クリティカルシンキング研修|実務で生かせるスキルを習得
ビジネス環境がますます複雑化するなかで、答えが1つではない課題に向き合うことが増えてきているのではないでしょうか。このような状況で役立つのが、「そもそも本当に正しいのか?」と疑いながら考えるクリティカルシンキング(批判的思考)です。 クリティカルシンキングは、物事を批判的に捉え、本質的な課題、それに対する仮説・解を考え抜く思考法です。 この力を身につけることで、複雑な問題にも冷静に向き合い、納得のいく判断や解決策を導きやすくなります。 この記事では、そんなクリティカルシンキング研修の内容や特徴、習得できることを詳しく解説します。
クリティカルシンキング研修の概要
クリティカルシンキング(批判的思考)は、問題解決や意思決定において欠かせない思考法です。クリティカルシンキング研修では、クリティカルシンキングを効果的に活用するための方法を学び、ビジネスシーンでの意思決定力の向上を目指します。参加者は、課題を分析し、問題解決に向けて「正しい方法で」「適切な深さまで」考えるスキルを習得することが期待できます。
クリティカルシンキングとは
クリティカルシンキングとは、目の前の情報や課題を「批判的」に捉え、客観的かつ論理的に分析し、本質を見極めて解決策を導き出す思考法です。重要なのは、情報の信頼性を見極め、先入観や思い込みを排除しながら、多角的に物事を捉える姿勢です。
ビジネスにおいては、複雑な問題に直面したときに、仮説を立てて検証しながら、筋道を立てて答えを導く力が求められます。クリティカルシンキングを活用することで、問題解決力が高まり、チーム内での議論や意思決定もより建設的に進められるようになるでしょう。
クリティカルシンキングとロジカルシンキングの違い
クリティカルシンキングとロジカルシンキングは、いずれも論理的思考を必要としますが、そのアプローチには違いがあります。クリティカルシンキングは、物事に対して「これは本当に正しいか?」「他に方法はないか?」と疑いながら考えるのが特徴です。一方ロジカルシンキングでは、物事に筋道を立てて、矛盾がないように根拠を積み重ねることで結論を導きます。
- クリティカルシンキング:与えられた情報や前提を疑い、問題の本質や隠れた要因を探る
- ロジカルシンキング:論理的に問題を分解し、原因と結果を順序立てて整理する
クリティカルシンキングとロジカルシンキングは、アプローチの仕方が違うものの、どちらも「物事を論理的に考えて、結論を出す」思考法です。両方のスキルを組み合わせて物事を多角的に見ることで、より深い思考を重ねられるでしょう。
クリティカルシンキング研修を実施する背景
変化の激しい今の時代には、柔軟で客観的なものの見方がこれまで以上に求められています。しかし、過去の知識や経験に頼りすぎると、考えが偏ったり、新しい課題にうまく対応できない場面も出てきます。一人ひとりの思考の偏りが、組織全体の判断や対応にも影響を及ぼすことがあります。ここでは、現場で見られる具体的な思考の課題について紹介します。

思考の整理が苦手で、論理的な説明ができない
現代のビジネス環境では、複雑な情報を整理し、論理的に伝える力がますます求められています。ところが、これまでの経験や勘に頼った進め方では、思考を構造的に整理する習慣が身につきにくく、説明にも一貫性を欠いてしまいます。
前例にとらわれ、新しいアイディアを生み出せない
先の見えない時代においては、変化に対する柔軟性が不可欠です。しかし、過去の成功体験に縛られると、これまでと違った視点で物事を捉えることが難しくなり、客観的で新しい発想や対応策が生まれにくくなっています。
課題の本質を捉えられず、改善策が表面的になりがち
複雑な要因が絡み合う課題が多い現代において、表面的な対応だけでは根本的な解決につながりません。原因を深掘りせずに対処してしまうことで、同じ問題が再発する可能性が高まり、組織全体の成長や改善にも支障をきたすおそれがあります。
クリティカルシンキング研修はこんな方にお薦め
クリティカルシンキングは、ビジネスにおいて重要なスキルの1つです。この研修は、業務や対人関係において役立つ思考法を身につけたい方にお薦めです。
自分の考えを整理し、論理的に伝える力を高めたい方
社内外の会議やプレゼンテーション、商談などで、自分の考えを的確に伝えたいと考えている方にお薦めです。研修を通じて、自身の思考を整理しやすくなり、要点を押さえた説明の構成力を磨くきっかけになります。相手に伝わりやすいコミュニケーションの土台を築くことが期待されます。
クリティカルシンキングの重要性を理解し、実務で活用したい方
日々の業務で「なぜそうなるのか」「本当にそれでよいのか」といった問いを立てながら、問題の本質を見極めたい方にお薦めです。特に複雑な意思決定を求められるマネジメント層や、戦略立案に関わる方にとって、実務における思考を深めるヒントが得られる内容です。
相手が納得しやすいストーリー構成を習得したい方
提案や報告の場面で、相手に納得されるストーリーの組み立て方を身につけたい方にお薦めです。結論から導く構成や共感を引き出す流れを学ぶことで、クライアントや上司、部下に対しても分かりやすく、意図が伝わりやすくなります。ストーリー性のある伝え方は、相手の理解を深め、行動を促す効果も期待できます。
クリティカルシンキング研修の実施例
クリティカルシンキング研修では、実務に役立つ思考法を学び、問題解決能力の向上を目指します。客観的で論理的な思考を鍛え、問題解決のステップを理解することで、スピーディーな意思決定の助けとなります。
クリティカルシンキングの基本概念と必要性を理解する
まずクリティカルシンキングの基本概念を学びます。この研修では、「クリティカルシンキングとは何か」「なぜクリティカルシンキングが必要なのか」を理解します。特に複雑で迅速な意思決定が求められる環境において、このスキルがどれほど重要であるかを認識します。研修の初めにこの基盤を築くことで、参加者は実務に役立つクリティカルシンキングの活用法へスムーズに進めるでしょう。
論理的思考を鍛える
クリティカルシンキング研修では、思考の「クセ」を認識し、論理的に整理する方法を学びます。また、MECE(漏れなくダブりなく)やロジックツリーなどのフレームワークを活用することで情報を整理し、論理的に筋道を立てて問題解決を行うスキルを養います。これにより、複雑な問題に対しても矛盾のない結論を導き、解決策がスムーズに見つかるきっかけになります。
5つの思考ステップを習得し、活用する
クリティカルシンキング研修では、5つの思考ステップを習得します。研修では、問題解決のプロセスを「イシュー特定」「枠組検討」「仮説立案」「仮説検証」「結論」の5つのステップに分け、各段階での思考方法を学びます。これにより、直面するさまざまな問題に対して客観性を持った解決策を見つけ出す力が養われます。
個人ワークやグループワークを通じて実践する
個人ワークやグループワークでは、MECEやロジックツリー、5つの思考ステップなどを活用し、実践的なスキルを習得します。個人ワークでは、自分の考えを整理し、他者に分かりやすく伝える方法を練習します。グループワークでは、チームで協力して問題解決に取り組み、他者の意見を取り入れながらより良い解決策を見つけ出します。このプロセスを通じ、スピーディーで適切な意思決定を行い、アクションを起こす力を養います。
実践に向けた振り返りを行う
研修の最後には、実践に向けた振り返りが行われます。これまで学んだ技術や知識を自分の仕事にどのように生かすかを具体的に振り返り、今後の実践方法を考えます。振り返りを通じて、研修内容の定着を図ると共に、自分の課題を明確にし、その解決策を見つけやすくなります。
クリティカルシンキング研修で習得できること
クリティカルシンキング研修では、問題解決や意思決定に必要な論理的思考を養い、物事を多角的に分析するスキルの習得を目指します。研修を通じて、課題の本質を見抜き、根拠に基づいた判断を下す能力が向上し、効果的なコミュニケーション力も身につけられるとされます。

物事を批判的に捉えられるようになる
- 批判的思考の習得:物事をさまざまな角度から疑い、表面的な情報にとどまらず、深く掘り下げて考える力を養います。
- 事実に基づいた判断:情報や前提を疑い、事実確認を徹底することで、偏った視点に流されない方法を学びます。
- 反対意見を取り入れる:他者の意見を積極的に取り入れ、建設的に検討する姿勢が身につくことが期待されます。
論理的に考えられるようになる
- 論理的思考法の習得:情報を整理し、矛盾がないように根拠を重ねて問題解決に取り組む方法を学びます。
- 冷静な分析力:感情に左右されず、客観的な視点で問題を評価し、解決策を導き出します。
- 複雑な問題の解決:仮説を立て、検証を重ねながら答えを導く方法を学習します。
課題の本質を見抜けるようになる
- 根本原因の理解:表面的な解決策にとどまらず、課題の本質を見抜き問題の深層にアプローチします。
- 思考の深化:物事の前提に対して「なぜそうなるのか?」と疑問を持つことで、思考がより深まる助けになります。
多角的な視点で分析できるようになる
- 視点を広げる:「他には?」という問いかけを通じて、物事を複数の観点から捉える方法を学びます。
- 新しいアイディアの発見:視点を広げることで、隠れた可能性や新しいアイディアを発見し創造的な解決策を見つけます。
- 柔軟なアプローチ:さまざまな視点を取り入れることで、問題解決がより広範囲にわたるものとなり、柔軟で実践的な解決策を導きます。
筋道立てて伝えられるようになる
- 説得力の向上:自分の意図を正確に伝え、相手に理解・納得してもらいやすくなります。
- 円滑なコミュニケーション:相手の意図を汲み取る力も高まり、より円滑なコミュニケーションが目指せます。
根拠をもって判断できるようになる
- 合理的意思決定の強化:事実やデータに基づいて判断を下すための方法を学びます。
- 自信を持った意思決定:根拠に基づく判断をすることで、意思決定への自信が高まります。
外部のクリティカルシンキング研修の選び方
変化の激しいビジネス環境において、クリティカルシンキングはあらゆる職種で求められています。ここでは、クリティカルシンキング研修を選ぶ際のポイントを分かりやすくまとめました。
実践的なトレーニングが含まれているか
クリティカルシンキングをより深く習得するには、実務に近い環境で「考える力」を使う機会があると、理解が定着しやすくなります。座学中心の研修だけでは、知識の習得にとどまり、実践での活用が難しくなることもあります。そのため、アウトプットを意識した構成かどうかが1つのポイントになります。なかでも、ケーススタディやディスカッション、グループワークなどを取り入れた研修では、「何が本質的な課題か」「どの視点で分析すべきか」といった問いに対して、実務に近い感覚で思考を深めやすくなります。さらに、ロールプレイによって他者の意見を受け止めながら、自身の考えを整理し、論理的に伝える力も磨かれていきます。こうした実践的なプロセスを通じて、「思い込み」や「経験則」に頼らず、「根拠」と「論理」に基づいて判断する姿勢が育まれていくことが期待されます。
思考の整理方法や論理的説明力を体系的に学べるか
思考を効果的に整理し、論理的に伝える力を高めるには、段階的にスキルを習得できる研修構成が不可欠です。特に、MECE(漏れなくダブりなく)やロジックツリーといったフレームワークを活用して情報を分解・構造化し、筋道の通った説明ができる力を育てることがポイントです。こうしたスキルを体系的に学ぶことで、複雑な情報でも分かりやすく整理・伝達できるようになり、相手に対する説得力も理解力も向上しやすくなります。
5つの思考ステップを実践的に習得できるか
クリティカルシンキングを業務で活用するには、「5つの思考ステップ」のように、問題解決のプロセスを段階的に学び、実践的に活用できるプログラム構成になっているかがポイントです。「課題を明確にする」「考えるべき観点を整理する」「仮の答えを立てる」「その答えを検証する」「最終的な結論を導く」といったプロセスに沿って思考を進めることで、さまざまな場面でも再現性のある判断や行動が目指せます。このようなステップを研修のなかで繰り返し体験することで、複雑な課題にも論理的に対応できる思考力が養われるでしょう。
クリティカルシンキング研修のご紹介
弊社では、組織の課題などに応じて適切な講座を選べるクリティカルシンキング研修をご用意しております。ぜひご活用ください。
クリティカルシンキング研修のまとめ
クリティカルシンキング研修は、複雑な課題に対して客観的に、そして論理的に対応できる思考力を養うための有効な手段です。自分の考えを適切に整理し、根拠をもって伝える力は、業務の質を高めるだけでなく、社内外の信頼構築にもつながるでしょう。変化の激しいビジネス環境を前に、次のステップを目指す方にこそお薦めの研修です。
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