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グローバルに事業を展開するメーカー・アズビルの経営者が、次世代に経営を託すためのCES【後編】

歴代経営者の意思決定を「追体験」、経営の基本を徹底的に体験できるCES

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  • 公開日:2026/04/06
  • 更新日:2026/04/06
歴代経営者の意思決定を「追体験」、経営の基本を徹底的に体験できるCES

アズビルは、グローバルに事業を展開している総合オートメーションメーカーです。グローバルで「ビルディングオートメーション」「アドバンスオートメーション」「ライフオートメーション」の3つの事業を推進し、顧客を中心に、オフィスや生産の現場、生活といったさまざまな現場で“azbilグループらしい事業モデル”にて価値を提供しています。1906年の創業以来、創業者・山口武彦氏の「人間の苦役からの解放」を原点として、計測と制御の技術を追求し、「人を中心としたオートメーション」を目指してきました。グローバルの売上高は3003億円(2024年度)、従業員数は連結8922名(2025年3月31日現在)に上ります。

アズビルの取締役 代表執行役社長・山本清博氏は、あるときコミュニケーション・エンジニアリング・サービス(以降CES(セス))と出会い、最初に自身が体験して「経営者育成の価値」を感じ、これまでに参加者を変えて社内で3回実施しています。その結果、経営者の立場に立って考えるようになるなど、想像以上の成長を遂げたメンバーもいたといいます。エグゼクティブコミュニケーションエンジニアの柳井が、CESにどのような価値を感じたのか、実施してどのような効果があったのか、山本氏に詳しく伺いました。前後編の2回に分けてお送りします。

●対談者紹介

山本清博氏
アズビル株式会社 取締役 代表執行役社長

柳井裕至
株式会社リクルートマネジメントソリューションズ エグゼクティブコミュニケーションエンジニア

本シリーズ記事一覧
グローバルに事業を展開するメーカー・アズビルの経営者が、次世代に経営を託すためのCES【後編】
歴代経営者の意思決定を「追体験」、経営の基本を徹底的に体験できるCES
グローバルに事業を展開するメーカー・アズビルの経営者が次世代に経営を託すためのCES【前編】
CESを通じて経営者育成に本気で向き合う。3回の実施でメンバーに芽生えた経営者視点と想定外の成長
3日間、プログラムどおりに経験するだけで、互いの理解が深まる
経営者の視点の基礎が身につく「戦略推進マネジメント・社史プログラム」
外部環境が激変する現代は“進化のチャンス”、会社の歴史から学んでほしい

3日間、プログラムどおりに経験するだけで、互いの理解が深まる

柳井:前編を少し振り返りながら、次の話題に入りたいと思います。アズビルではCESを3回実施されています。2024年に山本さんを含む経営ボードメンバー5人がCESを受けた後、2025年に執行役員レベルの12人の皆さんを対象に実施しました。そして今、2026年に40代の次世代リーダークラスを対象に実施している最中です。山本さんは第1回の際にご自身が参加し実際に体験され、その後はオブザーブをしてもらっています。

STEP1の3日間は「参加者が自分を味わい、同志を味わう」時間です。最初に、参加者一人ひとりに、自分史や自らの喜怒哀楽、やりがいの源泉などを探索し、自己を再発見してもらいます。次に、お互いの成功体験や行動原則をめぐって交流し、お互いの価値観・信念・生き様を味わってもらいます。そのうえで、各自があらためて自らの未来を考え、一人ひとりが次に一歩踏み出す課題を設定するのです。ポイントは、仲間たちと交流する際に、「徹底的に相手の立場に立って追体験する」ことです。お互いの生き様や考え方を見つめ合い、深く知り合うことによって、単に仲が良いのではなく、全員が心から信頼し合えるチームをつくることを目指すプログラムです。より詳しい情報は、こちらの記事をご覧ください。

<図表1>STEP1 自己発見・探索プログラム

STEP1 自己発見・探索プログラム

体験・オブザーブを経た感想を詳しく伺えればと思いますが、CESに対する印象はいかがでしょうか?

山本:一言でいえば、「深くつくりこまれたプログラム」だと感じています。例えば、最初の3日間「STEP1:自己発見・探索プログラム」(図表1)をそのとおりに体験してみると、なぜかお互いのことがよく分かるようになるのです。これは第1回で私自身が体験したときも、第2回でオブザーブしたときも同じように感じました。

 もう1つ、両方の回でほとんど同じように感じたことがあります。私も含めた多くの参加者が、参加前には「3日間もかけて何をするのだろう?」と思うのですが、実際に経験してみると、皆で楽しく盛り上がりながら話し合いができ、誰も不満を言うことがありません。体験した後は、意味のある3日間だったと感じるのです。

柳井:確かに、多くの場合「これ以上話して何になるの?」という状態からスタートすることが多いです。御社でも多くの方が「体験してみて初めて意味を実感された」ということですね。ちなみに経営ボードメンバーや執行役員たちが、お互いをよりよく理解することにはどのような価値があると感じますか?

山本様の画像

山本:「組織の一体感を強める効果」があるのではないでしょうか。具体例を1つ紹介すると、常務の1人は以前、大胆な組織変革を断行したことがあり、周囲からは非常に厳しい人だと思われていました。ところが、彼の幼少期のエピソードを聞いたり、組織変革の際の心境について話してもらったりしたことで、実際には周囲への愛情が深く、会社への想いも深い人間であることが参加者全員に伝わったのです。組織変革の際、実は誰よりも心を痛めていたことも判明しました。他の参加者は耳を澄ましてそのストーリーを聞き、この参加者のことをより深く理解し、これまで以上に好意を持ったのです。

この参加者だけでなく、他の参加者にも大なり小なり同じようなことが起こりました。その結果、第1回も第2回も全員が驚くような化学反応が起こり、お互いの理解を深め、一体感を強めました。第3回もきっとそうなるはずです。

経営者の視点の基礎が身につく「戦略推進マネジメント・社史プログラム」

柳井:では、後半の3日間「STEP2:戦略推進マネジメント・社史プログラム」(図表2)の感想を聞かせてください。

STEP2は、社史をベースにして、アズビルの歴代社長のこれまでの意思決定を参加者の皆さんに「追体験」してもらい、そのうえで会社の未来を考えてもらう3日間のプログラムです。STEP1で自分を味わい、同志を味わった後、今度は「経営者を味わい」ます。より詳しい情報は、こちらの記事をご覧ください。

<図表2>STEP2 戦略推進マネジメント・社史プログラム

STEP2 戦略推進マネジメント・社史プログラム

山本:後半のプログラムは、私が最も求めていたものでした。「戦略推進マネジメント・社史プログラム」の3日間を経験すると、経営者の立場に立って考える基礎ができあがるのです。

アズビルは歴史の長い会社ですから、もちろん私自身の意思決定も皆に「追体験」してもらいましたが、それだけでなく1906年に創業した山口武彦の意思決定や、それ以降の経営者の意思決定も「追体験」してもらいました。

柳井の画像

柳井:歴史を再解釈し追体験していくアプローチは弊社サービスの特徴です。しかし、歴史ある伝統企業のお客様からはよく「先行きが分からない環境のなかで通用する次世代経営人材を育てるのに、過去の歴史を振り返ることは意味があるのか?」と質問をいただくことがあります。そのことについて山本さんはどのようにお考えになられますか?

山本:私も最初に「社史プログラム」をご提案いただいたときには「果たして意味があるのか?」と思いましたよ。ただ実際にやってみると、これがすごく良かった。「創業者が当時置かれていた事実・状況を描いて、その立場に立つ」「オイルショック後の経営危機、当時の社長の立場に立つ、重圧・危機感を味わう」といった形で数十年前の決断場面を追体験するときに、今まさに自分やアズビルが置かれた事実・状況もオーバーラップさせながら、自分ごととして迷ったり悩んだりするんですね。これが驚きだったんです。不思議なことに、「私たちが生まれる前の経営判断」が「今を生きる私たちの経営判断」に応用できてしまう。ビジネススクールでよくやる「他社のケーススタディ演習」とは全く違う、想定外の面白い現象でした。

柳井:確かに、参加者は皆、当時の正解を探るのではなく、「今の自分たちが決断するとしたら?」と考えていました。それぞれが自分のなかから結論とその理由を紡ぎだす時間は、大変刺激的でした。

山本:実施してみると、多くの参加者が私の想定以上に経営者の立場に立って考えることができていました。前編でもお話ししたとおり、それまで経営者視点で考えるようなことを苦手としていた参加者が、CESで想像以上の変貌を遂げたケースもあります。私にとっては嬉しい驚きが多かったです。端的にいえば、私はCESを経て、“彼らに期待してよいのだ”と感じることができました。

山本様の画像

「戦略推進マネジメント・社史プログラム」が特に優れているのは、単に問題解決をさせるのではなく、最終的にビジネスや組織をどのような状況にするのがベストなのかを具体的に考えさせる点です。問題解決だけではあまり意味がなく、ビジネスと組織の理想を考えたうえで、その理想に迫るためにどの問題をどのように解決したらよいかを考えるのが経営の基本です。この基本が身についていないと、正しい判断ができません。これまでの経営者の意思決定を「追体験」しながら、そのような経営の基本を徹底的に体験できるのがCESの醍醐味だと思います。

STEP1で、参加者同士で相手の立場に立って追体験する学びをしているので、STEP2の思考が深くなるという側面もあります。そのような点も含めて、やはり深くつくりこまれたプログラムだと感じます。

外部環境が激変する現代は“進化のチャンス”、会社の歴史から学んでほしい

柳井:最後に、今後のCESと次世代経営人材の皆さんへの期待についてお聞かせください。

山本:私は今、アズビルの次のビジョンを考えるうえで「進化論」に興味を持っています。進化は常に、突然変異が外部環境にマッチしたときに起こります。つまり、外部環境が激しく変化する現代は、経営者にとっては厳しい時代である一方で、見方を変えれば“進化のチャンス”でもあるのです。

二人の画像

そのことは、CESで社史を「追体験」するプロセスからも気づくことができます。次世代経営人材の皆さんには、アズビルが過去の難しい時代にどう生き残ってきたのかに目を凝らしてもらえたらと思います。アズビルはそうしたピンチをチャンスに変えて大きくなってきたのですから、そこにヒントがあるはずです。

CESという機会が最大限に生き、より多くの次世代経営人材が大きく育っていくことを願っています。


本コラムでは、弊社のCESを導入いただいたアズビル株式会社の山本清博氏に、前後編に分けてお話を伺いました。

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グローバルに事業を展開するメーカー・アズビルの経営者が次世代に経営を託すためのCES【前編】
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