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連載・コラム

スタートアップ企業・キッズライン創業者が次世代経営チームを創るためのCES

CESを通じて生まれた“創業者を超えていける”経営チーム

読了時間:10

  • 公開日:2026/04/13
  • 更新日:2026/04/13
CESを通じて生まれた“創業者の私を超えていける”経営チーム

キッズラインは、24時間スマートフォンから依頼できるベビーシッター・家事代行オンラインマッチングサービスです。2014年7月7日、創業者の経沢香保子氏が「日本にベビーシッター文化を」というビジョンを掲げ創業しました。その11年後の2025年12月26日、経沢氏は代表取締役社長を退任し、福田太樹氏が後を引き継ぎました。

社長退任の10カ月ほど前の2025年春に、経沢氏は弊社が公開しているサイバーエージェント藤田晋氏の記事を読んで、弊社のコミュニケーション・エンジニアリング・サービス(以降CES(セス))の存在を知り、すぐに実施を決心したそうです。そして、数カ月後の2025年5~7月には、早くもCESを実施しました。それから半年ほど後に、経沢氏は社長を退任したのです。

なぜ経沢氏はCESにそれほど強い興味を持ち、実施しようと決心したのでしょうか。CESを実施した結果、組織や経沢氏にどのような影響があり、何が起こったのでしょうか。経沢氏ご本人に詳しく伺いました。

●対談者紹介

経沢香保子氏
株式会社キッズライン 創業者

河島慎
株式会社リクルートマネジメントソリューションズ  エグゼクティブコミュニケーションエンジニア

キッズラインは創業者の私抜きで上場を目指した方がよいのではないか、と考えるようになっていた
サイバーエージェント藤田さんの記事を読み、すぐにCES実施を決心
この経営チームなら、会社を大きく育て上げてビジョンを実現してくれると確信できた
CESで皆が語ってくれた想いをスピーディーに実現するためにベストの選択肢を選んだ

キッズラインは創業者の私抜きで上場を目指した方がよいのではないか、と考えるようになっていた

河島:今回、CESを実施するに至った経緯としては、経沢さんから私にお声がけいただいたことがきっかけでしたよね。経沢さんから、「キッズライン社内で、河島さん指名でCESを実施したいです。いつ実現できますか?」と直接リクエストがあったことを覚えています。当時のことを思い出すと、まずは“経沢さんから連絡をいただいたこと”に正直驚きました。女性起業家・事業家として有名な方ですから。そして、オンラインで打ち合わせをさせていただくと、その場で「やることは決めていますから」とおっしゃっていて……。

経沢:はい。そうでした(笑)。

河島:このようなケースは非常に珍しいのですが、経沢さんにはなぜそこまで強い想いがあったのでしょうか?

経沢様の画像

経沢:キッズライン(創業当時はカラーズ)は、私にとって2社目の創業になります。1社目を上場させることができた後、日本にベビーシッターの文化を広めるインフラとなる会社を創ろうと思い、キッズラインを創業しました。当然、上場をしようと意気込んでおり、組織もビジネスも順調に拡大していきましたが、2020年に寸前まで進んだものの、結果的に上場は叶いませんでした。

しばらくは落ち着かない日々を過ごしていましたが、状況が一段落してから、キッズラインは創業者の私抜きで上場を目指した方がよいのではないかと考えるようになりました。そこには大きく2つの理由があります。1つ目の理由は、組織が大きくなればなるほど、私の発言に制限がかかるようになったからです。以前も今も、私は「日本にベビーシッター文化を」というビジョン実現のために、必要に応じて声を上げ、国などに働きかけたいという想いが強くあり、実際にさまざまな取り組みを行ってきました。ところが、組織とビジネスが成長するほど、声を上げにくくなってしまったのです。

それなら、私は社外に出て自分がすべきこと、やりたいことを行い、キッズラインは皆で大きくしてもらうのがベストではないか、と考えるようになったのです。私自身、もう一度上場を目指すとなると60歳になります。

河島:なるほど。2つ目の理由は何ですか?

経沢:「創業者リスク」です。創業者リスクとは、創業者の私の役割を他のメンバーに割り振ることができず、何らかの理由で私がいなくなったときに経営が回らなくなるリスクのことです。私も含めて、スタートアップの創業者は本能的に考えてどんどん行動に移すタイプが多く、組織が属人的になりやすいのです。これは1社目を上場させたときに、コンサルタントに「一番のリスクは経沢さんの妊娠出産です」と言われたときから、ずっと抱え続けてきた長年の課題です。当然、子供が2人いる私が創業者であることのリスクは存在し続けていました。

河島:初めてお会いしたときから、経沢さんご自身が有名であることに伴う影響について話されていましたね。

経沢:そうなんです。元々キッズラインを創業するときに考えたのは、“女性がもっといきいきと活躍できる社会をつくるために、日本にベビーシッター文化を定着させる”ということであり、立ち上げ期には、私自身のこれまでの経験や発信力も活かしながら、その想いを自ら伝えてきました。一方で、キッズラインが今後、社会インフラのような役割を担うようになった時、“経沢色”が前面に出すぎることは創業の精神に異なるのではないかと、会社の成長と共に感じていました。この状況を解消するには、最終的には創業者である私が前面から退く必要もあるのではないか、と考えるようになっていたのです。

サイバーエージェント藤田さんの記事を読み、すぐにCES実施を決心

河島:そこで、まずはマネジメント研修を実施したのですよね。

経沢:そのとおりです。キッズラインの仲間たちは、多くがビジョンに共感して集まってくれました。想いは皆一緒ですが、キャリアやスキルはさまざまで、エンジニアは男性が多く、子育てしながら働いている女性社員も多く在籍しています。私は、彼らにエリート教育を施し、上場を含めて “何かをやり遂げた”といえるものを残してあげたい、と思うようになりました。そのエリート教育の第1弾が、自薦形式のマネジメント研修で、実施した結果、社内のマネジメントやチームワークが明らかに良くなりました。

その研修の後、サイバーエージェント藤田晋さんのCESの記事を読んだのです。すぐに「次はCESをやろう!」と決心しました。

河島:そうだったのですね。CESのどのような点に魅力を感じたのですか?

二人の画像

経沢:私はその頃、創業者リスクをなくすためにも、次期社長候補の福田さんを中心とした経営チームに後を任せたい気持ちが少しずつ大きくなっていました。ですが、いくつかの不安があったのも事実です。

なかでも大きかったのは、「皆は本当にキッズラインを大きくしたいと思っているのか?」という不安でした。キッズラインはベビーシッターのCtoBtoCのプラットホーム事業です。キッズラインが大きくなることは、そのまま日本にベビーシッター文化を定着させることになると信じてきました。

しかし当時は、幹部や社員の皆は事業の安定運営に注意を払うばかりで、事業を大きくするということに興味があるのか不安でした。ベビーシッターさんの採用や育成にしても、“安心安全”を優先するなかで“厳しく制限”する方向性に舵を切っていました。もちろん、安全・安心は事業の根幹であり、そこを蔑ろにするつもりはまったくありません。しかし、そのうえで、キッズラインというプラットホームを活用する方を増やすことを考えないと、育児や家事に追われて働けない方を日本中に増やすことにつながりかねません。このままでは、“女性がもっといきいきと活躍できる社会をつくるために、日本にベビーシッター文化を定着させる”という目標を実現できなくなるかもしれないと危機感を覚えました。

私は、皆が本気で規模拡大を目指し、ビジョンを実現してくれる確信を持てなかったのです。

河島:何度か経沢さんと打ち合わせをさせていただくなかでも、終始“女性がもっといきいきと活躍できる社会をつくるために、日本にベビーシッター文化を定着させる”という想いとそれを実現できるキッズラインという会社への自信を感じました。だからこそ、幹部の皆さんと本音の部分でも一致しているかどうかが気になったのだと思います。そこが確認できている経営チームであれば、ビジョンの実現に向けた経営を継続的に推進していけると考えられたのですよね。

経沢:そうなんです。仲間たちに経営を託すためにはどうしたらよいのか、ちょうど悩んでいたときに、尊敬するサイバーエージェントの藤田さんが「CESというものを通して後継者チームを創ることができた」「CESは、事業承継をするうえでMUSTの研修だった」「向こう20年は価値のある研修だった」と語っていたのです。記事を読んで「私もCESを実施すれば、後継者チームに安心して後を任せられるようになるのでは?」と直感的に思い、河島さんに連絡したわけです。

河島の画像

河島:確か、3月末の最初の打ち合わせで“やる”と決まって、あっという間に5月にSTEP1を実施することが決まりましたよね。このスピード感も想いの表れだったのでしょう(笑)。

この経営チームなら、会社を大きく育て上げてビジョンを実現してくれると確信できた

河島:さて、2025年5月に3日間の「STEP1:自己発見・探索プログラム」を、7月に同じく3日間の「STEP2:戦略推進マネジメント・社史プログラム」を実施しました。参加者は経営チームの7人で、経沢さんにはオブザーブに入ってもらいました。実際にCESプログラムを実施してみて、いかがでしたか?

※基本的なプログラム内容はサイバーエージェント様と同様です。プログラムの詳細を知りたい方はこちらの記事をお読みください。

経沢:6日間が終わったときに一番感じたことは、「お互いを知るということがこんなに大事だったんだ」ということです。CESで対話を重ねて、私と皆の相互理解が深まったんです。

河島:詳しく聞かせていただけますか?

経沢:先ほどお話ししたとおり、実施前までは、皆は本当に事業を大きくしたいのかなと多少疑問に思っていたんです。でも、最初の3日間で得た一番の気づきは、「実は、全員がビジネスを拡大したいという強い意欲を持っている」ということでした。皆が口々に「キッズラインを圧倒的に大きくしたい」「上場したい」「新規事業にチャレンジしたい」などと語ってくれたのですが、そんなふうに思っているとは知らなかったので、本当に感動したのです。これまでは私がビジョンを語って皆をリードし、皆がついてくるという関係性になっていたために、私からは皆の意欲がよく見えていなかったのです。実際には、私と皆が目指すところは一致しており、何も心配することはありませんでした。

河島:事前インタビューのときにも、参加者の方々から個別にそのような話を聞けていたのですが、あの場で皆さん全員が言葉として表現されて、一気にエネルギーが醸成されたと感じていました。経沢さんは「ここにいる皆さんみんな神だよ、だから“神7”って呼ぶからね!」っておっしゃっていましたよね。

経沢様の画像

経沢:はい。皆のこれまでの経験を聞いていると、本当にすごい話ばかりで、それをキッズラインで活かしたらもっと面白い会社になる!と思えたんです。

そしてもう1つ、私がCESで明確に気づいたのは“経営チームの大切さ”でした。私のようなスタートアップ創業者は自分の本能に従って1人で意思決定して行動しますが、経営チームのメンバーは、チームで体系的に考えて行動することが大切なのだ、ということがよく分かったんです。

以前は、私と福田さんの2人だけで経営に関して議論することが多かったのですが、STEP2のなかで、他のメンバーも会社の将来をしっかり考えてくれていることがよく伝わってきました。この7人が一枚岩になって持てる力を十分に発揮したら、創業者を簡単に超えていけるはずだ、と感じました。今回、私はCESを通して、「創業者の私を超えていける経営チーム」を創ることができたのだと感じています。

河島:経沢さんはSTEP2の終了後、Xに次のような感想を投稿されていましたよね。

「サイバー藤田社長が絶賛した、6日間のリクルートCE研修(CES)終了。仲間の「志」が重なり合う瞬間を何度も見て胸が熱くなりました。誰かに動かされるのではなく、自ら動き出す経営へのシフトができたと感じます。仲間と共に、私たちが目指すキッズラインの未来を全員で描き切り、力強く意義ある6日間に感動...」

経沢:この感想は今もまったく変わらないです。人と志を重ねることができた時間でした。

CESで皆が語ってくれた想いをスピーディーに実現するためにベストの選択肢を選んだ

河島:CESが終わって半年弱の2025年12月、キッズラインはみんなのマーケットグループへ参画し、経沢さんは代表取締役社長を退任することを発表されました。初めてお聞きしたときにはすごく驚いたのですが、これはCESが関係しているのでしょうか?

経沢:直接的な関係はありませんが、影響は間違いなくありました。CES実施後、私は経営を福田さんたちにかなり任せるようになりました。そのタイミングで、みんなのマーケットグループからグループ参画の提案が届いたのです。最終的に私がグループ参画と社長退任を決断したのは、CESのなかで皆が語ってくれた「キッズラインを圧倒的に大きくしたい」「上場したい」「新規事業にチャレンジしたい」などの想いをスピーディーに実現するためには、それがベストの選択肢だと考えたからです。

河島:そうだったのですね。そのような形で、キッズラインの第二の創業を支える経営チームづくりをご支援できたのは本当にうれしいことです。では最後に、経沢さんが考える“CESの価値”をあらためてお聞かせいただけますでしょうか?

二人の画像

経沢:やはり、CESを通じて「お互いを深く知り合えた」ことが本当によかったと感じています。CESの「STEP1:自己発見・探索プログラム」では、一人ひとりが自らの人生やキャリアを振り返り、全員で皆のストーリーを共有しますが、知らないことがたくさんあり、皆のストーリーを聞いて何度も驚きました。お互いのことを深く知ると、一緒に働きやすくなり、より適した仕事を任せやすくなります。実際、福田さんも安心して他の幹部に仕事を任せられるようになっていると思います。

コロナ禍以降、対面コミュニケーションを通じてお互いを深く知り合うのはますます難しくなりました。だからこそ、CESのような場でお互いを知ることに価値があると思います。研修参加者のなかには、CESを見よう見まねで取り入れて、自分のメンバーと対話を重ねている者もいます。このような対話の場づくりをもっと進めてもらえたら、キッズラインはより良い会社になっていけるでしょう。そのような影響を与えられたことも含めて、CESを実施してよかったと思います。


本コラムでは、弊社のCESを導入いただいた株式会社キッズライン 創業者の経沢香保子氏に、お話を伺いました。

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