企業事例
トヨタモビリティパーツ 大阪・和歌山支社 1on1の浸透と質の向上
1on1実施率は95%に到達 次は質向上に挑戦
- 公開日:2026/02/02
- 更新日:2026/02/02
トヨタモビリティパーツ大阪・和歌山支社は、2021年に1on1施策を始めた。今では実施率が95%に達し、1on1が支社内に浸透している。現在は次の段階として、1on1の質向上にチャレンジしている。具体的にどのような1on1を目指し、どのような取り組みを進めているのか。
トヨタモビリティパーツ株式会社 大阪・和歌山支社 経営企画本部長 執行職 乃一晴彦氏(写真右)
トヨタモビリティパーツ株式会社 近畿エリア本部 人財開発部 兼 大阪・和歌山支社 人財開発部 部長 中野真次氏(左)
トヨタモビリティパーツ株式会社 大阪・和歌山支社 経営企画部 経営企画室 室長 今中宏明氏(中央)
にお話を伺った。
- 目次
- 一人ひとりの声に耳を傾ける「異常に気付くための1on1」
- 上司の1on1スキルは明らかに向上の余地がある
- 上司も部下も事前準備した上で1on1に臨める仕組みを用意した
- 上司から「事前準備しやすくなった」などの声が届いている
一人ひとりの声に耳を傾ける「異常に気付くための1on1」
トヨタモビリティパーツは、2020年に全国33社のトヨタ部品共販と株式会社タクティーが統合して生まれた会社だ。統合後作成した、大阪・和歌山支社の中期経営計画(2021~2023年度)では、既存事業の強化と新領域へのトライを同時に進めるビジョンを打ち出した。「両利きの経営」だ。これを受けて、大阪・和歌山支社は新規事業プロジェクトを次々に立ち上げた。「大阪・和歌山支社の特徴であるチャレンジ精神を最大限に生かしながら、新領域へのトライを進めたのです」(乃一氏)
トライするうちに、アクセルだけでなく、必要に応じてブレーキを踏む必要があることが分かってきたという。「社員の声に耳を傾け、一人ひとりの心身を大切にしなければ、チャレンジを長く続けていけません。私たちは、支社中期方針の目指す姿に『お客様がしあわせに働くみんながしあわせになる会社』を掲げています。新領域へのトライに合わせ、働くみんなが幸せであり続けるための追加施策が必要だと考えました」(今中氏)
そこで大阪・和歌山支社は、2021年から「1on1施策」を独自にスタートした。「この1on1は、『“いつもの状態”を知る時間』です。メンバー一人ひとりの“いつも”を理解することで、ちょっとした変化=“異常”に早く気付くことができます。そして、異常があったときには、立ち止まることができる─そういった『安全装置』としての1on1なのです」(今中氏)。上司は部下の気持ちや状況を丁寧に理解し、メンバーは正直な気持ちを安心して話す。この積み重ねによって、「いざというときに止まれる風土」が育まれ、誰もが安心してチャレンジできる職場へと変化していった。
しかし最初は、1on1の実施率が上がらなかったという。「部下はもちろん、上司も1on1経験がなく、1on1の内容や効果や意味がよく分かっていなかったからです」(今中氏)。そこで1on1研修を実施し、管理職に傾聴を体験してもらうところから始めた。また、上司のコンディションが整っているときに実施してもらうため、上司が1on1の日時を設定するといった工夫も重ねてきた。
その後も研修などを積み重ね、実践を続けた結果、現在は実施率が95~96%を推移するほどになっている。支社全体に1on1が浸透し、「異常に気付くための1on1」としても機能しつつある。
「さらに2024年度からは、支社長自ら全営業所を訪問し、所長・GM(グループマネージャー)に加え希望するメンバーと1on1を行う取り組みを開始しました。加えて2025年度からは、支社長や理事が全職場を訪問し、あえて担当領域外の管理者と希望するメンバーで『シャッフル1on1』を実施しています。これにより普段とは異なる視点での対話が生まれています。管理職が上長との1on1を重ねることによって、部下との1on1がより良いものになれば、とも考えています」(乃一氏)
上司の1on1スキルは明らかに向上の余地がある
「このようにお話しすると、私たちの1on1施策が非常にうまくいっているように聞こえるかもしれませんが、そんなことはありません」と語るのは中野氏だ。当然ながら、彼らは一方でいくつもの課題を抱えている。その1つが「成長のための1on1」だ。メンバーの成長をうまく後押しできている上司は決して多くないという。「上司の1on1スキルは、明らかに向上の余地があります」(中野氏)
そのことは、上司たち自身も分かっているという。「管理職からは、『1on1で部下と何を話したらよいかを知りたい』『メンバーに良い時間を提供できているかを知りたい』などの要望が以前から出ていました。本人たちも、1on1のスキルアップや可視化を求めているのです」(今中氏)
上司も部下も事前準備した上で1on1に臨める仕組みを用意した
現在は次の段階として、マネジメント支援ツール「インサイズ」を導入するなどして、1on1の質の向上に取り組んでいるという。
第一に、「異常に気付くための1on1」の精度向上に取り組んでいる。「ワークメンタリティ診断を活用し、精神的にネガティブな状況にあるメンバーを発見しています。その結果、フォローした方がよいと判断したメンバーには、経営企画と人事が両輪となって対応し、必要に応じて対話をする取り組みを開始しました」(中野氏)
第二に、上司も部下も準備した上で1on1に臨める仕組みを用意したという。「1on1支援機能を使い、部下に『自分の話したいトピック』を事前に設定してもらっています。先ほど触れた『1on1で何を話したらよいかを知りたい』という上司の要望に応える仕組みです」(今中氏)
第三に、上司が部下をより知るための取り組みも進めている。「性格タイプ診断を使うと、上司が部下をより深く理解することができます。こうしたデータにも質向上の効果があります」(乃一氏)
上司から「事前準備しやすくなった」などの声が届いている
現在はまだ質の向上に取り組み始めたばかりだが、全体的には好評だという。「4年も1on1を試行錯誤してきたため、支援ツール導入のメリットをすぐに理解できる管理職も多いのです。数名からは、早くも『部下が事前にトピックを設定してくれるから必要な情報や質問を準備しやすくなった』などのポジティブな声が届いています」(今中氏)
また、支社の経営層が支援ツールの活用に高い期待を寄せているという。「経営層にはインサイズ情報をフルオープンにしているのですが、その結果、経営層が個々のメンバーに注意を払ってくれるようになりました。嬉しいことです」(中野氏)
「経営層からはデータの分析活用なども期待されています。力を入れたいことの1つです」(乃一氏)
さらに導入後、管理職の意識が変わりつつあるのではないか、と乃一氏は語った。「私自身、今回の取り組みを始めてから、各メンバーのワークメンタリティが以前よりも気にかかるようになりました。そのような管理職が増えること自体が導入メリットの1つかもしれないと感じています」
【text:米川青馬 photo:角田貴美】
※本稿は、弊社機関誌 RMS Message vol.80 特集2「個別最適とデータで磨く メンバーに寄り添う1on1」より抜粋・一部修正したものである。
本特集の関連記事や、RMS Messageのバックナンバーはこちら。
※記事の内容および所属等は取材時点のものとなります。
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