上司・育成担当者の育成力強化

課題解決のポイント

今の時代の育成力を「経験学習型」で習得する仕組みを作る

新人・若手社員は、今の時代に求められる「困難な環境下で自ら動き成長する力」をむしろ苦手としています。この点については、どうしても新人に問題があると考えやすいですが、実際は時代の変化の影響が大きいのが実情で、これは不可逆な流れです。今後は、人事担当者も現場の育成者も、新人・若手社員の困難克服経験の不足を前提とした新たな育成に取り組んでいく意識が必要です。(詳しくはこちらを参照)

まず重要なのは、新人・若手に対する見方を変えていくことです。彼・彼女らを嘆くのではなく、理解していく姿勢が大切です。困難な環境を苦手とする原因は生まれ育った環境による経験不足で、やる気や能力の問題ではありません。今のままではいけない、何とかしたいという気持ちはしっかりともっているのですが、ただ未知の局面にとまどい、苦しみ、悩んでいるのです。それを頭ごなしに「ゆとり世代だから」というレッテルを貼り、やる気がないなどと決めつけてしまっては、本来もっている力を引き出すことはできません。

実際に、彼・彼女らの特徴に応じた育成に取り組み、新人・若手が大きく成長していった事例が多くの企業で生まれています。新人・若手に問題があるからダメなのだと考えるのではなく、変わらなければならないのは自分たち受け入れ側でもあるのだと捉えるところから育成は始まります。時代の変化に適合した新たな育成力を身につけることは、今の時代のリーダーに不可欠な新たなマネジメント能力ともいえます。こうした新たな育成力を現場に浸透させていく上では、2つのポイントがあります。

(1)育成者の成長機会でもあると位置付け、「トライアングル」で育成する

育成を上司任せにせず中間に育成担当者を置き、上司・育成担当・新人の「トライアングル」で育成に取り組むのがポイントです。新入社員は、上司よりも近い世代の先輩の方が関わりやすく、育成担当者にとっても将来的にリーダーやマネジメントをしていく上で貴重な成長機会となります。任命する際も、単に「新人・若手を育ててほしい」というよりも、上司や経営層から「将来のリーダーやマネジメントの力を身につける機会にしてほしい」とメッセージを伝えることで、取り組む意義を強く感じ良い結果につながりやすくなります。さらに、利害関係のない他部署の先輩を相談相手の1人(メンター)として配置する方法も有効です。

トライアングルでの育成

(2)経験学習型の実施展開を取り入れる

自分たちの経験とは異なる新たな育成方法を一度の研修で身につけることは困難です。大切なのは、研修で学んだことを実践し、自分たちの経験から実践のコツを掴み取っていくことです。育成は想定以上に難しく、しばらく実践してもうまくいかないと「忙しくて余裕がないから」「やっぱり新人に問題がある」などの思考に陥り、思ったように育成が進まないことがあります。この実践の途中で育成担当者がお互いの経験から学び合う場を設けることで、「わかっていたつもりだったが、実際に効果をあげている人と比べると十分ではない」「さらに続ければ変化が起こるのだとわかった。自分も先入観を捨てて、もう一度頑張りたい」などという気持ちに切り替わり、優れた実践につながるケースが増えていきます。

実効性を高めるには、研修実施後の現場の実践状況をモニタリングし、現場が困っていることを支援するよう人事と現場が一体となって取り組む体制づくりが必要なのです。


施策例

事例:商社・金融サービス関連企業 全管理職で今の時代の育て方を継続的に学ぶ場を設けた

背景

  • 新卒採用の拡大で若手社員比率が高まる一方、早期離職や戦力化の遅れという課題が目立ち始めた
  • 若手にヒアリングすると、「上司の厳しい指導がつらい」「ひたすら数字を追いかける仕事にモチベーションが上がらない」などの声が多く挙がった
  • 上司世代には「若手が弱すぎる」「もっとタフな人を採用してほしい」という声が多かったが、事業拡大のためにも若手の変化に応じたマネジメントへ切り替えるタイミングだと考えた

施策

  • 部長と課長を含めた全管理職および育成担当者に対して、合同で今の時代の育て方を学ぶ研修を実施した。その冒頭で経営トップからマネジメントを変える必要性を伝えると共に、経営もこの問題に真剣にコミットし、全面的な支援をすることを約束した
  • 課長には新人への関わり方を、部長には職場ぐるみでどのように育成を展開していくかをテーマに実践計画を立ててもらった
  • 1回の研修では定着しないため、3カ月ごとにお互いの実践経験から学び合うフォロー研修の場を複数回用意し、継続実践へのドライブと学習理解の促進をねらった

成果

  • 初回の研修で、多くの参加者から「変わるべきは新人だけでなく、自分たちでもあることがわかった。新たな育成にチャレンジしたい」という声が上がった
  • 研修後は、忙しさや実践の難しさを指摘する声が多く上がったが、フォロー研修を重ねるごとに成果事例が出てくるようになり、実践への手ごたえが出始めた
  • 新人配属の管理職に毎年研修を繰り返すことで、3年目には新しい育成スタイルが職場での当たり前になり、研修を実施しなくても職場内で引き継がれていくようになった

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