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レジリエンス研修 ストレスや予想外の事態に対応する力を身につける

  • 公開日:2025/07/14
  • 更新日:2025/07/16

変化が激しく予測が難しい現代のビジネス環境においては、ストレスや逆境に柔軟に対応できる力、「レジリエンス」が重要視されています。レジリエンスとは、困難やストレスに対する耐性を指し、逆境に直面しても前向きに乗り越える力のことです。この力を高めることで、ストレスを感じやすい状況も成長の機会に変えることが期待できます。特に、ストレスやプレッシャーに負けないたくましさを身につけたい方や、自分の感情を客観的に見つめ直したい方、落ち込んだ気持ちをどう乗り越えればよいか悩んでいる方にとって、レジリエンス研修は大きなヒントとなり、支えになるでしょう。この記事では、レジリエンスの基本から研修の目的、成功のポイントまで詳しく解説します。

レジリエンスとは

レジリエンスとは、「回復力」「弾力性(しなやかさ)」といった意味の英単語であり、心理学において困難な状況やストレスに対する耐性の強さを指します。レジリエンスが高い状態は「レジリエント(である)」と表現され、レジリエントな人物は逆境に直面しても諦めることなく、克服できる可能性が高いと考えられます。

レジリエンスがビジネスで重要である理由

ビジネスにおいてレジリエンスが重要視されている背景には、次のような要因があります。

レジリエンスがビジネスで重要である理由

ストレスに感じていたことも成長の糧になるため

レジリエンスを高めることで、苦手な仕事や新しい課題、多様な人との協働など、初めはストレスに感じやすいことも、ビジネスパーソンとしての成長につなげていくことが期待できます。
例えば、レジリエンスが高い人は、困難な業務を乗り越えたという経験から、新たな気づきや自信を得ることができ、その結果、さらなるレジリエンスの向上につながる可能性があります。また、他者との意見の衝突も、対話を通じて互いの理解を深めることで、信頼関係の構築につなげることができます。

ビジネス環境の将来予測がしづらくなっているため

社会の状況が急速に変化し、曖昧で不安定な事柄が増えている現代は「VUCA時代」と呼ばれ、ビジネスにおいても先を見通すことが困難な時代とされています。
そのような時代においては、過去の成功体験に依存せず、変化に柔軟に適応できる力が一層重要になっています。レジリエンスは、個人が環境の変化に対応するための基盤となるだけでなく、組織全体の成長を支える力として注目を集めています。

レジリエンス研修の目的

レジリエンス研修では、困難な状況やストレスにうまく向き合い、安定的、持続的に力を発揮するためのレジリエンスを高める方法を学びます。

レジリエンスの基本的な考え方や仕組みを理解する

レジリエンスは、学びや経験によって高められる力とされています。そのため、まずは「レジリエンスとは何か」といった基本的な考え方を理解することが研修の第一歩となります。レジリエンスの意味や構成要素について知ることで、自身の現在地を把握し、今後どのように強化していくかの方向性が見えてきます。

ストレスや予想外の事態にも対応する力を身につける

ストレスや予期しない変化に動じず、柔軟に判断・行動できる力を身につけることは、レジリエンス研修の大きな目的の1つです。ストレスを避けるのではなく、うまく向き合い、前向きに対応できるスキルや考え方を学ぶことで、変化のなかでも自信を持って行動できるようになることを目指します。

感情に振り回されず、安定的に成果を発揮できるようになる

レジリエンスが高まることで、感情の波に流されることなく、自分自身の状態を適切にコントロールできるようになります。例えば、失敗や批判といったネガティブな出来事に直面しても、冷静さを保ちながら適切に対応できるようになります。

レジリエンス研修のプログラム例

レジリエンス研修では、基本的な理解から思考の見直し、日常で生かせるヒントまで段階的に学びを進めていきます。

レジリエンスの基本を学ぶ

レジリエンスを理解するためには、まずその仕組みを知ることが重要です。レジリエンスは、「危険因子」と「保護因子」という2つの要素によって発揮されると考えられています。加えて、研修ではレジリエントな人とそうでない人の特徴を比較し、自分自身の反応の傾向を見つめ直します。ストレスに対して無意識に取っている行動や考え方を振り返ることで、自分の強みや課題を整理し、どのように対応しているかを客観的に把握できます。こうした気づきが、変化への第一歩となります。

レジリエンスを阻害する考え方を見直す

レジリエンスの発揮を妨げる要因として、物事の受け止め方や思考パターンが挙げられます。研修では、日常の出来事にどのように反応しているかを振り返りながら、物事の捉え方によってストレスの感じ方が変わるメカニズムに気づくことを目指します。具体的には「ABC理論」や「A-C理論」といった心理的枠組を活用し、自身の考え方と感情のつながりを整理します。

項目

ABC理論

A-C理論

特徴・違い

出来事から認知・思考・解釈が生じ、結果としての感情・行動・生理的反応が引き起こされると考える理論。
同じ出来事でも認知・思考・解釈によって、受け取り方が変わる。

出来事と感情が直結していると考える理論。
解釈の概念がなく、感情をコントロールしにくい。

  • 上司に意見を却下された →「否定された」→ 落ち込む
  • 上司に意見を却下された →「冷静な判断だった」→ 気持ちを保てる

上司に意見を却下された → 即座に「怒り」や「落ち込み」につながる

レジリエンスを向上させるヒント・コツを身につける

レジリエンスを日常で育てていくには、考え方や行動に少しずつ意識を向けることがポイントです。研修では、実践に役立つヒントやコツを学びます。

STEP1. 認知を柔軟にする
ストレスに対処するには、物事の捉え方を柔軟に保つことが大切です。これは、ABC理論における「認知(Belief)」の部分にあたります。逆境に直面したとき、どのような行動を取るかは、その状況を自分がどう受け止めるかによって大きく変わります。偏った見方にとらわれず、多角的な視点で状況を捉えることが、前向きな対応力を育てる第一歩となります。

STEP2. 自分の強み・能力を自覚する
自分の「保護因子」に気づき、意識的に活用することもレジリエンス向上には効果的とされます。自分の強みや得意なことを理解していれば、困難に直面しても自信を持って対処できます。「自分には対応できる力がある」という実感が、行動を後押ししてくれます。

STEP3. 行動目標設定/数カ月後のイメージを描く
状況を整理できたら、次に必要なのは目標や計画を立てることを習慣づけることです。明確な目標を設定し、数カ月後の自分の姿を具体的にイメージすることで、取り組みへの意欲が高まります。計画的に行動する習慣がつくと、不安が減り、変化にも対応しやすくなります。

レジリエンス研修の実施方法

社員一人ひとりが変化や困難に立ち向かえる力を育むためには、研修の実施方法が重要です。組織に合った形で導入することで、より高い効果と実践的な成果が期待できます。

レジリエンス研修の実施方法

社内で実施する

社内でレジリエンス研修を実施するメリットは、自社の課題や文化に合ったオリジナルのプログラムが設計できる点です。既存の社員教育と組み合わせることで、実践的な学びにつながりやすく、継続的なフォロー体制も整えやすくなります。

外部の研修を受講する

外部の専門機関によるレジリエンス研修は、専門性の高いノウハウを取り入れられる点が魅力です。心理的安全性やストレスマネジメントに精通した講師からの指導により、社員が自らの状態に気づき、行動を変えるきっかけを得やすくなります。また、他企業との合同開催で刺激を受けることもあり、視野が広がる効果も期待できます。

レジリエンス研修を成功に導くポイント

ここでは、レジリエンス研修を効果的に進めるためのポイントを紹介します。

思考を見直し、実践につなげるヒントを学べる

レジリエンス研修では、理論に加えて、自分自身の受け止め方や思考の傾向を振り返り、前向きな行動につなげていく構成が効果的です。例えば、日々の出来事への反応を見直し、思考や感情との関係を整理することで、日常に生かせる気づきを得ることができます。こうした段階的なプロセスを通じて、ストレスに柔軟に対応する力を育む取り組みは、職場への定着にもつながっていくでしょう。

参加者の自発性を引き出す

レジリエンスは、単なる知識習得ではなく、内省や気づきを通じて身につける力です。そのため、受講者が自分の認知のクセや経験を振り返りながら、自分なりの答えを見つけることが大切になります。グループワークや個人ワークを通じて主体的に考える場をつくることで、より深い理解や実践的な学びへとつながっていきます。

専門家に依頼する

レジリエンス研修では、ストレスや感情といった繊細なテーマを扱うため、専門性のある講師に依頼することが重要です。例えば、企業研修やカウンセリングなどの現場経験を持つ専門家であれば、受講者一人ひとりの状況に応じた、きめ細かい対応が期待できます。講師の知識や経験は、研修の質を左右します。専門性の高い講師を選ぶことは、「頭」と「心」の両面から学べる環境づくりにつながります。

まとめ

レジリエンスは、変化の激しいビジネス環境において個人と組織の持続的な成長を支える重要な力です。研修を通じて、生き生きと仕事をするためのヒントを身につけます。
実施方法やサポート体制を工夫することは、学びを定着させ、組織全体のレジリエンス向上にもつながります。自社に合った形でレジリエンス研修を取り入れることは、従業員の心の健康とパフォーマンスの両面を支える有効な手段といえるでしょう。

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