用語集
ラポールとは? 得られる効果や形成のコツを解説します
- 公開日:2023/05/30
- 更新日:2025/05/26
ラポールとは、フランス語で「関係」「関連」という意味の言葉で、心理学やセラピーの分野でカウンセリングをするうえで重要なコミュニケーションとしてよく用いられます。現在では、ラポールの用法の幅が広がり、ビジネスの場面でも「話し手と聞き手との間に構築される信頼関係」を表す言葉として積極的に使われるようになりました。
ビジネスでの成果向上を図るにはラポール形成が必要です。上司と部下、顧客と営業担当などでラポール形成がされていると、コミュニケーションが円滑になり、信頼関係の強化が見込めるでしょう。
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ラポールとは
ラポールとは、フランス語で「関係」や「関連」を意味し、心理学やセラピーの分野では、主にカウンセリングにおける重要なコミュニケーション技法として用いられてきました。近年では、その効果がビジネスの場にも広がり、上司と部下、顧客と営業担当者など、さまざまなコミュニケーションにおいて信頼関係を構築するために積極的に活用されています。ラポールが形成されると、対話がスムーズになり、双方の理解が深まり、強固な信頼関係を築くことが可能です。この信頼が、ビジネスにおける成果向上につながるといえるでしょう。
ラポールを形成するために
ラポールを形成するには、単なる話術ではなく「相手と自然な信頼関係を築くための対話の工夫」として活用することが大切です。例えば、相手の仕草や話し方にさりげなく合わせたり、表情や声の変化から感情をくみ取って寄り添った言葉をかけたりすることで、相手に「自分を理解してくれている」という安心感を与えられます。また、相手の言葉を丁寧に受け止めて返すことで、関心や共感が伝わり、信頼が深まります。大切なのは、相手の気持ちに寄り添う姿勢を持つことです。

ラポールの形成により得られる効果
ラポールを形成すると、具体的には、以下のような効果が期待できます。
- 同僚から本音の意見を聞き出せる
- 相手からの信頼を得やすくなる
- 顧客から本音のニーズを聞き取りやすくなる
- 顧客が提案や説明を安心して聞いてくれる
十分な信頼関係を築くことでビジネスが円滑に進むことから、ラポールの形成は結果として大きなメリットがあるといえるでしょう。
ラポールを形成するためには、相手に寄り添うことが重要です。また、相手に合わせたコミュニケーションスタイルを身につけられれば、より効果的です。
そのようなスタンス・スキルを、研修を利用して学ぶことも有効です。
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ラポールを形成するメリット
ここからは、ビジネスシーンにおいてラポールを形成するメリットを5つ紹介します。ラポールを形成することで相手の興味・関心が分かり、その後の会話の糸口にしやすくなります。
【1】コミュニケーションが取りやすくなる
ラポールが形成されると、コミュニケーションが容易になります。なぜなら、安心感や信頼感が生まれることで、互いが本音で会話をすることができるからです。相手が不利益を与える存在ではないことが分かることで、安心してコミュニケーションが取れます。
【2】相手からの信頼を得やすくなる
信頼があると会話が円滑に進むだけでなく、相手の本音や隠れたニーズを引き出すこともできるでしょう。相手のニーズを引き出すためにも、まずは信頼関係を築くべくラポール形成に努めることがお薦めです。
【3】相手の心の奥にある考えや気持ちを伝えてもらえる
ラポールを形成することで相手の心の奥にある考えや気持ちを伝えてもらえやすくなります。心理的安全性が高まることで、自分の考えや感情を安心して発言してもらえるようになるのです。
同じ社員同士であっても、信頼関係が築けていなければスムーズに話を進めることはできません。深層心理を引き出す会話がしたい場合は、ラポールを形成し相互の心理的安全性を高めて、発言しやすくすることが重要です。
【4】仕事の成果を上げやすくなる
ラポールが形成されると、仕事の成果が上がりやすくなります。営業やマネジメントの場面では、信頼できる相手にしか話さない内容を引き出せ、商談や取引でより良い結果を得やすくなります。また、同僚間でラポールが形成されると、建設的な意見が出やすくなり、連携もスムーズに進みます。その結果、仕事の質が向上し、より充実した業務遂行が可能になるのです。
【5】説得力が高まる
ラポールが形成されていると、説得力が高まります。信頼関係が築かれた相手からの話には安心感が伴い、自然と耳を傾けたくなります。例えば、自社の製品やサービスを取引先に説明したり、上司に提案したりする際には、信頼関係があることで、相手はあなたの言葉を素直に受け入れやすくなります。ビジネスシーンでは、依頼や提案を行う際に自分の発言に説得力を持たせたい場面が多いため、事前にラポールを築いておくことが成功のカギとなります。
ラポールを通して信頼関係を築くコツ
信頼関係を築くうえで、カギとなるのがラポールの形成です。ここでは、円滑な人間関係を築くために意識したい、ラポールを通じた信頼構築のコツをご紹介します。
第一印象を良くする
人の第一印象は会って3秒で決まるとされています。人と人とのコミュニケーションにおける情報伝達手段の割合を示したメラビアンの法則でも、視覚情報が55%を占めるとされています。
ラポールを形成する際も第一印象は重要で、身だしなみを整えることはもちろんですが、相手と話すときの表情や姿勢、声のトーンなどにも注意する必要があります。
相手との共通点や興味を探る
相手と同じような価値観を持っていることで、ラポール形成がスムーズに運ぶこともあります。興味を持った話題が共通している人に対しては親しみを感じやすくなります。
また、相手の声や顔、身体の動作を観察し同調させることでもラポールが形成されます。相手が自分と行動の癖が似ていると思うと親近感が生まれ、ラポールを形成することができるのです。
相手に尊敬の気持ちを持つ
ラポールは一方通行では成立しません。相手の考えや経験に敬意を払い、素直に耳を傾ける姿勢が信頼関係の基盤をつくります。自分の意見と異なっても、相手を否定せず、その意見を尊重することが大切です。批判や否定的な言動はラポール形成の妨げとなります。相手の考えを受け入れることで、関係はより深まります。さらに、ラポールを形成するためには、相手と信頼関係を築きたいという気持ちが重要です。部下や年下の取引先でも、年齢や立場にかかわらず、謙虚で誠実な姿勢を意識することが、心を開いてもらうカギになります。

ラポールを活用できるシーン
ラポールはあらゆる人間関係において役立ちますが、ここでは、ラポールがどのように役立つか、具体的なシーンでの活用方法について解説します。
営業
営業において、ラポールを形成することは顧客との信頼関係を構築するうえで欠かせません。営業担当者が顧客と信頼関係を築くことで、顧客は自分のニーズを正直に伝えやすくなり、提案も受け入れやすくなります。営業担当者は、共通の話題を見つけたり、顧客の関心に共感を示したりすることで、信頼を築くことにつながるでしょう。
福祉・看護
福祉や看護の現場では、患者や利用者との信頼関係がなければ、治療や支援は効果的に進まないことがあります。ラポールを活用することで、患者や利用者は自分の不安や悩みを素直に話しやすくなり、看護師や介護士が適切な対応をするための情報を得やすくなります。また、ラポールがしっかりと形成されていれば、患者や利用者の心理的安全が保たれ、治療やケアに対する協力を得やすくなります。
ラポール形成を行う際の注意点
ラポールは優れたコミュニケーション技法ですが、誤ったアプローチや過度な活用は逆効果になることもあります。以下の注意点を意識しながら、丁寧に関係を築いていきましょう。
相手を否定しない
ラポール形成において、すぐに否定したり批判したりするのは避けるべきです。相手に共感し、理解を示すことで、相手は「自分が理解されている」と感じ、信頼関係が深まります。自分と異なる考えがあっても、まずは相手の意見を肯定し、安心感を与えた後に自分の考えを伝えることが重要です。このアプローチが、より強固な信頼関係の構築につながります。
急いで本題に入らない
ラポールを形成する際、最初から本題に急いで入ることは避けるべきです。信頼関係がまだ築かれていない段階で、いきなり直接的な質問や提案をすると、相手は警戒心を抱きやすくなります。本題に入る前に、相手との共通点を見つけたり、軽い会話でリラックスした雰囲気をつくることが重要です。こうすることで、相手は心を開きやすくなり、その後の会話がスムーズに進みます。特に初対面や商談の場では、焦らず少し時間をかけて信頼を築くことが、後の成功につながります。急いで本題に入るのではなく、まずは相手の立場や感情を尊重し、安心感を与えることがラポール形成の第一歩です。
おわりに
ラポールは、あらゆる人間関係における信頼の土台となる重要な概念です。ビジネス、福祉・看護など、さまざまな場面で活用でき、成果を高めるカギとなります。日常的なコミュニケーションのなかでも、ラポールを意識することで関係性が深まり、より良い人間関係を築けるでしょう。まずは身近な場面から意識して取り組んでみてください。
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