今必要なビジネススキルとは? 第2回 新入社員に求められるのは「主体性」

執筆者情報
経営企画部
事業企画グループ
WEBマーケティングチーム
石岡 由紀子

ビジネスパーソンには、役割に応じて身につけると効果的に仕事が進むビジネススキルがあります。
元々得意なことや、仕事のなかで自然に身につけていくことができる場合もありますが、身につけるために遠回りをしたり、その過程で壁にぶつかったりすることもあります。

私たちが提供するビジネスパーソンの学び場「リクルートマネジメントスクール」では、お客様から特定の社員に何を学ばせたらいいのか、というご質問を非常に多くいただきます。

そこで本連載では、企業で働くビジネスパーソンに、求められる役割に応じて必要になるビジネススキルについてお伝えしていきます。
初回は、ビジネススキルとは何か、どのようなカテゴリに分けて考えればいいのかなど、ビジネススキル全般に関して取り上げましたが、2回目からは、スキルを身に着ける対象を絞ってお伝えしていきたいと思います。今回は、新入社員について。彼・彼女らが身につけておくべきスキルについてお話しします。


やる気・気合い問題にされやすい新入社員のスキル不足

ある新入社員Aくんがいたとします。彼に対して、先輩たちはこんな風に思っています。
「いろいろと提案してくれるけど、何が言いたいのかよく分からないんだよね」
「頼んだ仕事がいつになっても出来上がってこないし、途中報告もなくて困っている」
「彼は新人なのに電話を取らないのはなぜ? やる気がないのかな」

Aくんの問題は何でしょうか。
「学生気分が抜けず、社会人としての心構えが足りない」「自分の仕事という認識が甘く、やる気がない」などという印象を持たれた方も多いことでしょう。
入社して半年ほどは、上司も先輩も寄り添って教えてくれることが多いですが、1年経っても行動が変わらなければどうでしょう。実際、職場にAくんのような新入社員はめずらしくないと思います。
ではこれは、Aくんのやる気や気合いが足りないから起こることなのでしょうか。

新入社員の課題としてよく挙げられることは?

昨今の新入社員の課題や、彼・彼女らに求めることとして、人事や上司の方から最も聞かれるのは、「主体性の発揮」です。
今の新入社員は優秀で、言われたことはすぐにできる人が多い一方、言われなくて自分から動いていくような積極性・主体性が足りない、という意見です。

Aくんの例でみると、電話が鳴っているのに出ようとしないのは、先輩から「やる気がない」と受け取られてしまっています。つまり、Aくんの社会人としての「スタンス」に問題があると思われているのです。

では、Aくん本人の立場からみると、どうなのでしょうか。
現代は、携帯電話の普及により、電話したい相手に対して直接連絡をとることができるため、相手の家族など、その人以外が出る可能性のある電話の機会が少なくなっています。そもそも、一般世帯であっても自宅に固定電話がある家さえ減少しています。それに加え、メールやSNSなど、直接的な会話よりも気軽なテキストコミュニケーションが増えており、先輩世代よりも電話に対して苦手意識を持っているのです。また手段に関わらず、核家族化によって、違う世代の人とのコミュニケーションにも慣れていません。
このようななかで育ってきたAくんは、「上手く応対できないから電話を取りたくない」と思っていました。さらには、「それによってお客様や会社にも迷惑をかけてしまう」「自分より的確に対応ができる先輩に出てもらった方が、お客様も早くて助かるはず」とまで考えていたのです。

「電話を取らない」という行動は、「やる気がない」という見方もありますが、実はAくんのように、迷惑をかけたくない思い、悪気なく電話に出ない新入社員が増えているのも確かです。このような場合は、やる気に関係なく、電話の取り方に自信がつけば、Aくんは電話を取るようになるでしょう。
このように新入社員の場合は特に、やる気や主体性のような「スタンス」と、電話の取り方やビジネスマナーのような「スキル」が混在した問題として捉えられがちなのです。

新入社員にまず身につけてほしい、社会人としての「コミュ力」

では、新入社員が身につけておくべき基本的なスキルとはなんでしょうか。
前回、ビジネススキルには「対人」「対課題」「対自己(セルフマネジメント)」という分類があることをお伝えしました。

新入社員の時代はまず、「対人」スキル=コミュニケーション力を身につけておくことが重要になります。新入社員はまだ一人で仕事を進めることができないため、周りの協力を仰ぎながら仕事を進める必要があるからです。つまり、周囲とうまくコミュニケーションがとれなければ、仕事の進行さえも滞ることになります。

「コミュ力」という言葉が若者を中心に定着しているように、コミュニケーションスキルへの注目は世間でも高まっています。
一般的に言われる「コミュ力」というのは、初対面やいろんなタイプの人とでも巧みに会話して仲良くなれたり、自分に興味を持ってもらえるよう発信したりする力、というイメージかもしれません。息を吸うように人と上手く付き合い、いつも周りに人がいる人は、誰でも、いつの時代もうらやましく思われることでしょう。

新入社員に必要なコミュニケーション力は、面白いと思ってもらったり、人気が出たりすることが目的ではありませんが、話を分かりやすく伝え、好感を持ってもらうことを目指すという基本姿勢は共通するものがありそうです。

具体的には、
・相手の立場に立った行動や言動ができるスキル(ビジネスマナー)
・上司や先輩に適切なタイミングで報告や相談ができるスキル(報連相)
・ロジカルに伝わりやすく、相手に伝えるスキル(ロジカルシンキング)
この3つは入社半年頃までには必ず押さえておきたいスキルです。

ビジネスマナーはもう古い?

「ビジネスマナー」というと古臭い、堅苦しい、今はもうあまり必要がないもの、という印象を持つ新入社員の方もいるかもしれません。弊社で行っている新入社員を対象とした調査でも、新入社員のビジネスマナーの習得への関心は年々薄くなっていることが分かっています。

しかし、ビジネスマナーを習得するメリットは、名刺交換がスムーズにできたり、綺麗にお辞儀ができるようになったりすることだけではありません。一番重要なのは、相手の立場に立った振る舞いや言動の仕方を身につけられることです。
報連相も同様で、適切なタイミングで情報を共有することによって、手戻りや失敗が減り、滞りない業務遂行ができ、それによって関係者の不安を取り除き、気持ちよく仕事を進めてもらうためのスキルです。

スキルというと、ノウハウを知るだけという印象もあるかもしれませんが、その人が取る行動(スキル)の前提には、そのようにする理由(マインド)があります。そのため、新入社員の場合は特に、なぜそれが必要なのかということをあわせて学んでいくことで、応用できるようになり、さまざまな場面で再現できるようになります。

それに対し、「ロジカルシンキング」は比較的ノウハウに近いスキルといえます。
せっかく自分の意見を伝えようとしても、まわりくどくて何が言いたいのか分からなかったり、結論と背景が繋がっていないように聞こえたりすると、説得力に欠けます。早いうちに論理的に伝える基本を身につけておくことをおすすめします。

次に身につけたい「段取り力」と「セルフマネジメント」

一人前のビジネスパーソンになるために、次に新入社員に身につけてほしいのは「段取り力」です。
・参加予定の会議で事前に準備すべきことを上司に確認しておく
・進めている仕事について、上司に報告をする時間をあらかじめ押さえておく

このような動きが自分からできるようになると、職場でもだいぶスムーズに動けるようになります。これも「自分が段取りをしなくてはいけないんだ」という意識の醸成につながり、受け身姿勢からの脱却というマインド育成の側面もあるスキルです。

そして、新入社員というのは、学生から社会人へという大きな立場の転換を迎え、壁にぶつかりやすい時期です。上手くマインドが切り替えられなかったり、どうするのが正解か分からず動けなくなったり、いろいろと悩むことも多いでしょう。
そんなときに必要となる「セルフマネジメント」は、OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)で伝えるのが特に難しいスキルです。研修や書籍などでもいいので、周囲が学ぶ機会を提供してあげるとよいでしょう。入社半年ほど経った頃に、フォローアップ研修の実施や、研修までいかなくても人事と同期で振り返りをする場を設定するなど、フォローアップの機会を設けることをおすすめします。

最後に

前回、学生から新入社員になるのは「社会に出る」という旅の始まりであり、「ビジネススキル」は旅に出るときに必要な道具のようなものだ、とお伝えしました。
それでいうと、新入社員はまさに旅をスタートしたところです。まず旅に必要な道具をしっかりと用意しておくことで、今後の長きにわたる旅の快適さが決まっていきます。
ぜひ、より良い道具をととのえて順調な旅のスタートを切ってください。

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バックナンバー第1回 今さら聞けない「ビジネススキル」とは何か?

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