自ら学び成長するためのスタンス習得

課題解決のポイント

困難に向き合うスタンスの育成が、成長の鍵を握る

厳しいビジネス環境にある多くの職場では、新人・若手が自分で考え抜き、周囲に働きかけながら自ら学び成長していくことが、人事部や上司が最も期待することではないでしょうか。しかし、今の新人・若手世代にとって、社会で直面する困難への心理的なインパクトは、以前と比べるとはるかに大きくなっています。

具体的には、多くの新人・若手社員が「自信喪失」「職場との信頼関係」「仕事の意味・価値」「自力でやり切る」といった4つの壁にぶつかります(図表参照)。これらの壁に直面して、やる気や動きが停滞し、乗り越えられずに成長のバッドサイクルに陥ってしまうケースが増えています。

成長を阻む4つの壁

これは能力や意欲の問題ではなく、困難克服経験の不足が原因です。このような壁に直面したとき、自ら動いて乗り越えていく力が養われていないために、仕事や周囲に対して消極的になってしまい、学びや成長に必要な経験が積めないのです。この場合に重要なのは、困難に向き合うスタンス(考え方、捉え方)を意図的に育成していくことであり、そのために職場での行動量を増やしてその経験から学ばせていくことです。ポイントは、大きく3つあります。

(1)「やった経験から学ぶ」ことに目を向けさせる

今の新人・若手世代は、高い貢献意欲や成長意欲をもっています。しかし困難にぶつかると、失敗しては意味がないと思い込み、周囲にどう見られるかといった不安が強まり、消極的な行動になってしまいがちです。そこで、結果だけでなく経験そのものにも大きな意味があると理解してもらう必要があります。失敗だろうと成功だろうと、そこから学ぶことが自分の成長と今後の成功にとって最も重要であると意味づけ、思い切った行動を引き出していく必要があります。

(2)「自分基準」に気付かせる

「やった経験から学ぶ」ことが大事だと分かっていても、「周囲にどう見られるか」といった不安が行動のブレーキになることもあります。しかし、その多くが本人の思い込みです。例えば、相談は相手にとって迷惑だ、あるいはできないことをさらけだす恥ずかしいことだと感じている新人・若手が多い一方で、上司や先輩は、むしろ何も相談しない新人・若手に不安を感じています。そこで、自分の基準を客観視できる機会を作り、自分の思い込みが成長を阻害しているかもしれない、と見方を広げてもらうのが効果的です。具体的な手法としては、相手の立場に立ってもらう、相手の期待をヒアリングする場をもつ、360°サーベイを活用する、などの方法があります。

(3)できるようになったことにも目を向けさせる

とはいえ、具体的な成果がなかなか出ない状況で行動し続けるには、エネルギーが必要なのも事実です。そこで、例え小さなことであっても「できるようになったこと」に目を向けてもらうことが大切になります。現在挑戦していることは無駄ではなく確実に前に進んでいるのだという実感がもてれば、さらに行動を続けていこうというモチベーションが高まります。

このようにして、新人・若手社員が自ら思いきって行動していく機会を増やしていくと、周囲が関わりやすくなり、学びが増え、徐々にうまくいくことが増えて、少しずつ自信をつけていきます。こうしたステップを経て、もう一段難しいことにチャレンジしようという気持ちが生まれていき、やがて一人前へと成長していくのです。


施策例

事例:専門サービス・コンサルタント関連企業 新人・育成者で困難に向き合うスタンスの育成に取り組む

背景

  • 事業拡大のため、新入社員採用を急速に拡大したが、厳しい仕事・職場環境のため定着せず、一般的な水準よりもかなり高い比率で退職者が出ていた

施策

  • 入社1年目の社員に対して、社会人としての基本行動や業務スキルだけでなく、困難に向き合うスタンスの育成を目的とした研修を実施し、定期的にフォローした
  • 育成担当者にも、新人・若手社員の特徴の理解と新しい育成スタンスを身につける研修を行い、その成果進捗共有会を2〜3回繰り返して、定着を図っていった

成果

  • 施策を実施した翌年の新入社員の退職者がゼロになり、若手が一人前になるスピードが向上した
  • 育成が難しいのではないかと言われていた新入社員が、大きく成長していく事例が生まれた

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