課題解決のポイント
職場で使えるHow Toを学び、実践を通じて自分の武器にする
変化が激しくスピードが求められる昨今、いわゆる「鞄持ち」からスタートし、時間をかけて新人・若手を育てるようなことは、なかなか難しいのが職場の実態です。新入社員が、入社早々さまざまなプロジェクトにアサインされたり、これまで中堅社員が担当していた顧客の営業担当を任されたりすることも少なくありません。
また、昨今の新人・若手社員はデジタルネイティブ世代であり、さまざまなマニュアルや攻略法にも慣れ親しんでおり、すぐに答えを知りたがる傾向があります。そのため、先輩や上司側からの「失敗しながら学べばいいよ」「昔、私も同じような失敗をしたよ」などというコミュニケーションではなかなか通用しません。新人・若手社員は、こうした先輩や上司の態度に対して、「必要な知識やスキルであれば、なぜ事前に教えてくれない」と不信感や不満をもつことも少なくないのが実態です。特に、メールや携帯電話の普及に伴って業務や行動がブラックボックスになりがちな昨今、どのような仕事でも必要な「ポータブルスキル」を早めに学んでもらった上で、できることを少しずつ増やしてもらうことが今の新人・若手には重要になってきます。
では、新人・若手のうちに身につけていくポータブルスキルとは、いったい何でしょうか?ポータブルスキルは大きく3種類にわけることができますが、教育施策を検討する際には、業種・業態・職種ごとの必要性を踏まえて、優先順位をつけることが重要です。
1つ目は「対課題スキル(仕事への対応力)」で、ベースとなるのは「ロジカルシンキング」です。今や多くの企業で階層別教育の基礎教育として導入されているスキルですが、昨今は数字を使ったロジカルシンキングに注目が集まっています。また、その次のステップとして、「問題解決力」を鍛える研修を重点教育施策として導入している企業も近年大幅に増加しています。
2つ目は「対人スキル(人への対応力)」です。1対1のビジネスコミュニケーションスキルから、ビジネスマナー、ビジネス文書作成スキルやプレゼンテーションスキルなどが挙げられます。とりわけ各企業で問題になっているのが、新人・若手だけでなく中堅社員も含めて「苦手な人をつくってしまう」傾向です。そのため、コミュニケーションスタイルをタイプ別に分類し、タイプごとの接し方を学ぶ研修などを取り入れる企業が増えています。
3つ目は、対自己スキル(セルフマネジメント)です。セルフリーダーシップやタイムマネジメント、ストレス対応、コンプライアンス関連知識などが該当します。
新人・若手の頃が最も吸収力が高く、社会人としての学び方を身につける大切な時期にもあたります。今やビジネスパーソンの必須項目にもなっている英語も含め、スキル教育を通じて、社会人としての学習サイクルを身につけてもらうことが重要です。そのためにも、職場での実践や周囲からフィードバックをもらえるような関係性を新人・若手が構築していくとともに、仕事を通じて成長していくような職場環境を整えていく取組みも重要なポイントです。
施策事例
事例1輸送用機械器具関連企業
職場ですぐに使える「仕事の進め方」「協働の仕方」の習得
- 背景
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- 従来以上に早く、新入社員に一人前の営業として育ってもらう必要が出てきた
- 上司や先輩が忙しいため、新入社員が自ら働きかけて主体的に行動していくことが重要となってきた
- 施策
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- ビジネスマナーや基本行動、社会人としてのスタンスを学ぶ研修を実施した
- 思考力のベースとなる「論理思考」「問題解決」を学ぶ研修を実施した
- さらに、仕事の進め方の基本となる「PDCA」を学ぶ研修を実施した
- 新入社員たちが、仕事を進める際に段取りを意識して行動するようになった
- 新入社員たちが、上司や周囲への報・連・相など協働面を意識するような行動が増えた
事例2食料品関連企業
新人・若手社員の対人コミュニケーション力の向上
- 背景
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- 新人・若手社員が、苦手な人を自ら作ってしまい、積極的にコミュニケーションをとろうとしない現象が起きていた
- 新人・若手社員が、何でもメールで済まそうとする傾向があった。その結果、メール作成に無駄な時間をかけていることが多く、クレームにつながる事態も発生していた
- 施策
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- タイプ分類を取り入れたコミュニケーション研修を実施した
- 研修終了後、苦手な上司に自ら話しかける人が増えてきた
- 社内の共通言語として「コミュニケーションタイプ」が浸透し、新人・若手社員に対して指導・アドバイスがしやすくなった
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