連載・コラム
中小企業の人材育成を考える 第5回
従業員の定着・活躍につながる「エンゲージメントの向上」とは
- 公開日:2023/09/11
- 更新日:2024/05/16

弊社では、これから初めて本格的に人材育成に取り組む、という中小企業の皆様からもご相談をいただいています。 本コラムではそのようなご相談を年間約1000件お受けしている、インサイドセールス部門の担当者から人事の方に向けて、お役立ていただける情報を発信していきます。
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◆「エンゲージメント向上のポイント」「ワーク・エンゲージメントの実態」など
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従業員のエンゲージメント向上が注目されている

中川 和明(なかがわ かずあき)
HRD・OD事業推進部 営業推進グループ
企画スタッフ
弊社の人材育成、組織開発部門でインサイドセールスを担当している中川和明と申します。
人事の皆様からいただくお悩みとそれに対してお答えしている内容をもとに、主に中堅・中小企業の方が人材育成について考える時にヒントになる情報を発信したくこのコラムシリーズをスタートしました。
本コラムシリーズの趣旨ついては第1回に記載していますので、ご参照ください。
◆中小企業の人材育成を考える 第1回
人材育成のよくあるお悩み「マネジメントを強化したい」はなぜダメなのか?
第5回となる今回は、「エンゲージメント向上」についてお話しします。
「エンゲージメント向上」「エンゲージメントの測定」といったテーマはここ1~2年で急速にご相談が増えたテーマです。弊社でも、そのような世のなかのニーズに合わせて「組織の課題可視化ツール|エンゲージメント・ドライブ」という従業員のエンゲージメントを測定するサーベイを昨年リリースし、多数の企業にすでに導入いただいています。
なぜ急にエンゲージメントへの注目が高まったのでしょうか。
その背景には大きく分けて2つのことがあると捉えています。1つは人的資本開示へ向けて現状把握をしたいというニーズで、2つ目は離職やマネジメント課題への対応です。 当初は前者を背景としたご相談が多かったのですが、直近は後者の背景が増えているように感じています。
エンゲージメント測定・向上へのニーズが増えている背景、あらためてエンゲージメントとはどういうものなのか、測定や向上の施策で留意すべき点などをお伝えしていきます。
従業員満足度(ES)とエンゲージメントは何が違うのか?
「今までは従業員満足度(ES)を定期的に測っていたが、それに代わって今後はエンゲージメントの測定を検討していきたい。ついてはその違いについて教えてほしい」というようなご相談内容も増えています。
両者の違いを明らかにすることでエンゲージメントについて説明していこうと思います。
まず両者の違いとして分かりやすいのは「一方向」か「双方向」かという点です。従業員満足度は「会社、組織、上司が従業員の要望に応え、満足させているか」という会社から従業員への一方向の影響力を測っています。それに比べてエンゲージメントは、従業員自身がエンゲージメント高く仕事に取り組めているか、ということと、その要因として会社や組織、上司が従業員のエンゲージメントを高める状態にあるか、という会社と個人双方の観点で測定をしています。

また、当然のことながら測定要素そのものにも違いがあります。従業員満足度は、従業員の会社への満足・不満に繋がる要因を幅広く測定しており、そのなかには福利厚生などの衛生要因も含まれています。一方、エンゲージメントの測定については、「従業員のエンゲージメント」に特化して現状とその要因を測定しています。そういった特徴から、従業員満足度は健康診断的な定点観測として使われることが比較的多く、エンゲージメントサーベイは「エンゲージメントを向上する」という目的のもとに要因分析をして課題解決に繋げていく、という使われ方が多いのが特徴です。
自社の従業員エンゲージメントに課題を感じている場合や、エンゲージメントに関連しそうな問題について現状を明らかにして解決していきたい、という目的がある場合はエンゲージメントを測定していくことをお薦めします。
弊社の「組織の課題可視化ツール|エンゲージメント・ドライブ」は仕事、職場、会社それぞれのエンゲージメントとそれらを高めるための要因の状況を診断し、会社や組織状態の改善に役立てるためのツールとしてご提供しています。
エンゲージメント向上は何に繋がるのか
弊社ではエンゲージメントを「仕事へのエンゲージメント」「職場へのエンゲージメント」「会社へのエンゲージメント」と3つに分けて定義しています。
そのうちの「仕事へのエンゲージメント」は「ワーク・エンゲージメント」ともいわれますが、弊社の調査の結果、以下のようなことが分かっています。
■ ワーク・エンゲージメントが高い人は幸福感・適応感が高く、離職意向が低い
■ ワーク・エンゲージメントが高い人は組織コミットメントが高い

職場や会社へのエンゲージメントも、所属している職場や会社へ愛着を持って目的達成に貢献していこうという意欲に繋がる指標です。
逆にエンゲージメントが低いということは、離職の可能性や本来のパフォーマンスが発揮できないという先々の可能性に繋がっていきます。
・新人や若手の元気がなく、定着率が低い
・中堅社員になって活躍し始めたタイミングで離職してしまうということが増えている
・目の前の仕事はできるが、主体的に新しいことに取り組む人がなかなかいない
などの具体的なお悩みがある場合は、エンゲージメントの状況を測定してみることがお薦めです。
昨今は、若手や中堅層の方を中心に仕事や会社を捉える価値観が変わってきているのでは、という声も増えています。出世や昇給などの外発的動機付けが効きづらくなったり、テレワークの増加で人同士の繋がりが薄くなったりしていることもその要因と考えられます。
そのようなことも背景にして、従業員がエンゲージメント高く仕事に取り組み、優秀な人材が長く会社で活躍してくれるためには何が問題になっているのか、何を強化していくことが必要なのかを明らかにしたいというニーズがエンゲージメント測定のご相談に繋がっているようです。
結果を課題解決に繋げるために
上記でお伝えしてきたように、エンゲージメントの状態とその要因を測定した結果、課題解決に繋げてエンゲージメントを向上していきたいという人事の方が多くなっています。
そのためにご留意いただきたい点を最後に2つお伝えしたいと思います。
1つ目は測定前にそれぞれの課題解決の担当部署を明確にし、それぞれがエンゲージメント向上にコミットできる体制を作っておくことです。
結果が出たところで課題解決に繋げようとした際につまずきやすいのが、その後の担当が明確になっていないケースです。例えば管理職のマネジメント強化が必要であるという課題が見えたとすると、管理職の人材育成を担当している部署が主体になって手を打っていく必要があります。
しかし、エンゲージメント向上の取り組みと人材育成施策の連動の仕方が曖昧なままになっていると、手を打つまでに時間がかかったり、結局施策には繋がらないまま終わってしまったりする可能性があります。エンゲージメントの結果をもとに課題を設定して向上させていこうと計画している場合は、あらかじめどんな施策が考えられるか、その場合に関係部署がどこかを想定し、担当者に向上の取り組みの一員として参画しておいてもらうことをお薦めします。
2つ目は、結果レポートが分かりやすいものであるか事前に確認いただくことです。結果を課題解決に繋げるためには打ち手が分かりやすい結果レポートであることが重要です。弊社の「組織の課題可視化ツール|エンゲージメント・ドライブ」ではサーベイ結果をもとにした課題仮説の提示と共に、一般的な施策内容を参照できるヒント集を提供しています。
最後に
今回は、昨今注目の高まっている従業員のエンゲージメント向上についてお伝えしました。
従来から利用が多かった従業員満足度調査に比べると、測定するだけでなく課題設定をして向上に繋げていきたい、というご相談が多いのがこのテーマの特徴でもあります。
弊社ではエンゲージメントの測定ツールだけでなく、人材育成や組織開発のソリューションもご提供できることを強みに多数のお客様のご支援をしています。無料セミナーでも詳細をお伝えしていますので参考にしていただければ幸いです。
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【中小・中堅企業向け】中堅社員の定着と活躍について考える
バックナンバー
第1回 人材育成のよくあるお悩み「マネジメントを強化したい」はなぜダメなのか?
第2回 管理職育成を考える際に検討すべきポイント
第3回 新入社員・若手社員育成の肝となる“オンボーディング”
第4回 「中堅社員が小粒化している?」昨今の中堅社員育成を考える
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