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導入事例

生産現場にMBOを導入し、社員の成長とモチベーション向上につなげる

シチズン時計マニュファクチャリング
株式会社

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  • 公開日:2024/10/28
  • 更新日:2024/10/28

事例概要

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背景・課題

当社は、時計製造に関わっていたシチズン時計のグループ会社10社とシチズン時計製造関連部門が統合して創立された会社です。2013年の会社統合から2023年までに人事制度の統合を完了させ、次のステップとしてMBO(目標管理制度)の導入と、制度導入に関わる外部研修を実施するタイミングを迎えました。MBOを導入することにしたのは、より納得感のある評価を実現すると共に、人事評価を生産現場の社員の成長とモチベーション向上につなげ、もっとやりがいを感じられる職場にしたいと考えていたからです。

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検討プロセス・実行施策

FBコミュニケーション研修(評価フィードバック面談から始めるマネジメント研修)」は普段評価のフィードバックを行っている社員を対象に全国5カ所で実施し、「目標力研修(目標によるマネジメント力向上研修)」はマネジメント職を対象に全員を本社に招集して実施しました。「目標力研修」は受講者が目標設定の方法を学ぶだけでなく、部下を知るきっかけにもなったと思います。ペーパーレスでの研修は初めてでしたが、問題なく実施することができました。
また、同時並行で2024年度からマネジメント職を対象にMBOを導入しました。

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成果・今後の取り組み

研修は好評で「部下にも受けさせたい」という声が多く寄せられました。また、別の工場の同じ立場のマネジメント職同士が悩みを共有し、研修自体が工場間の人財交流の場になったこともとても良い機会になりました。ゆくゆくは、生産現場の一般職にもMBOを導入することを検討しています。今後も社員の声をもとにMBOや教育体系などの「カイゼン」を重ね、社員の成長とモチベーション向上につなげていきます。

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背景・課題

人事制度統合が完了し、MBOと外部研修を導入するタイミングを迎えた

菅谷様の画像

菅谷:私たちシチズン時計マニュファクチャリング(株)は、2013年、シチズン時計の国内製造力の再強化を目指し、時計製造グループ5社とシチズン時計製造関連部門との統合により創立された会社です。その後2019年にも、さらにグループ5社を統合しました。

そのため、人事面では人事制度などの全社統合が何より先決事項でした。創立10周年の2023年までに人事制度統合が完了し、ようやく評価制度の変革に着手できるようになりました。

もともと、私たちは「MBO(目標管理制度)」の導入を考えていました。より納得感のある評価を実現すると共に、人事評価を生産現場の社員の成長とモチベーション向上につなげ、もっとやりがいを感じられる職場にしたいと思っていたからです。しかしその前に、マネジメント職の評価フィードバック力を高める必要がありました。当社の社長である三輪克弘は、「全員が一丸となって同じ方向に進むためには『コミュニケーション』が重要」だと、常々述べています。その要であるマネジメント層の対話力向上が鍵となっていたのです。そこで評価フィードバック力の向上とMBOを適切に運用することを目的に研修を企画し、いくつかの研修会社に声をかけました。

実は、当社はこれまで研修会社へ研修を依頼したことがほとんどありませんでした。しかし、自社の内製だけで社内研修を続けることには限界があります。社員にポジティブな刺激を与えると同時に、人事部も最新の研修ノウハウを学ぶ必要がありました。またコロナ禍が明けたことで、久々に大規模な対面による研修を行い、社内の人財交流を図りたい気持ちも高まっていました。そこでMBOの導入を機に、研修会社に依頼して研修を実施することにしました。

検討プロセス・実行施策

FBコミュニケーション研修は全国5カ所で、目標力研修は全対象者を本社に集めて実施

菅谷:(株)リクルートマネジメントソリューションズを研修実施のパートナーに選んだのは、当社の悩みや状況をよくヒアリングしたうえで、当社に合った研修プログラムを提案してくれたからです。例えば、私は研修プログラムに必ずロールプレイングを盛り込みたかったのですが、その希望にも応えてくれました。また、ソリューションプランナーの対応スピードの速さも好印象でした。この会社なら信頼して研修を任せることができ、何かあったときにも迅速に対応してくれるだろうと思いました。

こうして当社は、2023年10~11月に「FBコミュニケーション研修(評価フィードバック面談から始めるマネジメント研修)」、2024年4~5月に「目標力研修(目標によるマネジメント力向上研修)」を実施しました。当社は全国17工場ありますので、「FBコミュニケーション研修」は全国5カ所、「目標力研修」は対象者全員を埼玉県所沢市の本社に招集して実施しました。

目標力研修は目標管理制度や目標設定の方法を学ぶだけでなく、部下を知るきっかけにもなった

菅谷:同時に、2024年度からマネジメント職を対象にMBOを導入しました。100%でなくて良いからスタートを切り、目標力研修での学びを実践につなげながら、試行錯誤してもらうことにしたのです。

従来は目標設定や評価をすべて口頭で行っていました。MBOでは、まず部下が自分の目標を文章にしたうえで、上司・部下がその文章を見ながら目標について話し合います。そして必要に応じて、上司が部下に目標を修正・調整してもらい、個人目標を決定していきます。このように部下が書いた目標をベースに対話する仕組みが、今後の評価マネジメントの基本となります。「目標力研修」を通じて、マネジメント職の皆さんにはそのことがよく伝わったと思います。

一方で、「目標力研修」が「部下を知るきっかけ」になった受講者も多かったはずです。研修内に上司が部下について知っていることを書き出し、部下への期待を言葉にするセッションがあったのですが、多く書ける人とあまり書けない人の間に差があったからです。あまり書けなかった受講者は、研修後、きっと部下をもっと知ろうとしたでしょう。部下を詳しく知るためには、日常的にコミュニケーションを取るほかにありません。「目標力研修」には上司・部下のコミュニケーションを増やす効果があったと感じています。上司が部下一人ひとりをよく知らなければMBOは機能しません。ですから、研修の相乗効果で職場でのコミュニケーションの活性化が図れたのであれば、それはとても良かったことであると思います。

ペーパーレスでの研修に実施前は不安があったが、実際にやってみると問題はなかった

久米様の画像

久米: 「目標力研修」は、ペーパーレスでの研修でした。受講者は、(株)リクルートマネジメントソリューションズの研修サポートツール「Learning Pit」を使い、研修前にWEB上で事前学習を済ませました。そのうえで、研修当日は全受講者がPCを持参し、Zoomを活用しながら受講しました。

受講後のアンケートなどもすべて「Learning Pit」で書いてもらいました。

当初は、完全対面にもかかわらずPCを使いながら研修を受講するスタイルがうまくいくのか、イメージができませんでした。また受講者の年齢層が高いこともあり、事務局の私たちは受講者のPCの操作に心配していました。しかし実際にやってみると、受講者はPCの扱いに慣れており、特に問題はありませんでした。トレーナーの指示どおり、Zoomのブレイクアウトルームも難なく使いこなしていました。また、受講者は事前学習にもきちんと取り組んできており、自分と部下の目標イメージをしっかり立てたうえで研修に臨んでいました。

今後は、このように環境に配慮したペーパーレス研修が主流になるのではないかと思っています。「FBコミュニケーション研修」では紙媒体中心で研修を行いましたが、研修後、資料をデータで送ってほしいという声が多くあり、そうした受講者のニーズに応えられる点もプラスだと感じています。また事務局としては「Learning Pit」を使用することで、研修データを一括で管理をすることができる点、受講者へ研修・事前学習・アンケートなどの案内やリマインドメールを「Learning Pit」から送ることができる点が大変便利だと感じました。

成果・今後の取り組み

研修は「部下にも受けさせたい」という声が多く、工場間の人財交流の場にもなった

菅谷様と久米様の画像

菅谷:「目標力研修」も「FBコミュニケーション研修」も、全般的に好評でした。「講師の進め方や話し方が上手だった」「この研修を部下にも受けさせたいから、今後も続けてほしい」といったポジティブな感想が多く届いています。

こうした声を受けて、今後も新任課長職を対象に「目標力研修」を継続する予定です。

また、どちらの研修も工場間の人財交流の場として機能した面があります。全国17工場は北海道から鹿児島まで点在していることもあり、なかには工場間の交流が少ない工場もあります。それからコロナ禍以降、それまで交流が盛んだった工場同士でも一時的に往来が少なくなりました。今回、「目標力研修」や「FBコミュニケーション研修」で、別々の工場の受講者同士が一緒にロールプレイングをしたり、グループワークで悩みを共有したりすることで、工場間の交流が進んだり復活したりしました。このことも当社にとってとても良い機会になりました。

MBOについては、マネジメント層が「目標力研修」で学んだからといって、すぐに100%うまくいくとは思っていません。私自身、目標の難易度設定や調整の難しさを実感しています。評価フィードバックも、全員がすぐ上手になるわけではないでしょう。今後は、全員がMBOを実践しながら学びつづけ、上司・部下のコミュニケーションをより密にしていく必要があると考えています。

ゆくゆくは一般職にもMBO導入を検討している

菅谷:MBOは一般職の成長やモチベーション向上にも効果があるはずだと考えており、ゆくゆくはマネジメント職だけでなく、一般職にもMBOを導入することを検討しています。生産現場の一般職は分かりやすい目標を持っていないため、MBOを適用するのは簡単ではありません。しかし、私たち人事部が納得度の高い目標基準を用意できれば、決して不可能ではないはずです。マネジメント職にMBOが十分に浸透したら、次は一般職へのMBO導入にチャレンジする予定です。

他方で、社員の主体的成長とモチベーション向上を第一に考えた「教育体系の見直し」も進めています。階層別研修などをリニューアルすると共に、キャリアプラン研修やメンター研修などを新たに研修体系に加えることを検討しています。また、制度面では、技能の専門性を磨きたい社員のための「マイスター制度」の運用を見直すことを検討中です。

生産現場では、日々「カイゼン」を積み重ねています。MBOや教育体系についても、実際に活用する社員たちの声をもとにカイゼンを重ね、社員の成長とモチベーション向上につなげて、もっとやりがいを感じられる職場にしていきたいと考えています。

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ソリューションプランナーの声

株式会社リクルートマネジメントソリューションズ
ソリューションプランナー
南 有紗

シチズン時計マニュファクチャリング(株)様は、企業統合に伴う制度などの整備が落ち着き、将来の会社を担う人財育成に一層注力していくタイミングを迎えられました。その取り組みの一環として「マネジメント強化」を掲げられており、今回の研修はそのスタートを切るのにふさわしい施策だったと思っております。初めてといえる管理職向けの大規模な研修でしたが、受講者が真剣に取り組み、また多くの気づきを得ていた様子が見て取れました。受講者がご自身のマネジメントや組織の未来を考えるきっかけになったのではないでしょうか。

また、本施策が大きな成果につながったのは、人財育成を重視し、どんどん新しいことに挑戦していく人事の皆様の思いがあってこそだと感じております。人事の皆様が、「マネジメント変革は一朝一夕で起こせるものではなく、継続することが大事」と仰っているとおり、取り組みを継続し、振り返りながら、小さな一歩を積み上げていくことが重要だと考えるからです。

その道のりをご一緒できることを嬉しく思いながら、シチズン時計マニュファクチャリング(株)様が目指す姿の実現に向けて、さまざまな側面から全力でご支援したいと思っております。

取材日:2024/08/01

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企業紹介

シチズン時計マニュファクチャリング株式会社様のロゴ

シチズン時計マニュファクチャリング
株式会社

シチズン時計マニュファクチャリング(株)は、シチズン時計の製造力の強化・合理化を目的に、国内外の時計製造拠点をまとめた時計製造会社として2013年に創立された。各分野における独自の技術を駆使し、腕時計ムーブメントの部品から完成時計に至るまでの一貫生産を行っている。その創意工夫豊かなモノづくりにより、高度な生産性とお客様に信頼される高品質を実現し、世界有数のマニュファクチュールとして、常に革新的なモノづくりに挑戦している。

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