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未来を創るマネージャーのリアルボイス

Case5.「最初は対人マネジメントが苦手だった」迷いながらも確立した肩肘を張らないマネジメント術

読了時間:9

  • 公開日:2026/07/13
  • 更新日:2026/07/13
Case5.「最初は対人マネジメントが苦手だった」。迷いながらも確立した肩肘を張らないマネジメント術

近年、多様な価値観を持ったメンバー構成、少子高齢化による人手不足の深刻化、コンプライアンスに対する意識の高まりなどにより、マネジメントの難度が上がっています。

そのような環境のなかで、業績達成はもちろん、最適な業務アサインや、メンバーの意欲を引き出しながらの業務遂行など、多くの役割を担わねばならず、マネージャー層の負担が増えているといわれています。また、人事の方からはマネージャーになりたい若手が少ないというお悩みをうかがうことも。
しかし弊社の調査(※)では、マネージャー昇進後に、メンバーの成果や成長などをやりがいに感じているマネージャーが多いことが分かっています。つまり、部下から見ると大変さばかりが目にとまり、やりがいがなかなか伝わりづらい、という側面があるのかもしれません。
本連載では、組織の要としてさまざまな企業でマネージャーとして活躍している方々に、やりがいや思い、工夫されていることなどについてお話をうかがい、ご紹介していきます。
第5回となる今回は、合同会社DMM.com アミューズメント事業部 事業推進部 プロジェクト推進チーム チームリーダーの三浦 菜緒さんにお話をうかがいました。今まさにマネージャーとして悩まれている方や、将来マネジメントを担っていくかもしれない若手の方の参考になれば幸いです。

※ マネジメントに対する人事担当者と管理職層の意識調査2024年

本シリーズ記事一覧
未来を創るマネージャーのリアルボイス
Case5.「最初は対人マネジメントが苦手だった」迷いながらも確立した肩肘を張らないマネジメント術
未来を創るマネージャーのリアルボイス
Case4. 率直なフィードバックも“約束”があれば怖くない。freeeのCHROが語る現場マネジメントのノウハウ
未来を創るマネージャーのリアルボイス
Case3. どこにいても、チームとつながる。本部長のマネジメント術
未来を創るマネージャーのリアルボイス
Case2. 若手育成を支えたのは、“横のつながり”──メンバーが育つ現場のつくり方
未来を創るマネージャーのリアルボイス
Case1. 社会人3年目で挑戦。手探りのマネジメントを支えた“環境”の力
マネージャーに抜擢された時、対人マネジメントには苦手意識があった
遠隔のマネジメントを支えたのは、意識的な「ゆるい雑談」
「誠実でいること」が、自分なりの軸になった
マネジメントを経験して見えた、「プレイヤーの頃には見えなかったもの」

マネージャーに抜擢された時、対人マネジメントには苦手意識があった

——はじめに、三浦さんがマネジメントに携わるようになったきっかけを教えてください。

きっかけは2年前に、所属しているプロジェクト推進チームのリーダーを任されたことでした。「マネジメントの適性がある」ということで、当時の上長から声を掛けていただいたのです。ただ、お話そのものはありがたく思いつつも、私には荷が重いように感じました。以前プロジェクトマネージャーをやった時に、プロジェクトをゴールに導くマネジメントには手応えを感じる一方で、対人のマネジメントに苦手意識を持ってしまったからです。部下のやりたいことや成長したいことを支えていく、相手の人生を預かるような責任をまっとうできるのか、はっきりと自信を持てなかったというのが本音でした。

部下になるメンバーと私の勤務地が、物理的にとても離れているところもネックでした。プロジェクト推進チームのメンバーは六本木の本社に勤めていますが、私だけは九州の拠点で働いており、2カ月に1回ほど本社に来る形を取っています。同じ部署に遠隔でマネジメントをしている先輩もいなかったので、そんな状況でチームリーダーをやることも、私にとって勇気のいることでした。「何もできないリーダーだと思われたらどうしよう」という気負いもあり、色々と覚悟したうえでチームリーダーになったことを覚えています。

——迷いながらもチームリーダーに挑戦されたとのことですが、最初はマネジメントのどのようなところが大変でしたか?

自分と比べて明らかに能力が高いメンバーばかりなので、どうマネジメントすればいいのか、とても悩みました。私は中途でこの会社に入ってから、営業やイベント進行といったさまざまなポジションを経験したのですが、部下のなかには新卒の頃からずっと同じポジションを極めている人もいます。「自分より専門性が高い人たちに、どう力を発揮してもらえばいいのだろう」と悩みながら、本や研修で勉強したり、上長に相談したりしました。

ただ、マネジメントについて色々なことを調べたり、人に相談したりするうちに、気づいたこともあります。「マネージャーはメンバーより優秀かつ完璧でなければならない」というのは自分の思い込みであって、1人で何もかもこなす必要はなかったのです。チームは異世界アニメの冒険パーティのようなもので、前線に立つことが得意な勇者もいれば、回復が得意なヒーラーもいます。そのなかで私がやるべきことは、すべてのロールを完璧にこなすことではなく、全体のメンバーの進行管理と、チームの成果を最大化することだと気づきました。

「どう頑張っても、私は私」。そのように一度受け入れた時から、少し肩の力を抜いて対人のマネジメントに向き合えるようになったと感じています。

遠隔のマネジメントを支えたのは、意識的な「ゆるい雑談」

——チームメンバーの方々は東京、三浦さんは九州にいらっしゃるとのことですが、遠隔のマネジメントにおいて普段から意識されていることがあれば教えてください。

私は基本的に九州にいるので、対面ミーティングの後の雑談のような、自然と話が広がるタイミングになかなか立ち会えません。だからこそ、メンバーとの1on1でも、できるだけ他愛ない話をすることが多いですね。飼っている犬の話をしたり、育成ゲームで生まれたキャラクターの話をしたり……。自分から話題を振ることもありますし、部下から話してくれることも多いです。

同じ部署にいるリーダーたちとも隔週で話すのですが、そちらの集まりでもゆるい話がよく出ます。そのミーティングには「ゆるリーダー」という名前がついていまして、「腰痛が治った」とか、最近の流行の話とか、本当に何でも話せるのです。上長との1on1でも、「今日もよく働いたね」とゆったり雑談することが多くて、仕事のことは別のミーティングであらためて相談することがほとんどですね。

——カジュアルにコミュニケーションを取る時間が多い印象を受けましたが、意識的にそうされているのでしょうか?

そうですね。オンライン中心だとコミュニケーションが減りやすいので、意識して会話するようにしています。ゼロから関係性を築く段階だと難しいと思いますが、私にはプロジェクトマネージャーとして、色々な部署とかかわってきた下地がありました。今の上長も最近着任したばかりですが、他のプロジェクトで既に面識があったので、ラフに話すことができています。入社してから色々な部署を経験して人脈を広げてきたことが、肩肘を張りすぎないマネジメントの基盤にもなってくれたと感じています。

「誠実でいること」が、自分なりの軸になった

——三浦さんからは、とても丁寧に周囲の方々と向き合おうとする真摯さが伝わってきます。チームリーダーとして一番大切にしていることや、意識していることがあればぜひ教えてください。

本当に基本的なことなのですが、「メンバーに対して誠実であり続けること」を常に意識しています。具体的には、嘘をつかないことや、約束を守ることです。マネージャーとして優秀だと思われたい気持ちはもちろんありますが、だからといって自分のミスを隠したり、分からないことを「分かる」と偽ったりしないようにしています。誠実でありたいという気持ちは、チームリーダーとしてというより、自分の働き方の軸ともいえるかもしれません。

チームリーダーになってからの自分の変化を1つ挙げるとすれば、こうしてきちんと「自分はこうありたい」と、言語化できるようになったことでしょうか。プロジェクトマネージャーをやっていた頃にも、「三浦さんは皆から、どんなプロジェクトマネージャーだと思われたいですか?」と質問されたことがあったのですが、はっきりと答えることができませんでした。リーダーを担うなかで、周りのことも含めて俯瞰的に考えられるようになったり、「皆が働きやすいと思ってくれたらいいな」という気持ちで動けるようになったりしたことが、自分なりの成長ではないかと思います。

——チームの方々が気持ちよく働けるように、心掛けていることはありますか?

メンバーにはできるだけ楽しく仕事をしてほしいので、フィードバックはかなり慎重にすることが多いです。人によっては、言い方1つで仕事のモチベーションが下がってしまうこともあると思うので、1on1でゆるく話しながら伝え方を探ることが多いですね。「この人には包み隠さず言った方がよさそう」とか、「オブラートに包んで提案した方がいいかも」とか、普段の会話のなかでキャッチアップしながらフィードバックに繋げています。

といっても、周りに助けてもらっていることの方が多いかもしれません。リーダーとして一番チームに感謝していることは、「リーダーという立場だけど、できないこともある私」を受け入れてくれたことでしょうか。

やっぱりチームリーダーって「仕事ができる人」というイメージがあるかと思うのですが、私は「上に立つ人だから誰にも相談できない」「できないと言ってはいけない」という壁をつくりたくなかったのです。そういった本音を正直にチームに伝えたら、快く受け入れてくれたうえに、お互いに壁打ちする時間までつくってくれました。そのような環境をつくってくれたことに、本当に感謝しています。

マネジメントを経験して見えた、「プレイヤーの頃には見えなかったもの」

——マネジメントをご経験されるなかで、一番やりがいを感じる瞬間はどんな時でしょうか?

他のチームから、自分のチームメンバーに対して、「その人がいると安心する」「とても助かる」といった言葉をいただけた時は本当にほっとします。プレイヤーだった頃は自分の評価に意識が向きやすかったのですが、今はチームメンバーのことも同じくらい気にかけているので、メンバーが評判された時は「活躍できる場所に送り出せたんだな」と嬉しくなりますね。

特にやりがいを感じる瞬間は、今までの繋がりを生かして、メンバーに橋渡しができた時です。入社してから培った人脈や経験をもとに、「営業さんはこう思うかも」「進行役はこうしたらどうか」「こんな人に相談したらメンバーが動きやすいよ」というように、人と人との間に立って調整できた時は、リーダーらしくサポートできた気がして嬉しくなります。

——最後に、これからマネージャーやリーダーに挑戦される方にメッセージをお願いします。

もともと私はリーダーになる自信があまり持てなかったタイプで、実際にポジションに就く前はプレッシャーも感じていました。「リーダーなのに仕事ができないと思われたくない」「完璧じゃないといけないのでは」という焦りもあり、不安だったことを覚えています。

ただ、実際になってみると、「そこまでプレッシャーを感じなくてもよかったのかもしれない」という、良い意味でのギャップがありました。もちろんチームメンバーに恵まれた面も大きいですし、リーダーとしての責任はしっかり果たさなければなりません。ただ、最初に身構えていたほど、完璧でなければ務まらないポジションではないと思いました。むしろチームリーダーになることで成長できるといいますか、「自分はどうありたいのか」「自分はこの会社でどう働きたいのか」というスタンスを、自分なりに確立できるようになったと思います。

自分らしい働き方や在り方を見つけたいと思うなら、マネージャーやチームリーダーに挑戦するのはとても“あり”な選択肢だと思います。

——本日はありがとうございました。


リクルートマネジメントソリューションズではマネージャー育成を支援するサービスをご用意しています。
ぜひ貴社のマネージャー育成にお役立てください。

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