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能力開発とは? 新人から管理職まで階層別に見る重要性と実践ポイント

  • 公開日:2026/01/30
  • 更新日:2026/01/30

ビジネス環境の変化が加速するなかで、組織の持続的な成長を支えるのは人材の力です。従業員一人ひとりが役割を果たし、変化に対応しながら成果を生み出し続けるためには、計画的な能力開発が欠かせません。

一方で、「研修は実施しているが、能力開発が進んでいる実感がない」「育成が現場任せになっている」といった声も多く聞かれます。こうした背景には、能力開発そのものの捉え方が曖昧なまま施策が進められているということがあるケースが少なくありません。

本記事では、「能力開発とは何か」という基本に立ち返り、その重要性と、階層ごとにどのような視点で考えるべきかを整理します。能力開発の全体像を理解したい人事・育成担当者、管理職の方に向けた“入口”となる内容です。

目次
能力開発とは
なぜ能力開発が重要なのか
能力開発は「階層」で何が変わるのか
能力開発を研修で終わらせないために
まとめ|能力開発とは、人と組織をつなぐ土台である

能力開発とは

能力開発とは、従業員が持つ知識やスキル、思考力、判断力などを高め、業務や役割のなかで安定して発揮できる状態をつくることを指します。

重要なのは、スキルを学ぶことだけがゴールではないという点です。能力開発の本質は、「その人が担う役割において、期待される行動や判断ができるようになること」にあります。

そのため能力開発は、研修だけで完結するものではありません。日常業務での経験、上司や周囲からのフィードバック、振り返りを通じて、少しずつ行動の質を高めていく継続的なプロセスとして捉える必要があります。

研修との違い

研修(Off-JT)は、能力開発を支える重要な手段の1つです。知識や考え方を体系的に学ぶ場として、多くの企業で活用されています。

一方で、研修は能力開発の「出発点」です。研修で学んだ内容を職場での行動に結びつけることで、初めて真の能力開発が実現します。

能力開発は、研修で学んだことを、

  • 業務のなかで試す
  • 上司や同僚からフィードバックを受ける
  • 振り返りを通じて意味づける

といった一連の流れで効果を出していくものです。

なぜ能力開発が重要なのか

能力開発があらためて注目されている背景には、環境変化と役割の高度化があります。

事業環境の不確実性が高まるなかで、過去の成功体験や決まった手順だけでは対応しきれない場面が増えています。その結果、社員一人ひとりに求められる判断や関与のレベルは、以前よりも高くなっています。

また、OJTを通じて自然に育つことを前提とした育成には限界があります。業務が忙しくなるほど、育成は後回しになりがちで、結果として「育つ人と育たない人の差」が広がってしまいます。

こうした状況においては、能力開発を個人任せ・現場任せにするのではなく、組織としてどのような力を、どの段階で高めていくのかを整理して考えることが重要になります。

能力開発は「階層」で何が変わるのか

能力開発を考える際に欠かせない視点が、「階層による役割の違い」です。役割が変われば、求められる行動や判断の質も変わります。

ここでは、新人・若手、中堅・リーダー、管理職という3つの階層に分けて、能力開発のポイントを整理します。

新人・若手に求められる能力開発

新人・若手社員の段階では、まず担当業務を安定して遂行できることが求められます。

  • 上司や周囲の指示・意図を正しく理解する
  • 報告・連絡・相談を適切に行う
  • 業務プロセスに沿って仕事を進める

知識や手順を覚えるだけでなく、「仕事の進め方」として行動を再現できる状態をつくることが重要です。

この段階の能力開発では、OJTを軸に、行動に対するフィードバックや振り返りを通じて、「何ができていて、何がまだ足りないのか」を明確にする関わりが効果的です。

中堅・リーダーに求められる能力開発

中堅社員やリーダー層になると、自身の業務遂行に加えて、周囲と関わりながら成果を高める役割が求められます。

  • 業務の背景や全体像を踏まえて考える
  • 関係者と調整しながら仕事を進める
  • 課題や改善の余地を見いだし、働きかける

この階層では、「自分で正しくこなす」段階から、「周囲を巻き込みながら進める」段階への変化が必要です。

能力開発においては、役割の幅が広がるなかで、判断や関与の仕方を見直す機会を持つことが重要です。プロジェクト経験や他部署との協働など、役割が拡張される経験が成長につながります。

管理職に求められる能力開発

管理職には、個人として成果を出すこと以上に、組織として成果を出し続ける状態をつくることが求められます。

  • 方針や戦略を踏まえた意思決定
  • メンバーの成長を支援する関わり
  • 組織全体を見渡した調整や判断

管理職の能力開発には、日常のマネジメント行動そのものを振り返り、改善していくプロセスが欠かせません。

そのため、研修に加えて、多面評価(360度フィードバック)や上司との1on1など、自身のマネジメント行動について客観的な視点を得る機会を持つことが重要になります。

役割の変化から捉える能力開発の考え方

能力開発を考えるうえでは、社員の階層や経験年数だけでなく、「組織のなかで求められる役割がどのように変化していくか」という視点が重要になります。

弊社のトランジション・デザイン・モデルは、組織における人の成長を、役割の変化という観点から整理した考え方です。多くのビジネスパーソンは、組織の一員としてスタートし、経験を積むなかで、個人で成果を出す役割から、周囲を支え、組織として成果を生み出す役割へと期待が移り変わっていきます。

こうした期待役割の変化を正しく理解し、自身の行動や意識を切り替えていくことが、次の成長段階へ進むための重要なポイントとなります。階層ごとの能力開発を考える際には、「いま求められている役割は何か」「次に求められる役割は何か」という視点から育成を設計することが欠かせません。

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能力開発を研修で終わらせないために

能力開発が形骸化してしまう多くの原因は、「学び」と「仕事」が切り離されてしまうことにあります。

能力開発を進めるうえでは、

  • 日常業務のなかでの経験
  • 上司や周囲との対話
  • 定期的な振り返り

を通じて、学びを行動につなげていく視点が欠かせません。

能力開発は一度きりの施策ではなく、役割の変化に応じて繰り返し見直されるべきプロセスです。その前提に立つことで、育成施策はより実効性のあるものになります。

まとめ|能力開発とは、人と組織をつなぐ土台である

能力開発とは、各階層・各役割において期待される行動が、職場で安定して発揮される状態をつくることです。

能力開発は研修ではなく、継続的なプロセスである
階層ごとに求められる役割と行動は変化する
組織として能力開発を捉えることが重要である

こうした考え方を押さえることで、能力開発は個人の成長にとどまらず、組織全体の成果へとつながっていきます。

※能力開発の「目的」や「目標設定」について詳しく知りたい方は、「能力開発の目的と目標設定|人材成長と企業成長をつなぐポイント」の記事も併せてご覧ください。

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