導入事例
「伯東ウィメンズカレッジ」を通して、女性管理職育成と共に全社意識変革を目指す
伯東株式会社
- 公開日:2026/05/11
- 更新日:2026/05/11
事例概要
背景・課題
・2018年に部門横断の女性活躍推進プロジェクトを開始。「働きやすさ」の観点では、一定の成果を上げていたが、「働きがい」については改善がなかなか進まなかった
・2024年時点で、女性管理職比率は8.5%にとどまっており、かつ男女賃金格差が69.0%あるなど、女性活躍に関する課題が存在。「女性=営業事務職」という固定観念が根強く残っていた
・少子高齢化社会により、年々人材採用の難易度が上がるなか、女性社員の職域を拡大したかった
・女性社員たちの管理職を目指す意欲やスキル、視座を高めて、活躍を促したかった
検討プロセス・実行施策
・担当役員と共に、女性社員の「管理職意向の醸成」「視座の向上」「今後の活躍に必要なスキル獲得の機会提供」をテーマに新施策を推進
・2024年、女性非管理職が1年かけて組織変革課題の解決策を考え、最終的に経営層への提言を目的とした「伯東ウィメンズカレッジ・非管理職コース」を開講
・2025年からは、女性管理職の意思によって「伯東ウィメンズカレッジ・管理職コース」もスタート
成果・今後の取り組み
・多くの女性社員が、経営層も目を見張る内容の課題解決策を考え、プレゼンテーションは成功を収めた
・ウィメンズカレッジ受講者たちは、会議で積極的に発言するようになる、管理職に興味を示すようになるなど意識が変化
・2025年度から女性活躍推進が中期経営計画に盛り込まれ、経営層や男性社員たちも刺激を受けて変わりつつある
背景・課題
女性社員たちの管理職を目指す意欲やスキル、視座を高め、彼女たちの活躍を促したかった

吉野:私たち伯東は、エレクトロニクス&ケミカル分野における専門商社とメーカーのハイブリッド企業です。女性社員数は全従業員の25%となる約200名ですが、職種はほぼ営業事務職やスタッフ職などに限られており、管理職に昇格する女性社員も限られていました。
その結果、女性管理職比率は8.5%にとどまっており、男女賃金格差は69.0%に上っていました(2024年度)。
このような状況を変えるべく、私たちは2018年から、部門横断の女性活躍推進プロジェクトをスタートしました。ワーキングマザーチームと中堅女性社員チームの2つのクロスチームを立ち上げ、女性社員の「働きやすさ」と「働きがい」について対話を始めたのです。その後のコロナ禍を機に、リモートワーク環境や在宅勤務制度、時差出勤制度などを整えることができ、働きやすさに関する課題についてはかなり解決できました。
一方で、働きがいや管理職比率、それに関連する給与格差の部分に関しては、なかなか改善が進みませんでした。社内では、男性社員だけでなく女性社員自身も、「女性の仕事は営業事務職やスタッフ職」という考えにとらわれていました。このような根深いアンコンシャスバイアスのために、女性社員の管理職志向、スキル、視座などがいっこうに高まらなかったのです。
会社側が制度を整えるだけでは、この根深いバイアスは取り除けません。女性社員自身の意識が変わり、「自分にもできる」「管理職を目指したい」と思えるようになることが不可欠でした。そして、女性社員自身が変わることで、経営層や周囲の男性社員の見方も変わる、と私たちは考え、新たな施策を立ち上げることにしたのです。
検討プロセス・実行施策
女性非管理職が1年かけて組織変革課題の解決策を考え、経営層に提言する「伯東ウィメンズカレッジ」開講
吉野:私たちは、担当役員と共に、女性社員の「管理職志向の醸成」「視座の向上」「今後の活躍に必要なスキル獲得の機会提供」をテーマにリクルートマネジメントソリューションズと共に新施策を企画しました。というのは、同社には20年ほど前からさまざまな研修を依頼しており、特にトレーナーには継続して担当してもらってきました。代表取締役の宮下をはじめ、多くの経営層もそのトレーナーの研修を受けてきたのです。また私たちは、リクルートマネジメントソリューションズは女性活躍推進に関する知見が豊富で、さまざまなソリューションを用意していることも知っていました。そこで、同社のトレーナーやソリューションプランナーの協力を得て、新たな研修を始めることにしたのです。
牧野:2024年11月、私たちは女性非管理職向け「伯東ウィメンズカレッジ(プラチナコース)」を開講しました。女性非管理職たちが、今後活躍していくにあたって、必要な意識やスキルを獲得することを目指したプログラムです(図表)。
12人のメンバーを選抜し、全6回(各2日)のセッションを1年かけて受けてもらいました。各セッションでは、現状整理やキャリア形成を行い、経営視点や課題解決スキルを学んでもらいました。そのうえで、自分なりに組織課題を設定して課題解決策を考え、約1年後の最終セッションでは課題解決策を自ら経営層にプレゼンテーションしてもらいました。
<図表>2024年度「伯東ウィメンズカレッジ(プラチナコース)」プログラム概要

このプログラムは、一般的には「次世代リーダー研修」の内容にあたるものです。というのも、プログラムを設計するにあたって、私たちには1つの強い意図がありました。
先述したように、伯東では長年、「女性は営業事務職やスタッフ職をするもの」「利益や数字を考えるのは男性の仕事」という意識が染みついていました。そのバイアスを払拭するには、女性向けに特化した研修ではなく、男性と全く同じ内容、すなわち次世代リーダー育成の研修を女性社員に提供することが必要だと考えたのです。そのため、私たちは女性社員たちを次世代リーダー候補として扱い、次世代リーダーとして必要な学びの機会を提供したのです。
2025年からは、本人たちの意思によって「女性管理職向け伯東ウィメンズカレッジ」もスタート
吉野:さらに2025年からは、当初計画していなかった女性管理職向け「伯東ウィメンズカレッジ(ダイヤモンドコース)」もスタートしました。その経緯は、既存の女性管理職たちにプラチナコースの受講者たちをサポートしてもらうことを目的に、プラチナコースの初回セッションだけを切り出して受講してもらったところ、当の女性管理職たちから、「私たちも非管理職同様にもっと学びたい」という要望が出てきました。ダイヤモンドコースは、このようにして本人たちの意思により始まったのです。
なお、ダイヤモンドコースも基本的なプログラム内容は同じですが、彼女たちにはキャリア形成支援の必要がそれほどないため、代わりに実践的な対人スキルを学ぶ機会を用意しました。
成果・今後の取り組み
多くの女性社員が、経営層も目を見張る内容の課題解決策を自らプレゼンテーション
吉野:現在、プラチナコースは第1期(2024~2025年)が終了し、ダイヤモンドコースは2026年3月の最終プレゼンテーションに向けて、受講者たちが課題解決策を考えている最中です(※取材時は2026年1月)。実は、私と牧野自身もダイヤモンドコースの受講者であり、必死になって解決策を練っているところです。
プラチナコースの1期生は、最初の2回のセッション(現状整理とキャリア形成)は誰もが楽しそうに取り組んでおり、盛り上がりました。ところが、3回目以降(経営視点と課題解決)は空気が一変しました。なぜなら、非管理職の女性社員たちは、経営視点で事業や組織を考えたこともなければ、ましてや組織変革課題を設定して解決策を考える側になるとは夢にも思っていなかったからです。人前でプレゼンテーションするのが初めてという受講者も多く、人によっては、プレゼンテーション資料を作成したことすらありませんでした。彼女たちにとっては、ほぼすべてが初体験であり、日業業務とはあまりにかけ離れていたのです。最初は全員がとまどい、「何をどうしたらよいか見当がつきません」「自分が学んでいることの意味がよく分かりません」といった声を上げていました。

牧野:それでも私たちは、毎回のセッションに経営層からのメッセージを組み込み、この取り組みを経営が本気で後押ししているということを受講者たちに伝え続けました。その甲斐あってか、受講者たちも、回を重ねるごとに少しずつ手応えをつかんでいきました。
その結果、彼女たちは全員最後までやり切り、最終のプレゼンテーションは誰もがすばらしい内容を披露してくれました。経営層が「まさかこんなにしっかりとした提言が出てくるとは思わなかった」と想定を超える企画提案ばかりだったのです。
また経営層は、女性社員たちが自分たちの前で堂々とプレゼンテーションしたことにもビックリしていました。私たちと一緒にウィメンズカレッジを企画した担当役員からは、感無量のコメントをもらいました。私が最も印象的だったのは、プレゼンテーションの後、経営層のフィードバックを聞いているときの彼女たちのすがすがしい笑顔です。全員、この研修をやり切って大きな達成感があったに違いありません。
吉野:さらに私たちは、彼女たちの研修終了後の変化にも驚いています。これまでは多くの女性社員が、会議に参加してもほとんど発言しませんでした。ところが、ウィメンズカレッジ受講者たちの多くが、会議で積極的に発言するようになったのです。上司や周囲も、そんな彼女たちの変化に驚いています。
なかには、「ウィメンズカレッジですばらしい経験ができた」と周囲に広めたり、「管理職になっても良いかもしれない」と前向きな言葉を口にしたりする受講者もおり、彼女たちは明らかに変化してきています。ウィメンズカレッジの受講を通じて、意識が変わり、自信がついたのではないでしょうか。なお、プラチナコース受講者のうち、3人は受講期間中に管理職に昇進し、その後に続く社員が出てくることを期待しています。
受講者の女性管理職全員が同志になった

吉野:先ほど触れたとおり、私たち自身もダイヤモンドコースを受講している最中で、感想を一言で言えば、とても楽しいです。筋道を立てて課題解決策を考える方法、経営的な視座に立つ方法、相手の話を傾聴する方法など、一つひとつが本当に勉強になるのです。
先日、役員の1人が研修をオブザーブして、「皆はこんなに高度なことを学んでいるのか」と驚いていました。ウィメンズカレッジを通して、質の高い学びが得られているという実感があります。
牧野:また、研修に参加して良かった点として、「受講者の女性管理職全員が同志になった感覚が得られたこと」があります。私たちの悩みや課題、乗り越えるべき壁などが似ていることもあって、皆で一緒に学び、一緒に前に進んでいこうという機運が高まっているのです。
吉野:プラチナコースの後輩女性社員たちのプレゼンテーションが良かっただけに、ダイヤモンドコースの受講者たちにも良い影響が出ており、高いモチベーションで臨んでいます。トレーナーの方が社外や社会一般のこともいろいろと教えていただき、私たちに良い刺激を与えてくれている点も非常にプラスになっています。
2025年度から女性活躍推進が中期経営計画に盛り込まれ、経営層や男性社員たちも刺激を受けて変わりつつある
牧野:2026年度、第2期のプラチナコースの実施が決定しています。もちろん第1期を踏まえて変えるべき点はブラッシュアップしますが、基本的な方針は変えずに、2期生となるメンバーにも、次世代リーダーとして必要な学びを得てもらいます。
吉野:2025年度から女性活躍推進が中期経営計画に盛り込まれたこともあり、社内でもウィメンズカレッジの注目度が高まっています。経営層や男性社員たちも刺激を受けており、考え方が徐々に変化してきた兆しも見えます。

牧野:当然ながら、人事としては今後も女性活躍のために必要な制度の見直しなどを進めていきます。また、他の研修機会などに女性社員の枠を意図的に増やしていくような取り組みも行いたいと考えています。
吉野:私たちは、伯東ウィメンズカレッジの企画や運営を2人で行ってきました。振り返ると、2人だったからこそ、そしてリクルートマネジメントソリューションズのサポートがあったからこそ実現できたと感じる部分もあり、私1人だったら、途中で挫けていたかもしれません。今後もサポートしていただきながら、取り組みを進めていきます。
ソリューションプランナーの声

株式会社リクルートマネジメントソリューションズ
マーケティング営業部3グループ
シニアソリューションプランナー
金川 奈央
伯東様とは、階層別研修を中心とした人材開発領域において長らくご一緒しておりますが、今回初めて女性活躍推進に向けての取り組みを支援させていただきました。
施策を設計するうえで、①段階的に学ぶ機会を提供すること、②上司や職場のメンバーを巻き込むことを重視しました。
①の段階的な学びについては、研修間で実践を繰り返すことで定着を図ること、また、意識醸成にとどまらず、今後の活躍に向けて必要となるスキルも併せて獲得することをねらい、全体の設計を考えました。
②の上司、職場メンバーの巻き込みについては、女性活躍推進にあたって、本人はもちろん、職場や上司の理解も重要で、それを別々の施策として行うのではなく、1つの施策の中で、意図的に上司や職場メンバーを巻き込みながら啓蒙を図れるように工夫しました。
受講いただいた皆さんにとっては非常に負荷の大きなプログラムであったと思いますが、最終的には、それぞれに考え抜かれた提言を堂々と発表され、この短期間のなかで大きく変わられた様子を近くで見せていただきました。伯東様における女性活躍に向けた大きな一歩に伴走させていただいている感覚を大いに感じました。これらは、一緒に悩みながら企画を考えてくださり、前後も丁寧にフォローしてくださった、吉野様、牧野様のご尽力あってこその成果だと思っております。
今後は、伯東ウィメンズカレッジ ダイヤモンドコースにおいては最終セッションを控えており、来期にはウィメンズカレッジ プラチナコース2期もスタートいたします。すでにあらわれている前向きな変化をさらに加速させていけるよう、今後も弊社一丸となって伴走いたします。
取材日:2026/01/30
企業紹介

伯東株式会社
1953年、ブラジルからエレクトロニクス材料(水晶)を輸入する商社として事業を開始。現在はエレクトロニクス&ケミカル分野における専門商社とメーカーのハイブリッド企業として、半導体などの電子部品、研究所や工場などで用いる装置や計測器などの電子機器を提供。
近年はテレビ会議システムなどのサービス・関連機器の提供も拡大。ケミカル分野では工業薬品の自社開発製品を中心に、高級化粧品基材「アルカシーラン」を用いたオリジナルブランド「TAEKO」なども提供している。
※記事の内容および社名・所属等は取材時点のものとなります。
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