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ビジネスマナーの必要性とは? 新人育成の課題と研修の活用法

  • 公開日:2025/12/08
  • 更新日:2025/12/09

新入社員がビジネスマナーを身につけておくことは、組織の信頼性や企業ブランドの向上に直結します。しかし近年は、従来の育成方法では十分な効果が得られないと感じている企業が少なくありません。背景には、新人・若手世代特有の価値観や行動傾向があり、それが育成を難しくする要因となっています。

企業が押さえておきたいビジネスマナーの基本に加え、育成の課題と対策、さらに効果的な研修の活用法を解説します。

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単なる型の暗記ではなく「なぜ必要なのか」という本質的な理解を促し、
繰り返し実践させることで、現場での確実な定着を支援しています。

ビジネスマナーとは

ビジネスマナーとは

「ビジネスマナー」とは、ビジネスシーンにおいて関係者と良好な関係を築き、仕事を円滑に進めるために必要とされる作法や立ち居振る舞いを指します。単なる行儀作法や礼儀作法にとどまらず、社会人として意識や行動を切り替え、組織の一員としての当事者意識を育むための「仕事の基本」として位置づけられています。

「仕事の目的」や「相手の期待」を考える姿勢をもつことで、型にとらわれない柔軟なビジネスマナーを身につけられるでしょう。

ビジネスマナーの必要性

ビジネスマナーは、個人の成長と組織の信頼性を支える重要な要素です。

▼ビジネスマナーが求められる主な理由

  • 信頼関係を築く基盤になる
  • コミュニケーションを円滑にし、業務効率向上の土台になる
  • 企業イメージの向上につながる

信頼関係を築く基盤になる

適切なあいさつや言葉遣い、身だしなみといった基本的なマナーは、相手に信頼感や安心感を与えます。ビジネスマナーの実践は、相手への敬意を示すだけでなく、自身の評価向上にもつながります。

新社会人にとっては、社会人としての基礎を固める第一歩です。
学生時代とは異なり、「相手の立場を考えた行動」「時間を守る姿勢」「報連相」の重要性を理解することで、社会人としての自覚や責任感が養われます。

コミュニケーションを円滑にし、業務効率向上の土台になる

取引先には、適切な対応や礼儀正しい振る舞いを通じて「信頼できる人だ」という印象を与えることができます。社内においても、丁寧なコミュニケーションを心掛けることで「安心感のある人」と認識され、スムーズに仕事を進められるでしょう。

こうした積み重ねが社内外の円滑な連携を生み出し、結果として業務効率の向上につながります。

企業イメージの向上につながる

社員一人ひとりの対応が会社全体の印象を左右します。丁寧で礼儀正しい振る舞いは「信頼できる企業」「しっかりした会社」といった評価を得やすく、ブランド価値の向上にも寄与します。

ビジネスマナーの基本9選

新社会人にとって、基本的なマナーを身につけることは、業務を遂行するための知識やスキルを習得することと同じくらい重要です。就職活動でビジネスマナーに触れた経験があっても、基礎を十分に理解していなかったり、自己流のマナーを正しいと思い込んでいたりする新入社員も少なくありません。

特に、新社会人が覚えておくべき9つの基本的なビジネスマナーを解説します。

▼基本的なビジネスマナー9選

  • あいさつ
  • 時間厳守
  • 報連相(報告・連絡・相談)
  • 言葉遣い
  • 電話応対
  • 名刺交換
  • 身だしなみ
  • メールの使い方
  • SNSの使用方法

あいさつ

ビジネスマナーの基本は、まずあいさつから始まります。明るく元気なあいさつは良い印象を与え、職場を活気づけます。相手の目を見て、はっきりとした声で、適切なタイミングで行うことが大切です。自分から積極的にあいさつすることで距離が縮まり、相談しやすい関係を築けます。

時間厳守

時間厳守は、社会人としての基本であり、信頼を築くうえで欠かせません。取引先だけでなく、社内の上司・同僚・部下との約束を守ることも、人間関係を円滑にするために重要です。「時間厳守=信頼の証」と意識し、スケジュール管理を徹底しましょう。

報連相(報告・連絡・相談)

報連相を実践すると、業務の進行がスムーズになり、ミスの防止や信頼関係の構築につながります。

  • 報告:指示や業務の進捗・結果を適切に伝える。途中経過も共有してトラブルを未然に防ぐ
  • 連絡:必要な情報を関係者に迅速かつ正確に共有する
  • 相談:判断に迷ったときは上司や先輩に早めに意見を求める。独断を避けることが大切

言葉遣い

適切な言葉遣いは、社会人としての信頼を築き、相手に敬意を示し、円滑なコミュニケーションを支える基盤です。尊敬語・謙譲語・丁寧語を状況に応じて使い分けることが求められます。メールや文書でも誤解を招かないよう、正確で丁寧な表現を心掛けましょう。

電話応対

電話応対は、単なる事務作業ではなく会社の第一印象を決める重要なコミュニケーションです。はっきりとした声で名乗り、相手の名前を確認したうえで、要点を整理しながら話を聞くことが求められます。

要点を押さえるには、5W1H(いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように)を意識すると効果的です。さらに、電話をかける際は適切なタイミングを選び、最後に感謝を伝えて丁寧に電話を切ることが大切です。

名刺交換

名刺交換では、名刺を丁寧に扱うことが、相手への敬意を示します。

▼名刺交換のポイント

  • 自分の名刺は相手に向けて差し出す
  • 相手の名刺は両手で丁寧に受け取る
  • 受け取った名刺はすぐにしまわず、手元に置いて確認する

身だしなみ

身だしなみは、プロフェッショナルな印象を与えるために重要です。清潔感を基本とし、業界や企業の文化に合った服装を選びます。髪型や爪の手入れ、香水や化粧品の使い方にも注意を払いましょう。

メールの使い方

メールは、正確で迅速なコミュニケーションを実現するための重要なビジネスツールです。

▼ビジネスメールのポイント

  • 件名は簡潔かつ明確に
  • あいさつ文や自己紹介を添える
  • 本文は要点を整理し、必要に応じて箇条書きを活用
  • 結びの言葉と署名を添える

丁寧かつ読みやすいメールは、信頼できるビジネスパーソンの印象を与えます。

SNSの使用方法

現代のビジネス環境ではSNSの活用も一般的ですが、リスク管理が欠かせません。

▼SNS使用の注意点

  • 機密情報やコンプライアンスに関する社内規定に注意する
  • 公私を区別して利用する
  • 発言や行動が企業の評価につながることを意識する
  • 情報の信頼性・正確性を確認する

不適切な利用はトラブルの原因となるため、責任ある行動を心掛けましょう。

新入社員育成におけるビジネスマナー習得の課題と対策

新入社員育成では、あいさつや報連相といったビジネスマナーの習得が欠かせません。
しかし近年は、従来のやり方では十分な学習効果が得られにくいと感じる企業も増えているようです。背景には、今の新人・若手世代特有の傾向があり、それが育成を難しくしている要因と考えられます。

ビジネスマナー習得の課題

新人・若手世代の特性により、育成担当者や上司は新人を「受け身」と捉えやすく、指示中心の関わりになりがちです。さらに、忙しい職場では深く関与する余裕も少なく、「自分で考え、周囲に働きかけながら成長する力」を育みにくい状況があります。

▼新人・若手世代の特性

  • 腹落ちしないと本気にならない:「社会人の基本だから」という理由だけでは納得しづらく、行動に結びつきにくい傾向がある
  • 本音や気持ちを表に出さない:叱責や否定を恐れ、緊張感のある場面では無難に振る舞おうとする
  • 困難克服経験の不足:失敗や試行錯誤の経験が乏しく、困難に直面するとどうしてよいかわからず手が止まってしまう
  • 「自分基準」を大切にする: 社会に出て「相手基準」で行動することに苦労するケースが多い

ビジネスマナー習得の対策

新入社員がビジネスマナーを習得するためには、特に2つのポイントが大切です。

▼具体的な対策
①自分にとって本当に必要なことだという「リアリティ」をもたせる
新人・若手世代の多くは、自分にとって必要不可欠だと実感すると驚くほどのパフォーマンスを発揮します。

一般論ではなく「確かに、これができないと実際の仕事でうまくいかない(ビジネスのリアリティ)」と感じ、「いざやってみると、自分はできない(自分自身のリアリティ)」と思えば、一生懸命にそのことを学ぼうと努力します。

②「実践の場」を学習設計のなかに取り込む(「経験学習」を意識する)
実践してうまくいかないと実感しているタイミングで、その経験から学ぶ研修機会をもつ、といった形で、現場学習(OJT)と研修(Off-JT)を組み合わせて、全体ストーリーを構築します。

そうすることで、何のために学んでいるのかを自ら意味付けしやすくなり、ビジネスのリアリティを感じながら学べるので、学習効果を高めることが期待できます。

ビジネスマナー研修で取り入れたいポイント

ビジネスマナー研修で取り入れたいポイント

「リアリティをもたせる」「実践の場を設ける」といった基本方針を研修に落とし込むには、プログラム設計と研修後のフォローが重要です。単なる知識の暗記ではなく、実際に体験しながら学べる仕組みを取り入れることで、行動の定着につながります。

▼ビジネスマナー研修のポイント

  • 「なぜ必要か」の理解
  • 実施のタイミングと実践的な内容
  • フィードバックと振り返り
  • ハンドブックの活用

「なぜ必要か」の理解

ビジネスマナーを学ぶうえで大切なのは、単に型を覚えることではなく「なぜ必要なのか」を理解することです。行動の目的や意義が腹落ちすると、学習者のパフォーマンスは大きく向上します。研修の冒頭に「相手の期待」を考える機会を設けることで、納得感を高め、主体的な学びにつなげられます。

実施のタイミングと実践的な内容

効果的なビジネスマナー研修には、実施のタイミングと実践を重視したプログラム設計が大切です。タイミングについては、入社直後に知識を一度に詰め込むのではなく、すぐに実践の機会を設けることで必要な学習が絞り込まれ、学習効果が高まります。

研修内容については、ロールプレイや演習を通じて具体的なビジネスシーンを体験させることがポイントです。実際の仕事を想定した事例を交えてリアリティをもたせることで、本気で取り組む姿勢へとつなげます。

フィードバックと振り返り

グループワークやロールプレイ後のフィードバックを通じて、自分では気づきにくい「印象」や「行動の癖」を把握できます。振り返りの場を設けることで改善点が明確になり、学習効果が高まります。

ハンドブックの活用

研修内容を整理したハンドブックを用意すると、職場で迷ったときにすぐ確認でき、日常業務での実践を後押しします。

弊社では、基礎から実務に生かせる多様なビジネスマナー研修を展開しています。

【関連プログラムのご案内】
信頼を高めるビジネスマナー研修(講師派遣型)
信頼を高めるビジネスマナー研修(公開型)
新入社員研修(公開型)

まとめ|ビジネスマナーとは組織を支える基盤

ビジネスマナーは、新入社員が職場に適応し、企業の一員として信頼を得るための基盤です。
企業としては、課題を踏まえて育成方針を明確にし、「知識を行動に結びつける仕組み」を整えることが欠かせません。
社員一人ひとりのマナーの積み重ねが、組織全体の信頼性やブランド価値を支える力となります。

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