導入事例
新卒採用面接で「本人も気づいていない魅力」を見出すためにSPIを活用
株式会社野村総合研究所(NRI)

- 公開日:2025/09/16
- 更新日:2025/09/16
事例概要

背景・課題
私たちは新卒採用において、学生とNRIの「ベストマッチング」を目指しています。ホームページやセミナーを通じて企業情報をリアルに開示したうえで、書類選考と面接を通してマッチングを確認しています。しかし、限られた時間の面接だけで、一人ひとりを深く、かつ多角的に理解するのは簡単ではありません。面接をサポートしてくれるツールが必要でした。

検討プロセス・実行施策
私たちは長年、SPIを「面接サポートツール」としても活用しています。学生本人も気づいていない魅力を見出せるケースが多いからです。面接官向けに出てくる「面接質問例」も参考にしており、多角的に学生を理解するためのツールとしておおいに役立っています。さらに、採用の振り返りの際にもSPIを活用し、さまざまな切り口で傾向分析を行っています。

成果・今後の取り組み
「学生とNRIのさらなるベストマッチング」を目指すためには、学生との接点一つひとつを磨いていくことが重要です。例えば、インターンシップに参加できなかった学生に、私たちの情報をどのように届けていくか。さらに工夫を重ねたいと考えています。SPIについては、人物理解の一助として力を借り続けたいと考えています。SPIを活用した採用活動の傾向分析にはより力を入れる予定です。
背景・課題
新卒学生をより深く、より多角的に知るためのサポートツールが欠かせない

私たち野村総合研究所(以下NRI)は、新卒採用において、学生とNRIの「ベストマッチング」を目指しています。ベストマッチングは、入社する皆さんが入社後に長く活躍するために必須のコンセプトだと考えています。
私たちはそのために、「RJP(Realistic Job Preview)」という手法を使い、「リアリズムに即して企業の姿を明示すること」を目的に、ホームページやセミナーを通じて企業情報をリアルに開示しています。NRIは、いずれの職種も専攻不問で文系理系に関係なく応募できます。しかし、例えば、ITソリューションに関わるエンジニア職であれば、情報系専攻以外の学生は業務内容を具体的にイメージしにくい面があります。だからこそ、さまざまな学生接点を通じて、リアリズムに即した企業の姿を伝え、会社の実像をより深く理解してもらいたいのです。企業や仕事のさまざまな面を伝えることは採用ミスマッチを減らし、結果的に長く活躍いただくことにもつながると考えています。
選考プロセスでは、書類選考や面接を通して、例えば「あなたの志向(やりたい事)や価値観そして考え方が、NRIという会社に合致しているか」「専門知識を吸収し、一定レベルのコミュニケーションを行う能力を保有しているか」といった視点で学生とNRIのマッチングを確認しています。
私たちがご支援しているお客様の業界・業種は幅広く、プロジェクトや仕事内容も多岐にわたります。例えば、基幹システムなどのミッションクリティカルなシステムを開発する業務では、慎重さや確実さを求められます。その一方で、新規性やスピードがより重視される業務も多くあります。NRIには、さまざまな興味や能力や特性を生かせる環境、さまざまな能力・スキルを伸ばせる環境があるのです。だからこそ、選考時に学生本人の志向・やりたい事と、専門性を吸収できる力を見ています。また、NRIでは多くの業務をチームで進めるため、一定レベルのコミュニケーション力が欠かせません。
私たちはマッチングを確認していくために面接を重視していますが、現実的には、私たちが1回の面接にかけられる時間は限られています。その面接だけで、学生一人ひとりの志向・価値観・考え方・能力などを深く理解するのは簡単なことではありません。私たちが、一人ひとりをより深く、より多角的に知るためには、面接をサポートしてくれるツールが必要です。
検討プロセス・実行施策
SPIを「面接サポートツール」としても長年活用し続けている

私たちは長年、SPIを選考ツールとしてだけでなく、「面接サポートツール」としても活用し続けており、確かな活用効果を感じています。なぜSPIが面接に役立つかというと、SPIの結果を読み取ると、学生の「本人も気づいていない魅力」を見出せるケースが多いからです。
例えば、学生Aさんは、新しいアイディアを企画や構想にまとめる「企画構想」に対する適性が高い、というSPIの結果が出ていました。ところが面接では、なかなか企画構想に関する話題になりませんでした。そこで、面接官が「サークルなどで自分なりに企画を考えて提案し、うまくいった経験はありませんか?」などと問いかけてみると、Aさんは次々にエピソードを語りだしました。Aさんは、自分の企画構想力が、自らの魅力や強みだと思っていなかったのです。
面接をしていると、Aさんのように自分の魅力や強みに気づいていない人や、自己分析はできていてもアピールしきれていない人がいます。そのようなとき、この事例のようにSPI結果を確認しながら質問を進めていくと、短時間で学生の魅力や強みを引き出せることがよくあるのです。だからこそ、私たちはSPIを面接サポートに使い続けているわけです。
先ほども説明しましたが、NRIには本当に多種多様な仕事があり、さまざまな特徴を生かせる環境があります。ここでは企画構想に向いている学生を例に挙げましたが、交渉ごとに向いている学生やチームワークが得意な学生、他の適性が高い学生など、それぞれ自分を生かせる場があります。個々の魅力や強みを発見し、活躍の場を提供するためにもSPIは欠かせないサポートツールなのです。
私たちは、人物像を理解するツールとしてSPIを最大限活用するために、面接時には、面接官向けに出てくる「面接質問例」も参考にしています。また、面接官1人の視点ではなく、多角的に学生を理解するためのツールとしてもおおいに役立っています。面接担当者は、学生の魅力を最大限に引き出せるよう、事前に社内でSPIの活用方法についてレクチャーを受けてから面接に臨んでいます。私たちは、SPIの意義を十分に理解し、適切に活用することが、学生を公平に評価するために非常に重要だと考えています。
採用活動を振り返るとき、経年比較しやすいのもSPIのメリット
また、新卒採用終了後の振り返りの際、採用活動の分析にもSPIを活用しています。今年の採用母集団はどうだったのか、どのような学生にアプローチできたのか、採用合格者にどのような傾向があったのかなど、さまざまな切り口で傾向分析を行っています。
最近のインターンシップのあり方の変化が良い例ですが、新卒採用市場は絶えず変化しており、その変化に適応することが肝要です。私たちは、長年SPIを活用しているからこそ、過去傾向と比べてどのような変化があるのか、同じ観点から定量的に経年比較できます。その点が分析ツールとして特にありがたいところです。
成果・今後の取り組み
さらなるベストマッチングを目指す

私たちはこれからも、「学生とNRIのさらなるベストマッチング」を目指していきます。そのためには学生との接点一つひとつを磨いていくことが重要です。
例えば、私たちにはインターンシップでできるだけ多くの学生を受け入れ、リアルな情報を伝えたいという想いがありますが、現実的にはキャパシティの関係もあり、希望者全員を受け入れるのは困難です。インターンシップに参加できなかった学生に、私たちの情報をどのように届けていくか。これは大切な課題の1つであり、さらに工夫を重ねていきたいと考えています。
SPIについては、これまでどおりに人物理解の一助として力を借り続けたいと考えています。また、SPIを活用した採用活動の傾向分析にはこれまで以上に力を入れる予定です。例えば、セミナーやインターンシップに参加した学生の傾向をより詳しく捉えて、施策をブラッシュアップしていきたいと考えています。私たちにとってSPIはまだまだ活用の余地があります。

ソリューションプランナーの声

株式会社リクルートマネジメントソリューションズ
ソリューションプランナー 榊 佳代子
野村総合研究所様は、その高い専門性や技術力から「真面目で堅そう」といった印象を持たれることが多いそうですが、実際に接点を持った学生の方々からは「あたたかく、良い意味でイメージが変わった」という声が多く寄せられているそうです。
今回の事例は、こうしたイメージのギャップをどう埋めるかという課題への取り組みを象徴する内容です。SPIを単なる選考ツールではなく、学生の隠れた魅力を見出すサポートツールとしても活用され、一人ひとりと丁寧に向き合う姿勢は、まさに同社の誠実な採用スタンスを表していると感じています。
表面的なイメージと実際の企業文化や仕事内容とのギャップを解消し、本質的な魅力をしっかり伝えることで、入社後の長期的な活躍を見据えた採用活動が実現できているのだと思います。これからもベストマッチングを追求する採用活動のパートナーとして、伴走支援させていただきます。
取材日:2025/05/29

企業紹介

株式会社野村総合研究所(NRI)
野村総合研究所は創業以来、常に時代を先取りした新たな地平を築く企業戦略の提案や政策提言、システム開発・運用を行ってきました。21世紀社会においても、顧客の新しいビジネスモデルの「創発」を支援していきます。
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