課題解決のポイント
能動型ソリューション営業への転換
昨今、法人営業を行う企業から、「提案型の営業への変革が進まない」「受け身の営業から脱却できない」といったお悩みの声をよく伺いますが、こうした提案営業力強化が課題となる背景には、お客様側の状況の変化があります。これまではお客様の業績が堅調だったため、必要な予算が確保しやすく、顕在化した課題を早く着実に解決することが重要なテーマとなっていました。
しかし現在、多くの日本企業は、限られた予算のなかで多数の問題のうち何から解決すべきか、どのテーマから取り組むと最も費用対効果が大きいのかを、常に模索しています。おそらく今後はさらにその傾向が強まるでしょう。顕在化した問題を解決する営業と、取り組むべき課題から思考する営業とでは、営業活動の進め方が抜本的に異なります。後者を我流で実践するのは簡単なことではありません。そのため、今の時代に合った提案営業力の強化が、営業組織の重要課題となっています。
では、どうしたら 今の時代の「提案営業力」を強化できるのでしょうか。そのポイントをご紹介します。
受動型から能動型へ転換する
今の時代の提案営業では、お客様の要求にスピーディかつ実直に応える活動よりも、お客様が取り組むべき本質的な課題を、営業側がリードしながら一緒に明らかにしていく活動が重要になっています。つまり、「受動型ソリューション営業」から「能動型ソリューション営業」へと変化してきているのです。
3つの力を身につける
能動型ソリューション営業の実践には、お客様ならではの課題の仮説を描き、さまざまなお客様関係者にアプローチして顧客理解を深め、お客様と一緒になって本質的な課題を明らかにしていくことが重要です。その実践に向けて鍵となる3つの力は次のとおりです。
1つ目は、「仮説構築力」。これからの法人営業には、お客様ならではの課題の仮説を描く力が必要です。2つ目は、「対人対応力」。お客様のタイプに合わせて進め方や接し方を変え、良好な関係を構築する力です。本質的な課題を明らかにしていく過程では、さまざまなお客様関係者と関係を構築し、お客様の状況を幅広く、深く把握することが重要です。3つ目は、「共創型のコミュニケーション力」。これは、お客様から言われたことに対応するだけでなく、お客様が取り組むべき本質的な課題を、お客様とのやり取りのなかで明らかにしていく上級のコミュニケーション力が、能動型ソリューション営業に最も必要とされる力です。
施策事例
事例1コンサルタント関連企業
能動型ソリューション営業への変革
- 背景
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- 今までの受け身の営業スタイルから脱却できず、業績目標の達成が難しくなっていた
- 毎年実施しているCS調査のコメントで、「お願いしたことには実直に対応してくれるが、営業側からの能動的な提案がない」との声が増加し、営業部門の最重要課題となっていた
- 施策
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- 仮説構築や対人対応力、共創型コミュニケーション力を強化する研修を実施した
- 学習→実践→振り返りを繰り返すアクションラーニング形式の施策を設計し、研修後に実施した
- お客様への価値提供に向けた創意工夫の会話が、職場で交わされるようになった
- お客様とのコミュニケーション量が増え、提案件数が増加した
- CS調査で、「同社から積極的に提案してくるようになった」といった改善コメントが見られるようになった
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