自由な社風にキャリア入社者がスムーズに適応 INSIDESを活用したテレワーク時代のオンボーディングとは

自由な社風にキャリア入社者がスムーズに適応 INSIDESを活用したテレワーク時代のオンボーディングとは

プロジェクト概要

背景・課題

コロナ禍で働き方に大きな変化が起きる中、キャリア入社者のオンボーディングプログラムを充実させることになりました。当社の自由な社風に、少しでも早く馴染んでもらうため「組織適応」を主眼に置き、状況を把握しながら人事と現場の両面からサポートするプログラムを構築しました。

検討プロセス・実行施策

全社テレワーク移行後の入社者へのヒアリングとサーベイでコンディションを可視化。研修内容の拡充を図ると共に、受け入れ部門向けの支援策も用意し、サーベイの結果をもとに、人事部が入社者および上司との面談を行うなどフォロー体制を整えました。

成果・今後の取り組み

オンボーディングプログラムの本格始動以降、サーベイの結果は劇的に変化しており、取り組みに手応えを感じています。定期的なサーベイの実施により、入社者ごとに異なる立ち上がり方に応じた個別支援が可能となりました。今後はデータを蓄積し、入社者の不安を先回りできる支援を目指します。

背景・課題

コロナ禍でキャリア入社者のオンボーディングの重要性を痛感

松岡美里様

松岡:ISIDは、株式会社電通と米国General Electric Company(GE)のジョイントベンチャーとして1975年に誕生した会社です。先進的な情報技術をベースに、アイディアとクリエーティビティを掛け合わせたIT専門家集団として成長してきました。

金融ソリューション、ビジネスソリューション、製造ソリューション、コミュニケーションITという4つの事業領域で培ったソリューションを通じて、日本を代表する金融機関や製造業の企業などのお客様に新しい価値を提供。次代に向けた新たなサービス開発にも積極的に取り組んでおり、近年では、AIトランスフォーメーションセンターやエンタープライズxRセンター、UXデザインセンターを設置。ISIDが業務を通じて培った知見、技術、人材を各センターに集約することで、先端技術領域における顧客企業への付加価値最大化を目指すと共に、加速する企業のDXをサポートしています。

松永:今年(2021年)は中期経営計画(2019年〜2021年)の最終年であり、人材投資を前計画から120億円増額し、グループ連結で300名超の増員を目標に掲げています。増員計画は2021年5月時点ですでに達成見込みとなっていますが、人材の強化が不可欠と捉えるのは、当社の競争力の源泉が人材、すなわち社員一人ひとりだからです。元請け企業としてお客様企業と直接向き合い、課題抽出のコンサルティングからご提案、実装、稼働そしてお客様のビジネスの成功までを一貫してサポートする当社では、これまでもさまざまなバックグラウンドを持ったキャリア入社者を数多く受け入れ、現在はおよそ社員の4割がキャリア入社です。各ビジネスに応じた専門性を持つ方が多く入社してくるということもあり、これまでは入社日に人事部で各種制度に関するオリエンテーションを行った後は、すぐに現場に入り、業務を進めながら必要なことをキャッチアップしていくという流れでした。

松岡:当社では新卒入社者向けには手厚い研修を実施しています。現場に正式配属される前に6ヵ月かけて各種研修を行い、メンターやOJTリーダーが立ち上がりをしっかりと支援しています。私達がキャリア採用担当を任され、真っ先に考えたのはキャリア入社者に対する立ち上げ支援の再設計の必要性でした。本格的に検討を開始したタイミングで、ちょうど最初の緊急事態宣言が発令され、全社員が一斉にテレワーク中心の働き方に変わりました。

松永:ISIDでは2017年から全社員がテレワークをできるように環境も制度も整えていましたから、テレワーク主体の働き方への移行はスムーズだったと思います。しかし、キャリア入社者の不安は大きいことが予想されました。状況を正確に把握するために、積極的にキャリア入社者と面談を実施しましたが、その中で聞こえてきたのは、テレワークで顔が見えないなか、人間関係をつくることや、仕事の壁を乗り越えることの難しさです。2020年の緊急事態宣言中は、入社初日から自宅というケースもあり、これまで以上に受け入れの工夫を行う必要がありました。

検討プロセス・実行施策

ISIDのカルチャーに溶け込む前に、チャレンジングな仕事が始まる

松永泰次郎様

松永:テレワーク中は、社員に入ってくる情報の絶対的な量が出社時と比べて少なくなる傾向があります。出社していれば、上司や同僚が何をしているか分かりますし、仕事の会話も自然に耳に入ってきます。また、その場にいることで他の社員との偶発的な会話も生まれるものです。もちろん、WEB会議などでも顔を合わせて話す機会はありますが、気軽に分からないことを聞いたり、質問を挟んだりはしにくいもの。そうした些細なことが積み重なり、ストレスになった社員もいると思います。

当社は年次や役職関係なくフラットにコミュニケーションできるカルチャーがありますから、本来「上司に聞きづらい」であるとか、そういう類いのことはありません。しかしながら、キャリア入社者はカルチャーに直接触れたことがないため、上司との距離感や「どこまで率直に質問していいのか」が分かりづらかったのでしょう。対面ならすぐにカルチャーに溶け込み、なんでも聞ける関係性を築くことができたはずですが、オンラインではどうしても必要最低限のコミュニケーションになってしまいます。

当社は社員一人ひとりの裁量がとても大きく、主体性を持って自由に業務に取り組めるカルチャーもあります。お客様からの依頼にそのまま応えるのではなく、本質的な課題に対してこちらから積極的に提案していくのがISIDのスタイルです。そのため、日々の業務の際も当社の行動指針にあるような【AHEAD(先駆けとなる)】といったマインドが大事になります。しかしながら入社したばかりで、ISIDの業務の進め方の実体験がないと、「どこまで自由にやっていいのか」と戸惑いが生じてしまいます。肌感がつかめないオンラインだからこそ、キャリア入社者に寄り添うコミュニケーションが必要だと痛感しました。

半年間のオンボーディング施策にINSIDESによる可視化の仕組みを組み込む

松岡:我々人事部が新たに行うこと、現場が注力することを整備して、プログラムの骨子が定まってきたタイミングで、INSIDESの存在を知りました。INSIDESを活用しようと考えたのは、キャリア入社者の状況を可視化するためです。

興味を持ってセミナーに参加したときに、オンボーディングにおいては、「組織適応」「職務適応」「自己適応」の3段階を意識することが大切という話を聞いて、納得しました。特に当社のような自由闊達な会社では、「組織適応」が極めて重要だと感じたのです。

また、INSIDES ではSPIで用いられているものと同じ尺度で性格タイプを表している部分があります。4つのタイプで非常に分かりやすいうえ、新卒・キャリア双方でSPIを活用しているため一貫性があり、新卒では採用や育成でも活用実績があったので、キャリア入社者のオンボーディングにおけるマネジメント支援でも活用できるイメージができ、導入を決めました。

オンボーディング期間を6カ月間と定め、INSIDESは入社2カ月目と、4カ月目、6カ月目に実施しています。キャリア入社者が半年間で立ち上がっていく想定で施策を走らせています。

これまでの入社者へのヒアリングで、特に入社2、3カ月あたりから「仕事の進め方に戸惑った」という声が多く聞こえてきました。具体的な声としては、「周りが何をしているのか見えない」「困ったときに誰に聞いていいか分からない」など。組織に十分に慣れていない状態のなか、徐々に任される仕事が増え、焦り・不安が大きくなっていることが要因として考えられました。

当社にはマニュアルどおりに1人で淡々と進められるような仕事はありません。チームの内外で関係性をつくりながら進めていくプロジェクトが大半。だからこそオンボーディングプログラムの最大のポイントを「組織適応」と定め、上司が果たすべき役割も明確にしました。入社者に対するマネジメントに加え、「他のチームメンバーに対して働きかけ、キャリア入社者がチーム内外での関係性を築くサポートをすることがあなたの重要な役割なんですよ」と。そうした日頃の取り組みに加えて、サーベイで入社者の心の状態を測ることにしたのです。

成果・今後の取り組み

キャリア入社者の状態が可視化されているから、踏み込んでコミュニケーションができる

松岡美里様

松岡:サーベイの結果、不安な兆しが見えた人に対しては、その結果をもとに「こういう項目が低いのですが、何か身に覚えはありませんか?」とヒアリングします。すると「実はですね……」と具体的な話が出てくるものです。

キャリア入社者は即戦力として期待されていることが分かっています。だから、うまくいかないときに相談しづらいこともあるでしょう。優秀だからこそ、入社したそばから弱みを見せたくないという気持ちを持つ方もなかにはいらっしゃると思います。そんなときにサーベイの結果が、踏み込んだ話をするきっかけになりました。

おそらく、ただ単に時間を取って話を聞くだけでは、問題の本質になかなか辿り着けないと思います。「『思ったままを話せる』という項目が少し低いけれどどうしましたか?」と踏み込んで聞けるから見えてくるのです。

そして、人事と本人の話をもとに上司にフィードバックすることで、上司がどのような観点でフォローするべきなのか支援の方向性も見えてきます。これが、キャリア入社者が本来発揮できるパフォーマンスに辿り着くまでの遠回りを避けることにもつながるのです。

松永:なお、上司からは、「コロナ禍のテレワークでお互いの顔が見えないなか、現場の課題が浮き彫りになることを期待している」「漠然と状況を尋ねるのではなく、INSIDESの結果が具体的な会話の切り口になっている」「メンバーのコミュニケーション改善に加え、アサインメント計画にも活用できると感じた」など、サーベイに対しての前向きな声が上がっています。

組織適応を促すためには「これは誰に聞けばいいか」と悩まずに済むよう、人脈をつくってもらうことが大事です。そのため入社1カ月間でさまざまな立場の約10名と1on1をする機会をつくりました。この1on1によってISIDのカルチャーも感じ取ってもらえればと願っています。

こうしたオンボーディングの取り組みが効果を上げ、最近では「不安そうだから面談しなければならない」というケースがなくなりました。キャリア入社者が壁にぶつかることを未然に防ぐことができている手応えを感じています。さらに、サーベイによる可視化は、取り組みの成果を証明することにもつながっています。

心の声にも耳を傾け、キャリア入社者の自己実現を支援し続けたい

松岡:キャリア入社者はみな新しいことに挑戦したい、何かをやり遂げたいという想いを持っていると思います。それを実現するための基盤をしっかりとつくるのが人事の仕事です。その第一歩としてオンボーディング施策は重要ですし、その先にあるキャリアアップも一緒に考えていける会社でありたいと考えています。

そのためには、日々のコミュニケーションも大事ですし、キャリア入社者の心の中にあるけれど表面に出てこないことをキャッチしていくことも欠かせません。オンボーディングプログラムはこれで完成することはないと思っています。これからも継続的に取り組んでいきたいです。

企業紹介

株式会社 電通国際情報サービス
電通と米国GEとの合弁で1975年に設立。日本民間初のTSS(タイムシェアリング・サービス:コンピュータの共同利用サービス)をスタート。現在は金融ソリューション、製造ソリューション、ビジネスソリューション、コミュニケーションITの4つの事業領域で培ったソリューションの提供を通じて、顧客に新しい価値を創出。さらにFinTech、デジタルマーケティング、スマートエンタープライズ、ものづくり革新などISIDが強みを持つ領域で、テクノロジー、業界、企業、地域などの枠を超えたX Innovationの推進にも取り組む。


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