人材育成・研修・マネジメント用語集GLOSSARY

マインドフルネスとは

マインドフルネス(mindfulness)は意図をもって、今の瞬間に、評価や判断を手放して、注意を払うことから、わき上がる気づきの状態(アウェアネス)という語義で説明がされています。

1979年にジョン・カバット・ジンが、臨床的な技法としてMBSR(マインドフルネスストレス緩和プログラム)をマサチューセッツ大学の医療センターで開発しました。

8週間のマインドフルネス瞑想法では、扁桃体の反応が緩やかになり海馬と前頭前野(学習、思いやり、内省など)が活性化し、ストレス軽減・能力アップしたという科学的裏付けがあります。
(Sara Lazar, Ph.D.他 2010University of Massaschusetts Medical School)

集中力を高めたり、心身のコンディションを整えるだけでなく現在は組織開発や人材育成の手法のひとつとして、企業で取り入れられています。

マインドフルネスの実践を通じて、自己認識力(セルフアウェアネス)や自己管理能力(セルフマネジメント)の向上を目指します。

リクルートマネジメントスクール研修公開コースでは、Googleも採用するマインドフルネスを活用したリーダーシップ開発プログラム「Search Inside Yourself」(サーチ・インサイド・ユアセルフ)の第一人者である講師から、マインドフルネスに基づく集中力の高め方、セルフマネジメント、リーダーシップを学ぶことができます。
マインドフルネス入門 〜頭と心のコンディションを整え、集中力を高める〜【3時間】

次に、なぜマインドフルネスがビジネスで注目されるのかについてご説明いたします。

なぜ今、ビジネスでマインドフルネス(瞑想)が注目されるのか

マインドフルネスの瞑想が多くの企業で支持される背景には、企業現場が抱える課題が関係しています。
現在の日本では労働力人口が年々減少しており、どこの組織でも人材不足が問題となっています。そのため、少ない労働力で多くの仕事を進めるために、業務効率化・生産性の向上が謳われていますが、業務改善はそう簡単にできるものでもなく、やり方に頭を悩ませる企業も多いでしょう。
個人のパフォーマンスをいかに上げていくのか、は組織として大きな課題です。
また、多様な働き方への対応や、人材定着のための施策など、やるべきことは後を絶ちません。
そして、従業員のメンタルヘルスの問題も多発しています。
これは、人材不足が招く労働過多によるダメージもあれば、「何のために働くのか?」「この仕事に意味はあるのか?」といったモチベーション維持の問題もあります。かつてのように、盲目的に仕事をこなすやり方が推奨される時代は終わり、意味や価値を求められるようになる状況に、企業が追い付けないということもあるでしょう。
このような状況を打破するために、ビジネスの世界に広がっていったのが、Googleが開発したマインドフルネスメソッドです。
「Search Inside Yourself(SIY)」と呼ばれるこのマインドフルネスメソッドは、Google初期に入社したチャディー・メン・タン氏が、周囲のメンバー用に考案した研修だったのですが、あまりに好評だったため社内に広がっていき、最終的には著書として世界中で出版されるに至りました。
このマインドフルネスメソッドが開発されたきっかけは、「仕事をこなせること」と「幸せであること」がイコールではない、とタン氏が気づいたことだと言います。
マインドフルネスメソッドで出会えるのは、「自身のモチベーションの源」。これはビジネスの世界では非常に画期的な考えでした。
今までは考えつかなかったこのやり方ですが、マインドフルネスの効果は抜群という点で、AppleやYahoo!、ゴールドマンサックスやメルカリ、Sansanや丸井グループなど、導入する企業が徐々に拡大していったのです。
次章からは、マインドフルネスでは具体的にどのような効果が得られるのか、ご紹介していきます。

マインドフルネスにより得られる効果とは?

マインドフルネスにより得られる効果とは?
では実際にマインドフルネスを実践した効果を見ていきましょう。個人の効果としては、以下の2つが大きな変化として表れます。

【マインドフルネスの効果】

(1)集中力のアップ

マインドフルネスでは、瞑想を行うことが主流です。
マインドフルネスの瞑想を行うことで、余計な考えを捨てることができるため、今、目の前だけのことに集中できる力を養うことができるのです。

この瞑想は鍛錬を繰り返すことでより集中力を発揮できるとも言われており、継続的に瞑想を実施することでその効果はより高まっていくものとされています。

(2)セルフアウェアネス、セルフマネジメントの向上

セルフアウェアネスとは「自己認識能力」のことで、自身の感情は今どうなっているのか、長所や短所は何なのか、何を欲しているのかなど、自分の内面を見つめ、理解を深めることを言います。
これらの能力を高めることで、自分の感情をコントロールできるようになるため、仕事のパフォーマンスも上がると言われています。
日常生活の中で、ひとつのことだけに集中できる時間はとても少ないものです。
仕事をしていれば、次から次へと業務は降ってきますし、締め切りや仕事上のミッション、周りの機嫌や上長のコンディションなど、多くのことを抱えれば抱えるほど判断はブレ、仕事の効率も下がっていきます。
マインドフルネスの瞑想で内省を促し、自分のやるべきことをはっきりさせることで、業務効率を上げていくことが可能となるのです。
上記のような個人の効果が得られることで、組織全体としてもマインドフルネス瞑想の効果は波及していきます。
マインドフルネス瞑想によって個人のコンディションが上がることで、メンタルヘルスの発生率は減少し、それにより企業の労働力を安定させることができます。
また、瞑想で得られた集中力により、新しいアイデアが生まれやすくなったというケースもあります。
ではマインドフルネス瞑想の科学的エビデンスも一部ご紹介します。
これは、マサチューセッツ大学が開発した8週間のマインドフルネス瞑想法で得られた効果です。

【マインドフルネス瞑想のエビデンス】

(1)脳の肥大化・縮小

マインドフルネス瞑想法の後に、MRIを利用して脳を確認してみた結果、学習、記憶、感情制御、自意識などに関わる脳の多くの部分が肥大化、その一方で、脳の扁桃(へんとう)部分は縮小していました。扁桃は大きくなると危険察知や怒りの感情が生まれやすくなると言われています。
そのため、マインドフルネス瞑想を行うことで、感情の起伏を抑制して、気持ちを鎮めた状態になったのだと考えられます。

(2)脳内の神経活動の変化

こちらもMRIを使った検証で、マインドフルネス瞑想法の後には、「現在の自分の経験」に関わる神経活動が活性化する一方で、「自分のイメージ、過去や未来に関して空想すること」に関わる神経活動は低下しました。この結果から、マインドフルネスでの瞑想が「今、この瞬間」にしっかり集中できているということが証明されています。

(3)心理的ストレスを減らすことによる身体的症状の変化

この実験では、健康な肌に水ぶくれを意図的に作り、予めストレスを感じる状態にしたうえで、マインドフルネス瞑想法と、それとは別の健康促進プログラムを行い、変化の違いを調べました。その結果、マインドフルネス瞑想法を行った方が、水ぶくれが縮小したのです。
マインドフルネス瞑想を行うことで心が安定し、それにより、身体的な回復にも影響するということが、実験で証明されています。
このように、マインドフルネス瞑想は単なる精神論ではなく、科学的な根拠のあるプログラムだと理解いただけましたでしょうか?
次章からは、具体的なマインドフルネス瞑想のやり方をご紹介していきます。
参考記事:マインドフルネスストレス低減プログラム(MBSR)とは?

マインドフルネス瞑想 のやり方

マインドフルネス瞑想自体は1回の実施で効果がでることもありますが、瞑想を継続的に行うことで、徐々にその効果を高めていくことをマインドフルネスでは目的としています。
そのため、毎日瞑想の時間を自身で捻出すること、途中であきらめず続けていくことがマインドフルネス瞑想では重要となります。
また、マインドフルネス瞑想の目的は余計なことを忘れて今だけに集中することですので、深く考えすぎず、リラックスして行うようにしましょう。
以下より具体的なマインドフルネス瞑想のやり方をご紹介します。

【マインドフルネス瞑想のやり方】

(1)呼吸を整える

まずは、瞑想の準備です。足を組んで床に座り、背筋を伸ばして視線は下へ、目は軽く閉じておきましょう。床に座れない場合には椅子に座ったやり方でもOKです。手は軽く膝の上に置きます。
そして、呼吸を整えていきます。鼻から息をゆっくりと吸い、お腹や肺の膨らみを感じましょう。空気が自分の中を通っている感覚に集中してみると良いです。
次に、吸ったときよりも時間をかけて、鼻から息を吐いていきます。
この際も、体を通る空気に意識を向けると良いです。この呼吸を1分〜1分半ほど行い瞑想の準備をしましょう。

(2)瞑想のやり方

ではここから瞑想に入りましょう。1〜4の手順に沿って行っていきます。

1.上記で瞑想のための呼吸を整えたら、目を閉じたまま、呼吸を続けます。深く息をしようなど、特に気にする必要はありません。普段通りの自分の呼吸で大丈夫です。

2.このまま自分の呼吸に意識を集中させていきましょう。ただ呼吸をしているだけでも、頭の中にはいろいろなものが浮かんできます。
仕事のこと、プライベートのこと、他にも些細な考えがよぎると思いますが、無理に考えをやめる必要はありません。ただ、そこに考えがあるな、という程度にしておきましょう。

3.引き続き、自分の呼吸に意識を集中させます。すると、また色んな考えが頭をよぎります。次は、そういった考えがよぎる自分の状態を把握しにいきます。
「自分は今イライラしているんだな」「嬉しかったからこんな行動をしたんだな」「不安な気持ちを抱えているんだな」と、心の中で言葉にしてみてください。そうすることで、今の自分の状態に気が付くことができます。そうして気が付いたことも、静かに流していってください。

4.考えを意識の外に流したところで、また呼吸に集中していきます。

これが、マインドフルネス瞑想の基本的なやり方になります。
この一連の流れを毎日繰り返し行うことで、頭に浮かぶさまざまな考えは徐々に減っていき、今の自分の呼吸だけに集中できるようになっていくのです。
このようなやり方でマインドフルネス瞑想を実践することによって、人は自己認知を高めていくことができます。そうすることで、エモーショナルインテリジェンスも向上されると言われています。
エモーショナルインテリジェンスとは、「感情的な知性」と言われ、自分や他人の感情を察知し、その背景を理解したうえで、自身の行動に活用することを言います。優秀なリーダーはこの能力が長けているとも言われています。

多くの効果を生むマインドフルネス瞑想 の今後

Googleから始まり、今や世界に広まるマインドフルネス瞑想ですが、欧米では、ビジネスパーソン全般に必須のスキルとして認知されています。
つまり、マインドフルネス瞑想はビジネスにおいては学ぶ価値が高く、将来性のあるスキルだと捉えられているのです。
上記で紹介したマインドフルネス瞑想のやり方を見てもわかるように、難しいことはひとつもありません。毎日継続して実践すれば、マインドフルネス瞑想は誰でも身に着けられます。
簡単でかつ効果の高いマインドフルネス瞑想を学んでみてはいかがでしょうか?

マインドフルネスについてこちらのコラムでもご案内しています。ぜひこちらもご覧ください。
職場に活かす心理学 第8回−大事なときに最大限の結果を出すことはなぜ難しいか


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