課題解決のポイント
親会社依存から脱却するための営業組織づくり
昨今、親会社の業績不振やグループ内の発注ルールの変更などによって、取引が見直されるケースが増えています。今まで親会社に依存してきた会社が外販(グループ会社、親会社以外の顧客への営業活動)にシフトする際、あるいは新たな営業組織を立ち上げる際には、通常の営業力強化とは異なるハードルを越える必要があります。ここでは、親会社依存から脱却し、外販を推進する企業に特有の課題を解決し、戦える組織を作るための方法をご紹介します。
現状課題の把握
外販シフトを成功させた企業に共通しているポイントは、「営業担当」「マネジャー」「仕組み(組織体制・制度・会議体など)」が整備され、個々の能力や労力が価値として効率的に顧客に伝えられていることです。まずは、自組織の現状課題について、関係者が共通認識をもつ必要があります。以下は、弊社が提供する「営業組織の現状チェックリスト」の一部を抜粋したものです。
●営業組織の現状チェックリスト(抜粋)
「Stage 0」(組織立上げ当初)で発生する問題例
営業担当
□営業担当としての役割を明確に認識していない
□ターゲット顧客や優先順位が決められない
□目標達成計画や営業計画が立てられない
マネジャー
□マネジメントの役割を明確に認識していない
□組織や自身について「変革」の必要性の認識が弱い
□自身も営業経験がなく、活動の是非の判断ができない
仕組み
□自組織の目指す姿が不明確、または伝達されていない
□案件や顧客を管理する仕組みがない
□営業プロセスを進捗管理・評価する仕組みがない
変革ステップの検討
新しい営業組織の立ち上げや大きな戦略転換の際には、「あれもこれも」とすべきことが多く発生し、それぞれの整合性や優先順位などの検討が不十分のまま、各担当がバラバラに進めていくケースが散見されます。そうした場合、営業現場にはさまざまな指示が矢継ぎ早に届き、それに振り回されるばかりで生産性が一向に上がらないといった現象が起きます。 営業組織の変革は一足飛びにいくわけではありません。いつまでに何を実現していくのかという「目指すべき姿」を定め、どの順番で、どのように施策を打つかというシナリオを描いた上で、関係部門の合意を得て、施策を具体的に実行していくプロセスが不可欠です。
弊社は、多くの企業をご支援してきた経験から、組織の現状に応じて打つべき施策や陥りがちな失敗をモデル化しました。これを「営業組織の変革ステップモデル」と呼んでいます。このモデルでは、営業組織の変革ステップを「Stage 0」から「Stage 3」の4段階に分け、各段階で生じる問題や対応策をまとめています。このモデルを参考にして自組織の変革ステップを策定することで、意思決定がブレずに、最も効率的な施策を選択することが可能となります。
施策事例
事例1精密・光学機器関連企業
外販営業組織の立ち上げ
- 背景
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- 市場の成熟化や競合の参入により、親会社からの発注が徐々に減少していた
- グループ内の事業会社単体としての採算性を求められていた
- 施策
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- 営業トップが旗振り役となり、給与制度・組織体制の変更などの改定を行った
- 直面する課題を明らかにし、現実的な変革ステップを中長期(3年間)で描いた
- バラバラだった営業プロセスを言語化し、プロセスの共通理解とスキル付与のために研修を実施した
- 7割以上の営業担当が行動の変化を実感する手ごたえをつかんだ
- 営業担当1人あたりの平均売上高が約2割向上した
- 高業績者の人数が約5倍に増加した
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