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フレックスタイム制とは? 目的・仕組みからメリット・デメリットまで解説

  • 公開日:2024/01/26
  • 更新日:2024/03/16

働き方改革の一環として政府も推奨している「フレックスタイム制」。この記事では「フレックスタイム制とは?」という基本から、メリット・デメリット、導入する際の注意点まで詳しく解説します。

フレックスタイム制とは

フレックスタイム制とは

フレックスタイム制とは、一定期間で定めた総労働時間の範囲内であれば、毎日の労働時間や始業時刻・終業時刻を従業員が自由に決められる制度です。

例えば「1カ月間の総労働時間は150時間」と定めている企業があったとしましょう。そこでは、1カ月で働く時間が合計150時間になれば、10時間働く日や5時間だけ働く日があってもOK。勤務時間も「午前7時から午後7時まで」「午前10時から午後3時まで」など、従業員が自由に設定できます。

しかし自由といっても通常、24時間いつでも勤務できるわけではありません。フレックスタイム制を導入している企業の多くは、必ず勤務しなければいけない〈コアタイム〉と、いつ出社・退社してもよい〈フレキシブルタイム〉を設けています。従業員はこれらのルールに基づいて勤務時間を調整することになります。

フレックスタイム制の目的

フレックタイム制の目的は、柔軟な働き方を実現することです。従業員はプライベートの都合に合わせて勤務時間を調整できるため、ワーク・ライフ・バランスが整いやすくなります。充実感も得やすくなり、従業員満足度も高まるでしょう。

また繁忙期や閑散期に合わせて、働く時間を効率的に配分することも可能。それにより生産性の向上も期待できます。

フレックスタイム制の仕組み

フレックスタイム制は通常、〈清算期間〉〈コアタイム〉〈フレキシブルタイム〉といったルールを設けて運用します。またコアタイムのない〈スーパーフレックスタイム〉もあります。詳しくご説明しましょう。/p>

清算期間

フレックスタイム制では、まず清算期間と起算日を定めます。清算期間とは「従業員の労働時間を定めた期間」のこと。法律では3カ月が上限となっています。起算日とは、清算期間が始まる日付です。例えば「清算期間は1カ月間とし、毎月1日を起算日とする」といった具合に定めます。

次に、清算期間内で従業員が働くべき総労働時間を決めます。その際、法定労働時間を超えた時間を設定することはできません。清算期間全体の労働時間は週平均40時間以内、かつ1カ月ごとの労働時間は週平均50時間以内に収める必要があります。どちらのケースにおいても、超過した分は時間外労働として割増賃金を支払うことになります。

コアタイム

コアタイムとは「従業員が必ず勤務しなければいけない時間帯」を指します。時間帯の設定は自由。「コアタイムがある日とない日を設ける」「曜日によって時間帯を変更する」「1日に複数の時間帯を設ける」なども可能です。ただしあまり長時間のコアタイムを設定すると、フレックスタイム制を導入していると認められない可能性があるため注意しましょう。

コアタイムの設定は任意となっており、設けなくても問題はありません。しかし全員が出社する時間をつくることで「コミュニケーションを円滑にする」「会議がしやすくなる」などのメリットがあります。

フレキシブルタイム

フレキシブルタイムとは「従業員が勤務時間を自由に決められる時間帯」。フレキシブルタイム中であれば、いつ出社・退社してもよく、中抜けもOK。コアタイムと同じく設定は任意で、時間帯も自由に設定可能。多くの企業はコアタイムの前後に設けています。

例えば「始業は午前7時から午前10時まで、終業は午後3時から午後7時まで」とフレキシブルタイムを定めたとしましょう。その場合は「午前8時に出社して、午前9時に30分ほど中抜けして用事を済ませ、午後4時に退社」という働き方が可能になります。

スーパーフレックスタイム

コアタイムを設けず、すべての時間をフレキシブルタイムにしている企業もあります。そうした制度を、スーパーフレックスタイムまたはフルフレックスと呼びます。

スーパーフレックスタイムでは「必ず勤務しなければいけない時間帯」がないため、従業員は始業時間・終業時間に縛られることなく、より自由に働くことができます。清算期間や総労働時間、時間外労働の取り扱いなど、ルールはフレックスタイムと変わりありません。

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フレックスタイム制のメリットとデメリット

フレックスタイム制のメリットとデメリット

ではフレックスタイム制を導入することで、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?。具体的にご説明しましょう。

フレックスタイム制のメリット

フレックスタイム制は、従業員だけではなく、企業にとってもさまざまなメリットがあります。

ワーク・ライフ・バランスの両立

フレックスタイム制では、勤務時間を自由に調整できるため、従業員がライフスタイルに合わせて働くことができます。例えば子どもの送迎や、家族の介護に関わる時間などが取りやすくなるでしょう。趣味や習い事などの時間も確保しやすいため、プライベートも充実させられます。

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残業時間の削減

企業にとっては、残業時間の削減が期待できます。一般的な固定労働時間制では、繁忙期に残業が多く発生しがち。かといって閑散期に労働時間が短くなることはありません。しかしフレックスタイム制では、忙しい日は長く働き、仕事量が少ない日は早く退社するといった、効率的な時間配分ができます。ムダな残業を減らすことで、残業代のカットにもつながるでしょう。

業務効率の向上

就業時間が固定の場合、たとえ仕事が早く終わっても、定時まで会社にいる必要があります。考えたくはありませんが、少ない仕事を定時まで引き延ばしている従業員もいるかもしれません。しかし「仕事が終わったら早く帰れる」となれば、どうでしょうか?。業務効率がアップするかもしれません。また出社時間を自由に決められるため、通勤ラッシュを避けることも可能。通勤によるストレスが軽減することで、生産性の向上も期待できます。

人材を確保できる

多様な働き方が求められる昨今、フレックスタイム制は採用時の大きなアピールポイントになります。特にワーク・ライフ・バランスを重視する求職者にとっては、プライベートとの両立がしやすい勤務体系は魅力的に映るはず。人材の獲得競争が激しさを増すなか、優秀な人材からの応募も期待できます。

離職率の低減

フレックスタイム制は、従業員の定着や離職防止にも効果的です。仕事を続けたくても、育児や介護などとの両立が難しく、退職を余儀なくされるケースも多くあります。しかしフレックスタイム制で勤務時間をコントロールできれば、そういったライフスタイルの変化にも対応しやすくなるでしょう。多くの方が仕事を続けられるようになるはずです。

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フレックスタイム制のデメリット

では逆に、フレックスタイム制のデメリットとは何でしょうか?。それは主に以下の3点です。

労働時間の管理が煩雑化

フレックスタイム制では、従業員の出社時間や退社時間がバラバラになるため、一人ひとりの労働時間を正確に把握することが難しくなります。また労働時間の管理を従業員に任せた結果、「総労働時間が足りない」「残業が多すぎる」となる可能性も。そうした場合、個別に調整する必要が出てきます。

しかし最近では、フレックスタイム制に対応した勤怠管理システムも多数あります。従来の方法で管理するのが難しい場合は、そうしたシステムを導入するのも有効です。

クライアント対応・管理が難しくなる

自社がフレックスタイム制でも、取引先や顧客が固定労働時間制だと、時間を合わせるのが難しくなります。「緊急なのに担当者と連絡がつかない」「朝はいつもいない」となれば、信頼関係を損なう恐れも。

フレックスタイム制を導入する場合は、こうした事態を防ぐ体制を整える必要があります。例えば業務の属人化を避け、ほかの従業員でも対応できるように情報を共有しておくことが求められるでしょう。

社内のコミュニケーションが不足する

フレックスタイム制では、従業員同士が顔を合わせる時間が少なくなり、コミュニケーションを取る機会が減ってしまいます。「報告や相談をしたいのに、相手がいない」というケースも起こるかもしれません。

そうした課題は、チャットツールやWEB会議システムといった社内コミュニケーションツールで解消できるでしょう。定期的にミーティングを開くといった対策もお薦めです。

フレックスタイム制導入のポイント

フレックスタイム制導入のポイント

実際にフレックスタイム制を導入する際は、「就業規則などへの規定」と「労使協定の締結」が法律で義務づけられています。詳しくご説明しましょう。

就業規則などへの規定

フレックスタイム制導入の際は、まず就業規則やそれに準ずるものに「始業時刻・終業時刻を労働者の決定に委ねる」旨を記載します。コアタイムやフレキシブルタイムを設ける場合は、その時間帯も明記しましょう。

就業規則の作成・変更が終わったら、管轄の労働基準監督署に届け出ることを忘れずに。届け出を怠ると法律違反になり、罰金の対象となる可能性があります。

労使協定を締結する

次に以下の具体的なルールを定め、労働組合または労働者代表と、労使協定を結びます。

・対象となる労働者の範囲
・清算期間
・清算期間における総労働時間
・標準となる1日の労働時間
・コアタイム(任意)
・フレキシブルタイム(任意)

なお清算期間が1カ月を超える場合は、管轄の労働基準監督署に労使協定を届け出る必要があります。

フレックスタイム制導入の注意点

法律で義務づけられているわけではありませんが、フレックスタイム制を導入する際には、以下の2点にも注意しましょう。

フレックスタイム制について従業員への周知徹底

フレックスタイム制には、「なんとなく自由そう」といった曖昧なイメージを持っている人が多いのも事実。また「残業代が出ない」といった誤解もあります。フレックスタイム制を導入する際は、従業員一人ひとりが制度についてしっかり理解することが重要です。

フレックスタイム制でどのような働き方ができるようになるのか?。時間外労働や休日出勤の扱いはどうするのか?といった、実際の働き方を具体的にイメージできるような説明をしましょう。

フレックスタイム制の導入に適した業界・職種であるか確認

メリットの多いフレックスタイム制ですが、実はすべての業界・職種に適しているわけではありません。

フレックスタイム制は、取引先や顧客と時間を合わせにくくなるのがデメリット。そのため取引先とのやり取りが多い営業職などには向いていないでしょう。逆にいうと、エンジニア職やデザイナー職など、外部とのやり取りが比較的少ない職種には向いているといえます。

フレックスタイム制は、支店や部署ごとに導入することも可能です。制度のメリット・デメリット、職種の特性などをよく精査したうえで、導入するかしないか判断することが重要です。

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まとめ

労働力人口の減少や人材の流動化が進むなか、人材の獲得や定着のための施策がますます重要になっています。柔軟に働けて従業員満足度につながりやすいフレックスタイム制は、こうした課題解決に効果的な施策といえるでしょう。

メリットの多いフレックスタイム制ですが、勤怠管理の煩わしさや適さない職種があるなど、いくつかのデメリットもあります。まずは自社の課題を洗い出したうえで、導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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