Yahoo!Japanの「1on1 ミーティング」に学ぶ!本間浩輔様 特別インタビュー

Yahoo! JAPAN様

「1on1ミーティング」で社員一人ひとりの才能と情熱を解き放ち、強い組織づくりを

ヤフー株式会社執行役員 ピープルディベロップメント統括本部長 本間浩輔様

「1on1ミーティング」とは、ヤフー株式会社で行われている、上長と部下の定期的な対話のこと。「部下面談の基本」や「コーチング」、「フィードバック」など、有意義な対話をするためのスキルを磨く研修を、リクルートマネジメントスクール チケット制サービスと共同で開発し一般公開します。リクルートマネジメントスクール チケット制サービスでは「1on1サポートプログラム」として2015年11月下旬よりスタート。

ヤフー株式会社は2012年4月に新体制になり、情報技術で人々や社会の課題解決を行う未来志向の「課題解決エンジン」というビジョンのもとユーザーファーストの経営を展開。さまざまな改革を爆速で推し進めてきました。人事施策においても、「社員一人一人の才能と情熱を解き放つ」というテーマのもと、多種多様の取り組みが行われています。その中核の一つが「1on1ミーティング」です。今回は、ヤフー株式会社の執行役員であり、ピープルディベロップメント統括本部長を務める本間浩輔様に、リクルートマネジメントスクール チケット制サービスと共同開発した「1on1サポートプログラム」が生まれた背景や、プログラムに込めた想いなどを伺いました。

ヤフーで働き始めたばかりのころ、知人から「本間、ヤフーってどんな会社なんだ?」と聞かれたことがあります。そんなとき私は、冗談交じりにこう答えていました。「隣にいる人同士が、メールやチャットで会話するようなところだよ」と。事実、やり取りの内容を履歴として残しておきたいなどの理由で、会話ではなくメールやチャットで済ます人が多く、対面でのコミュニケーションは十分とは言えなかったかもしれません。

2012年4月から、それまでの経営陣がほぼ全員交代し新体制がスタートしました。私は人事部門に移り、これまでいくつもの人事施策を打っています。その中の一つが「1on1ミーティング」です。聞きなれない名前かもしれませんが、特に目新しいことをしているわけではありません。「上長と部下の一対一のミーティング」を大切にすることで、コミュニケーション不足を解消しているだけなのです。

集団で働く以上コミュニケーションは不可欠なものであって、それが不足すると「部下が勝手に判断して仕事を進める」「イノベーションが起こりにくくなる」「部下や上長が何をしているか分からない」など、多くの問題を起こします。 私自身も、そのことを痛感したことがありました。スポーツナビ(2002年よりヤフー傘下/現ワイズ・スポーツ)を経営していたとき、私のことは何でも知っているはずの部下から、こう言われたんです。「僕は本間さんが何を考えているか分かりません」と。これにはハッとしましたね。部下のことを「分かったつもり」になっていたことに気づかれました。会社でも家庭でもそうですが、組織や人間関係に慣れてくると、大事なことを言葉でしっかりと届けるという当たり前のことが、おざなりになりがちです。

ヤフーにおける「1on1ミーティング」は、上長が部下の話を聴く時間です。当社ではトップから新人までグループ約7000人が、それぞれ上長と部下の組み合わせで対話の時間をもうけています。 あらたまって話をしなくても、飲みにケーションとか、社員旅行とか、運動会とか、そういう場を利用すればいいと考える方もいるかもしれません。しかしながら、例えば飲み会の場で、「自分は人事に興味があって、将来人事部に行きたいと思っている」とか「抱えている仕事に大きな課題があってそれを相談したい」とか、そういう大切な話は出てきませんよね。だからこそ、「話を聴く場」を作ることに意味があると思う。

ヤフービジョン

情報技術で人々や社会の
課題解決を行う未来志向の
「課題解決エンジン」

バリュー(行動指針)

「課題解決」「爆速」
「フォーカス」
「ワイルド」

「1on1ミーティング」を
はじめとする人事施策の役割

バリュー行動の実践を支援し
個人の才能と情熱を解き放つこと

最初のころは、上長がしっかりと話を聴けないとか、ただでさえ「爆速」を合言葉に忙しく仕事をしているのに時間を作るのが大変とか、そういう声も聞こえてきました。そのため、効果的な「1on1ミーティング」を実施するためのガイドラインを作成し、部下の話を聴く上で欠かせないスキルを「コーチング」「ティーチング」「フィードバック」という3つの要点に整理し、特に「コーチング」については管理職に必須の研修として実施しています。
社内アンケートの結果、社員の約9割が隔週一回以上、30分程度の「1on1ミーティング」を行い、残りの1割も頻度や時間こそ違いますが対話をしているので、「1on1は価値があるもの」という認識が社員の間にもあるのだと思います。ちなみに、かつて「1on1なんていらない」と言っていた人間が、今は一番その重要性を訴えている…そんなケースもあるんですよ。

一口に「コーチング」や「ティーチング」、「フィードバック」と言っても、その言葉が表す内容はとても幅広いものです。外部から講師を呼んで、「コーチング」の研修を行ったとしても、その内容が全て「1on1ミーティング」に活かせるわけではありません。「1on1ミーティング」の質を上げるためにフォーカスした研修を自社で作って、中身を煮詰めてきました。
ただし、社内でやっていると限界が出てきます。どうしても自分たちの枠にはまってしまうのです。「1on1ミーティング」を外に出すことにしたのはそのため。外部のスペシャリストから、私たちの視点にないフィードバックがあるかもしれないし、他社が「1on1ミーティング」をどのように導入し、社内に浸透させていくのかも見てみたいと思っています。
組織を強くするための人事施策の中心に「1on1ミーティング」があるとしたら、それを磨きあげるのは当然のこと。そのための方法論として、社員研修の分野で最高のスキルを持っているリクルートマネジメントソリューションズに、「1on1ミーティング」の質をあげるサポートプログラムの開発パートナーになってもらいました。 「1on1サポートプラグラム」を世に出して、響く会社もあれば、響かない会社もあると思います。百聞は一見に如かずですから、興味がある企業の経営者や人事担当者の方には、まずは試していただきたいです。その上で、使えると思うのなら自社に持って帰ってもらえればいいと思っています。
導入した結果、組織のコミュニケーションが密になり、個人が自分一人では気づかなかった才能を自覚できるようになったり、自分の能力を活かせる新しい仕事につながったり、そういう風に普及していってくれたら嬉しいですね。他者とのコミュニケーションを通じて人は大きく成長するのであって、組織で仕事をする原点というのは、そこにもあるのだと私は信じています。

1on1サポートプログラムについて

<目的>
1on1の効果的な実践を通じメンバーマネジメント組織運営の質のさらなる向上を図る

基本・導入コース

①1on1を活用し、マネジメントサイクルを回す
「部下の行動と学習を促進する「1対1ミーティング」のすすめ」
面談の意味とポイントを理解し、より有効な場を作る

②部下との関わりと指導を強化する
「コーチング・コミュニケーションの基本」
コーチングにおけるスタンスと基本スキルを習得する

応用・実践コース

③部下と向き合う/対峙する
「フィードバックの基本」
フィードバックの要点をおさえた上で、ロールプレイで体験的に学ぶ

人事の仕事における最高の成功の1つは、社員が「月曜日に会社に行くのが楽しい」という状態にすることだと思います。では、そのために何をすればいいのか。
月曜日が待ち遠しくなるのは、単純に仕事が楽しくて仕方がないとか、自分の仕事で社会に貢献している手応えがあるとか、スキルがグングン伸びているとか、そんな実感があるときだと思います。私はヤフーをそういう実感を持って働く人たちの集合体にしたいんです。そして、そんな強い組織ができれば、ラクラクと最高益を更新していくことでしょう。これが人事の仕事の理想形だと思います。
振り返れば私自身が、お金よりも「言葉」でモチベートされてきました。人事のトップに就任してから悩む場面も多々ありましたが、そんなときに「本間のやりたいようにやればいいんじゃないですか?」と背中を押してくれる仲間がいました。その一言にどれだけ勇気づけられたことか。言葉は大切なんです。たった5分で人をモチベートできます。そんな大切な言葉を交わす「1on1ミーティング」は、個人の才能と情熱を解き放つことを目指す、ヤフーの人事制度の中心にあるものなんです。

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