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導入事例

キャリア採用の適性確認だけでなく、採用オウンドメディア制作にもSPI3分析を活用

三井住友海上火災保険株式会社

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  • 公開日:2025/09/01
  • 更新日:2025/09/01

事例概要

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背景・課題

私たちは2022年度からキャリア採用の取り組みを強化しました。翌年、キャリア採用専属チームを立ち上げ、2024年度からはご縁があった皆さんの「タレントプール(MSタレントネットワーク)」と、募集情報・社員インタビュー記事などを発信する「採用オウンドメディア(MS Story)」の活用も本格化しています。以上の取り組みに当たり、特に「入社後ギャップ」の課題を解決するツールを探していました。

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検討プロセス・実行施策

私たちはキャリア採用の適性検査を見直したうえで、SPI3の継続活用を決めました。SPI3は候補者の「職務適性を客観的に見極めるツール」としても活用しています。実際の入社者の人事データを参考に分析し、各職種に向いているSPI3における性格特性を定義、候補者のSPI3結果と照らし合わせ、職種と本人の相性を見ています。最近はオウンドメディアや面接での情報提供にも、その分析結果を生かしています。

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成果・今後の取り組み

これからは客観的データに基づいて、より科学的に採用戦略を立て、「攻め」のキャリア採用へ変革していきたいと思っています。SPI3を通じて得られた人事データも、採用戦略の根拠として積極的に活用していこうと考えています。例えば専門職種の人財傾向や新卒採用とキャリア採用の傾向の違いなど、SPI3分析の切り口を広げ、より精度の高いキャリア採用活動を実現していきたいと考えています。

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背景・課題

2023年にキャリア採用チームを立ち上げ、2024年から「タレントプール」と「採用オウンドメディア」を開始

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黑川:私たち三井住友海上火災保険(以下、三井住友海上)は、2022年度の下期頃からキャリア採用に本格的に力を入れ始めました。2023年度にはキャリア採用専属チームを立ち上げ、各種取り組みを加速させてきました。それ以前は、一部専門職を除く大部分の職種は、基本的にキャリア採用を行っていませんでした。

しかし今、損害保険業界は大変革期を迎えています。三井住友海上が今後、さらなる成長を遂げるためには、多様なバックグラウンドや、知見を持った人財に仲間に加わってもらい、新たな化学反応を引き起こし、イノベーションに結びつけていく必要があるのです。そこで私たちは、「営業職」「損害サポート職」を中心として、数多くのポジションでキャリア採用を始めました。2023年度はキャリア採用で約300名が入社しました。今もその数は増え続けています。

さらに2024年、私たちは新たな試みとして「MSタレントネットワーク」というタレントプールを創設しました。これは、キャリア採用サイトからの登録者、新卒・キャリア採用の過去応募者、セミナー・イベント参加者、社員紹介者(リファラル)、退職者(アルムナイ)など、これまでに私たちと何らかのご縁があった潜在的な転職候補者とのネットワークです。

MSタレントネットワーク

笹松:同時期に、ネットワークを活性化させるキードライバーとして、「採用オウンドメディア(MS Story)」もスタートしました。MS Storyでは、最新募集情報、社員インタビュー記事、福利厚生や研修・育成制度の紹介記事などをどんどん発信しています。当社への応募を考えている皆さんとMSタレントネットワークでつながっている皆さんに向けて、最新情報を提供し続けて継続的な接点を作り、応募者を増やすためのメディアです。MS Storyの記事原稿は基本的には私たちが自ら執筆・撮影しており、早いときには、社員インタビューから1週間ほどで記事を掲載することができます。迅速かつ柔軟に情報発信できるのが、オウンドメディアの大きなメリットです。

黑川:私たちは以上の取り組みに当たって、キャリア採用全般を支援してくれるツールを必要としていました。特に、キャリア採用課題の1つ「入社後ギャップ」を解決するためのツールを探していました。なぜなら、応募者数を増やすだけでなく、自社にマッチする人財を丁寧に見極めることが大切だと考えているからです。入社後ギャップをできるだけ減らし、スムーズに馴染んで活躍してもらうためには、見極めの精度を高めることや情報発信が欠かせません。そうした取り組みを支援してくれるツールが、私たちには必要でした。

検討プロセス・実行施策

各職種の適性をSPI3で分析し、候補者の適性確認の精度を高めている

笹松様の画像

笹松:私たちはもともと新卒採用で適性検査としてSPI3を使用していました。数年前まではキャリア採用は一部の職種に限って実施していたため、当時は新卒採用での活用実績を踏まえて、自然な流れでキャリア採用にもSPI3を取り入れていました。

その後、キャリア採用を本格的に展開するタイミングで、これまでの手法にとらわれず適性検査そのものを一から見直すことにしました。その過程であらためて自分たち自身で各社の適性検査を受けてみたのです。実際に受けてみると、SPI3はチーム全員の結果が驚くほど当たっており、高い納得感を得られました。また、SPI3は新卒採用時に受検したことのある人が多く、候補者の皆さんの不安や疑念が少ないというメリットもあります。その結果、私たちは今も変わらずにキャリア採用でSPI3を活用し続けています。

黑川:また、私たちはSPI3を候補者の「職務適性を客観的指標で見極めるツール」としてもおおいに活用しています。キャリア採用ではスキルや経験が重視されがちですが、入社後にスムーズに力を発揮してもらうためには、各職種と候補者の性格特性の相性も非常に重要だと考えているからです。

私たちはまず、営業職や損害サポート職で入社した社員の入社後の人事評価やエンゲージメントアンケートの結果、SPI3結果を分析し、営業職・損害サポート職にそれぞれ向いている性格特性、向いていない性格特性を明らかにしました。そのうえで、応募してきた職種に向いているSPI3の性格特性と候補者自身のSPI3傾向を照らし合わせて、職種と本人の相性を確認しているのです。この取り組みによって、適性確認の精度は確実に高まっています。

笹松:実は、SPI3のデータ分析で分かったことの多くは、私たちが以前からなんとなく感じていたことでした。ただ、SPI3が「営業職にはこのような適性が大事です」「損害サポート職にはこのような適性のある人が向いています」などと数値で明確に示してくれたことで、「やはりそうだった」と納得することができ、周囲にも自信を持って説明できるようになりました。

また、SPI3のデータ分析によって、科学的な根拠に基づいて現状を可視化できるようになり、上層部への企画提案や説明もしやすくなりました。感覚的に進めていた施策にもデータの裏付けが得られるようになり、より意味のある検討につなげられそうだと感じています。SPI3の魅力の1つは、受検者数、つまりデータのサンプル数が圧倒的に多く、データの信頼性や納得感が高いことです。そのため社内での理解や合意形成にも役立つデータを得られています。

候補者への情報提供にもSPI3分析結果を生かし始めている

笹松様の画像

笹松:SPI3分析結果は採用活動のさまざまな場面で役立っています。最近、私たちはオウンドメディアのインタビュー記事にも、SPI3の分析結果を反映し始めました。SPI3の報告書のうち「組織への適応のしやすさ」では、候補者を4タイプに分類しますが、この4タイプは、求める情報のポイントがそれぞれ異なります。

この分類をヒントに、候補者にどのような情報をどう届けるべきかを考えているのです。

<採用候補者のタイプ>

採用候補者のタイプ

例えば、単に活躍中の社員だけでなく、私たちが今後採用したい人物像や適性傾向に近い社員をインタビュー対象者に選定するようになりました。また、インタビュー時の質問もSPI3の分析結果を踏まえて、どのような情報を引き出せると良いか考えるようになりました。各職種の適性が高い読者に響くようなインタビュー記事を作ろうとするようになったのです。

キャリア採用では、企業と候補者の接点が限られており、候補者自身が情報を取りに行く時間も多くはありません。そのため、限られた接点のなかでいかに自社を正しく理解してもらい、ミスマッチを防ぐかが重要になります。

また、候補者が求める情報は、関心の度合いや検討状況によって異なります。例えば、応募を考え始めた段階と入社を決める直前では、求める情報はまったく違います。ですから、私たちは候補者がそのつど必要とする情報にきちんとアクセスできる体制を整えることが重要だと考えています。その一環として、オウンドメディアに掲載する情報の「量」と「質」の両方を高め、読みやすく伝わりやすいコンテンツ制作を意識しているのです。このコンテンツ制作の質を高める際にも、SPI3分析結果を役立てられると考えています。

また、面接で何をどのように伝えるかを考えるうえでも、SPI3分析結果から捉えた適性傾向が役立っています。キャリア採用では、オウンドメディアだけでなく、面接も会社を知ってもらうための貴重な場です。私は面接時にも、SPI3分析の結果と候補者の特徴を踏まえながら、候補者が気にしそうなポイントについての情報提供を行うことがよくあります。最近では、面接の時点で「もしこの方が入社したら、インタビューさせてもらおう」と考えるまでになりました。このように情報が循環し始めています。

成果・今後の取り組み

SPI3を通じて得られた人事データを活用し、攻めのキャリア採用へ変革していきたい

黑川様と笹松様の画像

黑川:これからは客観的データに基づいて、より科学的に採用戦略を立て、攻めのキャリア採用へ変革していきたいと思っています。SPI3を通じて得られた人事データも、採用戦略の根拠として、これまで以上に積極的に活用していこうと考えています。将来的には、AIを活用し、採用活動の精度をさらに高めていくことも目指しています。

笹松:現在は営業職・損害サポート職を中心とした分析にとどまっていますが、今後は専門人財にもSPI3分析を拡大していく可能性があります。専門人財についても、性格特性が社風やポジションに合っているかどうかを確認する必要があると考えているからです。他にも、三井住友海上の新卒採用とキャリア採用の傾向の違いなど、SPI3を使った分析の切り口はいろいろと考えられます。今後も、HRアナリティクスの領域に詳しいリクルートマネジメントソリューションズにさまざまな協力をお願いすることになると思います。

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ソリューションプランナーの声

原田の顔写真

株式会社リクルートマネジメントソリューションズ
ソリューションプランナー
原田 康平

三井住友海上火災保険様の取り組みで特に印象的なのは、適性検査を「情報提供戦略」にまで発展させている点です。
SPI3を継続的に活用いただく中で、黑川様・笹松様から「SPI3の結果を候補者への情報提供にも活用できないか」というご相談をいただき、「組織への適応のしやすさ」4タイプ分類の活用をご紹介いたしました。

この分類では、各タイプが求める情報のポイントが異なるため、例えば調和重視タイプの候補者には安定性や成長支援体制を、創造重視タイプには挑戦機会やイノベーション事例を重点的に伝えることで、一人ひとりに最適化されたコミュニケーションが可能になります。従来、適性検査は選考・見極めのツールとして使われることが一般的でしたが、このような応用は非常に先進的な取り組みだと感じています。

キャリア採用において重要なことは「入社後の継続的な成長・活躍」を見据えたマッチング精度の向上です。同社の「自社にマッチする人財を丁寧に見極める」という姿勢は、企業と応募者双方にとって価値のある採用を実現する戦略的思考の表れであり、深く共感しています。

引き続き、同社が目指す「攻めのキャリア採用」実現に向けて、さまざまな角度からお力添えできればと考えています。

取材日:2025/06/12

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企業紹介

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三井住友海上火災保険株式会社

三井住友海上は、MS&ADインシュアランス グループの中核事業である損害保険事業を担う会社です。総合力を発揮し、グローバルな保険・金融サービスを展開します。特にアジアでは、ASEAN10カ国すべての国で元受事業を行っている唯一の損害保険会社として、世界トップクラスのネットワークを誇っています。

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