよかった」などの感想が上がるなど、よい雰囲気でした。

トライアル終了後、全役員がアセスメント研修の導入にOKを出してくれました。役員たちも、この研修がマネジメント強化に効果があるだろうと感じてくれたのです。こうして、2023年からの本格導入が決まりました。

トライアルの講師は、マネジャーたちの会話量と活動量を特に褒めてくれました。ワイワイガヤガヤと楽しく働くのがアイホンの昔からの社風なのですが、それが他社と比べても長所だと言ってもらうことができ、嬉しい出来事でした。また、受講したマネジャーたちは、「気づきが得られた」「自分の視点が凝り固まっているのが分かってよかった」「ビジネスや組織について、もっと俯瞰で見られるようになりたい」というような感想を話してくれました。こうした受講者たちのポジティブな反応も導入の後押しになりました。

それから、講師の言葉がロジカルで分かりやすく、私たちのことを理解したうえでズバズバと意見してくれたのも好印象でした。講師のおかげで気づきを得られたマネジャーが多かったと感じています。

「合格基準」を公表。アセスメント研修を能力開発につなげる

町田:2023年、私たちはアセスメント研修を本格導入しました。「研修」というネーミングや仕立てがよかったのか、アセスメントされることに対する抵抗の声はほとんどありませんでした。むしろ多くの受講者たちが、受講後に「ためになった」「よかった」などのポジティブな感想を述べ、早速自分の能力を伸ばそうとする様子が見られ、最初から順調に効果が出ていました。

本研修では、部署長(課長)候補と部門長(部長)候補に3日間のアセスメントプログラムを受講してもらい、終了後にはトレーナー・上司・本人が参加する90分の三者面談でしっかりとフィードバックをします。この三者面談が、特に効果的だと感じています。三者面談で、アセスメント結果だけでなく、結果の見方や本人の課題を伝え、「この能力を伸ばしたらもっとよくなる」などとフィードバックすることで、前向きに受け取ってもらえるようになるのです。

黒田様の画像

黒田:私は2024年からアセスメント研修を担当しています。導入2年目の2024年は、研修後に選抜型研修を申し込む人が増えました。研修で明らかになった弱点を克服したり、長所を伸ばしたりすることにチャレンジする従業員が増えたのです。アセスメント研修が能力開発につながっていることがデータ上でも明らかになりました。

そして、2025年1月から、アセスメント研修の「合格基準」を決めて社内に公表しました。今後は、部署長・部門長の研修に合格した者が、それぞれ部署長候補・部門長候補となり、原則そのなかから昇進者が選ばれることになります。なお、研修受講者は人事評価やキャリアに関する自己申告などを考慮したうえで、本部長の推薦で決まります。

合格基準は人事部内で熟議したうえで決め、慎重に周知しました。具体的には、アセスメント研修のマトリックスを使い、誰にとっても納得感が高くなるように配慮しました。そのかいあって、少なくとも今のところ、合格基準に対する異論は出ていません。むしろ、「能力開発の方向性が分かってよかった」などのポジティブな声を多く耳にしています。

なお、不合格者には一度だけリベンジの機会が与えられ、自らの能力を十分に高めたうえで、アセスメント研修をあらためて受講できるようにしています。このルールを設けることが、能力開発の意味合いを強めています。

成果・今後の取り組み

アセスメント研修を活用し、全社一丸となり人材を育成する風土の構築を目指す

町田:私たちは合格基準を作り、アセスメント研修を全社展開したことで、管理職候補プールを構築することができました。ただ、この取り組みは2025年1月に始めたばかりですから、具体的な成果が見えるのはこれからです(※インタビューは2025年2月実施)。

私たちはこの仕組みを活用して、キャリアパスをより柔軟に考えていきたいと思っています。例えば、優秀な若手人材には、早期に部署長(課長)候補のアセスメント研修を受けてもらい、合格後はいち早くグループ長となって、部署長に向けたプレマネジメント経験を積んでもらうのがよいだろうと考えています。こうした早期抜擢をしやすくなったことも、導入メリットの1つです。

また、アセスメント研修の成果をデータとして役員たちに定期的に報告し情報共有できることも、大きな導入メリットだと考えています。今後、このデータは、役員たちにとって重要な議論の素材となるはずです。これからもアセスメント研修を活用し、全社一丸となって人材育成をしていく風土を構築していけたらと考えています。さらに、このデータを人的資本情報として公表するようなことも視野に入れています。

アセスメント研修のデータを反映しながら階層別研修を刷新

黒田様の画像

黒田:私たちは2025年度から、リクルートマネジメントソリューションズの力を借りて、階層別研修を刷新します。実はそこにもアセスメント研修の影響があります。研修データから、全社的に得意な項目や苦手な項目が分かってきたのです。

そのデータを反映しながら、得意を伸ばして苦手を克服するような階層別研修の用意を進めています。

さらにもう1つ、海外拠点の強化に向けた「グローバル人材の育成」も今後の大きなテーマです。2024年、「グローバルマインドセット教育」を希望制で開催しましたが、将来的にはこの研修を若手・中堅社員の必修教育として導入し、海外で活躍できる人材を増やしていきたいと考えています。この研修に関しても、アセスメント研修や階層別研修とひとつながりにして、若手のうちから海外で活躍できるキャリアパスを見せることが大切だと考えています。このように、アセスメント研修はすでに私たちの育成風土の土台になりつつあります。

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トレーナーの声

株式会社リクルートマネジメントソリューションズ
HRDトレーナー
宮崎 直樹

アイホン様はインターホンという市場で確固たる地位を確立されている会社ですが、他業種、他社と同様に、環境変化への対応も求められています。

研修を通して感じるアイホン様の社員の特徴は、スピーディーで主体的な行動力、あきらめず粘り強くやり遂げる姿勢です。そして、その経験からの学びを次の行動につなげられることが強みだと感じています。しかしこの特徴も、生かし方次第ではネガティブにはたらいてしまうという懸念も抱きました。

受講者の皆さんは研修のなかでそのことを敏感に感じ取り、自分たちの特徴を客観視すると共に課題を自分たちで認識していくことができていました。アセスメント研修が単なる能力測定ではなく、自分(たち)で自分(たち)の課題を認識することに繋がりました。

また、三者面談においては同席している上司の方がある意味受講者以上に関心が高く、面談から今後の自分のマネジメントの参考になることを取り入れようとしていたのが印象的です。

アセスメントという客観的な基準を活用することがアイホン様の社員や風土に内在するエネルギーを高め、その発揮につながることを信じて、私も全力で支援したいと思っています。

取材日:2025/02/03

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企業紹介

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アイホン株式会社

1948年の創業以来、70年以上にわたってインターホンの普及と技術開発に取り組んでいる。これまで培ってきたコミュニケーションとセキュリティの技術は、住宅をはじめ、病院・介護施設、オフィスビルなど人が活動するさまざまなシーンに活躍のフィールドを拡げている。

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